二日目
次の日、まだ早朝とも言える時刻に業者が一人の少女…否、幼女を連れて来た。
連れて来たと言っても、相手は寝ていて、それを抱えて来たのだが。
構図的には正にHANZAI、俺はロリコンじゃない。
嘘では無く、ロリかお姉さんかと言われれば、迷わずお姉さんキャラを取る自信がある。
そんな自信はいらないが。
代金は恐ろしく安かった。
カタログにも載っていたが、いざ払ってみるとなると、その安さが異常だと改めて感じる。
仮にも人身売買、それなのにこの安さはどうなのだろうか。
何故安いのかと聞くと、この値段と言うのはその対象のこの世界での地位だとか、影響力、及び捕獲の難易度によって決められているらしい。
つまりこの幼女は、楽に捕まえられて、更に大して重要でも無い平凡な幼女という事だろう。
罪悪感がマッハなのは言うまでも無い。
業者は無慈悲にも去ってしまい、俺は腕にその幼女を抱えたまま、しばらく呆然としていたが、何時までもこうしてもいられない。この異常過ぎる状況にも何とか適応して、生活をしていかなければならない。
兎に角大きな屋敷の一室のベッドに安らかな寝息を立てている幼女を寝かすと、いよいよ戻れない所まで来たのだという実感がある。
とりあえず、幼女が起きるまではその部屋の椅子に座り待つ。
上手くやり込んで、行き倒れているのを拾ったとか、そんな感じに信じ込ませて家に帰す算段もしたが、現実から目を背け続けていてもどうしようも出来ないとも考えたので、後にするのは覚悟だけだ。
色々と許してくれ、色々。
「ふぁっ………何処?……ここ」
幼女のお目覚め。
想像とは違う、意外としっかりとした大人しそうな声だ。
そりゃあ、この短い金髪をして、黒を基調とした洋服に身を包んだ幼女が活発な子と思っていたのかと聞かれれば、そんな事は無いのだが。
「誰……?」
俺を視界の隅に発見すると向き直り、訝しげな目を向けて来た。
こういう仕草一つ一つが、およそ幼女のものとは思えない。妖怪だから、だろうか。
「えーと、君の、保護者?」
はい?
「あなたに生活保護を頼んだ覚えは無いわよ。何?私に何か恨みでもあるの?」
言葉遣いからして、完全に幼女の雰囲気じゃない。
もしかすると妖怪だけに、俺より年上なのかもしれない。
人外だから実はババァって設定もありがちだ。
…これは現実だが。
「いや…恨みとかは、無いけど……」
言い出せない。いざとなれば言い出せない。それが人の身のサガだと思う。
「大体わかったわ。最近、罪も無い女性を攫って、奴隷だとかなんだとかいって、弄ぶヤツが居るのは知っていたわ。あなたもその類ね。人間の屑が」
図星+すごい毒。わかった、この子は確実に外見幼女、中身は大人だ。
「…ば、バレちゃあ仕方無いな!覚悟してもらうぞ!」
悪役っぽい台詞。半ばギャグで言ってます。
「まさか、あなたの様な人間が私に手出し出来ると思っているの?勘違い甚だしい、殺すわよ?」
うわーい、殺害予告。
「と言われても、簡単にやられる様なヤワな体は…」
自慢じゃないが空手2段、剣道もそこそこ強いし、パンチングマシンで100とか余裕で…
「そう、ヤワな体していなければ、ナイフで刺されるぐらい、大丈夫よね?」
何時の間にかにベッドから飛び起き、幼女は俺の首筋にナイフをあてがっている。
どこから取り出したとか、そういう疑問以前に生命の危機に瀕している。その実感が押し寄せた。
ヤバイ、これはナチュラルにナウヤバイ。
「さようなら。安心しなさい、死体はちゃんと食べてあげるから。久し振りの人間、正に骨の髄までしゃぶってあげるから、感謝しなさいよ」
