空にまたたくあの星は、
自分が光っていることを知っていると思うか。
そう聴かれたことがある。
星になったことがなければ、星の気持ちは分からないけど。
もし知らないなら星に教えてあげたいですね、とその時は答えた。
私には見えているから。
その星の声がうるさいぐらいに眩しいことを、私は知っているから。
光っていて綺麗だよと、星のことを認めてあげたい。
ならば。
もし、光っているその星に、手を伸ばしている人がいたら。
その星が綺麗なことを誰よりも理解っていて、魅せられていて。
いつかまた、落ちてこないかなと、祈るように待っている人がいたら。
そんな人がいたら、どうする?
彼女は、不幸な生い立ちではなかった。
家は裕福で両親は高収入。
幼いころから容姿は端麗で身体は健康、育ちに何も不自由はなかった。
知能の発達は平均より早く、要領がいい。学校に通えば優秀な成績をたやすく取る。
たくさんの習い事の数々は何をやらせても水準以上の実績を出し、当然のように大人を驚嘆させる。
才覚があり、家に恵まれ、周囲は彼女を異口同音に褒めたたえる。
そこには何の不幸も無い。
ただ一つだけ、家庭に問題のようなものがあったとすれば。
それは場合によっては問題にはならず、むしろ暴力や怒鳴り声を伴った家庭で育つよりはよほど良かろうと考える価値観の者もいるかもしれないが。
両親も、周りの大人も、彼女のことを一度も叱らずに育てたことだ。
それは、仕事で多忙にしている両親が、せめて限られた同伴の時は甘やかそうという角度の違う罪滅ぼしだったのかもしれず。
溺愛と放任主義が合体した結果、『何をやってもいい』という娘にしてみれば無関心にも見える接し方ができあがったのかもしれず。
あるいは、明白に優れた結果を出したことが『こんな優秀な子に目くじらを立てることはない』という怠慢を生み出したせいかもしれず。
それらの全部だったかもしれない理由で。
彼女は『どんなに悪い事をしても、悪い事をしてはいけないとは言われない世界』で育てられた。
他の子ならこっぴどく怒られるようなことをやった場面でも、周りの大人は彼女のことに見て見ぬふりをした。
欲しいモノは、彼女がさほど積極的に欲しがったわけではないモノまで含めて際限なく買い与えられ、わがままを許された。
そのせいで傲慢な価値観を身に着け、己は何をしても許されると錯覚して他者を踏みつける大人に育つ者もいるのかもしれないが、彼女はそうはならなかった。
むしろ彼女はその環境が特異なものであることを、かなり幼いうちから自覚した。
悪さに見て見ぬふりをされるのは、彼女にとって居心地がよくなかった。
むしろ、『叱るのは、あなたの為を想う愛情があってこそだ』という定型句に憧れた。
中学生の段階で髪を染め、早熟にも思われる年頃からパンキッシュな服装で着飾り、深夜徘徊をした。
彼女は『悪い子』になった。
『いい子』のまま得られるものだけで満足できなかったから。
『どうしてそんなことをしたんだ』という声を期待した。
誰もが、顔をひきつらせたりしながら本音ではなさそうに『似合ってるね』と言った。
一連の振る舞いを、咎められることはなかった。
母親にいたっては娘の髪が黒から紫に変わっても、人に言われるまでいっさい気付かなかった。
心ここにあらずの肯定だけを口にするなら、それは無言で対応されるのと似ている。
誰もが空気と会話するように同じことを言うなら、私は透明人間と変わらない。
そう思ったけれど、悲しんで浸ったりはしなかった。
彼女は本当に不幸ではなかったし、憂鬱なんかではなかった。
周りの理解が得られなくて憂欝ですと、そんな簡単に被害者と加害者の枠に人をはめこみたくなかった。
彼女は悪い子にはなったが、非行少女になりたかったわけではないし、有害になりたいわけでもない。
『この子はどうせこうなんだ』と、他人に向き合わないまま人を決めつけるのも、決めつけられた奴に収まるのもごめんだった。
家族のことは嫌いではない。
ただ、見つけてもらえないと自分が勝手に荒んでいるだけだ。
だったら何のために生きがいを持って、誰の為に生きればいいんだろうと、ただ人生に倦んでいた。
――俺と一緒にトップアイドルを目指してみませんか? 新しい世界が見られると思うんです!
――え!? じゃあ……高校生?
