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有栖学園の亞璃栖」(2006/12/09 (土) 23:16:30) の最新版変更点

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 有栖学園の亞璃栖。  とある日。有栖学園の学園長たるローゼンは今日も今日とて職務から逃亡していた。  丁度有栖学園の外れに位置する学園の森の中でローゼンは、とある一つの存在と出くわした。 「え? 赤ん坊?」  そう、赤ん坊。学園の森の中と言う非常に有得ない場所に、その赤ん坊は存在した。  正確には、学園の森の中で一番の大樹である木の根の場所にだが。  ローゼンは、少々困った表情を浮かべた。  何時から其処に存在したのか分からない赤ん坊。  赤ん坊の身を包む毛布はボロボロなのに、包まれた赤ん坊自体は綺麗な肌を見せている。  しばしローゼンは思案した後、その赤ん坊を抱き上げた。 「君。僕と来るかい? ココに置いておかれたってのは捨てられたと思うんだ。  で、ココに捨てただろう君の親はもう戻ってこないだろう。  どうする? 僕と来るかい?」  赤ん坊にそんな事を尋ねても答えは返ってくる事は無い。  ただ、赤ん坊は抱き上げられた事に喜びの笑みを浮かべキャッキャッと喜びの声を漏らした。 「そっか。一緒に来るかい? じゃぁ君に名前をプレゼントしないとね?」  ローゼンは、赤ん坊を胸に抱き森を後にした。  後に残されたのはボロボロの毛布。  しかし、その毛布もいつの間にか消えていた。 「なに拾ってきてるんですか!? このロクデナシ馬鹿で阿呆で尚且つトラブル発生装置の校長!」 「自発的に戻ってきたのに酷くない? それ? ねぇ? 亞璃栖?」 「だぁ~」 ----  ローゼンが、学園外れの森で拾ってきた赤ん坊。  ローゼンは、その赤ん坊に亞璃栖と名づけた。  ローゼンは、その赤ん坊を養子縁組手続きを実に手早くこなした。  それを見ていたラプラスが、何故書類整理もコレだけ手早くしてくれればと愚痴ったのは余談。  とにかく、その赤ん坊はローゼンの養子となり有栖学園の名物(?)の一人になった。  実際、亞璃栖自身は何もしていないが……ローゼンと共に居ると言うだけでも、生徒達の話にはなった。 「やぁ~諸君!」  と、ローゼンは職員室に珍しく顔を出す。その腕には亞璃栖を抱いている。  教員達はローゼンが職員室に来た事に対して少々驚いたが、一番驚いたのはその腕に抱かれている赤ん坊。  何時結婚したっけ? この人? と、教員達は同時に思う。 「この中で育児経験のある人いない? 僕が一応面倒見てるんだけど」  そう言われてローゼンの顔を改めてみる教員達。  ローゼンの顔は何処と無く生気が無い。痩せこけて見えなくも無かった。  ローゼンが職員室に顔を出したのには訳がある。  ローゼンは、育児の経験がまったく無かったのである。  ベビーシッターでも雇えば? と、思うが…… 「身しらずの人に頼むのって嫌なんだよね僕」  と、言う始末。  なので、ローゼンは育児に関する本を購入して何とか亞璃栖の面倒を見てきた訳なのだが……  亞璃栖を拾い養子にして一週間。  どうやら、教員達に助けを求めにきた様だった。  何はともあれ、ローゼンの言葉に教員達は少々困った表情をした。  育児の経験と言うが……教員達は全員未婚者であり兄弟(姉妹)も居ない教員が殆どである。  教員の一人である雪華綺晶は、同じく教員の一人である薔薇水晶の姉であるが……  双子故に、雪華綺晶が赤ん坊の頃の薔薇水晶の面倒なぞ見れるはずも無く。(雪華綺晶も赤ん坊だし)  教員全員が沈黙か? と思われた時……ため息を一つついてローゼンに歩み寄る教員が一人。 「かしなさぁい。校長ちょっと力入れすぎよぉ? 苦しそうじゃなぁい」 「え? マジ?」  保健体育担当の教員である水銀燈だった。  水銀燈は、ローゼンの腕から亞璃栖を取り上げ改めて抱きなおす。  亞璃栖は少々戸惑っていたが、嬉しそうな笑みを浮かべてペチペチと水銀燈を小さな手で叩いた。  他の教員達は、ローゼンが職員室に来た以上に驚きの表情をしていた。  問題児……ではなく、問題教員である水銀燈が育児経験があるなんて……と  水銀燈のライバルである教員の一人、真紅は水銀燈のそれを見て戦慄を覚えたとか覚えてないとか。  水銀燈の幼馴染である薔薇水晶は、あ、そう言えば銀ちゃん育児経験あったね。などと昔を思い出していた。  かくして、亞璃栖の面倒を水銀燈が見る事が決定された。 「ちょっとぉ~私がなぁんで見ないといけないのよぉ~」 「ボソボソボソ(給料うp+ボーナスもうp)」 「よぉ~し、がんばろうかしらぁ~」  こんなやり取りがあったとか無かったとか。
