紅炎峰コロナ 対 門司秀次 SS
月読七菜の戦いを終えたコロナの前に現れたのは、書道部所属の門司秀次だった。
今この場にいるということは戦いを生き抜いた猛者であることを意味する。
全身に鞭を振るわれたような痕を残しつつも、その瞳は勝者の誇りに満ちていた。
「相手にとって不足はないな」
コロナは残された力を振り絞ると拳に炎を纏わせた。
(互いに手負いの身・・・・・・。ならば短期決戦あるのみ。最大加速で拳を振り抜く!)
試合開始の合図とともにコロナは門司へ向かって急加速!
距離をとろうと門司が放った蹴りを喰らいつつも、射程距離に入り込む!
「これで終わりだ!」
コロナの拳は門司の心の臓を貫くべく神速の動きを見せる。
だが刹那、門司は懐から半紙を取り出し筆を走らせていた。
「ベカラズ!」
半紙に書き記されたのは『殴るべからず』という一文。
墨汁がコロナの眼前に突如出現し、視界を遮る。
「なっ?!」
「悪いがここは俺の領域さ。ルールは守ってもらうぜ?」
コロナの炎拳が虚しく空を切った。
(これが君の能力か。ならば・・・・・・)
コロナは瞬時に攻め手を投げへと変えた。
たとえ、門司が『投げるべからず』と書いたとしてもそのまま締めに移行すればよい!
「ぐっ」
だが、門司は投げをそのまま喰らった。
「勝機!」
続けざまに投げを繰り出そうとするコロナ!
そのとき、門司は筆を不自然に”とめ”、片手を”はらった”。
筆に仕込まれた刀による居合い。
その一撃に耐えうるだけの力はコロナの中に残っていなかった。
―試合後
「・・・・・・負けたか」
意識を取り戻したコロナだが、勝者たる門司は既にその場にいなかった。
「門司秀次。見事な腕前だった。次に戦うときは・・・・・・」
コロナの胸が文字通り熱くなる。
タンクトップが燃え尽きる。
「その墨ごと消し炭にしてみせる」
紅炎峰コロナ 一回戦
対 月読七菜 引き分け
対 門司秀次 敗北
現在の成績 1敗1引き分け
最終更新:2015年01月31日 03:00