少年は鍵を得た。
少年は光の心を持っている。
少年は世界を救った。
少年は――キーブレードに選ばれた。
「何でも願いが叶う聖杯? すっごいわくわくする!」
十五の少年の瞳は歳相応に未知なる興味に対し輝いている。
聖杯戦争に巻き込まれた時には不安こそあったが、多くの世界を言葉どおり旅してきた少年の立ち直りは早い。
元の世界に戻る手段が無いのならば、扉を開ければいい。
肩に担がれた心の鍵――キーブレードを持つ少年、ソラ。
心の繋がりに導かれた温かい、優しい光を持った彼に舞い降りた世界を繋ぎ、心を開く鍵。
これまでに多くの悪い心と戦い、人間としても成長してきたソラにとって異世界はイレギュラーではない。
いつも通り――嘗てはとある王の従者と共に旅をしていた。昔を思い出せば何と言うこともないのだ。
「じゃあソラ君は何を願うんだい?」
ソラの背後に現れた男は願いを問うた。
音も影も立てずに出現した着物の男、口調は砕けているが、纏う空気は鋭い。
油断していれば、舐めて相手をすれば簡単に喉笛を斬り裂かれるような。
「んー……解かんないかな、京楽さん」
ソラから返る答えに形は無い。けれど、悪い意味ではない。
彼にはたくさんの願いがある。それは億万長者だったり強くなりたいだったりと様々である。
その中でも『世界にまだ居る悲しんでいる人々を救いたい』という優しい心を持った彼ならではの願いがある。
キーブレードを手にしてから、彼の長くて、それでもどこか切なくて、大切な思い出となった旅路の果てに。
世界に訪れただけ、色々な人達と出会い、交流し、絆を育み、時には悪と戦うこともあった。
多くの経験の総てが行く着く先は『救い』に集結され、ソラが救った存在は数多の数に昇る。
しかしまだ見たことも感じたこともない世界は数え切れない程存在するだろう。
故に悲しんでいる人々はまだ存在している。ソラは彼らを救いたいのだ。
聖杯が願いを叶える願望器ならばそれはそれで素晴らしいモノだろう。
けれど、自分がソレを手にしてもいいのか。他に欲しがっている人が居るのではないのだろうか。
願いは自分の手で叶えるモノ。それも一つの選択肢ではあるが、折角の聖杯だ、活かすべきである。
聖杯に対し迷いはあるが、確実に云えることがある。
悪人の手には絶対に渡さない。悪用する人間を絶対に許さない。
「まぁ後で決めるのもアリだからね。焦らないで考えればいいさ」
「でも俺はリクやカイリの所に帰りたいんだ。だからゆっくりは出来ない」
「帰る方法が解らないんだろう? 鍵穴を見つければソラ君の鍵で扉を開けることが出来るかもしれないけど……戦争だからねえ」
聖杯戦争とは基本的に願いを求める訳有りな人間が大半を占める。
最初から覚悟を決めた参加者が多い中で迷いを抱いているソラは何処か覇気に欠ける。
仮に『他人を痛めつけてまで叶えたい願い何て嫌だ』などとほざけば、集中砲火を浴びることになるだろう。
それに彼は『聖杯戦争は一種のゲーム』と勘違いしている部分が存在する。
あながち間違いでは無いのだが、生命を賭けるデスゲームとの認識は無い。
サーヴァントであるセイバーも伝えてはいないが、まさかマスターが
ルールを理解していないとは思いもしないだろう。
「戦争か……止めてやる! で、いいのかな?」
「迷っているかい、自分がどうすればいいか」
「止めたいとは思う。でも真剣に願いを叶えたい人の邪魔もしたくない」
「なら、聖杯戦争の中で決めればいいさ。全部、ね」
無理強いはさせない。セイバーは従者の立場としてソラに接している。
年齢や格。総てに置いてマスターを上回っているサーヴァントではあるが、主に逆らうことはない。
主君の剣となって此度の聖杯戦争でも活躍することになるだろう。
(キーブレードねえ……ソラ君を待っている運命はきっととてつもなく大きい。無事に帰してあげたいんだけどねえ……)
聖杯戦争では予想の出来ない多くの危険が迫って来るだろう。
どう対処するか、捌くか、回避するか。何にせよ生き残るには対応しなければならない。
まだ若く、迷いも抱いているソラはきっと茨の道を進むことになる。
それは世界を救うために旅をしてきたあの頃と同じように。そして生命の危険が更に上昇している。
セイバーは強い。けれど『絶対』と言い切れないのが聖杯戦争である。
単純な数値だけでは勝敗の結末を弾き出すなど不可能であり、相性を超えた力だって存在する。
少なくとも迷いの有無で総てが決まる訳ではないが、ゲームと認識しているソラに殺しの覚悟は無い。
純粋なる殺意を持った参加者と対峙した時、キーブレードの少年は非道になるか、夢を追い続けるか。
結果は誰にも解らないが、せめて、最期までその優しい心を崩壞させずに――真実に辿り着くことを祈るばかりである。
【マスター】
ソラ@キングダムハーツⅡ
(参戦時期は物語終了後以降から)
【マスターとしての願い】
今は無い。
迷っている状態であり、自分が叶えるよりももっと必要にしている人間に譲りたいとも考えている。
【weapon】
キーブレード
その名のとおり、鍵の形をした剣である。
ブレードとなっているが攻撃方法は叩く意味合いが強い。非常に多種多様な武器で使い手によっては乗り物にもなる。
