私は、"アドミラル"。
 そう、"アドミラル"だ。
 ここはいったいどこだ?












 夕日が沈む。
 大地を、草木を、コンクリートの無機質なビルも、何もかも。
 そして、自分自身をも赤に染めながら。

(――――懐かしい。同じものを、私はどこかで)

 そんなありふれた光景を、とあるビルの屋上で懐かしげに眺める存在がいた。
 記憶のどこかにある、懐かしい光。
 もはや残滓しか残っていない記憶を探り、いつか見たそれを思い出そうとする。
 だが、頭に浮かぶのは、雑多なノイズばかり。
 懐かしい思い出は、もう浮かんではこない。

「……」

 彼の、聖杯戦争における仮初の名は"アドミラル"。
 彼を知る人間はここにはいない。
 彼が知る人間はここにはいない。
 "英霊"としてこの聖杯戦争に呼ばれた彼だけが、ここに。

(……私だけ、か)

 ここには彼しかいない。かつての仲間はどこにもいない。
 彼が信頼していた部下は、どこにもいない。
 彼が、職務上の関係をも超えて、心を通わせた副官も、いない。

「何故……私ダケガ」

 彼の口らしき場所から、音声が漏れる。
 彼にとっては、馴染み深い自身の声だが。
 ヒトには声として認識できない、音声。
 彼以外には理解できない、意味のない雑音。

(……また、皆と出会う方法が、無いわけでもない)

 彼も、この聖杯戦争の掟は知っている。
 戦い、生き残り、そして聖杯に願いを託せば。
 彼の願いは、現実となる。
 だからこそ……。
 彼は、願う。

(手段は選べない。選べないなら……できることを、やるだけだ)

 自身の抱える、願いの為に。
 その為に、彼は闘う。"R戦闘機"を操り、敵を討つ。
 その為に、彼は彷徨う。自身の知るものとは違う、この街を。
 だからこそ、もう一度。
 "作戦"を、始めなければならない。

(私を阻むモノ全てを打ち倒して……私は、仲間とともに、地球へ帰還しよう)


 ためらうことは何もない。
 目の前に敵がいれば、斃すだけだ。

「サア、行コウカ」

 彼――――アイレムソフト提督の帰還の旅が、再び始まる。



【クラス】
 アドミラル

【真名】
 アイレムソフト提督@R-TYPE TACTICSⅡ -Operation BITTER CHOCOLATE-

【属性】
 混沌・中庸

【パラメーター】
筋力E 耐久E 敏捷E 魔力A+ 幸運D+ 宝具EX

【クラススキル】

 嵐の航海者:B+
 "船"と認識されるものを駆る才能を示すスキル。
 船員・船団を対象とする集団のリーダーも表すため、軍略、カリスマを兼ね備える特殊スキル。
 生前、自身の指揮で幾多もの戦場で勝利を収め、また部下からの信頼も篤かったことにより、このランクとなっている。

【保有スキル】

 開発:A
 魔力を消費し、"ユニット"を制作/強化できる。開発したユニットは基本的には提督の指揮がなければ行動不能。
 "ソルモナジウム"・"バイドルゲン"・"エーテリウム"と呼ばれる資材があれば、魔力を消費せずとも済む。
 ただし、これらの資材が入手できるかは定かではない。

 戦略的撤退:B
 戦闘から離脱し、戦局を振り出しに戻す。
 ただし、離脱に成功した場合のみ"開発"で制作したユニットが一定時間弱体化する。

 バイド化:A++
 バイドと呼ばれる、攻撃的生命体になってしまった事を示すスキル。
 このスキルが有効である限り、心身とも取り返しのつかないほど、バイドに蝕まれてしまう。
 少しばかりの自己回復機能も有するが、スキル"精神汚染"が大幅にランクアップする。

 精神汚染:A+
 バイドと化した影響により、ヒトとしての精神はほぼ失われている。
 精神干渉系魔術をほぼシャットアウトできる。

 星の開拓者:×
 人類史のターニングポイントになった英雄に与えられる特殊スキル。
 あらゆる難航・難行が、「不可能なまま」「実現可能な出来事」になる。
 このサーヴァントもこのスキルを有するに足る偉業を成し遂げてはいるのだが……。
 ――――残念ながら、無効化されている。

【宝具】
『琥珀色の風 この美しき宇宙』
ランク:EX 種別:対陣/結界宝具 レンジ:700~ 最大補足:300人~
普段はこの宝具の存在をサーヴァント自身も知らない。

この宝具が発動すると、周囲に在るもの全てを、問答無用で"琥珀色の宇宙"に引きずり込む。
"琥珀色の宇宙"は、すべてを魅了し、そしてバイド化して飲み込む特殊な空間(詳細は不明)。
"琥珀色の宇宙"内には、"琥珀色の瞳孔"・"琥珀色の器官・陰"・"琥珀色の器官・陽"と呼ばれる何かが存在し、
自分以外の存在を察知すると(攻撃が届く範囲であれば)勝手に攻撃を行う。
"琥珀色の宇宙"内にいるだけで、肉体と精神は蝕まれ、ヒトでない存在――――バイドへと変化していく。
脱出するには中にいるサーヴァントを撃破するか、"琥珀色の瞳孔"の撃破が必要。

ただし、この宝具の発動にも維持にも莫大な魔力が必要。


【weapon】
 本人はなにも所持していないが、開発したユニットが武器替わりになるだろう。

【人物背景】

 バイドを討つために地球を旅立ち、琥珀色の世界に消えてしまった、若き提督。
 そして永き眠りから目を覚まし、光に導かれて宇宙へと戻った彼は……人でなくなっていた。
 その後、地球への帰還を願い、彼はただただ宇宙をさまよった。

【サーヴァントとしての願い】

 仲間とともに、地球へ帰還したい。

【基本戦術、方針、運用法】

 索敵機で周囲を警戒し、敵を見つければ戦闘機を出動させる。
 それだけでは不安なときは、大型艦などを出動させればよい。
 その間、自身の姿をジャミングで隠しておけば安全。ただしどれも攻撃を受け過ぎれば撃墜される。
 (全てではないが)戦闘機類は5機編成。一機でも欠ければ100%の力は出せないのがネックか。
 また、今回はバイド化状態での召喚なので、開発できるのはバイドサイドのユニットだけ。
 (それぞれの性能などについては説明するには数が多すぎるのでぜひRTT2をプレイして確かめていただきたい)

 また、サーヴァント自身は極めて戦闘力が低いので、極力敵の前に姿を現さないようにしなければならない。
 ただし――――琥珀色の風が吹いたときは、別。



【マスター】
 ???

【マスターとしての願い】
 ???

【weapon】
 ???

【能力・技能】
 ???

【人物背景】
呼んだ直後に、サーヴァントに同化させられた。
どのような人物で、どのような願いを抱いていたのか。もはや、知ることは叶わない。

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最終更新:2015年12月21日 22:34