武藤 雅紀vs蟇郡 苛&満艦飾 マコ

「先手必勝!喰らえ!『大祓詞』!!!」
武藤必殺のボディーブロー!!否、『退魔』攻撃である。
並の悪霊はこれで昇天してしまうほどの聖なる力の籠った一撃である。
「やった...か...?」

退魔の光と土煙の幕が晴れ行く中でボールギャグが怪しく蠢く...。
「っくっくっく、うぬの渾身の一撃がそれか!!この蟇郡 苛の皮膚にも及びはせんぞ!!!」
「なん...だ...と...」

当たり前である。
蟇郡 苛はボールギャグミイラなどといった悪霊などではなく、ただの変態魔人なのだから...。
『退魔』に力をどれだけ込めても何の意味もないのである...。
つまりはただのボディーブロー。鉄壁を誇る蟇郡 苛にとっては蚊の刺す程度なのだ...。
武藤は根本的に力の入れどころを見誤っていたのである。
まぁ、あの見た目では同情は禁じえない...。

「っく、なぜだ!!なぜ、こんなにも『退魔』の力を込めて放っているのに...。」
「ふはははは、いいぞ!もっとだ!もっと俺を殴りつけろ!!!絶頂に達するまでっ!!!」
距離を取ろうとする武藤を布で縛り捕まえては「ほら、もっとだ」と至近距離に引き込む蟇郡 苛。
どうみても悪霊であるかのような振る舞いである。
「オカシイ...何かが...オカシイ」
さすがの武藤も『退魔』の力ではなく純粋な物理攻撃のみが相手に伝わっているのが理解できた。
それでも彼の疑念は止まらなかった。
「オカシイ...何かが...オカシイ」

「っくっくっく。達したぞ!絶頂に!!見よ!これが死縛の装である!!!」
蟇郡の必殺技が決まり、武藤の右腕がへし折れる音が勝負の終わりを告げた。

「っぐ、あがっ...参った...それより...」
最早、彼の目は蟇郡には向いてはいなかったのだ。

「おわ~!先輩強いですね~!!私の対戦相手だったようだけど、ラッキーををじあうygsんbjへg」
突如、滝のように血を花から流す満艦飾 マコ。
「マズイ...こっちだったか!!!」

悪霊はいたのである。武藤の背筋を凍らせていたのは目の前の変態ではなく、その後方からの圧倒的魔力だったのだ。
悪魔の名は...『七つの大罪は貪食、魔王ベルゼブブ』!!!!!!!!
「なんてことだ...全てを食らい尽くす魔王の憑代になれるほどの器があんな小娘に...?」

「な、どうした!!?満艦飾!!!」
「一刻を争う!!手刀を首筋に打ち込め!!」
「む、鼻血の時によくする首トントンか...よかろう...」
蟇郡の首トントンはマコの気を失わせるには十分なほどの威力であった...。
「よし!こっちだ!!!」
刹那、武藤は息を大きく吸い込み、あろうことか魔王を取り込んだのだ。
「ブンブンブン、バカメ、貴様ゴトキガ我ノ憑代ニナレルトデモ...」
「そうサ...分かってイるサ...不十分な憑代デ貴様の魔力も1/10程度シか出せテいなイぜ...」
「ブンブンブン、デハサッサト死ネ!!!」
「あア、お前もナ!!!」
武藤は折れた右腕で自分の丹田を必殺のボディーブローで打ち抜いたのだ。
ありったけの『退魔』の力を込めて...。
「ブンブンブン、グワァ!コンナヨワイ憑代デハ...アバブベブバァァァァフタグン!!!!」

眩い光と共に崩れ落ちる武藤。
「おい!!何をしている!!大丈夫か!!おい!!!...息が...。誰かぁ!救急車を呼べぇ!!」
密かに世界を救った退魔師、武藤 雅紀。この場の誰にもその偉業を知られることなく眠りについた。

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氏名 武藤 雅紀
性別 男性
必殺技名 大祓詞
生年月日 XXXX年XX月XX日
上記の者は真の退魔師であることを証明する
東京都XXX区XXX◎-▼
神道退魔術協会 理事長 八重樫
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最終更新:2014年12月31日 10:55