――見えない……って、それはどうでもいい。こんな時間にひとりで、危ないじゃないか。
――普通は心配するよ。危険な目にあってからじゃ遅いんだから
そして彼女は、運命の鍵を回してみないかと誘われる。
彼女の紫色も、ファッションも、何より型にはまらない、捕らえどころの無いという特質も。
すべて錆びつかせているだけでアイドルの素質になる、運命の鍵なのだと。
◆
七草はづきが一時避難場所としてアイドル達を連れ込んだのは、事務所からそこまでは遠くない立地に構えられたレッスン室のあるジムだった。
一般には住所が公開されていないこと、内部の人間には周知の場所であるがゆえに臨時職員の送迎車を寄せやすいこと、社長である天井から連絡があった際に、合流しやすいことなどを踏まえたらそこが妥当になる。
事務所で歓談していた数人のアイドル達に運動フロアで待機してもらい、はづきは廊下のベンチに座っていた。
遅めのお昼弁に「ごちそうさま」を言って、お弁当箱を片付け、持参した水筒からお茶をいただいて一息。
(それにしても、
プロデューサーさんはどうして『事務所が危ない』って分かったのかな……)
まず、大前提として今回の避難命令が悪ふざけや勘違い、与太であるなどとは疑っていない。
彼ならば信じられると言えるだけのことを、その青年は築き上げている。
はづきだけでなく、はづきの指示に従って移動させられたアイドル達全員にとってそれは共通の信頼だった。
(つまり、プロデューサーさん自身が、危険に巻き込まれているなんてことは……)
危険を察知できるだけの根拠があったなら、プロデューサー自身もそんな危険のそばに置かれているということにならないだろうか。
何度目かの、そんな心配をしていた時だった。
はづきのスマートフォンが、新たな一報を知らせるべく震えた。
(283プロ(ウチ)のメールアドレス……プロデューサーさん、今、事務所のパソコンから打ってるの? あ、社長にも同時送信されてる)
そこに書かれていたのは、緊急避難を聴いてくれたことを感謝するという前文と、事務所に関しての続報だった。
まず、事務所がどうなったかという現状報告。
(そんな……)
『危ない奴が283プロに近づいている』という警告から想像したのは、白瀬咲耶の失踪に絡んだ悪質なストーカーや嫌がらせの類だった。
そんな想像では、とうてい足りなかった。
たくさんの家具が再利用不可にまで壊され、壁や床にヒビが入っている有り様は、凶悪な武器を携えたヤクザか軍隊でも押し入ったかのような有り様だったと。
危険人物たちが去ったところで、とうてい事務所としての営業が可能な状態ではない。
それはすなわち、この建物を荒らした賊が立ち去ったところで、事務所の開業は絶望的になったことも意味していた。
続く文章には、この惨状をどうにもできなかったふがいなさへの謝罪と、プロデューサー自身の対応について書かれていた。
事情が込み入っておりスマートフォンからでは伝達に向かない為、また通話は警察とのそれに用いそうであるため、警察の許可を取って3階の社長室からメールしている、とも。
一連の流れはこうだ。
警察からの事情聴取を終えた後に、白瀬咲耶の失踪について社会的な影響――他のアイドル達も目にしてしまうような類――の様子を調べるためにSNSやネットを利用して自宅で調査を行っていたプロデューサーは、たまたま『それらしい犯行予告(事務所に爆弾を仕掛けるというステレオタイプ)の書き込み』を見つけてしまった。
しかも、標的は『白瀬咲耶の失踪を看過した事務所およびプロデューサーへの逆恨み』にあるかのごとき文面だ。
本来であればいたずらの可能性が高いと切り捨てられたそれを、プロデューサーは長年、ファンレターの仕分けや厄介ファンの対応をこなしてきた経験による直観で『本当かもしれない』と危機感を抱く。
いったんアイドル達を事務所から話した上でほとぼりが冷めそうな時間に赴くと、事務所が荒らされていることを目の当たりにした。
警察には通報し、聴取はこれから受けるとのこと。
ただ、こういった『事務所荒らし』の事後対応ではままあることとして、アイドルたちへの追及の回避と、捜査情報の隠匿、犯行手口の漏洩防止のために、対外的には『強盗に入られた』程度の扱いにとどめられる可能性が高いだろうとのこと。
ただし、標的がプロデューサー自身であった可能性もある以上、これから自身はマスコミへの露出や外部折衝を厭でも控えるように警察から指示され、引き続き本意ではない欠勤の日々が続くことになるかもしれない、とも。
(こんなの……社長だって、WING優勝とは比べものにならないぐらい泣いちゃいますよ……)
よって、はづきさんも事務所のアイドル達には詳細を伝えないまま、社長か警察との合流を待ってくださいとの伝言で文章は終わっていた。
また、アイドル達には『プロデューサーさんが警告してくれたおかげで助かった』ことにするとまた要らぬ噂の種となりかねないため、これに緘口令をしいて欲しい、とも。
