【名前】小祝晴日(こいわい はるひ)
【性別】女
【所属】魔術
【能力】言霊信仰
【能力説明】
言霊とは言葉に宿る霊の意。古代の日本人は言葉に宿る霊力が、言語表現の内容を現実に実現する事があると信じていた。
小祝は自身の発する言葉に魔力を乗せて呪を紡ぐ事で言霊の力を喚起し、回復魔術や支援魔術に利用している。言霊は一つの方向性に絞って繰り返せばその分だけ効力が高まり、逆に相反する性質の言葉は積み重ねた言霊を霧散させるため、彼女は日常的に『善い』言葉・ポジティブな発言を心掛けている。
善い結果を生むように唱える祝いの言葉。善い言葉を使う事が善い結果に繋がるという日本古来の伝統を基にしている。
ただポジティブな言葉を並べているだけのようにも聞こえるが、小祝は紡がれる言葉に宿る言霊から『正』の気を掬い上げ、怪我人や病人に語りかける事で、その苦痛を癒し呪詛を祓う回復魔術を行使する。
更に日本古来の信仰であるハレとケガレの二元論をベースにした儀式を加える事で回復能力は飛躍的に上昇する。神聖性を意味するハレと対立する不浄性たるケガレは、出産や死、疫病や怪我などにより付与される異常状況とされ、またケガレを『気枯れ』すなわち生命力が枯渇した状態とし、祭などのハレの儀式で心の平静を取り戻す(=生命力を回復する)事が出来るとされた。
小祝は『ケガレ』を怪我や疫病、祟りといった状態異常と捉え、詠唱と並行して餅や赤飯、酒といったハレの日に饗する品々から『ハレ』の魔術的記号を抽出し、寿言の回復効果を高めている。小祝曰く「病は気から」との事だが、実際には見た目以上に繊細な技術が要求される。
言霊信仰において自分の意志をはっきりと声に出して言うことを『言挙げ』と言い、それが自分の慢心によるものであった場合には悪い結果がもたらされると信じられた。小祝は日本武尊に死をもたらした言挙げの伝承を利用した魔術を組み上げている。
記紀神話において日本武尊が伊吹山に登った時、山の神の化身に出会ったが、尊は「これは神の使いだから帰りに退治しよう」と言挙げした。それが尊の慢心(実際は神の使いではなく化身だった)によるものであったため、尊は神の祟りに遭い亡くなってしまった。日本武尊が伊吹山で出会った神の化身は『古事記』では白い大猪、『日本書紀』では大蛇とされ、いずれの話でも大氷雨を降らされ失神させられる。
魔術の効果としては、敵から見て『巳』または『亥』の方角に立つ小祝に対して慢心した状態で言挙げ(彼女の力量を侮り、挑発・勝利宣言する等)を行った場合、神罰の象徴たる氷の礫が豪雨のように降り注ぐ。氷の雨は触れた相手を失神させる効果があり、小石ほどの氷に掠っただけでも持続時間中(発動のトリガーになった相手の慢心の度合いによって決まる)は抗う術もなく氷の雨に叩かれ続ける事になる。
発動条件に相手の意思が大きく関与し、また自身と相手が適切な位置関係に立たねばならないため、実戦では滅多に決まらないらしい。また仮に決まった場合でも基本的に遁走用の時間稼ぎと捉えているため、意識を失った敵に止めを刺すという行為を彼女は容認しない。
【概要】
神道系遠野派の魔術結社『まつろわぬ魂を受け継ぐ者』に所属する
日系魔術師。『現代の歩き巫女』の通り名を持つ。魔法名は『それでも生きてほしいから(Vita753)』。
元はフリーの日系魔術師として津々浦々を渡り歩き、病気や呪いに苦しむ人々に救いの手を差し伸べる活動を続けていた。助けた者に法外な報酬を要求する事もなく、一夜の宿と食事、魔術に必要な餅や米を少しばかり頂いては翌日にはいなくなる、という行動を繰り返すうちに今の通り名で呼ばれるようになる。
日本各地を巡る旅の途中で様々な人間と出会い、時に魔術師と親交を深める事もあった。小祝が魔術で用いる『ハレ』の食品魔術は天草式と行動を共にした際に取り入れた技術である。そして旅の先々でしばしば再会する
旅人から何度か遠野派への参入を打診され、最終的に彼が率いる結社に所属する事になった。
魔術結社に所属してからも基本的にこれまで通りの活動を続けており、結社のアジトにはたまに顔を出す程度である。ただしリーダーを含む連絡先を交換した相手とは定期的に連絡を取り合っているので、有事の際には結社の構成員として務めを果たす心構えは出来ている。
小祝が今の活動を始めた理由は誰にも明かしていない。ただ魔術師がそこに在る以上、その過去にはいくつかの挫折があった事は間違いない。誰かが自身と同じ悲劇を繰り返さないで済むように、彼女は今日も自らの魂に刻みつけた魔法名に従って歩き続ける。
【特徴】
20代半ば。細身のすらりとした佇まい。艶やかな黒の長髪に薄化粧が映える妙齢の女性。
白地に金刺繍の振袖を身に纏い、桐製のぽっくりを履く。『ハレ』の儀式に使う食品類が多数収納された霊装の風呂敷を襷掛けにしている。
【台詞】
「〜ない」という否定の言葉を避ける。
「行かないで」➡「ここにいて」、「焦らないで」➡「落ち着いて」等。
「私は通りすがりの祈祷師ですよ。失礼とは思いましたが、話は聞かせてもらいました。もし宜しければ、私に息子さんを診させて頂けますか?きっとお力になれると思いますよ」
「咲士さん、こんな所で会うなんて奇遇ですね。あはは、相変わらずお忙しそうです。今はこの辺りで『
対話』を?だったら……うん、貴方さえ宜しければ暫くお手伝いしましょうか。いやぁ、ここで出会ったのも何かの縁ですし、私もたまには組織に貢献してみようかなと」
「私が遠野派に加わる際に貴方の結社を選んだのは……、貴方達がどこか『彼ら』に似ていたからです。雰囲気というか、空気のようなものが。そしてそれは、私の信念にも通じる所がある。そう思ったから、私は今この場所に立っているんですよ」
「
休 ミ ニ 臥 ス 者 ニ 代 ワ リ テ、善 ナ ル 言 ノ 葉 ヲ 以 ッ テ 畏 ミ 申 ス。
此 ナ ル ハ 筵 ニ 饗 サ レ シ 酒 ニ シ テ、社 ニ 供 サ レ シ 御 饌 ナ リ。
賎 シ キ 身 削 ギ 払 イ シ 贄 ヲ 糧 ト シ、願 ワ ク ハ 此 ノ 者 ヲ 癒 シ 禊 ギ 祓 ヒ 給 ヘ。
事 ハ 異 ナ リ 言 ハ 事 成 ル。斯 ク テ 言 霊 ノ 幸 フ 国 ハ 永 久 ナ リ」
【SS使用条件】
特になし
最終更新:2016年05月30日 02:10