【名前】ペンドラゴン
【性別】男
【所属】魔術
【能力】霊装『施術鎧』、『ブリテン島の十三の宝』
【能力説明】
『施術鎧』
かつて英国の騎士に支給されていた鎧型の霊装。
現在の騎士団は洗練された肉体強化魔術によって鎧の加護を必要としないため採用されていない。
本来の性能は『装甲に魔力を通す事で、装着者の運動能力を二〇倍に高める』というもの。
しかし専門の霊装職人による補修を受けていないために随所に経年劣化が見られ、力を半分引き出すのが精一杯。
言わば蔵の奥にしまわれる骨董品を実用品として使い続けているようなもの。
『ブリテン島の十三の宝』
騎士ペンドラゴンが蒐集し、完成を目指す十三の霊装。
英国の伝承に伝わる、古の神々が人々に与えたという十三の宝具。彼はその完成を悲願とし、英国全土の僻地にまで足を運び『素材』を蒐集している。
No.01『アーサー王の透明マント』Collected.
身に着けたものを透明にさせるマント。大人一人をすっぽり覆い隠せる程度の大きさ。
No.02『ブラン=ガラッドの角笛』Uncollected.
飛竜召還用の媒体、召還主との契約が必要。契約内容は召還主への定期的な生贄や、膨大な魔力を要求する事が多いとされる。
No.03『モルガンの馬車』Uncollected.
妖精モルガン(もしくは女神モドロン)が作ったとされる戦車。
No.04『ティドワル=ティドグリドの砥石』Collected.
武器全般と、武器に付与された力を修復する機能を持つ砥石。上記の施術鎧にも修復を施しているが、それでも機能を完全に回復するには至らない。
No.05『クリドゥノ=アイディンの絞首縄』Collected.
首を縛られると二足歩行が出来なくなる縄。イギリス清教が所有するレプリカよりも完成度が高く、対象を屈服させる事が出来る。
No.06『クリドゥノ=アイディンの大釜』Uncollected.
死者を蘇らせる事が出来ると言われる奇跡の釜。不老、性転換も可能らしい。
No.07『パダルン=レドコウトの外套』Uncollected.
魔力の籠った外套。伝承でも名前が語られる程度で、詳細は不明。
No.08『リゲニズの壺・皿』Uncollected.
壺に入れたものは腐らず、皿に盛れば温度調節が自在に出来るとされる。美食家の間では至宝とされている。
No.09『ライヴロデズのナイフ』Collected.
所有者の魔力を注ぐ事でエネルギー刃を生むナイフ。量産化に成功しており、主に投擲武器として使用する。
No.10『グウェンドライのグウィンズブイル板』Collected.
十三の宝の中でも一際特異な物品で、伝承通りに解釈すればジェットスケートボードと形容せざるを得ない。最高速度は時速300kmそこそこ。
No.11『グゥイズノ=ガランヒルの篭』Uncollected.
デルヌウィンとも呼ばれる。古代遺産の眠る宝箱で、風化せず、物を永久保管することが可能。
No.12『エリネドの指輪』Collected.
所有者の魔力を注ぐ事で身体能力を向上させる指輪。施術鎧との競合を避けるために併用は出来ない。
No.13『カリバーン』Collected.