(えっと……ここにいる皆さんにはこの場で言えばいいから、『事務所に来ないように』って電話をした子に、メッセージを送らなきゃですね)
とはいえ、その人数は多くなかった。
避難命令は、もとより活動休止に入っているアイドル、事務所から離れた遠地での予定を組んだアイドル達には伝えられていない。
また、仕事の有無とは別に、仕事終了時に直帰すると連絡をしていた
田中摩美々や、病院で奉仕活動をすると伝えてくれていた
幽谷霧子のように、事務所に来ないことが明言されているアイドルにも伝えていない。
つまり、あの時に事務所にいた人間以外で、『プロデューサーさんの伝言だから』逃げろとはづきが伝えた人物はたった一人だ。
明日のライブを控えた対談の仕事を午前中に設けており、
星野アイと外出するため帰宅時間が不透明になると連絡してきた
櫻木真乃。
(……そう言えば、こんな事になっちゃったなら明日の真乃さんのライブはどうなるんだろう)
ともあれ二人に口止めの連絡を送らなければ、とはづきが切り替えた時、今か今かと待っていた人達が姿を現した。
「ご苦労だったな、はづき」
「あ、社長! 社長こそご無事で何よりですー」
警官らしき目つきの悪そうな男を従えるようにしてその場に現れたのは、283プロダクションの全権を持つ男、天井努であった。
それはすなわち、社長がアイドル達や事務所を心配して姿を現したというだけではなく、アイドル達に事務所の営業停止を伝えなければならない時間が来たことも示していた。
◆
時間はいくらか、それより遡る。
結局、選べないならば二人でちょっとずつ半分こすればいいじゃないという発想で注文された二種類のパフェが、少女ふたりのお腹に収まったころ。
四人掛けのテーブルで七草にちかの隣に、大きな荷物をぶら下げたアーチャーがどさっと腰を下ろした。
「戻ったぞ。そっちはそっちで、上手くやったみたいだな」
「おかえりなさい〜。もう、デザート食べちゃったから待ちかねてましたよー」
「どうもー。引き続き警護よろしくお願いしまーす……あれ、そのプリントみたいなのは?」
パフェ美味しかった!
でもサーヴァントいないと心細い!
という共通見解の寂しさから少女たちはわっと解放されるも、卓上に並べられたのは上質な計画用紙の2セットだった。
「アサシンからの預かりものだ。これから283プロがどうなるかのシナリオだから、読んでおいて欲しいんだとさ」
第一宝具による犯罪計画の『立案』は、つまるところ生前の頭脳労働の再現。
だが『計画書の具現化』は神秘に由来し、マスターの前で初めて使用したときに大量の紙片を出してみせたように、即座に宝具発動時の魔力で練り上げられる。
よって、手渡しさえ可能な状況であれば、計画書を即座に出現させて他人に持たせることが可能だった。
「えー、まだ覚えることがあるんですかぁ……テスト勉強みたい」
口を『3』の字にしてむくれるにちかに、アーチャーが苦笑した。
「休憩冷めやらぬところを悪かったな。けど、もうすぐあんたの姉さんから283プロの全員に連絡がいくかもしれないんだ。
だからそれより先に、今後のカバーストーリーを知っておいて欲しいんだとさ」
どうやら、脳を休めることのできる安息の時間はさほど長くは続かなかったようで。
七草はづきの名前を出されてはやる気を出さないわけにもいかず、二人はムムムと眉を寄せて紙面の内容に眼を通していく。
内容はアサシンが行った『清掃活動』の報告と、それによって予想される283プロダクションや関係者の事態推移について。
アサシンは『283プロの掃除をしてから戻る』と告げていたが、それは厳密には『すっかりきれいにした』という意味ではなかった。
というか、床や壁のヒビに家具の破壊など、短時間の清掃活動ではどうやっても繕えるものではない。
元より『大山鳴動して鼠一匹』の状況にするには人を動かし過ぎてしまったし、これ以上283プロダクションを駆動させておける状況でもない。
相応のカバーストーリーを用意するために、事務所は敢えて『完全には片付けられず、283プロに悪意を持つ者が荒らしていったかのごとく被害の内実をやや改ざんして工作され、状況を演出されたまま残される』とのこと。
そのままでは、『なぜかプロデューサーは事務所が荒らされることを予見していた』という事実が残ってしまい、彼が283プロ関係者や白瀬咲耶の失踪がらみで出入りしている警察などから追及を受けるリスクがある。
大門をはじめとする、警察機構内部で協力を取り付けた事情知らぬ
NPCの網に声をかけ、『既成事実』作りに動いてもらう。
カバーストーリーの為に必要な書き込みや犯行後の削除、『プロデューサーへの聴取は午後のうちに行ったことにする』という口裏合わせなどなどの下準備。
これらは、『プロデューサーによる説得』というシナリオを立案した時点で、それこそにちかが電話をかける以前から準備を整えさせている。
『警察捜査のかく乱』はこの国においても立派な犯罪――アサシンの第一宝具の完全な影響下(レンジ)に収まる事案だ。
よって、このカバーストーリーは東京都内においては真実(実在の迷宮入り事件)として機能し得るものとなる。
