真夜中の住宅街に轟いた轟音の正体を、正確に把握していた者がどれほど居ただろうか。
アスファルトを切り裂いて粉塵を巻き上げ、ガスに誘爆した極彩色の光が家屋を、車を、人間だったものを紙切れ同然に吹き飛ばす。
冬木、炎上――戦時中の空襲をすら思い起こさせる有様が、街の一角にて繰り広げられている。
人々は悲鳴をあげ、家財道具や金銭を持ち出す暇もないままに脱兎の如く駆け出していく。
夜食を作ろうとしていたのだろうか。
放置されたままのガスコンロが火を零し、それが引火して家屋が燃え、既に地獄めいた様相を呈している住宅街の悪夢をいっそう加速させていく。
最初の爆発音が響いてから、経過した時間はまだ精々十分かそこらだが……既に、犠牲者の総数は二十名を超えていた。
爆心地となっているのは、丁度住宅街の中心部であった。
緋色の輝きを放つ刀身を金髪の偉丈夫が振り回す度に、鮮やかな色彩の熱波が飛び散っていく。
引き裂いたような大口に鏃を思わせる鋭利な歯を覗かせたその男の笑みは、肉食獣のそれに近い。
それも、獲物を前にした時の――だ。
悪意に満ちた顔で被害を拡散させていく彼の真の狙いは、しかし民衆の大量虐殺などではない。
そんなことは、彼にとってもののついで。
庭先に打ち水をする中で、たまたま蟻や芋虫が溺死した。
ほんのその程度。思考の片隅へ留めるにすら値しない、塵芥と比較してなお軽い犠牲の一つ。
では、彼の狙いは何処にあったのか。それはこの光景を見れば、一瞬で理解できることだった。
緋色の剣士と相対するは、糸のように細い目をして、口元に貼り付いたような笑みを浮かべた女。
その手に装着されているのは、クロスボウと呼ばれる武器だ。
ウサギのような軽やかさで跳ね回りながら、鮮やかな手付きで矢を射つ。
しかしその矢は、やはり只の射撃武器ではなかった。
着弾と同時に起こる――小規模な爆発。単体の破壊力としてそれはごく小さいものだったが、連射速度が尋常ではない。
全く出し惜しみする気配がない所を見るに、魔力の消費もほぼ零に近いのだろう。
枯渇とは無縁の燃費の良さから繰り出される弓撃は目に見える破壊力こそ前述したように小さいが、緋色の読みが正しければ、これは毒矢の類だ。
威力の低い爆発でカモフラージュした、必殺性能特化の対人宝具。
サーヴァントに人間用の毒が通じるわけがないのは当然の話だが、それがサーヴァントの宝具や魔術的な意味で効力を高められた毒ならば話が別である。
…………かの有名な、ヒュドラの猛毒のように。
直撃は死に直結する。
そう判断したが故に緋色は、これまで徹底して回避に努めていた。
反撃の度に振るう刃が生み出す被害だけを見れば緋色が優っているように見えたが、戦況はどちらかといえば、弓手の女に傾いている。
しかし彼女は、決して人々を脅かす巨悪と戦う正義の戦乙女ではない。
やはり彼女の目にも、目の前の敵しか写っていないのだ。
そうでなければ――逃げ惑う人々を、虫の息で喘ぐ子供を、平気で踏み台や盾にすることなどとても出来やしないだろう。
通報を聞いて駆け付けた消防車を、レスキュー車両を、緋色の剣戟が蒸発させる。
人体の破片を軽々放り投げて自らの弓で爆散させ、散った飛沫を弓手が目眩ましにする。
あらゆる非道を、今、彼らは非道とも思わずに行っていた。
正体秘匿の原則すら忘れ去った外法のサーヴァント達に、戦いを止めるという選択肢はない。
どちらかが消滅するまで、永遠にこの破壊は、この戦いは続くのだ。
終わることもなく。果てもなく。
そう――どちらかが、消えるまで。
――――そしてその時、人々は「流星」を見た。
「な……」
「……はぁ?」
驚いた声をあげるのは、双方のサーヴァントである。
真実、この事態は彼らにとってお互いに予想外のものだった。
夜空から降り注いだ、緑色の輝きを放つ流星。
その数も、一つや二つではない。
四十、五十……それすらまだ超えて、六十にさえ届く数の流星群が、瞬時に真夜中の住宅地を蹂躙していったのだ。
