白銀の剣閃が、私の肩を浅く抉った。
普段なら視界左に固定表示されている細いラインが、わずかにその長さを縮めたであろうが、今は試験的に不可視化してある。
だから己が感覚のみを信じ、自身の生命力と敵の攻撃力を推し量った上で逃走は不要と判断。
引くことをせず、そのまま打って出る。
敵。エンカウント時は白と黒で塗りたくられかのような不気味な人型だったそれは、今は私と同じ姿に変じている。
恐らくはドッペルゲンガーに類するであろうモンスター。
これまで数分、剣を交え、盾で打ち合った感触からも、相手のコピー能力は中々の性能だ。
外見はもとより、こちらのステータスやスキル、【ソードスキル】までコピーしてくる。
よもや【神聖剣】を自分が使われる側になるとは新鮮だった。
おかげで矛盾ならぬ盾盾対決と相成り、時間がかかってしまっている。
とはいえ倒せない敵ということではない。
むしろ硬さという意味では難敵であっても、トータル的な脅威で言えば、道中で相手してきた他のモンスターたちのほうがよほど怖かった。
ウィル・オ・ウィスプ、トイソルジャー、サマエル、サンフレイヤー、サイクロップス、
ステルスストーカー、デボノバ、ネクロマンサー、ドゥームズデイ……。
彼らは、未知だった。未知であるが故に対処を間違えれば敗北するかもしれないという恐怖があった。
実際こちらのHPを半減させてくるドゥームズデイや、攻撃を回避しながら即死を狙ってくるステルスストーカーにはひやりとさせられたものだ。
それらに比べれば、ありとあらゆる意味で知り尽くした自分など恐るに足りない。
いわんや、能力はコピーすれども使いこなすことはできず、やたらめったらに【ソードスキル】を使ってくるだけの相手となれば尚更だ。
そんなこちらの考えを裏付けるかのように、ドッペルゲンガーが無意味に後退する。
突進技ユニコーン・チャージの初動だ。
攻撃までにラグがあるため、対処は容易い。
本命の突進技を悠々と盾でパリングし、体勢を崩した相手にそのまま切り下げからの十字斬で仕留めにかかる。
これを耐えられたとなると相手に奥義を使われる可能性もあったため、盾での追撃も考えていたのだが。
どうやら杞憂だったらしい。
私の映し身となっていた騎士が崩れ落ち、元の姿を露わにした後光とともに消え去っていく。
それでも万一第二形態への変身や、死亡時に発動する道連れなどのスキルが襲ってこないかその光景を注視する。
やがて、消滅後しばらく経ってからも何も起きないことを確認してから目を閉じ、深く息を吸って吐く。
――いよいよだ。いよいよここまで来た。
目を開け、視線をドッペルゲンガーがいた先へと投げかける。
そこにあったのは薔薇の象眼が施された、豪奢な扉だ。
扉に通ずるホールの中心でドッペルゲンガーとエンカウントしたことからも、恐らくこの先がダンジョンの終着点。
【ラスボス】のいる部屋だ。
「では――行こうか」
懐から取り出した鍵を鍵穴に差し込み、扉を開く。
完全に開き切った扉の中へと歩み出す。
内部は玉座の間というには少し落ち着いた、アンティークで彩られた洒落たドーム状の部屋だった。
「思っていたよりもお早い到着ね。本職のあなたからすればわたしの創りだしたお城は物足りないものだったかしら?」
最奥、鋳薔薇の紋様を刻んだガラスのドームを背に、玉座に君臨する城主が声をかけてくる。
「そうでもないさ。中々に楽しませてもらったよ。今後の【ゲーム】制作の上で参考にさせてもらうつもりだよ」
皮肉でなく本音だ。
特に様々なアクションを駆使しなければクリアできない仕掛けには頭脳肉体ともにかなり働かされることとなった。
「そう、あなたにとってはこの戦いも【ゲーム】なのね」
「だが遊びではない。それは君もだろう?」