NPCはこれらを疑う余地もなく、可能性ある者だろうと『犯罪の解明』として上を行くことは困難だ。
もとより大門という警官には、数日前にプロデューサーの自宅訪問をさせた時点で、毛髪の入手や指紋を付着させた物品の持ち帰りを行わせている。
『プロデューサーの替え玉』作戦進行のために必要な時が来るかもしれないと用意させたものだったが、それは『荒らされた事務所にプロデューサーが一度は立ち入り、そのまま警官の事情聴取を受けた』というシナリオ作成のためのピースとして役立てられた。
そして、同じ『カバーストーリー』を、七草にちかがプロデューサーに電話をしたスマートフォンを介して、プロデューサーにも伝達してほしいとの旨がある。
とはいえ、それは手の内を知られ過ぎないよう、『社会的な追及は向きません』という協力させた分の説明責任におさまる、概略の説明にとどまるものだ。
元よりカバーストーリーに逆らった場合、プロデューサー当人も警察権力の制約下に置かれてしまうため、これに逆らうメリットはプロデューサー側にもない。
そういった情報を伝達した後、役目を終えたその端末は、喫茶店までの道中においてアサシンの指示どおりに水没させられ、所定のやり方で廃棄すること。
実は、こちら側のにちかが電話をかけた際に使われた端末は、にちかの所有物ではない。
アサシンが自身の使用していた端末とは別に、代替え機として用意していた予備の端末からかけたものだ。
決して安い買い物ではなかったはずなのに、脚のつかないところから二機も三機も用意したのはどういう魔法を使ったのか。
「仕事が増えた……」
そうぼやいたにちかではあったが、続くその意図を読み取ってさらに顔をしかめることになった。
これにより、こちら側の七草にちかの連絡先をプロデューサーは知らないままとなる。
向こうが連絡先を知っていることにメリットもあるが、今後『他の敵性マスターとプロデューサーが同盟するリスク』等も踏まえればデメリットが勝る。
ただでさえ『替え玉作戦』を七草はづきらとの接触によって察知された場合、『283プロへの肩入れが大きすぎる。つまり、七草にちか以外にも283プロに関わるマスターがいる』と付け入られる隙がこちらにはある。
もともと、田中摩美々がプロデューサーの情に訴える電話交渉役を担うパターンも計画には入っていたため、リスクを承知で設けた隙ではあったのだが。
(『敵と組んだ場合』とか……付け入ると隙とか……それって……)
また、事務所の片付けと同時進行で、山本がらみで知り合ったヤクザに依頼して、プロデューサーのアパートに見張りの手は置いた。
NPCを直接的な命の危険にさらすような手を打ちにくい以上、距離を置いての監視になってしまうことは避けられない。
ただ、予選期間を利用して第一宝具によって張り込みのノウハウを仕込んでいるため、ある程度の隠匿性は持たせられる。
仮に夜逃げ等の性急な手を打とうとするようであれば、一報は届けられる手はずになる。
ただ、行き先を調べるために尾行するとなると、『サーヴァントに反撃されるリスク』がつきまとい、『事情を知らないNPCに協力させていい仕事』の範疇を超えてしまうため、現状でそれ以上のことは叶わない。
「はぁー」という摩美々の嘆息が、にちかの心臓を跳ねさせた。
ため息の理由は分かる。
ここまで用心を重ねた対応を打っていれば、あまり頭の良い方ではないと自負するにちかにも意図はくみ取れる。
(万が一の夜逃げを予想した監視もつける……やっぱり、あの人は『敵』に裏返るかもって、ことだよね……)
それは、現在のプロデューサーが『仮想敵』としての扱いになっているということ。
「もしかして、私の電話のせい……?」
全て読み終わり、そう呟いてしまい、にちかは勝手に地雷を踏んだかと焦った。
想像の十倍ぐらいすさんでいた。
私のことをしっかり落とした時とは別人のようだった。
なんかふわっとした話し方で、よく分からなかった。
私のことを見ていなかった。
もう一人の七草にちかのことばかり気にしていた。
これでお別れみたいに、『さよなら』って言われた。
電話した時のそういう印象は、メロウリンクに対する念話を通しておおまかには伝えてしまっている。
それを正直に受け取れば、『すさみきった今のプロデューサーなら、聖杯戦争に乗り出すかもしれない』などと警戒しても無理はないだろう。
「ううん……きっとプロデューサーが決めたなら、もっと前からだったと思う」
だが、摩美々はささやくように言ってのけた。
猫のような瞳に、恐ろしいまでの無の感情を乗せて。
この警戒は、決してにちかの電話を大げさに受け止めた過剰なものではないと。
「前から……?」
「だって…………人ぐらい殺さないと、あの人が『にちかに頼まれるまでアイドルのピンチに駆け付けない』って、有り得ないから」
こうして、田中摩美々の焦点は今いちどその男へと推移する。
283プロダクションにいる皆の危機と、幽谷霧子の安否という、当座の心配事が終わった今。
