人倫探訪記~変な宗教~
「女子高生好きだー。大好きだー。」「JKの太腿ペロペロー!」「JKのお臍ペロペロ~!!」「JKの肘ペロペロ~~!!!」
明らかに学生ではなく、先生にも保護者にも見えない男達が希望崎学園に入って来ました。でも、皆気にしません。だっていつものことだから。
彼らは女子高生教とかいう教団の信者です。2代目教祖が希望崎学園の生徒らしく、昼休みや放課後には教祖の所へ大量の信者達がなだれ込むのです。最初は恐怖を感じるほど不気味に思っていましたが、教祖以外の生徒に手を出す事も無く、いつのまにか学校に馴染んでしまいました。こんな集団に慣れてしまった自分も怖いです。
自己紹介が遅れました。私は「不倫は文化部」所属の高校2年生、コンテス・パラディンと言います。え?プロローグではカタコトだったのになんで普通に話せているかって?何故なら、適当に先輩方から推敲して頂いたからです。弾正院先輩は優しい人なんですよ。私がこの学校に来た時、学年も違うのに一番最初に話しかけてくれて、打ち解けられていない同級生に紹介までしてくれたんです。また、私の居場所として、部活にも誘ってくれました。先輩には感謝しても仕切れませんよ。今回の調査も、部活動の一環です。広報部の振りをして調査だなんて、スリルがたまりません。それでは自己紹介が長くなりましたが、調査結果です。
今回私は女子高生教の教祖さんに直接取材に行きました。教団の人達は最初、私の事も崇めたてる対象にしようとしていた様でしたが、男のパーツが付いて要ることを知るとブチ殺されそうになりました。両性具有の事を理解してもらうのにも時間がかかり、理解してもらった後も複雑な顔をされました。
「アリっちゃアリだけど微妙に戒律に抵触しそうな気もする。」
そんな事を言われました。一応言っておきますが私はそんな所に入るつもりは毛頭ありません。
インタビューに来た事を伝えると、教祖の女子高生那自分賀好世さんは簡単にOKを出してくれました。どうやら最近悪い噂を流されているらしく、良い噂もどんどん流して欲しいとの事です。まあ、私が本当の広報部員だったら良かったんですけどね。今回は弾正院先輩のための情報収集に来ただけですからね。取材後に噂を流すポーズだけはさせて頂きました。
女子高生教の主な活動は女子高校生の素晴らしさを世に広める事です。そのまんまですね。信者の皆さんはその素晴らしさを視覚聴覚嗅覚味覚触覚フル稼働で好世さんから直接受け止め、家族に知られたら絶縁される程の金額を貢いでいるそうです。お金の問題について、私は口を出すつもりはありません。私も部活動でお小遣いを稼いでいるクチですから。ただ、それは大人のお店と同じなのではないかと思って口に出してしまったのです。
それを聞いて好世さんは言いました。
「あんなお店で働いているオバサンと一緒にしないで下さい。女子高生だからいいのです。よくニュースでやっているように、女子高生が怪しいお店で働くと捕まります。でもこれは宗教活動の一環だからセーフなのです。」
信者の皆さんはそれを聞いてがやんややんやと盛り上がりました。あちらこちらで
「好世様サイコー!」
「来月の行事も楽しみだなー。」
行事…?
どうやらこの宗教では、月ごとに色々な行事を作って楽しんでいるようです。キリスト教のクリスマスやイースター、仏教のお盆みたいな物でしょうか。来月の行事はとてもここで口に出せるような内容のお祭りでは無いみたいですが、弾正院先輩に教えれば、多分喜んで撮りに行くと思います。ただ、演技でも先輩が信者になって欲しくはないです。
この後も好世さんにいくつか質問をしました。教団のこと、好世さんのこと、今度の鬼遊戯大会のこと。
最後に何枚か写真を撮らせてもらって、私はそこを立ち去りました。
後日、好世さんと2ショットで撮った写真の現像が出来た時の話です。一枚目の写真に写った好世さんの姿はナイスバディの女子高生でしたが、二枚目、三枚目は気のせいかお腹が膨らみ、胸が萎んでいるような気がしました。
…多分気のせいです。あの後活動時間外の女子高生教の部室前を通った時に異臭がして、興味で覗き込んだら好世さんと同じ髪型と制服のおじさんがなにかしていたのも気のせいです。あれは多分コスプレしてしまうくらい熱狂的な信者の方なんです。
最終更新:2015年02月07日 13:07