「全くとんでもないモンに巻き込まれちまったな・・・」


ディーンは記憶を取り戻してから数えるのも馬鹿らしいくらい溜息をついた。
聖杯が実際にあるというのは聞いた事が無いし、ましてや殺し合いで聖杯が降臨するという
トンデモない方法で手に入るというのは噴飯物で、悪魔の儀式か何かと言われた方が納得がいくもの

だった。
しかし、記憶を取り戻してから送り込まれた聖杯戦争の知識など一笑に付す事はどうしてもできない

のだった。
自分が単に知らなかっただけかもしれない(天使が存在するとは思わなかった)し
全く違う次元に飛ばされた可能性もあった。
様々な可能性も考えたが、現在判明しているのはここが仮想空間であり、ここで死んでしまえば本当

に死んでしまう事がわかり
今は何もわからない事がわかりまた溜息をつく事になった。

それよりも今はこの状況を何とかする事だと頭を切り替える事にした。

「きやがったなッ・・・!」
相手は女のサーヴァントと男のマスターで、まだサーヴァントを召喚していないマスターを始末しよ

うと街を偵察していた所を、まだサーヴァントを召喚していないディーンを見つけ追ってきた。
運の悪い事にサーヴァントとマスター両方が吸血鬼であり、さらにマスターを
死体の血を塗ったナイフで切り付けても余り有効打になりえなかった。

「人間のクセに手間取らせやがって!もう逃げられんぞ!!」
「マスター早く殺して血を吸ってしまいましょう」
「ああ、そうだなバーサーカー」

「吸血鬼だから理性があってもバケモンだからバーサーカーか・・・!ハッ、人殺しのバケモンが聖杯欲

しがってんじゃねぇよ!!」

「いきがるのはそこまでだ人間、やれバーサーカー」
「了解マスター」

逃げられる隙は見当たらず、ディーンはひたすらこの状況を打開する方法を模索していた。
(だいたい俺のサーヴァントは何してるんだ!?早く来てくれ!!)

「え?」
「何ッ!?」

突然相手の方から驚愕する声が聞こえてきたと思ったらバーサーカーの体には剣が刺さっていた。
マスターはなんとか避ける事ができたようだがバーサーカーは霊核を貫かれ消滅は時間の問題だった


「バァァァサァァカァァァァ!!」
「こ、こんな所で・・・!」

何がなんだかわからないが、この隙をハンターであるディーンが逃す筈がない。
どの道あの主従は終わりだ、ならば今はここを全速力で脱出する!
動揺する敵マスターに悟られる事なくディーンは無事窮地を脱出する事ができた。



「なんとか助かったか・・・」
窮地を脱出したディーンは一息つき、そしてあの剣の事を考えた。
ディーンのハンターの知識から、あれは道教の銭剣、それが敵サーヴァントに刺さっていた。
という事は・・・


「もういるんだろう・・・、俺のサーヴァントさんよ」
するとどこからともかく道教の僧侶の服を着た初老の男が現れた。
一本眉毛で随分とイカツイ顔だなとディーンは失礼な事を思った。

「すまんな。西洋式は苦手で隙を突くのが一番確実だったんでな」
「そういう事なら仕方がないさ。それでアンタの真名とクラスは?」
「ラムだ。エクストラクラス、タオイストとして現界した」
「エクストラクラスか・・・俺の名はディーン・ウィンチェスターだ
 アンタには悪いが俺はこんなふざけた殺し合いに乗る気は毛頭ない
 代わりのマスターを探すからそれで勘弁してくれ」
「それを聞いて安心した。わしの方こそこんな物は御免被る
 もしお前が殺し合いに乗るというのであれば叩っ斬り、座に帰る所だった」
「そいつは良かったぜ・・・俺は殺し合いには乗らないが生き残って脱出するつもりだ
 そのためにアンタの力を貸してくれ
 あと俺の事はディーンと呼んでくれ」
「いいだろう。脱出のために力を貸すとしよう
 ではディーンもわしの事はタオイストと呼べ」


話がまとまり一息ついたディーンはふとある疑問を口にした。
「サーヴァントって相性が良い相手が選ばれるんだよな」
仲間にアジア人がいるが、このサーヴァントとどう相性が良いのかいまいちピンとこなかった。
ディーンの疑問にラムはなるほどと思い
「ディーンはキリスト教の信者か?」
「いや、むしろ一部の天使を除いてその類とは敵対関係さ」
ディーンは今までの事を思い出し、苦笑するしかなかった。
「なるほど。わしもキリスト教とは相性が悪くてな
 それがディーンとわしが相性が良いという事なんだろう」
聖杯の適当さに二人は苦笑する他なかった。


【クラス】
タオイスト

【真名】
ラム@霊幻道士

【ステータス】
筋力C 耐久C 敏捷A+ 魔力A+ 幸運D 宝具C

【属性】
秩序・善

【クラススキル】
陣地作成:B
道士として、霊的に有利な結界を作り上げる
「工房」の形成が可能

道具作成:B
魔力を帯びた器具を作成できる
この道具作成スキルにより、死体をキョンシーにできる
キョンシーは盾にしたり、攻撃したりなどができる
普通の使い魔などより頑丈だが餅米や鶏の血などキョンシーの弱点を
突かれると脆いのが難点

道術:EX
道教の魔術。幽霊の正体を木の葉で目を拭いて見破ったり、姿を消しても
自動で追尾する剣など様々な事ができる。
ゆういつの弱点は西洋の吸血鬼には攻撃が効きづらい事であり
よく効くのはお札で火を出す術で吸血鬼を焼いてしまう事だろう
それでも厳しいのであれば底なし沼に吸血鬼を沈めてしまおう

対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい

中国武術:A+++
中華の合理。宇宙と一体になる事を目的とした武術をどれほど極めたかの値
修得の難易度は最高レベルで、他のスキルと違い、Aでようやく“修得した”と言えるレベル
      1. ともなれば達人の中の達人。暴走したキョンシー隊を素手でボコボコにした恐るべきもの

【宝具】
『妖怪退治のプロフェッショナル(霊幻道士)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:-
妖怪退治のエキスパートとしての生涯が宝具となったもの
相手が妖怪や魔物などの場合、幸運以外のステータスを1アップさせる

【weapon】
銭剣、桃木剣やお札など道術一式。足りない物があれば道具作成スキルで作成可能

【人物背景】
妖怪退治のプロフェッショナル。キョンシーはもちろんの事、幽霊などとも戦った。

【サーヴァントとしての願い】
ディーンを聖杯戦争から脱出させる

【マスター】
ディーン・ウィンチェスター@スーパーナチュラル

【マスターとしての願い】
聖杯戦争からの脱出

【weapon】
死体の血が付いたナイフ

【能力・技能】
悪魔や悪霊、怪物、はては天使に至るまでありとあらゆる人外の者と戦ってきたハンターとしての力
大天使ミカエルの器として選ばれた事もあるため、魔力量も桁外れ

【人物背景】
スーパーナチュラルの主人公の一人で凄腕のハンター

【方針】
脱出狙い。降りかかる日の粉は払うが殺し合いには乗らない
まずは情報を集める

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最終更新:2015年12月08日 18:29