まず真っ先に、想ってしかるべき相手のことだったから。
『プロデューサーは、おそらく聖杯を狙っている』という帰結を、無視できないまま。
そうとしなければ、腑に落ちない点はいくつもあった。
とりわけ、『知らないプロデューサーになった』とでも解釈しなければ、説明がつかない。
そうでなければ、『担当アイドル(白瀬咲耶)の死を受けても引きこもりを続ける』ようなプロデューサーなんて、有り得ない。
あの場で283プロダクションの皆を避難させてほしいと要請したのは、期待があったからだけでなく、試す意味合いもあったのだろうと摩美々は推測する。
名探偵というわけではなくとも、一か月一緒にいれば、アサシンがある程度『情』と『利』を分けて行動を選ぶタイプであることは読めてくる。
未だにプロデューサーが、283プロダクションのNPCが失われることを避けようとするほどには、情を残してくれているかどうか。
その色を見ることも、おそらくはアサシンの目的のひとつだった。
彼の心に、情は残っていた。
だが、感情そのものは、たった一人に向けられていた。
『依頼人(マスター)、共犯者(マスター)。ご休憩中に申し訳ない』
トーンの微妙に異なる名指しに二度呼ばれ、念話の回線が開かれた。
心配事に沈もうとしていた心が、揺り起こされるように聴覚に引っ張られる。
『んー、パフェは食べ終わりましたけど、緊急ですか?』
一か月ですっかり聞きなれてしまった声。
アサシンがいたずらにマスターを妨害する性質でないことを把握している摩美々は、それでも我が身に集中と緊張を走らせる。
まして今の時間なら、ちょうど櫻木真乃と事務所で話しているはずだ。
真乃に問題でもあったのかと、心配せざるを得なかったのだが。
『いえ、ちょうど櫻木真乃さんたちは楽しそうにディスカッションをしているところです。その間を利用して、報告したいことと、お願いしたいことがあります』
『はい?』
◆
『We can go now! We can go now! ひとりじゃないよね♪』
その着信は、アサシンのサーヴァントと別れてからそう時間をおかず、櫻木真乃のカバンを振るわせた。
どのぐらい時間をおかないかというと、まだ改札を潜ってから、電車にも乗り込んでいないうちに。
「ほわっ! 人の流れ……場所っ、探さないと」
アイドルたる者、マナー違反になるような場所で受け答えしてはいけないという習慣は備わっている。
仕事のオフレコな話かもしれないという可能性を考慮して、人の群れから外れた壁と壁の隙間みたいな場所に入り込み。
ひかるちゃんに一応、見張りとかもお願いしてカバンをごそごそ。
もしかして、連絡先を交換したアヴェンジャーさんか、星野アイさんか、そのどちらかだろうか。
そんな予想とともにディスプレイを確認したが、表示されていたのはどちらでもない名前だった。
『摩美々ちゃん』
さっきのアサシンさんの、サーヴァントだという田中摩美々ちゃん。
283が誇る看板ユニット、アンティーカの一人。
いたずら好きだけど、とっても賢くてトークもファッションもきらきらした小悪魔系アイドル。
「もしもし摩美々ちゃん。こちら櫻木真乃です」
283プロはアイドル同士の仲が良いことも、特色のひとつだ。
ことに283プロ創立時の4ユニットともなれば、たびたびピクニックやクリスマス会、親睦会に近いことを繰り返していて、すっかり気心知れている。
警戒することなんて、何もなかった。
『やっほー真乃。今、いいかな?』
「いいですよ。あ、あのね、さっき私、摩美々ちゃんのサーヴァントの、アサシンさんに会ったばかりだったんです」
まず真っ先にそれを伝えないと、NPCと話すつもりでお話しちゃうかもしれない。
そう思って、開口一番、せきこむように言った。
『さーばんとって、なんのこと―?』
心底不思議そうに、聴かれるなんて思わなかった。
『真乃ー。真乃ー』と再三の呼びかけがあるまで、どうやら固まっていたらしい。
「真乃さん…?」とひかるでさえ首をかしげている。
「えっと、摩美々ちゃん。隠さなくて、いいよ? 私も、マスターなんです。サーヴァントのひk……アーチャーの子も、そばにいます」
いきなり、ずばりあなたのサーヴァントに会いましたと言われて、マスターでない振りをしなきゃという思いが先に出たのかもしれない。
そんな勘違いの可能性は、しかし、心底から不審そうな声によって否定される。
『だからー、言ってることがよく分かんないんだケドー? マスターとか、アーチャーとか』
「え、だって……さっき、アサシンさんが……」
『もしかして、またメンバーの誰かが出演したゲームの話? それとも、私のことを聴いたとか言ってたけど……』
それは、詐欺に引っ掛かった人でも心配するように不安そうな声だった。
『もしかして、真乃は私の関係者を騙る人に、なんか言われたのー?』
摩美々ちゃんは、聖杯戦争のことを知らない。
知らないなら。
『田中摩美々のサーヴァント』を名乗ったあの人は。
――あの人が摩美々ちゃんのマスターでないなら、あの人は誰のサーヴァントだったの?
