【名前】ルーチェ
【性別】男性
【所属】魔術
【能力】『光を掲げる者(ルシフェル)』に由来する魔術を使う
【説明】
「重圧術式」
唯一神の玉座の右側に侍ることを許された『光を掲げる者(ルシフェル)』は神と同格であるという解釈に基づく術式。
テレズマが充填された霊装から放出される金星の光を当てた者に『重圧』を掛ける術式。
神様と同格の存在に刃向かう者は許さないという理屈によるもので、ヴェントの天罰術式と類似している。
ルシフェルを象徴する、円形から十二枚の翼が生えたペンダント型の霊装と、先天的に持つルシフェルに似た魔術的記号があって初めて扱える。
霊装から放出されるのはあくまで『魔術的な光』であるため、通常の手段で視覚的に捉えることは出来ない。
蓄えたテレズマの総量によって放出できる光の量と強さが決まり、光が強ければ重圧もそれに比例して強くなる。
重圧の強さは最高で「七秒間地面に倒れ伏して身動き出来なくなる」、最低でも「常に身体が少し重く感じる」。
霊装に金星の光を当てる事でテレズマが充填されるので、光が届く屋外では恒久的に術式を行使できる。
ただし、最大出力に限っては、消費量が供給量を大きく上回るため、再度発動するにはテレズマを十三秒間蓄える必要がある。
また、圧力によって鈍くなるのは肉体の動きだけでなく、反射神経や五感も含まれるため、
そこそこ強い重力下に置かれると、相手の動く速さを聖人級に錯覚したり、本来であれば防御できる攻撃を素通りさせてしまう。
重圧そのものに殺傷能力は無く、相手の動作を阻害しながら、金星の光とテレズマを融合させた光翼などで牽制を行うという戦闘スタイルを取る。
【概要】
反十字教魔術結社「
黎明教団」の首領。
由緒正しいローマ正教の聖職者の家系に産まれ、この世界に生きる全ての人間を苦しみから救いたいという一心から大学で十字教神学を学ぶ。
卒業後はローマ正教に入信。「全ての人々を平等に救う」という十字教の指針に従い、大学時代の友と共に世界中で「無償の善意」を行う。
正教の中には、正教徒以外には施しを与えない者、正教徒以外の人間は人間ではないという見方をする過激な者が大勢いる事に気付き、
そういった者たちを、トップである教皇が何も罰しないため、彼は徐々にローマ正教、および十字教に対して不信感を募らせる。
ある日、異教徒の集団を無償で助けてしまった事が原因で「異端審問」の対象となるが、妻が身代わりとなったため彼は処刑を免れた。
この事件を契機に彼は「十字教では世界を救えない」「十字教は正しい宗教ではない」と悟り、十字教そのものから背信する。
その後、十字教が悪魔と定める「光を掲げる者(ルシフェル)」こそが真の神で、今までの悲劇は偽神を信仰していたが故の神罰なのだと悟る。
そうして彼は「
暁の子」を崇拝し、「神の子」を軽侮する魔術結社を設立。奇跡(という名の魔術)によってあまねく人々を悲劇から救い、信者を集めた。
基本的に良識を持って行動する。困っている人間がいれば無償で助ける善人。今日も今日とて光翼で世界中を飛び回り、困っている人を探している。
十字教と「神の子」に対して激しい嫌悪感を抱いているが、だからと言って十字教徒を差別せず、困っていれば救い、改宗の余地があるなら勧誘する。
全ての人々を救うという信念を持つため、彼は絶対に人を殺さない。不殺を貫く彼にとって、無傷で相手を無力化できる重圧術式の存在はとても大きい。
最終目的は「全人類の神及び宗教からの独立」。「十字教の終焉」はあくまでも最終目的を果たす上での通過点に過ぎない。
だが、その願いが叶う前に、十字教との「宗教戦争(レリギオンウォー)」によって、彼と魔術結社は滅亡するであろう。
【特徴】
三十代後半の長身男性。金眼で黒髪。
取り立てて言い及ぶところのない、平凡な美男性。
全く魔術師に見えないが、それ故に得体の知れない雰囲気を放つ。
墨と漆で染め上げ塗り潰したかのような漆黒のスーツを着こなす。
首からペンダント型の霊装をぶらさげている。
【台詞】
「私はね、世界を救いたいんだ」
「十字教信仰で世界が祝福されるというのなら、どうして、世界はこんなにも絶望に満ちている」
「我らによって救われた人は無数に存在する。厳然たる事実だ。何人も否定することは出来ない」
「我らが信ずるべきは、神の子ではない。暁の子だ。暁の子こそ、我らが信ずるべき神なのだ」
「神が何をしてくれると言うんだ。腐肉を噛み、泥水を啜り、苦しみ、傷つき、息絶える人間が溢れているのに、神とやらは、全く我々を救おうとしないじゃないか」
【SS使用条件】自由