 有栖学園の亞璃栖。  とある日。有栖学園の学園長たるローゼンは今日も今日とて職務から逃亡していた。  丁度有栖学園の外れに位置する学園の森の中でローゼンは、とある一つの存在と出くわした。 「え? 赤ん坊?」  そう、赤ん坊。学園の森の中と言う非常に有得ない場所に、その赤ん坊は存在した。  正確には、学園の森の中で一番の大樹である木の根の場所にだが。  ローゼンは、少々困った表情を浮かべた。  何時から其処に存在したのか分からない赤ん坊。  赤ん坊の身を包む毛布はボロボロなのに、包まれた赤ん坊自体は綺麗な肌を見せている。  しばしローゼンは思案した後、その赤ん坊を抱き上げた。 「君。僕と来るかい? ココに置いておかれたってのは捨てられたと思うんだ。  で、ココに捨てただろう君の親はもう戻ってこないだろう。  どうする? 僕と来るかい?」  赤ん坊にそんな事を尋ねても答えは返ってくる事は無い。  ただ、赤ん坊は抱き上げられた事に喜びの笑みを浮かべキャッキャッと喜びの声を漏らした。 「そっか。一緒に来るかい? じゃぁ君に名前をプレゼントしないとね?」  ローゼンは、赤ん坊を胸に抱き森を後にした。  後に残されたのはボロボロの毛布。  しかし、その毛布もいつの間にか消えていた。 「なに拾ってきてるんですか!? このロクデナシ馬鹿で阿呆で尚且つトラブル発生装置の校長!」 「自発的に戻ってきたのに酷くない? それ? ねぇ? 亞璃栖?」 「だぁ~」 ----  ローゼンが、学園外れの森で拾ってきた赤ん坊。  ローゼンは、その赤ん坊に亞璃栖と名づけた。  ローゼンは、その赤ん坊を養子縁組手続きを実に手早くこなした。  それを見ていたラプラスが、何故書類整理もコレだけ手早くしてくれればと愚痴ったのは余談。  とにかく、その赤ん坊はローゼンの養子となり有栖学園の名物(?)の一人になった。  実際、亞璃栖自身は何もしていないが……ローゼンと共に居ると言うだけでも、生徒達の話にはなった。 「やぁ~諸君!」  と、ローゼンは職員室に珍しく顔を出す。その腕には亞璃栖を抱いている。  教員達はローゼンが職員室に来た事に対して少々驚いたが、一番驚いたのはその腕に抱かれている赤ん坊。  何時結婚したっけ? この人? と、教員達は同時に思う。 「この中で育児経験のある人いない? 僕が一応面倒見てるんだけど」  そう言われてローゼンの顔を改めてみる教員達。  ローゼンの顔は何処と無く生気が無い。痩せこけて見えなくも無かった。  ローゼンが職員室に顔を出したのには訳がある。  ローゼンは、育児の経験がまったく無かったのである。  ベビーシッターでも雇えば? と、思うが…… 「身しらずの人に頼むのって嫌なんだよね僕」  と、言う始末。  なので、ローゼンは育児に関する本を購入して何とか亞璃栖の面倒を見てきた訳なのだが……  亞璃栖を拾い養子にして一週間。  どうやら、教員達に助けを求めにきた様だった。  何はともあれ、ローゼンの言葉に教員達は少々困った表情をした。  育児の経験と言うが……教員達は全員未婚者であり兄弟(姉妹)も居ない教員が殆どである。  教員の一人である雪華綺晶は、同じく教員の一人である薔薇水晶の姉であるが……  双子故に、雪華綺晶が赤ん坊の頃の薔薇水晶の面倒なぞ見れるはずも無く。(雪華綺晶も赤ん坊だし)  教員全員が沈黙か? と思われた時……ため息を一つついてローゼンに歩み寄る教員が一人。 「かしなさぁい。校長ちょっと力入れすぎよぉ? 苦しそうじゃなぁい」 「え? マジ?」  保健体育担当の教員である水銀燈だった。  水銀燈は、ローゼンの腕から亞璃栖を取り上げ改めて抱きなおす。  亞璃栖は少々戸惑っていたが、嬉しそうな笑みを浮かべてペチペチと水銀燈を小さな手で叩いた。  他の教員達は、ローゼンが職員室に来た以上に驚きの表情をしていた。  