その光景は遠くから見れば、この世ならざる美しさであった。緑に輝く流れ星という不可思議が、赤く赤く燃え盛る街並みに降り注いでいく――
「……が」
「! ――マスターッ!!」
これまでの余裕づいた笑みを初めて崩して、弓手のサーヴァントが背後を振り返る。
だが、時既に遅い。そこでは彼のマスター「だった」青年が、電車にでも轢き潰されたように上半身だけになって転がっていた。
そして、その場で蠢く何かがある。焦げ付いたそれは、星のような形をしていた。
有機的に蠢いていることから察するに、ヒトデか何かだろうか。されどこの生き物らしきものの分類が何であるかなど、重要なことではない。
重要なのは、これが流星の正体であるということ。
このおぞましくも汚らわしい巨大な棘皮動物が、自らのマスターを殺傷したということ。
「貴様……よくもッ!!」
毒の矢がそれを射抜き、ヒトデは暫くのたうち回った末に、ピクリとも動かなくなった。
されどその時、弓手は忘却していた。
勝利を誓った主人を殺害された怒りで脳を焦がすあまり、これが戦いの最中であること、そして討つべき敵は未だ健在であるということを一瞬忘れ去った。
そして緋色の蛮人は、それを見逃すような阿呆ではない。
緋色の剣が振り抜かれ、弓手……アーチャーのサーヴァントの首が宙を舞い、斬撃の熱波で見るも無残に焼け焦げて消滅していく。
それを見送る緋色……セイバーの顔は、しかし勝利したことへの充足感とは無縁のものだった。
当然だろう。元より彼は闘争を愛し、楽しむベルセルク。
実質横取りのような形で自分の獲物を奪われたのだから、堪ったものではない。
……見れば、そこかしこに決闘の邪魔をしてくれた、ヒトデ達の姿が見えた。
彼らは皆一様に黒焦げだったが死んではいないようで、その皮をペリペリと破り捨てながら、ヒトデとは思えない速さでセイバーの方へと猛進してくる。その光景は実に異様なものであり、さしものセイバーも一瞬は呆気に取られてしまった。
とはいえ、強さはたかが知れている。
一撃当てれば切り裂ける、その程度のつまらない相手。害獣。
……結局この夜に降り注いだ緑色の流星……正しくは巨大ヒトデの軍勢は、このセイバーの手で一匹残らず掃討されることになった。
――深夜に起きたこの大火災は、言わずもがな全国規模の大ニュースとして世間を賑わせた。
しかしその中で、あの緑色の流星群について触れている報道はほとんどない。
陰謀論の展開を得意とするオカルト雑誌や天文誌の片隅にちらりと載せられた程度だ。
冬木市民の間にも少なからず目撃者はあったが、そのほとんどが、「不思議なこともあるのだなあ」くらいの認識で片付けてしまっている。
誰も、あの夜の真相を知らない。
聖杯戦争という戦いがあったことも――その渦中となったあの街に、何が居たのかも。
根源への到達という悲願を優先するあまりに秘匿の原則を忘却してしまい、その結果として無残な死に様を晒した魔術師。それが彼なのか、それとも彼女だったのかすら今や定かではないが、一つだけ確かなことがある。
彼あるいは彼女は、戦う場所を選ぶべきだった。
魔術師らしく人目を憚り、この世界で生活する一般人に配慮して立ち回るべきだった。
もしもかの魔術師がもっと慎重且つ冷静な思考回路で戦場を選択していたなら、少なくともあんな外れくじを引くことはなかったろう。
言い換えれば、運が悪かったとも言える。
そう、アーチャーのマスターは運が悪かった。
冬木市に幾つもある住宅地の中で、よりにもよってその場所を選んでしまった。
サーヴァントの攻撃宝具にも匹敵し得る大規模破壊を可能とする、緑色の爆弾に接続された星の王族が住まう土地を、選んでしまった。
視界のすべてが燃えていた。少女の世界の、何もかもが壊れていた。
ついさっきまで家族みんなでご飯を食べていたおうちの中が、どこもかしこも真っ赤っか。
両親の姿はどこにも見えない。居るのか居ないのかすらも、瓦礫に隠されていてわからない。
少女もまた、無事ではなかった。
