家系ラーメンの歴史

 家系の始まりは,1974年の「吉村家」の開店に遡る.最初は小さな店であったが,そのラーメンの美味さが評判になり,繁盛していった.店主の吉村実氏は,豚骨とトリガラをベースにした醤油味のラーメンを丁寧に作っていた.その後,吉村氏は本牧の間門近くに「本牧家」を開店した.その時,店長を任されたのが,「吉村家」に30歳を越えてから弟子入りし,3年半の修行を経験した神藤隆氏(現六角家店主)であった.彼は,3年半後,独立を決意し,通算7年間勤めた「吉村家」を退社した.(この退社が円満な退社であったかは不明)この退社の後,「本牧家」の他の店員も次々退職したこともあり,怒った吉村氏は,「本牧家」の営業を一時停止にした.(この顛末は新聞にも掲載されたらしい)
 神藤氏は,1988年に東白楽に「六角家」を開店した.その後,本牧家の従業員であった近藤健一氏(現近藤家店主)が「六角家」に入り,しばらく勤務した.その後,近藤氏は,港北ニュータウンで独立することを決め,店舗契約まで行ったが,父親の入院で断念した.しかし,契約を媒介していた不動産屋が,契約金返還の条件として,近藤氏を店長として開店することを提案し,近藤氏は「横濱家」を港北ニュータウンに出した.しばらくして,チェーン展開をして拡大路線をとろうとするオーナーと味にコダワリを持っている近藤氏はもめて,「横濱家」を退職し,別のオーナーと「介一家」を始めた.その頃,「六角家」の弟子が独立し,伊東に「吉田家」を開店した.また,新聞で紹介された「六角家」は大繁盛で連日の売り切れとなり,神藤氏は過労で入院という事態にまで至り,一時閉店を余儀なくされた.その間,「六角家」の店員は,近藤氏の「介一家」に出向をしていた.近藤氏は,「介一家」のオーナーとももめて,再び退社し,ついに念願の「近藤家」を開店し,オーナーとなった(1992).

 近藤氏が去った,「横濱家」,「介一家」は,奇しくも共にチェーン展開をはかり,港北ニュータウンを中心に店舗数を増やしている.また,「吉村家」開店以来,味を真似した店が,店名に『家』を使用して数多く出現し,弟子の店との区別はつかなくなっている.

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最終更新:2009年10月09日 23:58