盾を前に押し出し、剣を水平に構える。
城主もまた応えるように玉座を立ち、魔族としての姿を取る。
「そうね。それじゃおしまいにしましょうか、この【ゲーム】を」
「良かろう。これで決着だ」
ルールは初撃決着モード。
強攻撃のクリーンヒット一撃で生死が決する。
「来なさい、聖騎士ヒースクリフ……ッ!!」
「行くぞ、夢魔ベアトリーチェ!!」
互いに剣と爪が届く位置まで距離をつめた私たちは同時に宣戦し、駆け出す。
そして――
騎士の剣が魔族の爪が、相手を貫くことはなかった。
何故ならこれは遊びですらない【茶番】だからだ。
「くすくすくす……こんなところね。どう、あなたの言うところの【テストプレイ】は?」
ベアトリーチェ君の姿が再び、偽りの少女のそれへと転じる。
剣を手にしたままのこちらに対して晒すには余りにも無防備な姿に思えるが、その実この空間の、否、このゲームの支配者は彼女だ。
ここは現実世界ではない。聖杯戦争が行われてる電脳空間のそのまた【夢の中の世界】なのだ。
聖騎士ヒースクリフの能力を夢の内外問わず行使できるとはいえ、聖杯戦争においては一参加者でしかない以上、今の私に管理者権限はない。
この空間――【電界25次元】においてもそれは変わらない。
幾らか移譲してもらっているとはいえこの空間の真のゲームマスターは彼女だ。
たとえ今このまま剣で斬りかかり、攻撃を当てたとしても、彼女は攻撃判定を解除し、ルールも書き換えて傷ひとつ負わないだろう。
最も万一バグか何かで彼女を倒せてしまったとしても、それはそれで私も半日後に後を追うことになるのだが。
何せ彼女こそが私のサーヴァント、エクストラクラス【マザー】なのだから。
私も茅場晶彦の姿に戻って感想を述べる。
「先程伝えたように実に有意義だったよ」
ならば何故このような茶番をしていたのかというと、彼女が言うように【テストプレイ】だ。
彼女のスキルである陣地作成。
その成果であるナイトメアキャッスルと、付属できるモンスターたち。
キャスターに近いというクラスにとっては生命線の一つであるこれらの性能を知っておこうと【テストプレイ】に挑んだのだ。
何事も自身で体験してこそ理解も進み、有効な活用やデバックも可能になるというものだ。
「ドッペルゲンガーは思考ルーチンを改良すればもっと使いようがある。
ケライノーのかっぱぐもマスター相手に礼装でも持ち逃げできれば動揺も誘えて有効ではあるかな。
後はトラップや仕掛けも配置するだけの時間があれば嬉しいが」
彼女は私と同じく作り手だが、ゲームクリエイターというわけではない。
ダンジョンの構築やモンスターの設置、思考ルーチンの調整に関しては私の方が専門である。
今回のナイトメアキャッスル攻略は、そのことを少女へと納得させるデモンストレーションでもあったのだ。
ヒースクリフとして見せた電界25次元を応用してアバターを制作できる技術力とプレイヤーとしての腕は少女を満足させるに足るものだったに違いない。
ベアトリーチェ君は相槌を打ち、
「その辺の改良はお任せするわ。
わたしの趣味ではないけれど、この城をあなたの描く【アインクラッド】色に染めてくれても構わない。ただ――」
けれどすぐに忌々しげに表情を歪める。
「それでも【英雄】たちはやってくるの。どれだけのモンスターを差し向けようとも。どんな難問で道を塞ごうとも」
確かに、テスト用のダンジョンとはいえマスターである自分でさえも突破できたのだ。
サーヴァント相手では時間稼ぎにしかならないだろう。
それにせっかく全100層を作ったのに、75層でラスボス戦に突入されてしまった……などということも英雄相手にはありえるのだ。
どれだけ作りこもうともナイトメアキャッスルに過度な期待はできない。
