【名前】ピクリス=K=ドロワ
【性別】男
【所属】魔術
【能力】『三種の魔路(ザ・シルクロード)』、『伎楽面儛踏会(マスカレイド・クロス)』、『蜃気楼閣(ガンダルヴァ・ナガーラ)』。
【能力説明】
  • 『三種の魔路(ザ・シルクロード)』
シルクロードは東西の異文化交流において極めて重要な役割を持っていた。文化・宗教・物品の移動もそうだが、仏教のシルクロード伝播を代表に神話や伝承の通り道にもなっていた。
ピクリスはこれ等の役割を魔術的記号として抽出し、魔術式として整理整頓した。任意の地点に世界を横断する役割を持つ『路』を示す魔術的記号を付与し、物だろうが魔術を構成する魔力だろうが世界の力であるテレズマだろうが区画整理された『路』を流れるよう仕向ける事ができる。
一言で言えば流れの誘導に特化した通路構成魔術。通路は全てピクリスの感知範囲となる。道は『大海の魔路(シーロード)』・『草原の魔路(ステップロード)』・『虚空の魔路(オアシスロード)』の3つに大別され、地脈・龍脈・テレズマなどのエネルギーにも対応できるような仕組みになっている。
『大海の魔路』は水に『路』の魔術的記号を付与して作り出す道。海上・海中問わず作り出される『路』は全てを呑み込む大渦となり、海上を揺蕩う漂流物を乗せる大波にもなる。
『草原の魔路』は地面に『路』の魔術的記号を付与して作り出す道。地上・地中問わず構成される『路』は大地を揺るがす隆起となり、地割れすら引き起こす。
『虚空の魔路』は空間に『路』の魔術的記号を付与して作り出す道(オアシスと蜃気楼の伝承を利用している)。虚空に顕現される『路』は靄のようなものによって先を見通せない空間迷路と化し、彷徨う者は『路』を辿る様々な魔術の餌食となる。
『路』には必ず出口が設けられている。また、『三種の魔路』で操る『路』はそれぞれ単独使用を強いられる。術者であるピクリスには状況に応じて『大海』・『草原』・『虚空』のいずれを使用するのか臨機応変な立ち回りを要求されている。

  • 『伎楽面儛踏会(マスカレイド・クロス)』
古今東西「仮面」というのは神格や霊魂などが人間に宿る為の手段であると解釈するピクリスが世界最古に属する仮面たる伎楽面と伝統演劇伎楽を基にして編み出した、『三種の魔路』における『路』の中に入った者を原則対象とする魔術。
伝統演劇伎楽に登場する演者(=伎楽面が示す役割)を表現する木彫りの浮遊伎楽面(世界最古のオリジナル伎楽面をピクリスは日本にて発掘・入手した。14種類全70面。つまり各々の面を5セットずつ保有している事になる)を顔に装着させられた(頭からすっぽり被るような形となる)者は演者の役割を強制される。
他人と意思疎通は不可能。しかも、神格や霊魂などが人間に宿る為の手段であると解釈の為伎楽面を破壊すると装着していた者の脳も破壊される。
真の意味で洗脳を解除するには当人が閉じ込められた『路』が消失するか『路』から脱出するしかない。
伝統演劇伎楽に登場する伎楽面の中で特に危険なのが迦楼羅の伎楽面である。迦楼羅はインド神話のガルダであり、仏教の迦楼羅天でもあり密教でも重要な役割を持つ。
迦楼羅が炎そのものになった逸話『迦楼羅焔』を基にした術式を携える仮面は、取り付いた者へ強制的に金色の炎を宿させ、その炎で以て洗脳される者の体を焼きながら演者としての役割たる『敵の殲滅』を忠実に実行させる。
例外としてピクリスは自作でミニマム伎楽面を作っている。自作には洗脳効果など上記の効果が全く無い代わりに通信機能を持つ。『路』以外でも使える自作伎楽面は対象となる人物の顔を模した仮面(2つで1セット。例えばピクリスを模した仮面だとするならば片方は他者が持ち、もう片方はピクリス自身が持つ事で通信が可能となる)である。ピクリスの作り出す仮面はシュールだったり笑えたりする出来との評判。

