「不幸だ……」
とある公園のベンチ、そこで上条当麻は俯きながらこれからの事を考えていた。
と言っても最終的な目標は決まっている。
この聖杯戦争を止める事だ。
何でも願いを叶える聖杯だかなんだか知らないが、どんな理由であろうと上条当麻は殺し合いを肯定しない。
そこまではいい。そこまではいいのだが目前に一つ問題がある。
それは―――
「上条さんのサーヴァントは一体いつになったら出てくるんでしょうかねえ……」
自身のサーヴァントが全く出てこないという事だ。
サーヴァント。過去に活躍した英雄の霊にして聖杯戦争に欠かせない存在。
上条は考える。何故サーヴァントが出てこないのかと。
ひょっとして記憶を取り戻すだけじゃなく、何か必要なのかと。
そう、例えば魔法じn「ところてん」とか
「ん?」
自分の思考が何者かに遮られた。
そう思った上条は周りを見渡す。
そして後ろを見るとそこには、蒼くプルプルした何かが居た。
「お前、何?」
「ところてんです」
「そうじゃねえよ」
上条の質問に、ところてんは見当違いの答えを返した。
「オレは! お前のサーヴァントの宝具の一つところ天の助だよ!!
何故オレが宝具なんじゃあ―――――――――――――――!?」
「知らねえよ!?」
天の助は逆切れまで始めた。
「オレはさ、仮にもAブロックの元隊長なんだよ?
サーヴァントになってもおかしくない男だぞ?
セイバーとかキャスターとか豆腐デストロイヤーとかになってもおかしくない男なんだぜ?」
(何で豆腐限定なんだよ)
「それなのにただの武器扱い!
それがどれだけ辛いか貴方に分かるの!?
答えてよ! 答えなさいよジェニファー!!」
「誰だよジェニファーって!?」
「田中のいとこのジェニファーだよ」
「まず田中が誰だよ!?」
上条は天の助に絡まれ、どうしていいか分からなくなっていた。
その時
「危ない!!」
天の助は上条を突き飛ばす。
いきなり何だと思いながら上条が天の助を見ると、そこには後ろから槍が胸に刺さったところてんの姿があった。
「な……」
「危なかった、このぬのハンカチがなければ二人とも死んでいた……」
「いやお前思いっきり刺さってるぞ!?」
上条が天の助の現状を見て慌てふためいているといきなり槍が天の助の後ろから引き抜かれた。
天の助が後ろを振り向くと、そこにはさっき引き抜かれた槍を携えた男が居た。
天の助はとっさに槍を携えた男から距離を取り、上条も天の助に続いた。
それを見た男がつぶやく。
「槍を刺されても生きているとは、奇怪な……」
「テメェ……」
「まあいいでしょう。マスターを仕留めれば関係のない事です」
そう言って男は槍を構える。
それを見た上条と天の助も逃げられないと悟りやけくそ気味に構える。
その時
「田楽シュート!!」
どこからか白いマスコットが飛んできて
「W超田楽パンチ!!」
「グハァ!!」
槍を構えている男にあたった。
男がマスコットの飛んできた方向を見る。
そこには、金髪アフロにグラサンをかけた2メートル位の身長の男が居た。
そしてアフロの男は叫ぶ。
「オレはバーサーカーのサーヴァント、ボボボーボ・ボーボボだ―――!!!