問題児……ではなく、問題教員である水銀燈が育児経験があるなんて……と  水銀燈のライバルである教員の一人、真紅は水銀燈のそれを見て戦慄を覚えたとか覚えてないとか。  水銀燈の幼馴染である薔薇水晶は、あ、そう言えば銀ちゃん育児経験あったね。などと昔を思い出していた。  かくして、亞璃栖の面倒を水銀燈が見る事が決定された。 「ちょっとぉ~私がなぁんで見ないといけないのよぉ~」 「ボソボソボソ(給料うp+ボーナスもうp)」 「よぉ~し、がんばろうかしらぁ~」  こんなやり取りがあったとか無かったとか。 ----  アリスは、兎を見つけた。  その兎は不思議な不思議な兎。  懐中時計を持って。  キレイなスーツを着て。  あぁ、時間がない時間がないと走る兎。  アリスは、兎を見つけた。  アリスは、兎を追いかける。  アリスは、兎を追いかけた。  アリスは、兎を追いかけて。  ウサギの穴に飛び込んだ。  さて、有栖学園には兎(正確には兎人『トヒト』)が居る。  有栖学園の教頭であるラプラスだ。  彼は、獣人と言う存在であり……  何時もは、獣人が良くとる形態である獣人型(司る獣の特徴を残しての人型)  と、完全な人型を使いこなせる。(白崎状態が人型)  まぁこんなどうでも良い話は置いておいて…… 「オイ、馬鹿校長」 「いきなりだねラプラス君。てか、立場僕が一応上なんだけど?」 「知るかっ!」 「だよね~」  怒り心頭なラプラスの言葉に対して、有栖学園学園長のローゼンは笑いながら頷いた。  そもそも何故ラプラスがこんなに怒り心頭状態になっているのか?  原因は、ローゼンの娘(義が着くが)亞璃栖にある。  まぁ、だからといって亞璃栖に怒鳴ったらアレなので、  親(義が着くが)であるローゼンの監督不届きと瞬時に決定したラプラスだった。 「まぁしょうがないじゃないか。亞璃栖だし」 「亞璃栖だし……じゃないだろうがぁ!! あの子が駄目にした書類!!  有栖学園所属の教員・警備員・整備員・その他もろもろの年末調整をまとめた書類!!」 「え? マジ?」  ラプラスの言葉に段々と顔色を青くしていくローゼン。  問題を引き起こした張本人である亞璃栖は、すやすやとラプラスの作業机の上で寝ていた。  私、一仕事終えました。だから寝ます。と言った感じである。  一仕事とは、ラプラスの作業机に置いてあった書類を破り捨てる事とか口に含んで見るとかの事である。  実際問題、重要書類をそのまま置いておくなよ……と、突っ込みたいところなのだが……  ラプラスが、トイレに席をはずしていたほんの数分での出来事なのである。  亞璃栖が、いつの間にかラプラスの作業机に登って書類を色々しちゃったのは……  正確には、いつの間にかではなくローゼンが……なので、ローゼンに関しては自業自得。  ちなみにローゼンは、亞璃栖が書類をめちゃくちゃにする=ラプラスが書類再発行に奮闘=俺逃亡。  という馬鹿な事を考えていたので救いようがない。  ちなみにこの書類、提出を滞ると上の人たちから睨まれる。プラス年末調査書いた教員達にも睨まれる。 「マジ。次に、来年の有栖学園の維持費等の見積もり計算した書類!」 「うわぁ……それ、俺が全部確認して判押さないと駄目な」 「ヤツです。えぇ。ちなみに、全部計算してアンタが確認した後、  判押し完了した際にかかった時間合計一ヶ月と二週間と二十時間四十七分と二十七秒!」  なお、この合計はローゼンが逃げ回った時間も計算しての時間である。 「……えーと……ポンポン痛いから帰って良い?」 「駄目に決まっとりましょうが! まぁ途中計算して出した値はあるので何とか今年中には、大丈夫でしょうが」  完全に顔色ブルーなローゼンに、ラプラスは首を横に振った後ガシッと力強くローゼンの肩を掴む。  ラプラスの燃え盛る様な朱色の瞳が、ローゼンに言っている。いや叫んでる。  『テメェ、ゼッテェ、ニガサネェ』  ローゼンは、今日亞璃栖の面倒を見てくれなかった教員水銀燈を呪った。  人、それを逆恨みと言う。  某所。 「う? な、なんか今ゾクッとしたわねぇ……」  そんな呟きがあったとかなかったとか。 「あーそれにしても……試験問題考えるの面倒だわぁ~……」

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