どこかを骨折したりは幸いしていないようだったが、家具に足を挟まれていて身動きが取れない。
たすけてと泣きながら叫んでも、逃げ惑う見知った顔の人々は少女に見向きもしてくれない。
やだ、助けて、こわいよ、くるしい、いたい、あつい――
それはとても、まだ十年も生きていないような幼子に耐えられる状況ではなかった。
恐怖とパニックで叫び散らした結果声が枯れ、意味を成さない言葉を漏らして手を伸ばすしか出来ない。
そんな少女の姿を嘲笑うように、彼女の家を構成していた柱の一本がぐらりと大きく揺らいだ。
炎で真っ赤に彩られたその柱は、大の大人ですら一発で押し潰してしまうほどの大きさがある。
少女は詰みという言葉は知らなかったが、彼女はこの時、"詰んでしまった"。
幼いながらに自分がもうどうにもならないのだということを自覚した瞬間、彼女の恐怖と絶望、そして動揺は最高潮に達する。
――びゅおん、びゅおん、びゅおん、どがあん。
どこかで凄い音がしている。
緑の流れ星が空を翔けていく。
けれど流れ星は少女を助けてくれない。
燃え盛るギロチンが、その無垢な命を押し潰さんと降り注ぐ。
少女は本能的に、自分の頭が潰され、体が燃えていく未来を幻視した。
「……メテオテール!!」
闇夜を切り裂き響く声。少女に、それに気付く余裕はなかった。
ぎゅっと反射的に目を瞑って体を縮こまらせる彼女だったが……果たしてどうしたことだろう。いつまで待っても、重さのやってくる気配がない。
恐る恐る、目を開ける。するとそこには、予想だにしない光景が広がっていた。
燃える柱が、空中で止まっている。
リボンのような物体に絡め取られて、完全に動きを止められている。
次の瞬間、ここまで少女から逃げるという選択肢を奪い続けていた足下の家具が新しいリボンで持ち上げられ、彼女に自由が帰ってきた。
とはいえ、まだ足は痛む。走ったり出来るかは少し怪しい。
そんな少女の体が、ゆっくりと抱き上げられる。
幼い命を抱き上げた人物の姿に覚えはなかったが、少女はこういう存在を知っていた。
子供達の味方。小さい内にだけ信じることの許される希望。
……アニメの世界の住人。魔女っ娘が、そこにいた。魔女っ娘はスクーターのような乗り物に乗ると、少女を抱えてひとっ飛び。
その不可思議極まる光景を目にした野次馬や救急隊員から驚きの声があがるが、慣れているのか、魔女っ娘に動じた様子はなかった。
そして少女を救急隊員に預けると、彼女の中に未だ蟠っている不安を吹き飛ばすように、優しく笑いかけて一言言った。
「また、あとでね」と。
それから魔女っ娘はまたスクーターに乗って飛び去り、火の手の方へと戻っていった。
……それを見送った少女は、嘘のような本当の出来事に出会った衝撃で、何度か目をぱちくりとさせた。
けれどその後、糸がぷつんと切れるように意識を失ってしまう。
無理もない。そもそも、これまで気絶せずにいられたこと自体が奇跡なのだ。
眠ってしまった少女はそのまま救急車に乗せられて、市内の病院へと搬送されていく。
傷はごく軽傷だが心のケアや経過を見守るという意味で、数日は入院生活だろう。
魔女っ娘から引き渡された彼女を抱き、救急車へと乗り込んだ隊員もまた、大惨事の中に舞い降りた非現実的な救世主の姿に興奮冷めやらぬ様子だった。
ただ。その顔が一度、怪訝そうなものに変わる。
その時彼の視線は、少女の右手に注がれていた。
そこにあるのは赤い文様。刺青かと思ってなぞってみるが、どうもそうではないらしい。
何だろうか、これは。
……隊員は不可思議なものをそこに感じはしたものの、しかし別に怪我や病気の類ではなさそうだという理由から、すぐにそこから意識を外した。
この日冬木の一角で突如として勃発した大火災により、二十名もの尊い命が奪われた。
だが、何せ夜中の出来事だ。本来なら、もっと被害者は多くて然るべき筈。
生還者と野次馬、その場に駆け付けた救急隊員まで、事件を見ていた人間は口々に語る。
