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深夜の山奥で、二人の男が拳を交えていた。
一人は白髪を長く伸ばした、体格のいい壮年の男。
もう一人はそれをさらに上回る、雲を突くような巨漢だ。

「ふんっ!」

巨漢が突き出した拳が、白髪の男に迫る。
だがその拳は、両腕でしっかりとガードされた。

「よーし、ひとまずこのくらいにしておくか。腕試しで大怪我でもしたら、洒落にならんからのう」

白髪の男はそういって、戦いを打ち切る。
彼はこの聖杯戦争に、ライダーとして召喚された英霊。
その真名を、自来也という。

「む、そうか……」

一方の巨漢は、自来也のマスター。
名を大豪院邪鬼。強者ひしめく男塾に、10年以上にわたって君臨した「男塾の帝王」である。

「まあ、気を込めた攻撃ならばサーヴァントにも通用すると確認できたのは収穫だったな」
「いやあ、それなんだがのう」

満足げに呟く邪鬼であったが、自来也はそれに言葉を挟む。

「サーヴァントにまともなダメージを与えるには、かなりの量の気を練り込む必要がある。
 その手間を考えれば、ぶっちゃけわしが普通に殴った方が早いのう」

おどけた声色で宣告する自来也に対し、邪鬼はわずかに眉をひそめる。

「そういうわけにもいかぬだろう。それでは全ての戦いを、貴様に任せることになる。
 この聖杯戦争とやらを、自分一人で戦い抜けると思うほど俺はうぬぼれてはおらん。
 だがまったく戦わずに見ているだけというのでは、男塾に残してきた同胞や後輩たちに顔向けできぬ」

邪鬼に、聖杯にかける願いはない。
男塾の未来は、優秀な後輩である剣桃太郎に託してきた。
何より偉大なる教育者にして天下無双の武人である江田島塾長が健在であるかぎり、男塾は安泰だろう。
心残りを持たずに、邪鬼は戦いの中で死んだ。
だがその魂はあの世に行くことなく、この世界に流れ着いた。
邪鬼はそれを、戦いの中にしか生きられぬ自分の性が聖杯戦争に引き寄せられたのだろうと考えた。
ならば、三号生筆頭として恥ずかしくない戦いをしなければならない、というのが彼の想いだ。

「そうは言ってものう、邪鬼よ。世の中には適材適所というものがある。
 聖杯戦争において、サーヴァントと戦うべきはサーヴァント、つまりわしよ」
「だが……」
「待て待て、話は最後まで聞くものだ。別に、お前に戦うなとは言っておらん。
 マスターの中にも、お前のように高い戦闘力を持った者がいるだろう。
 お前はそいつらと戦えばよい」
「一理ある。だがサーヴァントと違い、マスターは必ずしも強いとは限らん。
 俺と戦える相手がどれだけいるか……」
「そこまでは責任持てんわい」

なおも食い下がる邪鬼に、自来也は渋い表情を浮かべて応える。

「……まあいい。少しはお前の言うことも聞いてやろう。
 だが忘れるな。俺は、俺の誇りを汚すような戦い方はせん」

そう口にすると、邪鬼は脱ぎ捨てていた上半身の衣服を肩にかけ、歩き出した。

「おい、どこに行く!」
「帰るだけだ。いつまでもこんなところにいては、不審に思われるかもしれんからな。
 戦うに値する相手ならまだしも、有象無象に目をつけられては面倒なだけだ」
(どのみちお前の体格と顔では、どこにいたって目立つだろうに……)

邪鬼の後ろ姿を見ながら、自来也はそんなことを考える。

(とはいえ、わしも目立つという点では人のことを言えんのう。
 ライダーというクラス自体との相性は悪くないんだが……)

自来也が気にしていたのは、自分のライダーとしての宝具であった。
彼の宝具は、『口寄せ・自来也忍法帖』。
生前に契約を交わしたガマたちを召喚し、使役できるというものだ。
だがライダーであるがゆえに、召喚できるのは自来也が上に乗れるガマに限られる。
そのため、該当するガマはどれも数メートルから数十メートルの巨体。
最強格のガマブン太ともなれば、比喩ではなく本当に山のような大きさだ。
認識をごまかす結界など張れるはずもない自来也にとって、宝具の使用は全ての参加者に向かって自分の居場所を宣言するようなものなのだ。
ゆえに、自来也は基本的に宝具の力なしで戦わねばならない。
幸い自来也の戦闘能力は宝具なしでも充分に高いが、それでも万全の状態というわけではない。