『なーんて。はい、ドッキリしゅうりょうー』
再び、しばらく固まっていたらしい。
「真乃さん、真乃さん」とさっきよりもなお心配そうに、ひかるが呼んでいた。
あ、大丈夫だったから、ありがとうねと、ひかるちゃんへの返答だけは淡々と済ませてから。
『うん、こっちも念話で、アサシンさんから聞きましたー』
「ま、摩美々ちゃぁん……」
『ごめんねー。まみみとしても、『私はマスターです』って、二つ返事では言えなかったから』
「摩美々ちゃん……」
『今まで二人でよくがんばったねー。真乃たちみたいな『いい子』には、刺激強かったでしょ』
よしよし、よしよしと、いつものやる気の無さそうな声で。
声だけのなでなでが聞こえてくる。
棒読みなりに慈しみの感情は伝わってきたけれども。
「い、いつもよりいたずらが、いたずら過ぎるよ……本当にどきっとしたんだから……」
さすがにちょっと酷かったと抗議すると、本当にごめんねときっぱり謝罪された。
『まみみ』が悪かった、本当にと、心持ち真面目なトーンに声が変わる。
でもね。
『もし、本当にそう言われたらどうなってたー? あのアサシンとお話した後で、そういう事になってたら』
「え……」
もしも本当に、摩美々にとって聖杯戦争の話が聞いた事のないものだったら。
もしも、アサシンの方が、嘘をついていたのだとしたら。
「騙されてた、ことになります……」
私のマスターは田中摩美々ですと。
そう自己紹介された時に、真乃は『それなら証明してもらうために、摩美々ちゃんに電話してもいいですか』と尋ねることはできた。
そうしなかったのは、アサシンの発言を全く疑わなかったからだ。
紳士然とした振る舞いと、こちらを信用させようとする挙動のすべてと、知り合いの名前を出された安心感。
それらをそのままに受け取り、『アサシンが言ったこと』をそのまま本当のことだと思った。
『うん。そう思ってもらうための、お節介……みたいな』
「お、お節介なんかじゃ……」
『でも、やっぱりいたずらの加減を間違えたりして、なくもなくもなくもないのかも』
いつも、真面目な話をするのはガラじゃないと思っているようなところのある摩美々から、『危なかった』という警告を受けている。
騙すという言葉に、ひかるもまずいことが起こったのかと気にせずにいられない顔をしている。
『べつに、アサシンさんを信用して貰えたことは、嬉しいからねー?
次からは、警戒するのもヨロシクってだけだから。 なんだったら、タクシーで一緒になった人達だっけー?
その人達に注意されて学習しましたってことにすれば、急に人との接し方が変わった感は出ないと思うよー?』
いつの間にタクシーに乗り合わせた人達の情報共有まで終わっていたのか。
真乃の挙動が急に変わったことを不審がられないようにと、その配慮まで示されている。
「は、はいっ。……摩美々ちゃんの方は、すごく色々考えてるんですね……すごい、なぁ」
『あー、サーヴァントに一か月ぐらい入れ知恵されてた副作用っていうか…………咲耶のことがあったのも、あるかも』
「はい……咲耶さんのことも、アサシンさんから聞きました」
『うん……それについては、まだ皆には発表されてる以上のことはオフレコでね。恋鐘たちにも』
あ、でも受け取るものはこっちも受け取ったよ、という言葉で、最初の痛みは通過したことを知らされる。
「そうだね……咲耶さんたち、私も立派だったって、思いました」
『でしょー。咲耶の判断は、いつも最良なのだよ』
おどけたような、いつもの喋り方。
やんわりと、まだこれ以上の哀しみは先にしたいと言われた気がした。
『それから、アサシンから言われたかもだけど、事務所では誰にも会わなかったことにしてねー……って、順番は変わるんだけど』
「順、番?」
『はづきさんから『プロデューサーの伝言』があった時に、そばに誰かいた? 聞かれてたりした?』
「あ……」
神戸あさひと、アヴェンジャーに電話の内容をそのまま伝えていた。
この二人のことは、まだ摩美々たちには話せない。
話せないけど、あさひ達に教えたことはいけなかった、かもしれない。
事務所に近づかないような要請をしたのがアサシンであるなら、『プロデューサーの伝言』というのはおそらくアサシンたちが騙ったプロデューサーだろう。
あさひ達はおそらく、『プロデューサーにあたる人が、283の事務所が危ないことを分かっていた』と思いこんだままだ。
『いたんだね』
「い、いけなかったことだよね……プロデューサーさんには、きっと身に覚えのない話だから……」
誰に聞かれたの、という質問を予想して、ハラハラと不安がせりあがる。
しかし、摩美々はそこを聞かなかった。
『ううん、いけなかったのは、勝手にプロデューサーさんを使ったこっちだから。
