夜道を歩いていると、正面から誰かが歩いてくる。 遠目から見てその誰かは全身黒尽くめであり、 少し不気味に思って、目を合せないようにすれ違うことにした。 けれど、すれ違う際にその誰かは黒い格好をしているのではなく、 [[黒い影]]だという事を見てしまう。 こちらの視線に気付いたかのように、影はゆっくりとこちらに振り向く。 そこには目も口も、鼻もない。 恐怖に震えて逃げ出すも、影は追いかけてくる。 そして追いつかれると、影に呑まれて自分も影にされる。