世界中のあらゆる鍵を自由に封印・解放できる力を持っているため、彼の前に『鍵』は無力化する。
魔法
ファイナルファンタジーシリーズに登場する魔法を操ることが出来る。
己の周囲に炎を展開する『ファイガ』相手に強力な氷塊を放つ『ブリザガ』敵の頭上から雷光を轟かす『サンダガ』
自身を守る防壁の展開『リフレガ』磁場を発生さえ動きを封じる『マグネガ』傷ついた身体をある程度(あくまで少量)を回復する『ケアルガ』
勿論規格外でるサーヴァントには通用しない。
【能力・技能】
上記のとおり。
フォームチェンジ及び二刀流は現段階では不可能。
【人物背景】
気付けばキーブレードに選ばれていた十五歳の少年。
島に訪れた異変と受け取った鍵の力。総てが絡みあった運命の中で大きな経験と共に成長していくことになる。
優しい心を持っており、他人のために必死になれる。
少年と云えど多くの世界を救ってきた実力は本物であり、単純な戦闘能力は芸達者な面も相まって強い。
【方針】
悪い奴は倒す。言ってしまえばこれしか決まっていない。
弱者や困っている人を助けるのは当然のことであるが、自分が聖杯戦争で何をするかは決まっていない。
更に聖杯戦争をゲーム(生命のやりとりが存在しない)と認識しているため、取り返しのつかないことになるかもしれない。
【クラス】
セイバー
【真名】
京楽春水@BLEACH
【ステータス】
筋力B 耐久C 敏捷B 魔力A 幸運B 宝具A
【属性】
中立・善
【クラススキル】
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法を以ってしても、傷つけることは難しい。
騎乗:C
大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせる。
【保有スキル】
死神:A
現世と霊界の魂魄の量を一定に保つ調整者。同ランクの気配遮断を有し、属性『悪』に対し威力が上昇する。
隊長格であり、一番隊の長を務めたこともあるセイバーのランクは高い。
また独自の魔術である鬼道も操ることが可能である。
魔力放出:B
武器、ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に開放することによって能力を向上させる。
別名として霊圧とも呼ばれている。
仕切り直し:A
窮地から脱出する能力。
仕切り直しというよりもセイバーからしてみれば逃走に近い形となる。
如何なる激戦であろうと、逃げの一手に徹すれば戦闘を中断させることが可能。
心眼(真):A
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す。
【宝具】
『花天狂骨』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ: 最大捕捉:
刀と脇差による対の斬魄刀であり、見た目は左右で長さが違う青龍刀のような刀。風を操る。
固有能力は子供の遊びを現実にすることであり、能力発動時にセイバーを知覚している存在総てが対象者となる。
艶鬼やだるまさんがころんだなど、名前や響きは幼いがルールを理解しないと一方的に攻撃される嵌めになってしまう。
解号は『花風乱れて花神鳴き 天風乱れて天魔笑う』
※それぞれの遊びについては説明が難しく、文も相当な量になるため、申し訳ありませんがwiki等参照願います。
ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AD%B7%E5%BB%B7%E5%8D%81%E4%B8%89%E9%9A%8A
『卍解・花天狂骨枯松心中』
ランク:A 種別:対界宝具 レンジ: 最大捕捉:
真名を開放した花天狂骨の姿。見た目の変化は乏しいが能力が格段に上昇する。
固有能力は己の周囲を深い闇に引き摺り込み、その世界はまるで心中をするように暗くて冷たい。
一種の呪いのような能力であり、物理攻撃の通じない相手にも有効である。
◯一段目・躊躇疵分合(ためらいきずのわかちあい)
敵が自身につけた傷が無条件に敵にも浮かび上がる。
ただし、その傷では絶対に死ぬことはない。
◯二段目・慚傀の褥(ざんきのしとね)
敵の身体に無数の黒い斑点が浮かび、ダメージを与える。
◯三段目・断魚淵(だんぎょのふち)
互いの魔力が尽きるまで湧き出る水に周囲を囲まれる。
どれほど藻掻こうと、水面に辿り着くことは出来ない。
◯〆の段・糸切鋏血染喉(いときりばさみちぞめののどぶえ)
京楽の指先から伸びた糸のようなものが敵の体に纏わりつき、指を振るうことで敵の喉笛を切り裂く。
【weapon】
宝具である斬魄刀
【人物背景】
隊長の羽織の上に女物の着物を羽織り、女物の長い帯を袴の帯として使うなど派手な格好をしており飄々とした性格。
しかし実力は本物であり、彼の真なる実力を知る死神は多くない。故に舐めた評価を受けがちである。
どんな状況であろうと思考を止めることはなく、対極を見渡せる広い視野の持ち主でもあり、一番隊隊長は伊達ではない。
【サーヴァントとしての願い】
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最終更新:2015年12月21日 22:26