ただ、もし聞かれた人達から『どうだった?』って心配された時にね。
……聞かれてからでいいからね? こっちから喋りにいったら逆にわざとらしいから』
「うんっ」
『“事務所は荒らされてて誰もいませんでした”って、答えてね。警察の人が来るかもしれないぐらい荒れてたから、すぐ帰っちゃった、みたいな』
「ほわっ、それでいいんですか? プロデューサーさんは関係なかった話に持って行った方がいいんじゃ……」
『それでいいの。アサシンは283プロを利用した悪者の振りをしてるんだから、プロデューサーさんが庇われるような証拠を残していく方が変じゃーん。
ただし、もし『もっと詳しく聞かせてくれ』って人達がいたら、それが誰であっても先に連絡してね。
こればっかりは、プロデューサーの安全がかかってるから、相談する順番を間違えたらダメだよ』
そうなってしまったら、神戸あさひ達と田中摩美々達の間で争いが起こるかもしれない。
しかし、NPCとはいえ『プロデューサーさんの安全』とまで言われると、弱かった。
「うん……でも、ぜんぶ摩美々ちゃん達にお任せすることになっちゃうような」
『もともと私達のせいだからいいのー。連絡方法は今から伝えるねー。
……あ、今まで会えなかったから無いかなーとは思うけど、もし、プロデューサーに会うことがあっても同じように連絡ちょうだい。
こっちも先に言っておきたいことがあるから』
ここから先は、下手に何度も直通の電話できないからと、身に覚えのない番号と、符牒らしき言葉を伝えられる。
この辺りは、アサシンからの追加の伝言でもあるらしい。
「あ、ありがとう。たくさんアドバイス、してくれたんですよね」
『えー、お節介をそういう風に言われるとやりにくい……ただ、お返しがもらえるなら、だけど』
「な、何がいいの?」
「私が、真乃だったらどうするのかなって、教えてほしいことがあって」
『私が』をつけたということは、さっきまでのような情報交換のための質問ではなく、参考意見として、おしゃべりとして、真乃に聴きたいことがあるということか。
『もし、聖杯を欲しくて勝ち残ろうとしてる人に会ったら、真乃はどう思う?』
おしゃべりではあれど、雑談ではなかった。
本音で答えることしか許されない、直球だった。
それは、白瀬咲耶を聖杯欲しさに殺した者がいるという出来事を踏まえての、問いかけなのか。
真乃が頭に浮かべたのは、二人だった。
神戸あさひと、星野アイ。
真乃を励まさずにいられないほど優しいのに、聖杯に願わなければいけないことがあるという少年、あさひ。
元の世界ではもう死んでしまっていて、聖杯に願わなければ生きられないというアイドル、星野アイ。
「それは、咲耶さんのことがあったから、ですか……?」
『たぶん……最後の一人になるしかないって考えることを、否定するつもりはない、と思う。
ほかに方法ないでしょって言われたら、その通りだから。
……でも、『最初から聖杯の為なら人を殺すつもりだった』ってのは、違うじゃん?』
それは、聖杯を狙う人達に殺されるかもしれないことだけへの怒りではない。
すでに犠牲になり、これから犠牲になる人の中にいるかもしれない、友を想っての怒り。
『咲耶が死んじゃったことは、どうやっても、『仕方なかった』とか、『願いを叶えるためだった』なんてことに、私はできない。
どんな願いのために戦ってたんだとしても、できない』
それは、咲耶を殺したマスターへの復讐心とも少し違う。
願いを叶えようとする者の為には、そうでない者が死ぬしかない、そんな世界への怒り。
そんな世界を肯定する人達への反発。
『べつに、聖杯が欲しい奴は死んじゃえとまで、思わないけど……。
もし、『自分たちだけ幸せになるな』って言われたら、『ずるくない?』って思っちゃう。
それ……聖杯の為に殺すって決めた人が言うの?って思っちゃう』
摩美々は、星野アイのことを知らない。
知らないけれど、『星野アイの為に聖杯が必要だったとしても、その為に咲耶のような人が犠牲になっても仕方ないとはしたくない』とも言っている。
『咲耶やアンティーカのことを、『可能性がなかった』なんて決めつけられるのは、もっと嫌。
界聖杯は何も分かってない。リアリティーショーの嘘編集を信じちゃう人達ぐらい、分かってない』
白瀬咲耶がリタイアしたのは、予選期間が終了する直前だった。
それを摩美々は、界聖杯が『可能性がある人達だけが残りました』と宣言した中に白瀬咲耶と5人のアンティーカはいなかったと受け止めたらしい。
『ごめん……色々、しゃべり過ぎたかも』
最後にぽつりと付け足すところは、いつも配慮が行き届いた対応をする『アンティーカ』の、摩美々らしい反応だった。