冗談じゃない。
微妙にしゃぶるという表現がエロく感じられたが、もうそんなのどうでも良い、俺史上、未曾有の危機が迫っている。
いやもう、終わったんじゃね。
「!………まさか、本当に頑丈な体してるの!?」
「え?」
思わずマヌケな声を出す。
幼女の手にしていたナイフは、確かに俺の首を貫こうとしていた、していたのだが…
「刺さらない……」
どういう原理なのか、とりあえず儲けた。
幼女に暴力は正直気が進まないが、このままだと俺が死ぬのも確かなので、腕を掴み、そのままベッドの方に突き飛ばす。
そんなに強くしていないので、ベッドの淵に激突なんて事も無いだろう。
「くっ……この霊力………結界を張っているわね…それもかなり強力な」
覚えは全く無いが、とりあえずそういう事らしい。
初めからこの屋敷はそんな事になっていたのだろうか。
「妖力がまともに練れないか……だから、このナイフも鈍ら同然……」
幼女は悔しげにナイフをベッドに突き立てるが、シーツ一枚切れる様子は無い。鈍らも鈍ら、もう刃物としての働きを一切果たせていない。
そのままナイフは消えてしまい、代わりにあの鈍らナイフの数百倍は切れそうな幼女の視線が向けられた。
「一応言うわ。私は別に、抵抗を封じられた程度であなたに恐怖心を抱いたりはしない。隙があれば、絞め殺すぐらいの事はしてあげるから」
さっき触れた柔らかい幼女の細腕に果たしてそんな事が出来るのか疑問だが、相手が妖怪だからはったりとも言い切れない。
「死ぬ覚悟があるのなら、どうにでもすれば良いわ」
幼女は明らかに機嫌を悪くした様子で腕を組み、短い足も組んだまま、俺を睨んで来た。
正直、ここまで幼女に恐怖した事は無いだろう。真剣にこの幼女は怖いのだが。
「………わ、わかった。はじめよう」
「どうも様子がさっきから変ね。もしかして初めてなの?……ふん、そんな駆け出しに調教されるなんて、私も舐められたものね」
どうやらこの幼女、相当にプライドが高いらしい。
確かに見た目も高貴そうなのだが。
いや、金髪というイメージからそう思うだけなのかもしれないが。
とりあえず近寄り、腕組みをやめさせ、服のボタンを一つずつ取って行く。
その間、終始軽蔑し切った視線を向けられる訳だが、これには思わず冷や汗をかいてしまう。
「服を脱がすという事は、死ぬ覚悟があるという事ね。無謀な事で」
幼女は素早く腕を俺の首に絡めると、そのまま締め上げようとして来た。
しかし、力が入らないらしく、大して苦しくなる前にその締め付けは止まった。
「くっ…この下種……」
口では諦めた様な事を言っているが、幼女は未だ腕を放さず、体を俺に押し付ける様にして何とか力を込めようとして来る。
しかしそれでも、俺の首を絞める事は叶わない。
「いい加減やめてくれないか?後、胸当たってる」
ほとんど無い様なものだが、確かに柔らかい膨らみが鎖骨の辺りに当たっている感覚がある。
幼女は慌てて腕を放し、顔を赤くしてそのまま顔を背けた。
「この幼女趣味……絶対、何時か殺してやるから……」
誤解だが、どうせ聞く耳持たないだろう。黙々とブラウスのボタンを外し、あえてそのまま脱がす事はしないでスカートの攻略を始める。
「………勝手に脱がす前に、言うべき事があるでしょう」
まだ仄かに赤い顔をしながら、冷たく言い放つ。
そこまで恥ずかしい事だろうか。
「えーと、脱いでもらうから、足も解いてくれるかな」
「ふん、子供に言い聞かすみたいな言い方ね。気に食わない」
そう言いつつも、ちゃんと足は解いてくれる。
実は意外と、ツンデレ系なのだろうか。