魔女っ娘が助けてくれた、と。緑の流星群と共に現れた魔女っ娘が、火の中からたくさんの人を助け出してくれたのだと。
――それでも。この話は、めでたしめでたしでは、終わらない。
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冬木市中に轟いた、深夜の大火災の報。
そしてその中で人々を助けるために尽力した魔女っ娘の姿。
変身を解除して人間の姿になった魔女っ娘こと
星野輝子――正しくはサーヴァント・キャスター――は、病院の廊下で溜息をついた。
彼女を召喚したマスターは、言わずもがなあの時最初に助けた少女である。
あんな騒動に巻き込まれるには……更に言うなら聖杯戦争なんてものに巻き込まれるには、あまりにも幼すぎる女の子だった。
それに、戦えないのは彼女だけではない。
キャスターは、サーヴァントとしては外れもいいところの弱小英霊だった。
何しろ、それらしい攻撃の手段がほとんどないのだ。かと言って致命傷を回復させられるような、便利な能力だって持っちゃいない。
要は、先行き不安どころの話ではなかった。
それで聖杯戦争を止めようと考えているというのだから、我ながらお笑いである。
キャスターは魔術師ではなく、あくまで魔女っ娘。
目的のために何かを切り捨てるなんてことしたくはないし、それが人の命ならば尚更だ。
そんな彼女が聖杯戦争に意気揚々と乗り気になるかといえば、そんなことは勿論決してないわけで。
となると必然、彼女の方針は聖杯戦争そのものを中断させる、というものになる。
ただ、最優先はやはり自分のマスターだ。彼女を生きて帰すことを最優先にしつつ、結べる限りの同盟を結びながら、聖杯戦争の破壊に向けて動く。
幸い生前の経験上、人と関わることは得意だ。
交渉の真似事だって、やろうと思えば下手くそなりに頑張れる自信はある。
だが――今の彼女には一つ、大きな悩みの種があった。他ならぬ、マスターのことだ。
キャスターは、マスターは聖杯戦争について関わるべきではないと考えている。
目を覚ました彼女とは既に対面しており、お互いに話もした。
彼女は魔女っ娘と実際に会えたことに激しく興奮し、えらく大はしゃぎしていた。それが微笑ましくて、だからこそ尚の事、キャスターは彼女を巻き込みたくないと思ってしまう。……だって、巻き込んだ結果がこれなのだから。
二体のサーヴァントの交戦によって、一個の住宅街が廃墟街に生まれ変わった。
何事もなければ今頃小学校で友達と遊んでいただろう小さな子どもが、こうして病院暮らしを余儀なくされている。キャスターは初めて、自分が魔女っ娘であることに感謝した。もしも自分が子供受けする"魔女っ娘"でなかったなら、彼女の動揺や恐怖を和らげるには限界があったろう。
そして次も、昨日のように守り切れるとは限らない。まともに戦えもしない弱小サーヴァントがマスターを連れて戦場に立つなど、自殺行為もいいところだ。
小さな子どもは好奇心の塊である。聖杯戦争のことを伝えれば、たとえどんな約束を取り付けても、きっといつか関わってしまう。
だからキャスターは、彼女に聖杯戦争に関する知識を与えていなかった。
正確には聖杯によって既に与えられているようだったが、魔術師や大人向けの説明では、いまいちよく理解できなかったのだろう。
それでは、知識を持っていないのとほぼ同然だ。
「……ごめんね、××ちゃん」
キャスターは、自分のマスターは助けられた。
キャスターが助けなければ失われた命もたくさんあった。
しかし、キャスターが助けられなかった命の方が多い。
そしてその中には、彼女のマスターの両親の名前もある。
……医師はまだ、彼女に伝えていないらしい。
当然だろう。今のあの子は、魔女っ娘であるキャスターに助けられ、お喋りまでできた歳相応の興奮で元気を保っている状態だ。
心の傷が今は痛んでいない、それだけのこと。治りかけの傷は、ちょっとのきっかけで容易に開いてしまう。
たとえ偽りの家族、偽りの友達だろうと。
