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アリとキリギリス」を以下のとおり復元します。
翠星石「きぃぃぃぃぃ!!何で、そこでキングが出てくるですか!?」 
水銀燈「ふふ…切り札は最後にとっておくものよぉ…♪さ、2人とも出すもの出しなさぁい♪」 
その日、水銀燈と翠星石と雛苺は、ラウンジで『賭け大貧民』をやっていた。 
無論、賭けるものはお金…。そして1位が決まった時点で、後は残りの枚数で優劣が決められる仕組みとなっていた。 
言い出したのは、もちろん水銀燈…。「そのほうが面白いじゃなぁい♪それに、私から逃げるのぉ?弱虫ねぇ…♪」と言う口車に2人はまんまと騙されたというわけだ。 


雛苺「うー…1000円札さん…バイバイなのー…」 
翠星石「チビチビはまだいいですぅ!!何で、翠星石は5000円なんですか!?チビ苺に負けるなんてありえないですぅ!!もう一回勝負ですぅ!!」 
水銀燈「願ってもないわぁ♪いいわよぉ、お馬鹿さぁん…♪」 
2人から受け取ったお金を財布にしまいながら、上機嫌で勝負に応じる水銀燈。 
その一部始終を見て、ある者が後ろから声をかけた。 
薔薇水晶「…銀ちゃん…。そんなところで一体何をやっているの!?」 
それは、薔薇水晶がようやく学校になじみ、その姉である雪華綺晶も学校に赴任してきた頃の出来事だった。


薔薇水晶「…皆さんは教師であるにもかかわらず、こんな事をして良いと思ってるんですか!?」 
不良教師3人に対し、お説教を開始する薔薇水晶。 
しかし、主犯の水銀燈は頬杖をつきながら、その話を聞いていた。 
薔薇水晶「銀ちゃん!聞いてるの!?早く、みんなにお金を返しなさい!!」 
水銀燈「やぁよ。大体、これはみんなで話し合って決めたことなのよぉ?あなたに、とやかく言われる筋合いは無いわぁ…」 
薔薇水晶「だめ!それに、銀ちゃんはお金を全然大事に扱ってないじゃない!お金は、祖もっと大事に使わなきゃいけないのに…!!」 
あくびをしながら話を聞く水銀燈に、薔薇水晶はさらに話を続ける。 
薔薇水晶「大体、銀ちゃんはいつもお金を無駄に使いすぎだよ…!そんなことじゃ、今にお金がなくなって乞食みたいな生活をおくる羽目に…」 
水銀燈「…言ったわね?」 
そう言うと、水銀燈は薔薇水晶をにらみつけ、どこかへ去ってしまった。 
「ちょっと待ってなさい…!」という言葉と共に…


そしてそれから30分後、校舎の外からけたたましいクラクションの音がした。 
何事かと外を見ると、そこにはいつものコルベットではなく、銀色の平べったい車を従えた水銀燈の姿があった。 
水銀燈「どぉ…?凄いでしょう…これ…♪」 
そう、それはスーパーカーの代名詞、ランボルギーニ・ディアブロ…。 
以前ある男を騙して買わせたものなのだが、それは持ち主である水銀燈でさえも、乗り回すのを控えるほどの存在だった。 
しかし、それを見せられた薔薇水晶は、後からやってきた雪華綺晶にこんなことを尋ねた。 


薔薇水晶「姉さん…。私、車には詳しくないんだけど…あの車、そんなに凄いの?」 
雪華綺晶「うん…。家が買えるぐらい…。」 
その言葉に、薔薇水晶は思わず卒倒しそうになる。 
そして、そんな薔薇水晶を見て、水銀燈は高笑いを浮かべてこう言った。 
水銀燈「見なさい、薔薇水晶!!これがあなたと私の力の差よ!!あなたなんかじゃ、こんな車一生かかっても買えないでしょうね!!ばぁーかッ!!」 
先ほど『乞食になる』と言われた事に対し、これでもかと薔薇水晶を罵倒する水銀燈。 
しかし、彼女はまだ気がついていなかった…。 
この愚行が、のちのち大変な事態を招くということに…。 
しかし、そんな過酷な運命を知るものはこの場に誰もおらず、今はただ、車のエンジン音と水銀燈の高笑いだけが校舎に響き渡っていた。 


完 

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