だからこそ私たちの本命は別にある。
「そうなるとやはり君の宝具次第ということになるか。そちらの経過は?」
宝具。
それはサーヴァントにとっての切り札であり、英霊としてのシンボルであり、何よりも。
少女にとっては自らの願いそのもので、私が彼女に協力しようと決めた理由だ。
「【想い出】の収集は順調だわ。聖杯戦争……ニンゲンたちによる、願いを賭けた殺し合い。
これほど【想い出】を引き出しやすい環境はないわ。
欲望のままに他人を殺す時。死の恐怖の前に絶望する時。心のタガが外れ、ニンゲンは無防備になるもの……」
少女の宝具の起動――正しくは誕生、或いは具現化――に必要なものは2つ。
一つは宝具を起動し、産み出すだけの莫大なエネルギー。
そしてもう一つが、産み出すものの設計図たる【想い出】だ。
「それこそ誰かがプロテクトを破ってくれたならこの世界そのものから【想い出】を奪えるのだけど。
ダメね。妬けるほど緻密に作られていながら何者かに強固に守られてるわ」
「何者か、か。それはこの世界の作り手と見るべきだろう。同業として興味はあるが……。
まあ……今は君の報告が先だな」
夢魔である少女は電脳世界を闊歩することはできても、掌握するだけの力はない。
故に少女が【想い出】を集める先は専ら他のマスターや召喚されたサーヴァントからだ。
強大な力を持つサーヴァントに生きている間に干渉するのは危険だが、それが弱った死の間際なら問題ない。
また、どうも今回の聖杯戦争でマスターに選ばれた者は私のような魔術師でない人間も多いらしく、格好の餌だという。
「無闇矢鱈とNPCを殺す主従対策も考えないと。
マスターを自滅に走らせたり、他の正義の味方気取りのマスターをそれとなく誘導してみたりしてね。
NPCも大事なデータバンクですもの。創星を成すまでに駆逐されるわけにはいかないの」
いわんやNPCは言うまでもない。
NPCたちはそれ自体がこの世界を構成するデータの一つだ。
作られた【想い出】である以上、質量ともにいまいちな点もあるが、その分数が多い。
そのため私たちからすれば恒常的に【想い出】を搾取できるNPCたちは生き残っていてくれたほうがありがたい。
「ふむ。【想い出】の収集におけるNPCたちの記憶の欠如が騒ぎにならないよう気をつけないといけないな」
「派手に暴れている他のサーヴァントやマスターを隠れ蓑に使いたいところね。
現状でも状況を把握した参加者たちによる小競り合いは起きているから、その痕跡を消す形で想い出を収集中よ。
自分たちの痕跡を消そうとしている主従がいると見られてはいても、まずは痕跡を残した当人たちに疑いが往くと思うわ」
しばらくは今のままの運用で問題はないということか。
私たちの存在が他の主従に発覚することは可能な限り避けたい。
ばれたからといって容易に手を打てるものでもないが、逆にそれが可能な相手がいた場合は致命的だ。
その辺りの情報も集めたかったが、見つからぬよう慎重に動くことを余儀なくされている身には限界がある。
特に私には前に出過ぎて黒幕だと見ぬかれてしまった前科がある以上、戦いが本格化するまでは【電界25次元】での研究に専念している。
もっとも、私にしろ、彼女にしろ、元より電脳空間の住民ではあるのだが。
「くすくすくす……【アインクラッド】の【想い出を】全部くれれば、労せずに宝具の条件を一つクリアできるのだけど」
「令呪を用いても御免こうむるよ。あの情景だけは誰にも渡すつもりはないさ……。それは君も同じだろう?」
電脳世界に生まれた少女は星に住むことを夢見るようになり、物質世界で暗躍した。
物質世界に生まれた少年は空想に取り憑かれ、自らもまた夢の世界の住民となった。