キャスターは、もうあんな小さな子どもに何一つ失わせたくなかった。
子どもの味方である魔女っ娘として。動乱の神化時代を駆け抜けた、"超人課"の一員として。
「……あなたなら、どうしますか?」
キャスターはサーヴァントとしても、人としても、あまりに未熟だった。
だからつい、返ってくるはずのない問いを投げかけてしまう。
廊下の窓から晴れ渡った空を見つめて、その名前を口にしてしまう。
「ねえ――璽朗さん」
▽
キャスターは何も知らない。しかしその無知は、彼女にはどうすることも出来ないものだった。
星野輝子のマスター、××××の入院期間は現在、最低でも二週間とされている。
彼女の傷はごく浅く、健康面での問題はないと分かっているにも関わらず、である。
その理由は、彼女の体にあった。正しくは臍の部位。そこにある、海星類(ヒトデ)のそれに酷似したもう一つの口。
人間にあるはずのない異形の部位。それを見つけた医者達は、皆一様に混乱を示した。
奇形だとしても、こんな身体異常は過去に例がない。どう対処したものか分かりかねていた。
だから取り敢えず長い入院期間を設定し、そこで検査を進めていき、今後のことを決めていく。医者はどうやら、そういうプランを建てたらしかった。
――星野輝子は何も知らない。自分のマスターもまた星の子と呼ばれるべき存在であることなど露も知らずに、頭を抱え続けている。
住宅街を蹂躙した緑の流星。降り注いだ怪物。
それは全て、彼女の恐怖と動揺が呼び寄せたものだ。
いわば××××……"
SCP-155-JP-1"という記号の名を持つ少女は、人の形をした爆弾なのである。
彼女が癇癪を起こせば、空から醜い星々が降り、必ずや地上を蹂躙することだろう。
その彼女がもしも。自分の両親が死んだという話を聞いたなら、どうなるか。
星野輝子は何も知らない。
星のお姫様も、何も知らない。
彼女たちの聖杯戦争は、始まってすらいない。
【クラス】
キャスター
【真名】
星野輝子@コンクリート・レボルティオ~超人幻想~
【ステータス】
筋力E 耐久D 敏捷C 魔力A 幸運A 宝具B+
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
道具作成:D
魔術的な道具を作成する技能。
陣地作成:D
魔女として、自らに有利な陣地を作り上げる。結界の形成が可能。
【保有スキル】
変化:EX
チャンネルセットと呼ばれる道具を使うことで、魔女っ娘に変身する。
変身していない間、輝子はステータスを視認されず、傍目からは人間と見分けがつかない。
魔法:B
メテオテールと唱えることで、魔法を使うことができる。
変身前でも魔法は使用することが可能で、魔力の消費はほとんどゼロに近い。
カリスマ:-
別次元の支配者となるべき生まれた存在である。
だが輝子はそれにそぐう振る舞いをしないため、このスキルは機能していない。
例外は宝具によって魔女となっている場合で、この時だけはEランクのカリスマが適用される。
【宝具】
彗星の尾(ウル)
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
起き上がりこぼしのような赤い人形の姿をした、輝子のサポートキャラ。
口調は男性年長者のようで、好みの女性には肉体関係を持とうとするなど俗っぽい一面もある。
形は任意に変化し、赤いスクーターのような形状の飛行ユニットになったりもできる。
後述の宝具で変身した輝子が命令することで、彼の意思は無視して剣状の武器に変化する。
星の魔女(ホシノコ)
ランク:B+ 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大捕捉:-
輝子の中に存在する、魔界の女王となるべき魔女の人格。
この宝具は普段封印されており、マスターが令呪一画を使って彼女の変化スキルをワンランクブーストすることでのみ発動することが可能。
