ありすは独りぼっちだった。
永遠とも、一瞬ともつかない朧気な時間をずっと彷徨っていた。
たった一人で、誰とも出会うことなく。
孤独で空虚な時間を、ずっとずっと過ごしてきた。
痛みと退屈、寂しさだけを胸にずっと歩いていた。
そこに道があったのか、それともある気がしていただけなのか。
そういう難しい、哲学的なことはありすにはわからなかったが、とりあえず歩いていた。
――景色が変わったのは、いつ頃からだったろう。
無味乾燥とした世界は彼女が見たこともないほど大きな建物や、明るい喧騒でいっぱいになっていた。
茫洋とした海の中を、一人、どこまでも歩いていた。
いつしか海には光が溢れた。魚が溢れていた。
世界はあまりにも眩しくて、楽しそうだった。
それでも少女の孤独は満たされない。
ずっとその海を歩んできた彼女だからこそ、それに気付いてしまったのか。
それとも、この水底で不気味に数を刻み続ける願望機が彼女の充足を望まなかったのか。
いずれにせよ、やはり彼女は足を止めることが出来なかった。
だって自分は相も変わらずひとりきりなのだから。
――――ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
どこからか、謝る声が聴こえる。
それにありすは一度だけ足を止めた。
振り返ると、またあの子が泣いていた。
この子は誰で、どこから来たんだろう。
気になったけれど、彼女は何も答えてくれない。
当然、ありすと遊んでもくれない。
――――ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
一体、この子は誰に謝っているんだろう。
許してあげればいいのに、なんて思いながら、ありすはまた歩き始めた。
ひたひた。
ひたひた。
足音が一つ多い。
どこまでもついてくる。
そう、どこまでも。
この子は何がほしいんだろう。
まだ解らない。いつか解る日が来るのかな。
――――ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
――壊れたラジオのように繰り返される声を耳に、少女は旅をする。
【クラス】
タイムリーパー
【真名】
羽入@ひぐらしのなく頃に
【パラメーター】
筋力E 耐久E 敏捷E 魔力A+ 幸運E 宝具A
【属性】
中立・善
【クラススキル】
時の旅人:A
タイムリーパーは時を繰り返し、未来を模索した者である。
彼女は時間に干渉する能力の発動を即座に感知でき、その発動者を看破することが可能。
【保有スキル】
神性:A-
雛見沢村の守り神『オヤシロさま』そのもので、位は低いが紛うことなき神である。
しかしその力は長いループの中で摩耗しており、同時に神性も劣化の憂き目に遭っている。
気配遮断:EX
タイムリーパーは自分から実体化をしない限り、マスター以外の誰からも姿を視認されない。
その為に気配の感知も基本不可能だが、稀に波長の合った存在が彼女の発する物音や気配を認識することがある。
また、スキル発動中のタイムリーパーを害することは不可能。
無辜の怪物:A
オヤシロさまは血塗られた伝承に基づく神であるとされた逸話により、微弱ながらその在り方を曲げられている。
後述の宝具は、このスキルによって生み出されたもの。
奇跡:EX
このスキルは、現在封印されている。
【宝具】
『ひぐらしのなく頃に』
ランク:C 種別:対郡宝具
オヤシロさまは血塗られた伝承に基づく、残虐なる神である。
その暗黒史は、サーヴァントとして召喚された彼女に、彼女が最も憎んだ病の力を宝具として与えた。
タイムリーパーが存在する限り、その街や村は『雛見沢村』の概念を帯びる。同時に雛見沢へ眠る風土病『雛見沢症候群』もまた、街内に在住する全ての人間が共有して抱えることとなる。
この宝具はサーヴァントには効かないが、マスターであれば『人間』ならばいかなる存在であれ逃れられない。
タイムリーパーが消滅しない限りは、全てのマスターに疑心暗鬼による発狂死の危険性が付いて回る。
雛見沢症候群が完治することは本来決してない。しかし、もしも立ち込める疑心暗鬼を吹き飛ばして光の道へと発狂者を連れ戻す、そんな芸当が可能ならば――この宝具を破ることもきっと出来るだろう。そんな奇跡が起きるならば、だが。
『遙かなる社の神よ、祈りがもし届くなら』
ランク:EX 種別:対人宝具
この宝具は現在封印されている。
【weapon】
なし
【人物背景】
繰り返し、繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し――やがて旅が挫けたカケラから迷い込んだ、嘆きの神。
【サーヴァントの願い】
聖杯を手に入れ、梨花を救う
【マスター】
ありす@Fate/EXTRA
【マスターとしての願い】
特になし
【weapon】
なし
【能力・技能】
空間転移や固有結界レベルの魔術を使用できるほどの魔力量を持つ。
【人物背景】
儚げな印象の、人形のような少女。主人公の見立てでは「おそらくは10に満たない」という幼女。
見た目と違って実年齢はかなり高く、生前の国籍は第二次大戦期のイギリス。
ナチスドイツの空爆によって瀕死の重傷を負ったが、魔術回路が確認されたために強制的に延命させられ、数年間に及び研究用実験に使われた後に肉体は絶命した。だが精神は繋げられたネットに残り続け、電脳魔として生き続けることになる。
基本的に、遊びたい盛りの無邪気な子供。先述の事情で長らく苦痛と孤独を味わった反動から、寂しがり屋で人見知り。
――その正体は、サイバーゴースト。
肉体を持たない精神体であるがゆえに、身体的な制約を受けずに、巨大な魔力を扱うことが可能。脳が焼き切れることがないがゆえに、リミッターがない。ただし、それは魂が燃え尽きるまでの話。いずれは壊れるが定め。
【方針】
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最終更新:2015年12月08日 18:30