「そうね。わたしが夢見たのは【ファルガイア】だけ。【アインクラッド】もこの箱庭もわたしの望む、わたしの世界ではないわ……」
それが私であり、彼女だ。
自分にとっての現実世界の法則を超越した世界を作り出すことだけを欲し、大人たちが築いてきた科学を利用し、若者たちの意志の力の前に敗れた存在のエコー、残像だ。
それでも私と彼女は夢を諦めない。
「ならば戦いを続けようか。私は私、君は君の目指した世界へ向かって」
夢に見続けたあの世界へと、往こう、ここから。
――LINK RESTART
【クラス】マザー
【真名】ベアトリーチェ
【出典】WILD ARMS Advanced 3rd(死亡後)
【性別】女性
【属性】混沌・悪
【パラメーター】
筋力:-(C) 耐久:-(C) 敏捷:-(B) 魔力:-(A+) 幸運:A+ 宝具:EX
※()内は電界25次元内でのみ適応される。滅びの聖母使用後は受胎規模に応じて更に可変。
【クラススキル】
陣地作成:A+
夢魔として、自らに有利な陣地を作り上げる。
自らの支配する夢の中の世界に“神殿”を上回る”大神殿”を形成する事が可能。
形成された大神殿は『夢のお城(ナイトメア・キャッスル)』となり、配下の魔物を配置することもできる。
ただしディザスター系統は召喚不可能。モンスターも夢の中限定で外に連れ出すことはできない。
また完成したナイトメア・キャッスルは自爆させることができ、敵を巻き込むことや、巨大なエネルギーを得ることも可能。
百魔獣母胎を後押しするスキルの一つでもある。
百魔獣母胎:EX
エクストラクラス:マザーは何らかの存在を生み出す能力をクラススキルとして所持している。
ベアトリーチェが生み出す対象は星であり、「国造り」どころではないこの力は規模だけなら「大権能」の域に達している。
ただし権利として無条件で成せる権能とは違い、理屈に則れば可能というあくまでもスキルの枠内である。
実際、製法の都合上、当聖杯戦争では星の誕生には余程の条件が重ならない限り行き着くことはできない。
【保有スキル】
夢魔:B
ベアトリーチェは夢魔と呼ばれる魔族であり、電気信号でできた情報体である。
現実世界に実体化することはできず、物理的に干渉することはできず、逆に干渉されることもない。
現実世界の物をコピーする事はできても持ち帰ることは不可能。
その分、情報体として電子機器に干渉出来るだけでなく、電気信号が構成する夢を操作することで精神操作や覚めない眠りに着かせる。
自らの支配する夢の中に引きずり込むことも可能だが、夢魔としての能力の多くは対魔力などで抵抗される危険性もある。
尚、此度の聖杯戦争の舞台は擬似的な電脳世界であるため、立体映像としてだけでなく、実体で行動することも可能である。
ただし今の彼女は夢魔としての逸話に縛られたサーヴァントなため、夢の中の世界以外では力を振るうことができない。
夢の外の世界の彼女はステータスなども表示されないため、正体を知らないものにはNPCのように見える。
電界25次元:A
生命の見る夢の世界。最も深い心の奥底。無限の闇が支配する、暗黒の領域。
ベアトリーチェは夢の中の世界を電界25次元として支配することができる。
この中でなら全能と言える程の力を行使でき、惑星規模まで拡大することさえも可能。その果てが百魔獣母胎である。
直接攻撃手段としても、フィブルマインド、ダークマター、ナイトメアが使用可能。
元からある夢の世界を自らの結界として利用できるため、競合相手さえいなければ、即座に常時補正が得られる。
情報抹消:C
夢に干渉した相手が起きた瞬間にベアトリーチェの能力、真名、外見特徴などの情報が消失する。
あくまでも消失するのはベアトリーチェに関する情報だけであり、夢を見たことやその内容自体は記憶に残る。