魔女状態の輝子は幸運が2ランクダウンする代わりに、宝具以外の全てのステータスが1ランク上昇しする。
これを解除するためには、もう一度令呪を使用し、変化スキルをランクダウンさせて元の状態に戻す必要がある。
【weapon】
魔法。後述するが、魔女化していない状態の輝子は攻撃能力に極めて乏しい。
【人物背景】
激動の神化時代を超人課という組織に所属して駆け抜けた、魔女っ娘超人。
挫折してもめげないまっすぐさとひたむきさの持ち主で、とにかく諦めが悪い。
魔女っ娘という性質が子供のマスターと上手く引き合ったということもあるだろうが、何しろ今回の聖杯戦争は異形の聖杯戦争である。
この地に先に到着していた、「あの男」に引き寄せられた――という考え方も、出来なくはないだろう。
【サーヴァントとしての願い】
聖杯戦争を穏便な形で終結させたい。
他のマスターや自分のマスターが犠牲になるのは以ての外だし、出来ることならサーヴァントも殺したくないと考えている。
【運用法】
令呪を使った強制魔女化を行わない限り、戦闘面での活躍はまず期待できない。
彼女自身の性格も相俟って、マスター相手の不意討ちやキャスターらしい悪辣な戦法を取らせることも令呪を用いでもしなければほぼ不可能。
一応マスターも脱出を狙うつもりだが、それでも戦闘力が心許なすぎるために協力者はほぼ必須。
それでいてマスターそのものが特大の地雷であるため、戦力の充実は早急にどうにかせねばならない最優先課題。
【マスター】
SCP-155-JP-1@SCP Foundation 日本支部
【マスターとしての願い】
???
【weapon】
「彼女自体は」全くの無力。武器を仮に持っていたとしても、彼女ではまともに扱えないだろう。
【能力・技能】
こちらも同じく、「彼女自体は」極めて無力な存在。
しかし彼女はSCP-155-jp-2と称される海星目の棘皮動物とテレパシーでコンタクトを取ることが可能である。
SCP-155-jp-2は上空350km付近の低軌道上に住むヒトデ型の生物で、SCP-155-JP-1に今からそちらへ向かうという旨の情報を発信後、体積を増やしながら彼女の周辺へ向けて音速に近い速度と、誤差を50m以内に抑える程の正確さで降下する。
着地後1、2時間でこれらは数倍のサイズに成長し、彼女へ秒速50cmほどの速度で接近を試み始める。
降下後には既にテレパシー能力は失われているが、SCP-155-JP-1の居場所は感知出来る模様。一方で、彼女の方は彼らを感知出来ない。
また彼らは彼女と一定期間テレパシーによる連絡が取れない場合や極度の心理的動揺が見られた場合にも大気圏へ突入し、数十匹もの個体数で降下する。
言わずもがな降下してくる彼らは極めて高い物理的破壊力を有しており、容易に建造物を破壊し、人命を奪い去る。
降下後の彼らがSCP-155-JP-1に対して何をしようとしているのかは不明だが、彼女を収容していた財団の調査により、あることが分かっている。
――――降下後、彼女へと向かっていく彼ら。その精巣は、ほとんどの場合肥大化しているのだ。
【人物背景】
小学生の少女。見た目も人格も人間の歳相応だが、腹部の臍があるべき部分にヒトデのそれによく似たもう一つの開口部が存在する。
彼女は自分を目掛けて飛来してくる「彼ら」のことを、自分を星の世界へ連れ帰ろうと迎えに来てくれていると信じ込んでいる。
しかし彼女の両親は彼らの降下で家ごと破壊され、彼女を収容し、守っていた財団の職員にさえも彼らは多大な犠牲を出している。
もしかすると本当に彼女は星の世界の王族で、本当に彼らはただ連れ帰ろうとしているのかもしれない。
ただ一つ確かなのは、迎えに来る彼らに、ロマンチックなものなど何一つない。そう、何一つ。
【把握媒体】
キャスター(星野輝子):アニメ第一期、第二期。
SCP-155-JP-1:ttp://ja.scp-wiki.net/scp-155-jp
最終更新:2016年08月30日 16:38