マスターに手出しはさせん!!!」
「いきなり真名名乗った―――!?」
上条は、自分のサーヴァントへの感謝も忘れてツッコミを入れた。
◆
「お待ちかねこの後は!」
「お楽しみの!」
「ボーボボじゃんけん占いだ!」
「「「みんなじゃんけんの用意だぞ~!!」」」
「じゃあいくぜ!じゃーんけん、ぽん!(チョキ)」
「自分の勝ち負けを覚えておいてね。占いは登場話の最後よ」
「いきなり変なコーナー入った!? しかもよく見たら知らない奴までいるし!?」
◆
「ボボボーボ・ボーボボ……?」
「そうだ。俺はボボボーボ・ボーボボ! ボボボーボ―――」
「いやもう名乗らずとも……」
「ボーボボなのかぁ!?」
「いや私に聞かれましても!?」
というやりとりをボーボボと槍の男は開始早々していた。
それを見ていた上条は唖然とし、天の助はボーボボの元へ走る。
「ボーボボ―――!!」
「天の助―――!!!」
そしてボーボボもまた天の助の元に駆け寄り
「無駄ぁ!!」
「ごはっ!!」
天の助を殴り飛ばした。
「何で!?」
「あいつは、やたら尺を取った」
「それだけかよ!?」
「背を見せるとは愚かな!」
天の助を殴ったことについて問う上条。
それに対して弁明するボーボボ。
その隙を突こうとする槍の人。
しかしボーボボに隙は無い。槍が刺さろうとする刹那。
「リス美ちゃああああああああああああん!!!」
ボーボボのアフロが開き、中からリスが飛び出して来た。
「何!?」
「アフロが開いた!?」
「リス美ちゃん! ヨリ戻してよおおおおおお!!!」
そしてリスは叫びながら槍の人の方へ向かう。
彼は槍を振るいリスを一蹴する。
「隙を見せたのは貴様だ! 鼻毛真拳奥義」
その一瞬の隙を突いて、ボーボボは鼻の毛を伸ばし槍の人へと攻撃する。
「マヨネーズ戦争、勃発!!」
攻撃を受けたと同時に、槍の人は消滅した。
それを見ていた上条は、あまりにも未知過ぎる光景に何も言えなかった。
◆
ボーボボと敵サーヴァントが戦った公園で、上条とボーボボは簡単に自己紹介をした後、お互いの事について話していた。
上条は自身の持つ幻想殺しについて。
ボーボボは自身の鼻毛真拳やハジケリストについて。
ボーボボは幻想殺しについて特に驚くこともなかったが、上条は理屈もなく鼻毛を自在に操るような存在に困惑を隠せなかった。
それでも何とか呑み込み、上条は聖杯戦争について切り出す。
「俺はこの聖杯戦争をぶち壊す」
その宣言がサーヴァントにとってどんな意味を持つか、上条は知っている。
それでも言わなければならない、これは嘘で済ませていい問題じゃないから。
上条はボーボボの方を見る。
ボーボボは特に感情を荒げる事もなく静かに語り始める。
「そうか、当麻はこの聖杯戦争に反対なのか」
「ああ」
「ならば俺は、愛の為に戦おう」
「それは違う神拳の伝承者ですよね!?」
「気にするな、俺に大した願いは無い。
何かこう、叶ったら嬉しいなーぐらいの物だから」
「そんなふわふわした願いで殺し合いに!?」
「ともかくこれからよろしくな、当麻」
そう言ってボーボボは上条に手を差し出した。
それを上条は握手の求めだと思い、それに応じる。
「こっちこそよろしくな、ボーボボ」
こうして、彼らの聖杯戦争は始まった。
「気安く呼ぶな」
「えぇ!?」
始まったのだった。
【クラス】
バーサーカー
【真名】
ボボボーボ・ボーボボ@ボボボーボ・ボーボボ
【パラメーター】
筋力B 耐久A 敏捷D 魔力D 幸運A 宝具EX
【属性】
中立・狂
【クラススキル】
狂化:EX
「狂戦士」のクラス特性。理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。
身体能力を強化するが、理性や技術・思考能力・言語機能を失う。また、現界のための魔力を大量に消費するようになる
―――はずだが、ボーボボはそんな事もなく普通に行動できる。その分パラメータ上昇もない。
実質的に死にスキルであるが、彼のハジケリストとしての生き方は常人には狂っているようにしか見えない。
【保有スキル】
鼻毛真拳:EX
鼻毛を自在に操り敵を倒す拳法。毛の王国に伝わる五大毛真拳の一つ。
ボーボボは七代目の正統伝承者のため、EXランクである。
ただし、スネ毛真拳の使い手相手だと無効化される。
ハジケリスト:A++
人生かけてハジケまくっているバカ、焼肉の種類、カップ焼きそばのかやくの一つと言われるもの。
そしてその実態は、言葉で言い表わせるほど安っぽい物ではない。
常人は理解不能な精神性の為か、他の精神干渉系の技をシャットアウトする。
投擲(仲間):C
仲間を弾丸として放つ能力。
【宝具】
『聖鼻毛領域(ボーボボワールド)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:??? 最大補足:???
