【名前】報瀬竈守(しらせ かまもり)
【性別】男
【所属】魔術
【能力】塩土老翁
【能力説明】
日本神話において潮流と航海を司る神、塩土老翁の伝承を基にした魔術。
『記紀』神話における塩土老翁は、登場人物に情報を提供し、とるべき行動を示すという重要な役割を持っている。海幸山幸説話においては、悲嘆に暮れる山幸彦に出会った塩土老翁が良い潮路に乗る方法を伝え、海神の宮に行かせる。つまり、航海の道案内をしているわけで、謂わば船の水先案内人と言える役割でもある。他に武甕槌神、経津主神の先導や神武天皇の東征を促したエピソードもあり、それらの行為は一種の知恵授けであり、現代で言うところの情報提供に他ならない。船が安全に航海するためには、潮の流れや天候の変化などを正確に知ることが欠かせない。古来、航海関係者はそうした海上で遭遇する『未知の情報』を司る海の神に安全を祈った。そうした信仰の対象になったのが、航海を守護する情報の神である塩土老翁であった。

報瀬は『未知の情報』の提供者である塩土老翁の神器『神竈』から神託を得る事が出来る。この『神竈』は宮城県塩竈市御釜神社に現存する四口の竈の他に、松島湾釜ヶ淵に沈んだと伝わる失われた遺物をサルベージしたものであり、その神託は非常に高精度。もはや未来視の域にあると言っていい。ただし伝承上の塩土老翁はあくまで他者に情報を提供するアドバイザーであるため、術者自身の未来を見通す事は出来ない。

また塩土老翁は製塩技術を伝えた神としても知られ、神道では海(塩水)に入って身の穢れを祓う儀式があるように、塩は古来より清めの力があると信じられてきた。神器『神竈』の中に張られた海水は絶える事がなく、竈から出た途端に塩へと変化する。膨大な量の塩が生み出す奔流は鬼や悪霊といった邪悪な存在を断罪し、それらを基にした術式を悉く打ち消し押し流す。塩の形状は変幻自在であり、剣や槍などの武器を形成したり、敵対者を塩の柱にする事も可能。
【概要】
神道系遠野派の結社予備軍『みちのくの五賢人』の一人にして、遠野派の将遊留祇咲士を支える幹部でもある魔術師。まさに賢者と呼ぶべき風貌の老練の魔術師であり、『梟師』の良き理解者・アドバイザーとして遠野派全体の中でも名の知れた存在。常に泰然と構えており、余程の事がなければ狼狽えない不動の精神を持つ。
結社予備軍『みちのくの五賢人』は彼を筆頭とする五人の老魔術師によって構成されている。元は十分に魔術結社を名乗れる人員を揃えていたようだが、過酷な修行を繰り返す中で自然淘汰されて行き、残った五名で現在に至るらしい。結社名の由来は五人それぞれがみちのくの磐城・岩代・陸前・陸中・陸奥の五カ国出身だから。現在は奥州の秩序安寧を命題とし、その一環で遠野派の活動を見守っている。
遠野派の幹部としては未来視の魔術で遠野派内部に不穏な動きがないかを内偵し、必要な情報を遊留祇に提供する他、彼の倍近い年月を生きて培った経験から時に思惑に苦言を呈したり結社の方針についてアドバイスする事もしばしば。ただし本人はこれを年寄の冷水だと自嘲しており、最後の決断はあくまで『梟師』である遊留祇に委ねるつもりでいる。
【特徴】
頭髪は完全に禿げ上がり、真っ白い顎髭は地面すれすれまで伸ばしている。つり上がった眉毛が厳めしい印象を与えるが、普段の態度は好々爺そのもの。
若い頃から剣道や古武術に精進していたお陰で、杖を突いているが腰は曲がっておらず未だ気力に満ちている。
水戸黄門の衣装によく似た装束を纏い、印籠の代わりに『神竈』を背負っている。
【台詞】
「ほっほっほ、また来たか我らが若き『梟師』よ。儂らも話し相手がおらんと呆けてしまいそうじゃからの。客人の来訪は歓迎するぞ」
「良い報せと悪い報せ、どちらが先に聞きたい?もっとも、そのどちらもこれから先に起きる事じゃがな」
「儂がこの魔術を会得して早半世紀ほどになるがの。今頃になって、我ながらつまらん術を身につけたものじゃと憂えておるよ。『未知』とは恐怖であると同時に期待でもある。何もかもが『既知』の世界など、擦り切れ色褪せたフィルムを見るのと何ら変わらんよ」
「……そうか。彼奴はもうじき……」
【SS使用条件】
特になし

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最終更新:2016年04月06日 21:07