このスキルが発揮されるのは夢の操作止まりまでであり、夢のなかで交戦した場合覚えられたままとなる。
またベアトリーチェの真名を知る者には無効となる。
100年もの間、人や魔族を手玉に取り、歴史の裏側で暗躍し続けたことと、数多の人々の想い出を奪っていったことに由来する。
原初の一:-(EX)
アルテミット・ワン。星からのバックアップで、敵対相手より一段上のスペックになるスキル。
星の母であるベアトリーチェは破格のEXランクを誇るが、自らの星を宝具にて誕生させない限りは無効となっている。
宝具を用いたとしても、星未満の都市や国の誕生止まりだと効果は発動しない。
【宝具】
『夢魔の鍵』
ランク:E 種別:創星宝具 レンジ:1 最大補足:4組
夢の中の世界への招待状。
これがあればベアトリーチェの支配する電界25次元へと乗り込むことができる。
専ら対魔力などで夢の世界へ引きずり込めない敵に自分から来てもらうために贈られる。
強制力や呪いのようなものはかかっておらず、本当にただ彼女の元へと導くだけの鍵である。
『滅びの聖母』
ランク:EX 種別:創星対星宝具 レンジ:1 最大補足:1人
少女のためだけの、少女が暮らすことのできる世界を生み出す宝具。創世対界宝具としての性質も持つ。
本来の名は滅びの聖母(ネガ・ファルガイア)。
惑星を一つの生命体と見立て、自らが宿した星の種子と一体化し自らが星の赤子から成長していく。
原点では奇しくも新世界を育む世界樹へと至った段階で滅ぼされたが、その先も当然存在し、果ては星へと至る。
電界25次元での使用が基本であるが、万一使用後に結界が解けた場合、元になった世界と対消滅してしまう。
完全発動には星を創造するだけの圧倒的なエネルギーと、莫大な情報量が不可欠である。
前者は令呪やナイトメア・キャッスルの自爆、電界25次元で死んだ主従の生命を供物とすることで、後者はNPCや他の主従の想い出にて補うことは可能。
ただし彼女が愛したファルガイアの想い出を持つものが殆どいないこの地では、ネガ・ファルガイアを受胎することはほぼ不可能である。
NPCに刻まれている想い出が箱庭世界のもののみであり、他の主従の想い出を足しても圧倒的に情報量が足りないため星規模以上になる可能性も低い。
実際は都市~国規模、よくて大陸レベルになるものと思われる。
注ぎ込んだエネルギーと想い出が多いほど強力な生命体を受胎でき、容姿や能力、使用する技も、他の主従たちの想い出の影響を受けたものとなる。
例えばネガ・アインクラッドならSAOの設計をなした晶彦の想い出から完全な形で産み出すことは可能である。
最も、自身の原風景である空に浮かぶ鉄の城の想い出を晶彦が譲渡するとは思えないが。
【人物背景】
魔族の情報庫『ヒアデス』に潜む特殊な魔族、夢魔。
普段は紫がかった黒の長髪を持つ黒いワンピースを来た少女の姿をしているが、
戦闘時には光背のような装飾・昆虫的外観・青薔薇のウェディングドレスを着た魔族としての姿を露わにする。
好きなタイプは寂しい人。
一説では「母」という存在を羨望し、手段こそ選ばなかったが純粋にファルガイアを想っていたとされている。
真っ白で狭くて何もないヒアデスで一人過ごしてきた少女にとって、広くて色々な生命や物に溢れている惑星ファルガイアは憧れだった。
少女はいつしか夢を見るようになった。ファルガイアに自らの手で触れて、生きる。
そんなありきたりな夢を見るようになった。
夢魔たる少女には余りにも遠い夢なれど。たとえ一度砕かれた身であろうとも。彼女は夢を諦めない。
【サーヴァントとしての願い】
わたしは、わたしの世界が欲しい。わたしの住まうことができるファルガイアが欲しい。
【基本戦術、方針、運用法】