(キャスターあたりで呼ばれていれば、頭たちを口寄せして仙人モードになれるんだがのう。
 しかしそれでは、今度は身体能力が落ちてしまうし……。
 アサシンというのもどうもなあ……。なかなかちょうどいいクラスというのはないもんだのう)

ついつい考え込んでしまう自来也。それを不審に思い、邪鬼が声をかける。

「どうした。行くぞ」
「わかっておるわい。つうかお前、もうちょっとわしを敬え!
 単純に死んだ時の年齢で考えても、わしの方がかなり年上だぞ!」
「俺が敬意を払うとしたら、それは塾長くらいなものだ」
「ぐぬう……。本当にかわいくないのう、貴様は!」

賑やかな会話を続けながら、友人とも師弟ともつかぬコンビは山を下りていくのであった。



【クラス】ライダー
【真名】自来也
【出典】NARUTO
【属性】混沌・善

【パラメーター】筋力:B 耐久:B 敏捷:B 魔力:A 幸運:C 宝具:B

【クラススキル】
対魔力:B
魔術に対する抵抗力。
魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:A
乗り物を乗りこなす能力。幻獣・神獣ランクの生物は乗りこなせない。

【保有スキル】
忍術:A+
チャクラと呼ばれるエネルギーを使い、様々な術を使用できる。
伝説とまで詠われた忍者であるライダーは、使える術の属性も幅広い。

黄金律:C
人生においてどれほどお金が付いて回るかという宿命を指す。
作家としても成功したライダーは、忍者としてはかなり裕福な部類に入る。

戦闘続行:A
絶対に諦めないド根性。
決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。


【宝具】
『口寄せ・自来也忍法帖』
ランク:B 種別:対人~対城宝具 レンジ:1-500 最大捕捉:1000人
生前に結んだガマたちとの契約が記された巻物。
ガマブン太をはじめとするガマたちを呼び出し、使役することができる。
呼び出したガマも、同ランクの宝具として扱われる。
ただしライダーの宝具であるがゆえに、呼び出せるガマは「上に乗れるサイズのもの」に限定される。

【weapon】
忍具一式

【人物背景】
三代目火影・猿飛ヒルゼンの弟子にして、四代目火影・波風ミナト、および七代目火影・うずまきナルトの師匠。
かつての忍界大戦での活躍により、同門の綱手、大蛇丸と共に「伝説の三忍」と呼ばれ称えられている。
大戦後は里を離れ各地を放浪しつつ、小説家として活動していた。
覗きが趣味のスケベおやじだが、色仕掛けには強い。

【サーヴァントとしての願い】
実はあまり深く考えずに召喚に応じてしまったため、特にない。
聖杯にうさんくささは感じているが、完全に否定するにはいたっていない。


【マスター】大豪院邪鬼
【出典】魁!!男塾

【マスターとしての願い】
三号生筆頭にふさわしい戦いをする。

【weapon】
○折り鶴
「風舞央乱鶴」において使用する、刃の仕込まれた折り鶴。
大半は目くらましであり、くちばしに刃を仕込んだ本命の鶴によって敵の筋肉を破壊するのが目的。

○繰条錘
金属製の鋭い円錐に、長い針金をつけた武器。
邪鬼の気によって自在に動き、敵を突き刺したり拘束したりできる。

【能力・技能】
○大豪院流
邪鬼の家に伝わる戦闘術。
奥義は真空の渦を巻き起こし、相手の体を切り刻む「真空殲風衝」。

○気功闘法
全身の気を練り上げることにより、肉体や武器を強化する戦闘術。

【人物背景】
男塾総代兼三号生筆頭。
圧倒的な強さで十数年にわたってその座に居座り続け、「男塾の帝王」とまで言われていた。
敵対する相手には容赦が無いが、部下や好敵手の死を悼む人情も持ち合わせている。
天挑五輪大武会の決勝において、スパルタカスと相打ちになり死亡。
最後は真空殲風衝を自らに放ち、骨も残さず消滅した。
……はずなのだが、その後幾度か存命している姿が確認されており、その生死については謎に包まれている。

今回はあくまで、スパルタカス戦で死亡した世界線から参戦している。

【方針】
強者に戦いを挑む。戦意のない相手は襲わない。

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最終更新:2015年12月11日 22:52