【埴井葦菜VSビンセント・タークハイツ 開戦SS】
希望崎学園、大グラウンド。
その地をコソコソと這いながら、泥棒めいた頭巾を被った少女が暗躍する。
「ゲッヘッヘ、誰が配送業者の真似だけに甘んじるものかしら……民営化でもされてなさいよこのおばか!」
黒い笑いを浮かべながら、鞄にアイテムを詰め込む葦菜。
ちらりと覗くのは……雨竜院と御来光滝が交換するはずだったアイテム!
これは……着服だ! なんたる悪行!!
「ふう、後はどっかであたしを探して迷ってるだろうビンセントを嘲笑うだけ……」
運営への返却を済ませると、一仕事終えた顔で額の汗を拭う。
「ハッ……ハハハ……アーッハッハッハッハ!」
哄笑がただっぴろいグラウンドに響き渡る!
おお、どこかにこの悪女を成敗する者はいないのか!? よしお様よ、寝ているのですか!?(※ さっき起きました)
――そして、その笑い声を切り裂くように、一条の殺気が葦菜を射抜く。
「……!? ま、まさか……!」
姿は見えない。
だが、はっきりと“理解”る。
――いる。
どこから嗅ぎ付けたのか。
それとも、全く見当がつかないながら、宅急部の勘が、あるいはプライドを傷つけられた男の憎悪が、彼をここへ運んだか。
不在票を突き付けるべく――血染めのカンガルーが、潜んでいる。
「チッ……フン! そうね、よく考えれば、逃げ回るなんてあたしの性じゃなかったわね!
いいわ、来なさい! もう二度とあたしに立ち向かえないように、また叩き潰してやるわ!!」
――――大会8日目。大グラウンドで激突するは、
“偽りの配達女王”埴井葦菜VS“血染めのカンガルー”ビンセント・タークハイツ
最終更新:2016年10月16日 20:25