「…今、何か疚しいことを考えたでしょう」
おお、こわいこわい。
黒い布地の裾にフリルの付いた、いかにもゴスロリといった風なスカートを取り去ってしまうと、いよいよ残すは下着だけとなった。
「……さすがにあなたに脱がされるのは不快ね。自分で脱ぐわ。向こうを向いていなさい」
どうせ後で見る事になるのだが、ここは大人しく従う。
そうしないとややこしそうだ。
「終わったわよ。何時か殺される運命を享受するなら振り返りなさい」
それは簡便だが、とりあえずこの屋敷から出さない限り、安全は確保されている。
可哀想だが、ここに閉じ込めてしまえばそんな鮮血の結末には成り得ないだろう。
そんな事を考えつつ振り替えると、そこには一部を除いて一糸纏わぬ姿の幼女…というかそろそろ名前で呼ばないと面倒なのでルーミア、が居た。
ちなみにここでいう一部とは、何故か脱ごうとしない靴下が隠してある足だけである。
ニーソ、ニーハイだとそういう人には良いだろうが自分は割りとノーマルだし、そもそも彼女の靴下は本当にただの靴下だ。
「ふん、始めて見た女性の裸に言葉も無いのかしら。この童貞」
女性っつーか、幼女ですよ。アナタ。
それ以前に、靴下ばかり気になってロクに見てないのですが、ええ。
そして、何故俺が童貞だとわかった。
―しかし、改めて見ると、中々どうしてこっちが恥ずかしいものだ。
下はまた何時の間にかに足を組んでいるので隠れているのだが、意外にも上はオープンで、恥ずかしがる様子も無い。
そんな姿を見てしまうと、何故か「こら、そんな格好して、変な虫が付いたらどうするんだ!」って感じの親、ないしは兄の様な心情になってしまう。
アッルェー?
まあ、何にせよこのままにする訳にはいかない。色々と。
とは思いつつも、まずどうするのか……っと、そういえば昨日この屋敷にあった日記的なもの(恐らく、俺のらしい…?)を読んだのだが、それに寄ればまず、所謂愛撫で調教して行くのが良いらしい。………どうすれば良いかわからないが。
この幼女、ルーミアの様子だと上手く言えば勝手に口を滑らせてくれそうだが、失敗すれば逆効果、とりあえずおっかなびっくりにでもしてみよう、うん、それが良いはず。
「えーと、とりあえずベッドの上に、座ってくれないか」
どんな風に喋れば良いのか、あまり高圧的な態度なのも、駄目な気がする。
「……あなたは、自分でさせるのね。………私の心が広くて良かったわね」
あ、もしかしてここは俺が抱きかかえるなりする感じでしたか。
後、あんまり心が広い感じはしませんよ。
なんというか、結構図太い?
まあ、何にせよルーミアはベッドの上に足を組みつつ座ってくれたので、俺も同じ様にする。
ちなみにこのベッドはダブルベッドであり、ルーミアが小さいので三人用なのかという印象さえ受ける大きさだ。
「それで、どうするのかしら?ベッドの上でお飯事をする趣味は無いのだけど」
それ、どういうプレイ?
とりあえず、結構動揺はしているらしい。さっきから結構罵り方がアレだし。
「いきなり、体に触れたりしたら怒る?」
何聞いてるんだ俺、まずYESと返って来る質問だぞ。
「ふん、覚悟はしているわ。それに、どうせ嫌だと言っても聞かないのでしょう?男は皆そうだわ」
過去に同じ様な経験があるのだろうか。
まあ、既に諦めの境地に達しているらしく、それほど嫌がりもしないのでやり易いというものだ。
「じゃあ、遠慮無く……」
どうすれば良いのかわからないが、とりあえず敏感な所ぐらいはわかるので、その辺りを触れば良いのだろうか。
最終更新:2008年12月29日 23:23