紅炎峰コロナ VS 神社 千代 SS

3戦目の相手、神社 千代は無傷のままで現れた。
2回戦が始まってからの時間を考えれば、少なくとも1人の選手とは戦っているはず。
にも関わらず無傷となれば、相当の強者であることは間違いあるまい。
「アなたは神を信じますカ?」
およそ戦場にはふさわしくないような優しい口調で神社は問いかける。
(今日の私は話好きと戦う運命らしい)
自嘲気味に笑いながら、コロナは言葉を返した。
「そうだな。信じるものがあるとすれば、それはお天道様と受け継いだ技だ」
そうコロナが口にした瞬間、
「Es tut mir leid・・・違ウゥ”ゥ”ゥ”ゥ”ゥ”ゥ”!!」
神社は尋常ならざるスピードで聖書を振りかざしてきた!
「くっ」
紙一重のところでその一撃を避けるコロナ。
すかさず反撃を加えるも、不思議と手ごたえは感じられない。
「神ハ『MARIYA』さまノみ!」
およそどの格闘技にもない不可思議な動きにコロナの攻撃が外れ始める。
(ならば、攻撃を誘って一気に殲滅するのみ!)
コロナは胸から高熱を発し、その熱を全身から放った。
「紅炎峰流、陽炎!」
陽炎は身体から発する熱によって周囲の空気の密度を変化させ、人為的に蜃気楼を作り出す技である。
相手の視覚誤認を誘い、攻撃の隙を突いて勝利を狙う避けの極意。
ゆらめくコロナの姿に神社の攻撃が空を切り始める。
(よし・・・・・・あとはカウンターで蹴りを加えれば・・・・・・!)
だが、確実に避けたはずの聖書が眼前に迫る!
見えざる力が働いたとしか思えない攻撃の軌道!
不意を突かれたコロナは脳天に一撃を喰らい、意識を失った。

(あの攻撃はいったい・・・・・?本当の神の力だとでもいうのか・・・・・・?)
薄れゆく意識の中で、コロナは神社の周囲に蠢く”何か”を見た気がした。

神社 千代 WIN!






最終更新:2015年06月21日 21:26