  • 『蜃気楼閣(ガンダルヴァ・ナガーラ)』
インド神話における半神半獣の奏楽神団ガンダルヴァと、ガンダルヴァの居城である蜃気楼でできた城の伝承に基づく幻覚魔術。
奏でる演奏が自然界の中のラーガ(=音の力学であり規定)とされているガンダルヴァと伎楽には深い関連性が存在し、一説では『天の伎楽神』とも称される。
ピクリスはハープ型霊装『ガンダルヴァ・ヴェーダ』を奏でる事で演奏を聞いた者達を幻覚に満ちた迷宮楼閣に引き摺り込む。
『ガンダルヴァ・ヴェーダ』の音は聴覚のみならず嗅覚にも侵入する。その為聴覚を遮断するだけでは『蜃気楼閣』を防ぐ事はできない。嗅覚を遮断するだけでも同義。聴覚と嗅覚双方から入り込む幻覚魔術は、すなわち双方を遮断しなければ防ぐ事は叶わない。
しかしながら自然界に普通に存在する音として奏でられるラーガは音としても匂いとしても微かなので事前に察知するのも困難である事もまた事実。
一度幻覚に嵌ると凄まじい臭気に苦しむ他全ての感覚能力に異常を来たす。また、幻覚で負った傷が実現する。
『三種の魔路』と組み合わせる事で難攻不落の幻覚魔術となり、敵へ『伎楽面儛踏会』を仕掛ける隙を作り出す手助けにもなる。
【概要】
魔術結社『多からなる一(イ・プルーリバス・ウナム)』に所属するショタ魔術師。魔法名『旅人は道無き道を渇望する(via039)』。17歳だが外見は確実に10歳未満であると見間違う程。
魔術師家系の母と一般人の父を親に持っていたが、幼い頃母が魔女狩りに遭い殺害される。その後父親も母の後を追うように他界し、人身売買組織を転々とする。
その行き着く先として『必要悪の教会』に人材を補給する為の人身売買ルートを確立していたイギリス清教の司教の下へ売られる直前に母から伝授された魔術を用いて逃亡する(この時点まで魔術師としての力を公に振るった事は無かった)。
魔術を使わなかったのは両親を相次いで失った事による喪失感から自分の命などどうでもいいと考えていたからであるが、人身売買組織にて売り買いされる少数民族の子供達の境遇を身を以て体感する事で次第にこの状況を何とかしたいと考えるようになり生への執着心が芽生えた事で魔術師として生きていく事を決めた。
亡くなった母が秘密裏に残していた魔術理論と歴史を巡る旅が好きだった父の影響からピクリスはシルクロードに関わる伝承や異文化交流に着目し母の想定を超えるピクリスオリジナルの魔術を構築していった。魔術師としての才覚は間違いなく鬼才の部類に入る。

『多からなる一』では幻覚や洗脳などの搦め手を用いる魔術師として拠点防衛任務を預かる者の一人。拠点防衛が最も得意だからであるが、指示が下れば拠点攻略戦など前線で戦果を挙げる事を確実視される有能さも併せ持つ。
認識阻害結界を有する『ハワイキ』と自身の魔術のシナジーが抜群という事もあって特段の事由が無い時は本拠地の守護任務に就いている。
『路』を使って『ハワイキ』の移動の助力や緊急事態を想定した防護構築網の訓練も欠かさない等根は真面目。
少数民族の人身売買情報収集については特に執心しており、そこに魔術が絡んでいるとなると魔術結社『多からなる一』として他の結社メンバーと協力して迅速なる救出に臨む。
幼少の経験により特に魔女狩りについては絶対的な忌避感を抱いており、さらには自身を売ろうとしていた組織の買い手がイギリス清教の司教である事を知っているピクリスは十字教の中でも特にイギリス清教を毛嫌いしている。
【特徴】
156センチ40キロ台後半という小柄な体格。格闘戦も不得手。短く切り揃えたエメラルドグリーンの髪の頂点からアホ毛がピョコンと立つ。スカイブルーのアンダーリム眼鏡を着用。
白系統のシャツの上から藍色のテーラードジャケットを着込み、黒の線と青の生地で構成されるチェック柄のチノパンを穿く。
根は真面目なのに、ピクリスが作り出す仮面がどうにもシュールだったり滑稽だったりするのでそれをネタにイジられる事が多い。
小柄な体格が災いしてか年下の仲間からもイジられるので、その時はムキになって自作仮面の芸術性を力説する。
【台詞】
「別に位相をどうこうしているわけじゃないよ。ボクはただ誰もが歩んでいける『路』を作っているだけさ。まぁ幻覚に囚われた君達が気付く事ができるかどうかは知らないけどね」
「ボクもダイアムと同意見だね。『必要悪の教会』もイギリス清教も表面は良い格好を貫いているけど、中身はドロドロ。全員が全員そうとはさすがに思わないけど、第一印象が最悪だからなぁ」
「だーかーら!このミニマム伎楽面は通信アイテムとしても有能だけど、それ以上に芸術作品としての価値が高いんだってば!ほら見てよ!この彫りの深さ!頬の質感!表情から浮かび上がる伎楽面の躍動ぶり!!君達も魔術師の端くれなら文化に対する造詣を深める事をオススメするよ……ってそこ笑わない!!」
【SS使用条件】
特になし

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最終更新:2016年02月09日 00:21