基本的な運用・弱点はキャスターのそれ。対魔力にも諸々引っかかる。
マスターや英霊たちの心のタガが外れやすい聖杯戦争では想い出の回収は容易なため、必然的に時が経つほど『滅びの聖母』は強力な宝具となる。
ベアトリーチェのスキルも、自身は表に出ず長生きしながら暗躍しつつ宝具を後押しするものに特化している。
時に息を潜め、時に夢で耐性のないマスターや耐性のない英霊を扇動しつつ、陣地を作成しながら宝具の充填を心がけよう。
注意すべきは夢魔及び電子生命体のような早々と夢の中の世界へと乗り込んでこれる存在。
準備の整わない内に襲撃された場合、一気に不利になる。
また対界宝具持ちは天敵であり、夢の世界で使われる危険性は言うまでもないが、夢の外で使われた場合も影響を受けかねない。
競合相手さえいなければ広域に張れる陣地が災いして、他主従への流れ弾という形で対界宝具に巻き込まれる可能性さえある。
滅びの聖母発動後は自身も世界の属性を帯び、電界25次元を破壊されると対消滅を起こしてしまうため、一層対界宝具に弱くなってしまう。
これらの相手が存在するかどうかを手早く見極め、他の主従を誘導するなどして手早く対処できるかが勝負の鍵となる。
【マスター】茅場晶彦(ヒースクリフ)
【出典】ソードアート・オンライン(4巻後)
【性別】男性
【令呪の位置】決着時にキリトに刺された胸元
【マスターとしての願い】
どこかにある本当のアインクラッドへと至る
【weapon】
十字剣と十字盾。
一説ではリベレイターというセット武器らしい。
【能力・技能】
天才
世界的に有名な天才量子物理学者であり、ゲームデザイナー。
相性の良さもあり、時間をかけた分だけ電界25次元にSAO(“アインクラッド”)を再現可能。
舞台が電脳世界なだけに他にもいろいろできるかもしれない。
SAOアバター
聖騎士ヒースクリフのアバターに変身できる。
ソードスキルやユニークスキル、防御力を始めとしたパラメータも反映される。
電界25次元ならベアトリーチェから移譲された権限で補正がかかるため、サーヴァント相手でも幾らかは戦える。
ベアトリーチェが支援に専念し、ヒースクリフが防御に徹すればより強力なサーヴァント相手にももちこたえられるかもしれない。
尚、此度の舞台は擬似的な電脳空間であるため、茅場晶彦は実体化して夢の外でも行動できる。
神聖剣
防御力に補正が入るとともに、盾にも攻撃判定を与えることができ、防御と攻撃の両立が可能。
尚、ゲームマスターではないため本ロワでは破壊不能オブジェクト化などのチートは使用不可能。
ただし電界25次元による特権で限定的にだが似たようなことはできる。
【人物背景】
天才量子物理学者であり、ゲームデザイナー、茅場晶彦。
記憶・人格をデジタルな信号としてネットワーク内に遺すために電脳化した存在。
自身のことを茅場晶彦という意識のエコーであると称しており、厳密には茅場晶彦とは言えないのかもしれない。
SAO時代は白で彩られた赤い鎧に身を包み、十字剣と十字盾を使いこなす聖騎士ヒースクリフとしてログインしていた。
少年はいつからか夢を描くようになった。この地上から飛び立って、空に浮かぶ鉄の城へ行くというそんな夢。
子どもが抱く他愛もない夢想だったはずのその想い出を、大人になってもずっと抱き続けて。
彼は、夢を叶えた。
夢に見た世界を作り出し、夢に見た以上のものを目にした彼は、自らの夢の卵を彼の世界で生きた若者へと託し、新たな世界へと旅立っていった。
【方針】
まずは夢見た世界と、それ以上のものをベアトリーチェが見れるよう手伝うとしよう。
生前やり逃した百層のラスボス的に立ちふさがってみるのもありかもしれないな。
最終更新:2015年12月08日 18:28