鼻毛真拳マル秘奥義にしてボーボボが作り出す固有結界。
この空間に入ったものは魂を開放しなければならない。
魂を開放すると真の力を開放することができるが、開放しなければ死んでしまう。
『聖鼻毛融合(ボーボボフュージョン)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:3
後述の宝具で呼び出すことができる仲間と融合する事が出来る鼻毛真拳究極奥義。
制限時間は一分。(一部例外あり)
ただし、本編で登場した融合戦士にしかなることは出来ない。
また、魚雷ガーボになる事も出来ない。
ちなみに、真説版かそうじゃないかを選ぶことは出来る。
『9極戦士+α(ボーボボの愉快な仲間たち)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:??? 最大補足:???
ボーボボと共に旅をした仲間たちを呼び出す宝具。
呼び出す仲間の強さが大きくなるにつれて消費する魔力が大きくなる。
ただし、ハジケリストの場合は勝手に出てくることも多い。その場合は魔力を消費しない。
ボケ殺しはハジケリストにカウントされないので注意。
『呼び出されし伝説の決闘者(オシリスの天空竜を召喚するぜ!!)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:100 最大補足:1
アフロから決闘王武藤遊戯を呼び出すことができる。
そして遊戯がオシリスの天空竜(作画:澤井啓夫)を呼び出して攻撃する。
この宝具はマスター、サーヴァント、NPCのいずれかに武藤遊戯が居た場合使用不可能となる。
【weapon】
鼻毛
【人物背景】
ピーマン嫌いな七代目鼻毛真拳伝承者。
キング・オブ・ハジケリストの称号を持つ男である。
そして、世界の中で最も毛に愛された男の証である毛王になった男でもある。
【サーヴァントとしての願い】
マスターを助ける。
【マスター】
上条当麻@とある魔術の禁書目録
【マスターとしての願い】
聖杯戦争と言う殺し合いのシステムをぶち壊す。
【weapon】
幻想殺し
【能力・技能】
上条当麻の右手に宿る力。触れただけであらゆる異能を打ち消す。
ただし、あまりに強力だった場合には打ち消すのではなく受け止めるに留まる事もある。
また、効果に関わらず打ち消すので回復や強化するための物でも打ち消してしまう。
余談だが、この右手が幸運をも打ち消しているのか上条当麻は不幸体質である。
少なくとも、いきなり殺し合いに巻き込まれる程度には。
【人物背景】
学園都市に住むレベル0の平凡な高校1年生、というカテゴリの存在。
ただし、人間離れした強靭なメンタルの持ち主でもある。
また、強い正義感の持ち主でありとある人外曰く「誰に教えられなくても、自身の内から湧く感情に従って真っ直ぐに進もうとする者」らしい。
【方針】
聖杯戦争に抗い、同じ志を持った仲間を探す。
「じゃんけん占いの結果なのら~」
「じゃんけんで勝った奴! 本を読むといい事があるぞ。ラッキーアイテムは禁書の最新刊!
あいこだった奴は、寒いからと言って換気を怠ると健康運がダウンするぞ。
そして負けた奴! いきなり殺し合いに巻き込まれないように注意だ!!」
最終更新:2015年12月10日 21:01