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木原加群(きはらかぐん) - (2013/05/20 (月) 15:47:00) の編集履歴(バックアップ)


【種別】
人名

【初出】
新約四巻

【解説】
足首までの白いコートを着た黒髪の男。初登場時はフルフェイスメットを着用していた。
その正体は、学園都市を去った『木原一族』の異端にして、魔術結社『グレムリン』の正規メンバー「ベルシ」。

元は「生命や魂に関する事柄からオカルトを排除した上で、命の価値は不変であることを証明する」ために
十代にして臨死体験におけるビジョンの解明実験を行っており、並はずれた『木原』らしさを発揮。
「結果的に全被検体が蘇生したが、一度止めた心臓の数は木原の中でトップクラス」という記録を残す。

二十代になる前に「このまま研究を続けると、命の価値は非常に低い所で固定される」と悟り研究職を引退。
平凡な小学校教師の道を選び、『落第防止』として、男女合わせ32名の生徒を学校生活に復帰させた。

だが3年前の春、復帰した雲川鞠亜に付き添って小学校へ登校した際、
通り魔から襲撃された鞠亜を守るために、花壇のスコップで通り魔を返り討ちにし殺害してしまう。
自ら警備員へ出頭するが、正当防衛が認められ無罪、教員免許の剥奪もなかった。
だが裁判終了後、退職メールを同僚に送り失踪。子供たちが自分に憧れることを防ぐためであった。

実はこの通り魔は、木原病理が「人の役に立つ異端の木原」としての道を加群に諦めさせるために
何の罪もない少年を精神的に追い詰め、通り魔に仕立てあげて送り込んだものであった。
この時点で加群はこれを察しており、「本来は被害者であった通り魔の少年」の復讐のために病理を討ち、
なおかつ直接的に手を下した自らも相打ちで死ぬ決意を固める。

学園都市を去った加群は、当時黒小人の工具改良を試みていたマリアン=スリンゲナイヤーと遭遇。
魔術の実在を知り、マリアンと行動を共にしながら独学で魔術を学んでゆく(ベルシの項を参照)。
後に合流した『グレムリン』においても自滅的な目的が災いして周囲から避けられていたが、科学者として大きく貢献し、
目的達成のための手段を選ばない「木原らしさ」を発揮して、「科学の利用」という思想の根幹をなす存在となった。

やがて反学園都市サイエンスガーディアンを『グレムリン』が実験のために使用した際、
バゲージシティに派遣された木原病理と交戦、筋書き通り病理を殺し自らも重傷を負って死亡する。
遺体はオティヌスによって、死体人形『死者の軍勢』として回収された。

生前、復讐に生きる加群(ベルシ)を危ぶんだマリアンは、彼に出来る限りの魔術的指導を施し、
「もしも復讐が終わってさ、それでも無意味に生き残っちゃって、
 何にもなくなっちゃったなら、その時は私のトコに来いよ」
とアプローチをかけていたが、ついに加群が答えることはないままに終わった。

木原としては例外的に善良な性格だが、
その善良さから発した復讐劇は、結果的にバゲージシティでの惨劇などを生み出し、自己と周囲に破滅を散撒いてしまっている。
善良な彼をしてなお、「科学を悪用してしまう」という木原の宿命からは逃れられなかったらしい。