伝説に名高きアーサー王の剣。『ブリタニア列王史』において、アーサー王は四七〇人のサクソン兵を一刀の下に斬り捨てたとされる。
ペンドラゴンが再現したレプリカは範囲攻撃に特化しており、斬撃の軌跡に沿った衝撃波が扇状に五〇m先まで届く。
しかし彼曰くこの剣は未完成であるらしく、オリジナルに近付けようと調整を繰り返している。最近は
ファガットの持つ『硬き稲妻の剣』に興味を示しているようだ。
なお中世に発展を遂げたアーサー王伝説の中でカリバーンも多様化したものの、エクスカリバー系の伝承は邪道であるとして取り入れる気はないらしい。
【概要】
魔術結社『
革命者の王冠』に所属する齢七〇前後の老練の魔術師。魔法名は『王国を奪い還す者(Regnum682)』。
第一戦力である『第一紅蓮騎士部隊』の千人長を補佐する幹部の一人。常に英国式の騎士甲冑で完全武装しているので、所属部隊は
千人長以上に『らしい』と評されている。
ただし性格は一言で表すなら『狂人』。完全にネジが飛んでいる訳ではなく『半狂人』が正確だが、度々常人には理解し難い行動に走る事がある。
自身を魔術師ではなく『騎士』と称して憚らず、気持ちの昂りが最高潮に達すると『王』を名乗る事もある。
彼の終生の悲願は「『ブリテン島の十三の宝』を掌中に収め、その力を以て侵略者に奪われた祖国を奪還する事」らしいが、普段の奇言奇行ぶりからまともに取り合う者はいない。
その正体はかつて英国王室に仕えた騎士であり、現在の『騎士団』に改組される以前の十三騎士団においては騎士団長の一人にも数えられた傑物。
ウェールズ出身の伝統的なブリトン人の末裔という素性を伏せて王室に仕えていたが、ある時任務で訪れた大英博物館での出来事が彼の人生を大きく変えた。
彼が指揮する騎士団に与えられた任務は、『血の祭壇』に収められた宝物に宿る『古代王の亡霊』の怒りを鎮める事。古い記録によると、その作戦で彼は亡霊に憑依され気が触れたとされる。
狂人と化した彼は王室から貸し与えられた施術鎧を纏ったまま大英博物館より姿を晦ませ、その後の捜索も空しく消息は不明。カーテナからの力の供給を断つべく騎士派から除名された。
実際の所、彼の中で長年燻り続けていた『アングロ=サクソン人系の現王室への隷属』という現状への鬱憤が、『亡霊の怨嗟の念』という都合の良い切っ掛けを元に別人格を形成したというのが真相。
つまり彼は元来『解離性同一性障害』であり、心の奥底に眠っていた潜在的な人格が無数の『古代王の亡霊』として区画化されたのである。
騎士団出奔後は『古代王の亡霊』が語る膨大な叡智に導かれ、水面下で現王室の転覆・ブリトン人王国の再興を悲願に掲げ、そのために必要な霊装『ブリテン島の十三の宝』の蒐集に乗り出す。
この頃より歴代のブリテン王が冠した称号『ペンドラゴン』を称するようになる。その名は『竜の頭』を意味し、『騎士の長』、『偉大な騎士』、『王』などの意味合いを持つ。
その後半世紀近くを英国内の『素材』蒐集に費やしたものの、成果は芳しくなく集まったのは半分ほど。彼はこの原因を、アングロ=サクソンの圧迫により海を渡って大陸に移住した祖先の手で、残りの『素材』がブリテン島から持ち出されたのだと推測。
『革命者の王冠』に所属した理由というのも、既に英国内の『素材』は蒐集し尽したと判断した末に、蒐集の版図を全世界に広げるためである。
【特徴】
古木のひび割れた表皮の如き深く刻まれた皺と、カイゼル髭が特徴的な白髪の老人。しかし普段から全身を騎士甲冑で覆っているため、その素顔を見た者は少ない。
すらりと背が高く180はありそうだが、腰が曲がっているため実際の身長より低く感じる。施術鎧は全体的に傷んでおり、彼がこれまで潜り抜けてきた戦場の過酷さを物語っている。
【台詞】
一人称は「私」「吾輩」「余」「予」「我」「儂」等、二人称は「卿」。ちなみに他人からは「ペンドラゴン卿」と呼ばれない限り基本的に反応しない。
「吾輩の名はペンドラゴン。かつて大ブリテン島を統治した偉大なる竜王なり。今は故あって異民族の王にその座を追われた身なれど、何時の日か必ずや祖国を奪還してみせようぞ!」
「ファガットよ、卿の『剣』を少し調べさせてはくれぬか? 何、無論タダでとは言わん。儂の『ナイフ』と交換でどうじゃ? む、それは昨日貰ったとな。はてそうじゃったかのう」
「卿ら、光栄に思うが良いぞ。このペンドラゴンが宝剣『カリバーン』の紫電一閃、その美しさを網膜に焼き付けて花と散る事の誉れをな―――ッ!!」
【SS使用条件】
ご自由に
最終更新:2014年03月03日 00:12