朝、お母さんが起こしてくれる。
お母さんと一緒にごはんが食べられる。
お母さんが休日に、遊びに連れて行ってくれる。
それはとても幸せで、とても切ないこと。
◇ ◇ ◇
フェイト・テスタロッサがこの世界に招かれたのは、母の命令を受けジュエルシード回収に赴いた直後のことであった。
この世界には、フェイトが望んでやまなかった母からの愛があった。
だがこの世界の母は、あくまで仮初めの存在。フェイトが真に愛されたい存在ではない。
フェイトの目的はあくまで、母のために働くことだ。
不可抗力とはいえ任務を果たさず失踪したことで、母は怒っているかもしれない。
だがあらゆる願いを叶える聖杯となれば、それは捜索を命じられたジュエルシードに匹敵する秘宝だ。
持ち帰れば、きっと母も喜んでくれるだろう。
そして、昔のような優しい母に戻ってくれるかもしれない。
ゆえにフェイトは、聖杯戦争に乗ることを決意していた。
他人の命を奪うことに、良心の呵責がないわけではない。
だが他者を踏みにじってでも、フェイトはこの戦いに生き残りたかった。
本来のパートナーであるアルフは、この世界についてきていない。
仮初めのアルフならばいたが、この世界の彼女は何の能力も持たないただの犬だった。
今、戦力となるフェイトの味方は彼女が召喚したセイバーのサーヴァントしかいない。
◇ ◇ ◇
「今日も行くよ、セイバー」
深夜、フェイトは窓から抜け出して他の参加者を探しに出かける。
セイバーは彼女の言葉に無言でうなずき、その後に続いた。
フェイトはまだ、このセイバーの声を聞いたことがない。
別に障害や制約でしゃべれないわけではなく、極端に無口なだけらしい。
とにかく、そのせいでフェイトはセイバーについて多くを知らなかった。また、興味も無かった。
彼がどんな世界のどんな人物だろうと、聖杯へのどんな願いを持っていようと、知る必要はない。
自分に従ってくれるなら、そんなことはどうでもいい。
マスター権限で確認できるステータスさえ把握していれば、それだけで十分だ。
フェイトはまだ、セイバーの真名を知らない。
腰に妖刀を下げたかのサーヴァントの名は、クロノ。
正しい歴史ならば将来彼女の義兄となる男と、同じ名前を持つ剣士であった。
【クラス】セイバー
【真名】クロノ
【出典】クロノ・トリガー
【属性】中立・善
【パラメーター】筋力:B 耐久:C 敏捷:B 魔力:B 幸運:C 宝具:A
【クラススキル】
対魔力:C
魔術に対する抵抗力。
魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。
騎乗:B
乗り物を乗りこなす能力。
魔獣・聖獣ランクの生物は乗りこなせない。
【保有スキル】
星の開拓者:EX
人類史のターニングポイントになった英雄に与えられる特殊スキル。
あらゆる難航・難行が、「不可能なまま」「実現可能な出来事」になる。
セイバーは人類史そのものを書き換え、滅亡から救った英雄である。
天魔法:B
雷や聖なる力を操る魔法。
セイバーは生前に修得した全ての魔法を使えるが、クラス制限により威力は減退している。
対エイリアン:B
宇宙からの侵略者を討伐した逸話に基づくスキル。
宇宙より地球に訪れた者に対し、与えるダメージが増加する。
【宝具】
『にじ』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
「太陽石」と「虹色の貝殻」という、二つの秘宝の力を使って生み出された妖刀。
この世のものとは思えぬ切れ味を誇る。
またその魔力により使い手は感覚を研ぎ澄まされ、無意識のうちに防御の弱い部分を突けるようになる。
これにより、与えるダメージはさらに増加する。
『死の運命ねじ伏せる現し身(ドッペルくん)』
ランク:A 種別:対人宝具(自身) レンジ:― 最大捕捉:1人(自身)
死の運命を改変し生き延びたという逸話が、その際に使われた人形の形を取って宝具となったもの。
致命傷を負う瞬間に人形が本人と入れ替わり、死の運命を回避する。
発動すれば必ず破壊されるため、一度しか使うことができない。
【weapon】
冒険で使用していた装備一式
【人物背景】
カルディア暦1000年の世界で母と共に暮らしていた、ごく普通の青年。
だが偶然か運命か違う時間に移動する力を手に入れ、仲間たちと共に様々な時代で冒険を繰り広げる。
そして旅の果てに、1999年に世界を滅ぼす宇宙よりの悪意・ラヴォスと戦い、これを打ち倒した。
【サーヴァントとしての願い】
カルディア王国が滅ぶ未来(クロノ・クロスへ繋がる歴史)を消し去る。
【マスター】フェイト・テスタロッサ
【出典】魔法少女リリカルなのは
【マスターとしての願い】
聖杯を母に届ける。
【weapon】
○バルディッシュ
フェイトが愛用するインテリジェントデバイス。
斧や鎌として使用できる。
【能力・技能】
○ミッドチルダ式魔術
飛行や魔力を電撃に変換しての攻撃などが可能。
【人物背景】
魔術師プレシア・テスタロッサの娘。
母の命を受け、持ち主の願いを叶えるという秘宝「ジュエルシード」回収のため地球を訪れる。
その正体はプレシアの実子・アリシアの記憶を移植されたクローンであるが、本人はその事実を知らない。
今回は高町なのはと出会う前から参戦している。
【方針】
聖杯狙い。
最終更新:2015年12月08日 01:24