人倫探訪記~熱血王子~
ガシャーン
ビチャッ
「スイマセん!本トウニすいまセン!着替エまで借りたのに汚シテしまテすいません!」
皆さんこんにちは。コンテス・パラディンです。今のは当然私の声です。ボイスレコーダーに変な声を入れてしまいました。
今回私が訪れたのはティータイム部。インタビューする相手は部長の多味 倫太郎さんです。私はティータイムを正直舐めていたようです。まさか、ティーカップが、ティーポットがこれほど重いとは思っていませんでした。油断して持ち上げようとしたカップを落としてしまったのです。その時に制服を汚してしまい、着替えのジャージを借りたのです。しかし、今度はティーポットを落としてジャージだけでは無く、真っ白なテーブルクロスを茶色く染め、その下にあったテーブルにも紅茶を染み込ませ、床に敷いてあったカーペットにも染みを付けてしまいました。
私はひたすら謝りました。すると倫太郎さんは気難しそうな顔をしたまま私のジャージを脱がせたのです。あっという間に上半身を裸にされた私に、倫太郎さんは
「濡れたままだと風邪を引くぞ。身体を拭いてやる。」と言いました。
それを言ったのが汚い男の人であれば反射の如く拒否したことですが、実際は女子に人気の格好良い青年、多味倫太郎。私が完全な女であれば、もう彼にメロメロだったことでしょう。いえ、私には弾正院先輩が居ますので、今の発言は撤回します。発言時、なんだか彼の鼻息が荒い気がしましたが、気のせいだと思います。
倫太郎さんがタオルを持ってきました。タオルを貸してもらえれば自分で拭くと言いましたが、頑なに拒まれました。そして、どことなくいやらしい手付きで身体を拭かれた気がしました。やらかしたのは私なので意見を出すことは憚られます。
私は両性具有者なので、上半身だけ見れば完全に女ですが、下半身だけ見れば、男のシンボルが目立ち、完全な男に見えます。しかしここで倫太郎さんはあろうことか、「下も濡れているだろう。」と、ズボンまで脱がそうとして来たのです。これ以上の行為はどう考えてもセクハラ。しかし、彼の素早い動きは私の抵抗で敵うものではありませんでした。
♂
空白の時間………
……
…
彼は気絶してしまいました。まだインタビューをしていませんが、色々と面倒臭そうなので、気絶した彼に「弁償しマスから。」とだけ言ってその場を後にしました。
後日弾正院先輩に訳を話し、弁償代を建て替えて貰いました。先輩の話によると、倫太郎さんの家に直接弁償代を届けたということです。その後倫太郎さんとすれ違う事が何度か有りましたが、尽く目を逸らされました。
弾正院「いや、金が無かったからね。ギターを持ったツインテールの女子のフィギュアとポスターを何種類か送らせて貰ったよ。」
最終更新:2015年04月17日 21:32