「摩美々ちゃん」
だから真乃も、素直に、正直に、話していくしかない。
「私は、タクシーで、こういう風にも言われました……もし、『聖杯に願わなかったら、もうすぐ死んじゃう人』がいたらどうするの、って」
『そう…………』
「私は、答えられなかったんです」
正直にと思ったそばから、アイたちから言われたことを伏せるために、梨花ちゃんとセイバーの発言を捏造する。
ごめんなさい、ごめんなさいとと内心で頭をさげ、『他にそんな話をしそうな人の当てがいないんです』としおしおになる。
ただし、主張の中身については偽らずに。
「摩美々ちゃんが言ったことは、きっとその通りで、間違ってなくて。
でも、聖杯のために人を殺すことは間違ってても、そんな気持ちを否定はできないって思いました。
誰かのために願いを叶えたいとか、誰かのために生きて帰りたいって思うことは、誰だって願うかもしれないって思うから」
『うん』
「そんな大切な思いがあるなら、私は、そういうのを分かり合おうとしてからにしたい」
他人のことを知りたいと願うのは、分かり合うための想像力――ひかるが言う所のイマジネーションだ。
たとえ最後まで一緒にいられない同士だとしても、あさひやアイ達ともう関わらないという選択肢を、櫻木真乃は選べない。選ばない。
「私は、元の283プロや、プロデューサーさんの為に、聖杯を持って帰りたいとは思わないです。
でも、例えば、プロデューサーさんがはづきさんや、にちかちゃんの為に、聖杯でやり直したいって思うことだってあったのかもしれない。
そんな事になったら、私はプロデューサーさんを怒るより、自分を責めちゃうと思います」
『………………』
「摩美々ちゃん?」
それまで相槌を打っていた摩美々に、ちょっとどうしたんだろうと思うほどの沈黙があった。
もしかして、白瀬咲耶を殺した人達のことも、一緒にかばっていると誤解されたのだろうか。
「あの、もちろん咲耶さんや摩美々ちゃんのことを殺そうとしたり、炎上させたりとか、そんな事まで全部分かろうとするわけじゃない、ですよ?」
『いや…………ありがとう。真乃は、良い子だなーって、思ったの』
「い、良い子だなんて……私まだ、何もしてない……」
『ううん、真乃はもう私には止められないなーって、思った』
吸い込んだ息を吐き出すようにして、摩美々は言った。
きっと真乃は、今の私達にできないことをやろうとしてるんだね、と。
『でも、いなくなったら許せないのは真乃も一緒だからね。
真乃までいなくなっちゃったら灯織もめぐるも大変だし、私が灯織をへたにいじれなくなっちゃうからー』
『はいっ。摩美々ちゃんと一緒に帰れるようにがんばります!』
そういえばユニット同士で話すときは、からかいがいがあったのかよく灯織ちゃんをいじっていたなぁ、と思い出し、やっと安心する。
くすりと笑った声は、きっと通話が切れる直前の摩美々にも聞かれていたことだろう。
◆
【???・???/一日目・午後】
【櫻木真乃@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:健康、咲耶の死を知った悲しみとショック(大)
[令呪]:残り三画
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:当面、生活できる程度の貯金はあり(アイドルとしての収入)
[思考・状況]
基本方針:ひかるちゃんと一緒に、アイドルとして頑張りたい。
0:ひかるちゃんと一緒に聖杯戦争を止めるアイディアを考える。
1:少しでも、前へと進んでいきたい。
2:アイさんやあさひくん達と協力する。しばらく、みんなのことは不用意に喋ったりしない。
3:あさひ君たちから283プロについて聞かれたら、摩美々ちゃんに言われた通りにする。
[備考]
※星野アイ、アヴェンジャー(
デッドプール)と連絡先を交換しました。
※プロデューサー、田中摩美々@アイドルマスターシャイニーカラーズと同じ世界から参戦しています。
【アーチャー(
星奈ひかる)@スター☆トゥインクルプリキュア】
[状態]:健康
[装備]:スターカラーペン(おうし座、おひつじ座、うお座)&スターカラーペンダント@スター☆トゥインクルプリキュア
[道具]:なし
[所持金]:約3千円(真乃からのおこづかい)
[思考・状況]
基本方針:真乃さんといっしょに、この聖杯戦争を止める方法を見つけたい。
0:真乃さんと一緒に聖杯戦争を止めるアイディアを考える。
1:アイさんやあさひさんのことも守りたい。しばらく、みんなのことは不用意に喋ったりしない。
2:ライダーさんと戦うときが来たら、全力を出す。
最終更新:2021年09月15日 19:01