☆ 風紀委員159支部

破輩「どうだ調子は? 大事に至らず良かったな」

闇城「あ、あんたは、さっきの激マブ姉さん」ガバッ

破輩「さすがにその表現は古いだろ・・・けどそんな軽口がきけるようなら大丈夫そうだな」フッ

破輩「大変だったんだぞ? お前の知り合いも近くにいないし、かつ病院に行くほどの重症ではなかったし」

破輩「仕方ないから一旦保護という名目でこの風紀委員の支部まで運んできた。不幸中の幸い、プールからここはそれほど離れた場所じゃないから良かったよ」

闇城「またなんという・・・急展開」

闇城「しかしサンキューな。えーと、あの」

破輩「破輩妃里嶺だ。どうせお前年下だろうし敬意を払って破輩先輩と呼べ」

闇城「へいへい。サンキューな破輩先輩」

破輩「よろしい」ニンマリ



114 :■■■■

闇城「しっかし風紀委員の支部にしては散らかってるな。もっときれいなイメージがあったんだけど」キョロキョロ

破輩「それは不出来な後輩が自分の始末書も片付けずにとんずらしたからだよ」

破輩(鉄枷のヤツ。今日中に片付けとけって言ったのに・・・)ゴゴゴ

闇城(あれなんかタブーな話題だったか? 怒りのオーラが見えるんだが)

破輩「まあ。何にもないけどお茶くらいなら出すぞ? お、そうだ。ブロッコリーソーダなんてのもあるけど、どうだ」

闇城「どうだ、じゃないよ。今度はゲテモノジュース飲んでぶっ倒れろっていうのか」

破輩「ハハッ。それも面白いかもな。夏休みに二度も昏倒したなんてそうそうできることじゃないぞ?」ケラケラ

闇城「そんな経験はいらねえ!」



115 :■■■■

闇城「と、これはなんだ?」スッ

破輩「ああ、それは去年の風輪学園のアルバムだよ。文化祭とかの写真が収められている」

闇城「へえ。楽しそうじゃん。俺もこっちの学園にすりゃあよかったかな」パラパラ

破輩「そう楽しいことばかりじゃないぜ? レベル4には順位とかあるし、何かと面倒事は多いし」

闇城「へえ順位か・・・俺もレベル4だから自分の順位があれば気になるねぇ」

破輩「意外だな・・・鼻血垂らして失神したお前がレベル4なんて」ポカン

闇城「いや、それ関係ないから! レベル4でも余裕で鼻血垂らして失神するから!!」



116 :■■■■

破輩「そういうものなのか」

闇城「そういうものなんだ」

破輩「フフ。まあそういうことにしておこう」ニコリ

闇城(腑に落ちねえ・・・)

破輩「しかし私も幸運だったな。こんな形で貴重なレベル4に貸しを作れるとは」

闇城「どういうことだ?」

破輩「お前、さっきこの学園が楽しそうだといったな」

闇城「あ、ああ」

破輩「けど違うんだよ。全てが、根本的に。それを知るまでは私もお前と同じ感想を抱いていただろう」

破輩「夏休みに入った今なお・・・どこかで風鈴は悲しみの音を上げている」チリーン

破輩「今のこの学園の現状は学期末に発覚した一部生徒への暴行・カツアゲの主犯格を捉えられないまま、こうして夏休みを迎えてしまっているという悲惨なものだ」

闇城「・・・うわ。不良が裏で暴れまわってたのか。それは怖いねえ」

破輩「夏休みにもなれば学校の管轄外にもアイツラはその手を伸ばしていくだろう。それを阻止、確保するために私はこの学園のレベル4達に協力を依頼したんだが・・・」

破輩「協力しない、誰一人として」

闇城「すばらしい結束力だな」シレッ

破輩「前置きが長くなったな。で、ここで話が前に戻る」

闇城「要するに・・・助けてもらった恩をあんたに協力する形で返せということか?」



117 :■■■■

破輩「そうとまでは言わない。ただ少しでも気が向いたらでいい、お前の力を貸してくれ」

闇城(あ~だりい。俺が求めてんのはこんな血で血を洗う、シリアスな夏休みじゃないんだよ)

闇城(もっとおっぱいがいっぱいなピンク色の夏休みをだなぁ・・・)

闇城「まあ借りは借りだし一応考えておく」ボリボリ

破輩「ああ、そうしてもらえると助かる」ホッ

闇城「じゃあ俺は帰るとするよ。破輩先輩殿も頑張ってくれ」バタム

破輩「殿は余計だ。バカ」フッ

☆ 

闇城「あ~・・・めんどくせえことを聞いちまった」

闇城「忘れてえよ・・・俺が平凡な夏休みを送っている何処かでは別の学園の生徒が傷ついてるなんてさ」

闇城「まあわかってはいたんだ。心のなかでは。そういったレベル関係で苦しんでいる奴がいることも、くだらない怨みやいざこざに飲まれちまってる奴がいることを」

闇城「全てを知っていて見ないふりをしていた・・・」

闇城「向き合う時が来ちまったってことなのかなぁ・・・」ハァ


二日目B 完

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最終更新:2016年01月18日 18:07