1ターン目 神社 vs 下っ端空手部員
「月読はどこだアアアア!?」
体育館に響く怒声。声の主は白く透き通る髪を掻き毟り、
今にも飛び出しそうなほどに目を見開きながら叫ぶ。
体育館の中心に『神社』はいた。
突如、体育館に響く低音。マイクチェック。
今、まさに月読がライブを始めようとしている所だ。
体育館は千代にとって教会そのものなのだ。
『MARIYA』教はこの建物と共に歩んできた。
その神聖な場所を穢される訳にはいかぬのだ。
「見ぃつけたァ”ァ”ァ”ァ”ア”ア”!!」
月読に向かって一直線に走り出そうとする。
「押忍!!!」
突如、行く手を阻むかのように胴着を着た数人、数十人の男女に囲まれたのだ。
「ァら、空手部の皆さんでハありませんカ。通してもらってもよいで――」
「押忍!!!!!」
「あの――「押忍!!!!!!」
(は、話が通じないッッ!!)
そして『MARIYA』教の尊厳をかけた戦いが今始まった。
最終更新:2014年12月31日 11:08