「黎明教団」
「
暁の子」を真の神として崇拝する一神教の新興宗教。開祖は
ルーチェ。
絶対に「暁の子」を崇拝しなければいけないという訳ではなく、神僕(十字教定義の悪魔)を信仰しても良い。
十字教に救われなかった者、見捨てられた者、破門された者、家族や友人を殺され世界を壊された者、
それらを嘆き悲しむ者、そして、黎明教に救われた者などによって構成された魔術結社。
「全ての人々を平等に救う」という行動指針を掲げ、ボランティアを世界各地で行う善人の集団。
反十字教を掲げるものの、「全ての人々を平等に救う」という指針の通り、救済対象には十字教徒も含まれる。
これは、世界を混乱させているのはあくまでも十字教であり、教徒には何の罪も無いという首領の考えから。
しかし、教団の規模が設立当初に比べて肥大化した今となっては、首領が全体を把握し切れない事もあり、
善意を無償で行わない者、十字教徒を救わない者など、ルーチェの意にそぐわない者が増えてきている。
入信に国籍や年齢の制限は一切無く、「人を救いたい」という想いがあれば誰でも結社の一員になれる。
教徒も現役学生や元孤児、異端狩りの被害者、元十字教徒、基本的にフリーの魔術師など様々な人間がいる。
中には十字教を信仰していることを隠して入信している十字教徒も少なからず存在するとか。
結社の規模が大きく、国籍・年齢・職業・性格・思想など個人の横顔がバラバラであるものの、
「人々をあらゆる苦しみから救ってあげたい」という名目の下、相応に統率はとれている模様。
無用な争いを避ける為に十字教徒と表立って衝突することはルーチェから禁止されているが、
十字教徒から酷い目に遭わされ個人的な恨みを持つが故に、隠れて復讐を行う過激派も確かに存在する。
全体のトップは勿論ルーチェだが、拡大した教団を効率良く管理し、会議を開いて多角的な意見を交わす為に、
何人かの幹部が存在する。幹部は全員が優れた魔術の使い手であり、外敵から同胞を守る役割も担っている。
当然十字教との仲は悪く、表面上は不可侵を保っているが、水面下では互いの過激派が争い対立を深めている。
いずれ十字教との「宗教戦争」が起こるだろうが、もしそうなれば、黎明教団は確実に敗北、壊滅するだろう。