「おい……。何よ、コレは」
「………………………。」
「いや、見りゃ分かるよ。これが応援幕だってことくらいは。そうじゃなくてよ……」
「……?」
「なんで、なんで応援幕に俺の名前が入ってるのよ」
~~~~ 参戦SS ミステリアスパートナー ~~~~
「だからよ、言ってるだろうが。 俺は鬼雄戯大会には出ねーってよ」
「……………………………………。」
「ケッ。何言っても無駄だぜ。そもそもよ、俺は目立ちたくねーのよ」
「…………………?」
「ああ。目立つと碌な事にならねーからな。 卒業までの残り1ヶ月、俺はひっそりと過ごしてーんだよ。鬼雄戯大会なんて目立つイベント、出るわけねーだろ」
「……。」
「……大体よ、何で俺なんだよ。そもそも、ボクシング部の代表はスズハラ太郎でほぼ決まりだろうが。どうせならアイツを応援してやんな」
「…………。 ……………………………………。」
「カカッ。言うねぇ」
「……! ……………………!!」
「知ってるよ。悪気が無ぇーのは。 ただ、ま、俺も同意見だ。アイツじゃ優勝なんて無理だろうな」
「……………………。」
「で、俺に出てほしいってか。 そもそもよ、何でそこまでしてボクシング部を優勝させたいのよ?」
「……」
「あ?」
「……。 …………………………………………。………………。」
「……ケッ。聞かなきゃ良かったぜ。辛気くせぇーのは嫌いなんだよ」
「………………。」
「……オメーが謝る必要なんて無ぇーだろ。 ……それと、もう一つ聞かせろよ」
「……?」
「俺だったら? 俺だったら、優勝出来るのかよ」
「……。 …………。 ………………………。」
「カカッ。……おい、オメー、その手に持ってるやつ、貸せよ」
「……? ……。」
「さっきも言ったがよ。俺は目立ちたく無ぇーんだよ」
「…………。」
「だからよ………これを、まあ見てろよ」
「…………。」
「これならよ。中身が俺だって分からねぇーだろうが」
「………………。」
「ああ、出てやるよ。鬼雄戯大会。聞きたくも無ぇー話を聞いちまったしな」
「…………。」
「ばっ!おまっ!そ、そんな顔するんじゃねえよ!」
「………。……!」
「ケッ。やり辛ぇー女だぜ……」
<<ミステリアスパートナー 参戦>>
最終更新:2014年12月30日 23:22