◇ 魔法少女/救国の乙女 ◇
私の願いは、フランスに光をもたらすこと。
当時は百年戦争の最中。
フランス国内は戦火に見舞われ、簡単に命が奪われ失われる、決して晴れない闇の中にいた。
私も、大切な妹を亡くした。いつもの平穏な日々も、壊されてしまった。
たとえ元に戻ったとしても、次は別の大切な誰かが犠牲になるかもしれない。そんな無情な世の中だった。
だから私は決めた。同じような悲劇を、もう誰にもあわせたくない、と。
その日から私は“天使様”から魔法少女としての力を授かり、この戦争を終わらせるための旅に出た。
後は後世に伝わる通り、フランス軍と共に快進撃を続け、幾度となく苦難に挑み続けた。
最終的に、私はフランスを取り戻し、人々に光をもたらした。
だから、その後の私自身の結末については、何も悔いもありません。
救済も、恨みも、悲しみ、絶望も抱かず、そのままの「人」として運命を受け入れます。
あとはただ、人々に神の祝福あらんことを。
◇ 選択者/救済の夢限少女 ◇
私の願いは、ルリグになった女の子たちを人間すること。
主に少女達の間で流行しているTCG『WIXOSS』。
そのプレイヤーの中でも意思を持つルリグと出会えた少女だけで行われる危険な遊戯“セレクターバトル”。
胸に秘めた願いを叶える“夢限少女”になるため、少女達は人知れず勝負を繰り返していた。
しかし、その奇跡は偽りだった。私達も、その欲望の中に隠された暗澹に徐々に呑まれていった。
その真実は、どの選択も報われない結末しか待っていない壊れたゲームでしかなく。
その裏側は、一人の女の子が憎悪と復讐から生み出した“人形遊び”でしかなかった。
数々の悲劇を目の当たりにして、散々悩んだ末に、私達はこの幻想を終わらせようと決意した。
そのために、女の子が最後に選択した希望と共に進んで。
最終的に、女の子の無念を晴らし、私達は“夢限少女の誓い”を交わす事で全てを終わらせた。
その後、セレクターバトルはなくなり、意思を持ったルリグ達もいなくなった。
ルリグになってしまった友達も元に戻り、憎しみが連鎖しない平穏な日常へと変わっていった。
あとはただ、信じている。また君と会える日を。
★ 願望器/数秘の極点 ★
偽創の天地にて、汝は何を望む?
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~
きっかけは些細だった。それも全く気付かない程の。
しかし自然に、急速に、突然に、まるで感染し拡大するかのように、覚醒へと促していく。
その日、小湊るうは友達とめいいっぱい楽しんだ。
街を歩き回って、あちこち見て回って、買い物したり、カフェで休息したり。
あとカードショップに寄って、ブースターパックを購入したり、WIXOSSで対戦したり。
やはり友達と一緒に遊ぶのは楽しく、だから時間が過ぎるのも早かった。
まだ明るいものの各々別の用事もあるため、また会う約束を交わして解散した。
その後の帰路にて、“リリリン”、と鈴の音を耳にした。
そこは、いつも通り建物が並ぶ道で、普段なら何もない場所だった。
しかしその時ばかりは、背後に小さな気配を感じた。
“リリリン”“リリリン”と音も徐々に大きくなってきた。
だからるうは、すぐさま後ろを振り向いた。
その正体は、なんてことはない、首輪に鈴を付けた白い猫だった。
“ミャー”っと鳴きながら白猫はるうに近づき、そして通り過ぎていった。
それは一瞬の出来事であり、るうはすぐに何事もなかったかのようにまた歩き始めた。
――無意識に「 」を探していた彼女にとって
――その邂逅は心のどこかで落胆していた
――しかし、その想いは無知ゆえに気付かない
――その一事が忘却に打ち込む小さな楔である事にも気付かず
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~
帰宅後、るうは夕食の支度を手伝い、家族と団欒して。
夜が更けた頃に自分の部屋へと戻った。
明日に向けて勉強や、今日購入したカードを交えてデッキ調整など。
色々と考えながら椅子に座ったところで、るうはふと気が付く。
「あれ、なんだろう、このカード?」
学習机の上には、一枚の伏せ置かれたカードがあった。
それはるう自身には身に覚えのないものだった。
今朝、部屋を出る時には机の上を綺麗にしていたし、帰宅した後も机には何もしていない。
もしかして、ばあちゃんが置いていった?でもなんで?
などと不思議に思いながら、るうはカードを手に取り裏返した。
「ルリグのカード…タルト?」
初めてみる凛々しいルリグの、表記された名前を口にする。
その姿に見蕩れつつ、その詳細について読もうとした。
が、しかしそれはかなわなかった。
「えっ、カードが、光っ!?」
何故なら、突如としてカードが光り始め、やがて眩しく何も見えなくなってしまったからだ。
急激に放たれる強い発光に、るうは目を瞑った。
一体何なのか理解も及ばないまま反射的に構えた。
しかし、しばらく待てども、何も起こらなかった。
恐る恐る、ゆっくりと目を開けてみたが、何も変哲していなかった。
手に持ったカードはイラストとテキストが見て取れる。光ってなどいない。
「今の、見間違い、じゃないよね…」
「あの、貴女が私のマスターですか?」
「ってうわぁっ!?」
今度は背後から声を掛けられ、びくっと体が飛び跳ねた。
なぜなら自分以外部屋には誰もいないはずなのに、知らない少女がすぐ目の前にいるのだから。
すぐ後ろを振り向き、その姿を確認して声を上げる。
「だ、だれっ!?」
「サーヴァント、セイバー。真名はジャンヌ・ダルクといいます!」
にこやかに、ハッキリと、こちらの意図とは若干ずれた返事。
即座に心の中でツッコミを入るが、あまりに真っ直ぐな態度に、咄嗟に言葉は出ない。
「ジャンヌ、ダルク…?えっ、あの、よく聞く有名な?」
「はい、そうです。って、自分でそれを肯定するのも変ですね」
はにかむ少女の姿を見て、そこで気付がつく。
純真な白い肌、綺麗な銀の髪、澄んだ瞳、凛とした小顔。
そのどれもが、手に持ったルリグカードの人物と瓜二つであった。
そして見た目は私とあまり変わりない年齢の少女に見えるが、その雰囲気は全く違っている。
本当に神秘的な聖人のように、私とは全く違う存在に感じ得た。
――その清く白い容姿は、知っているはずの彼女に重なっている気がして。
――るうの中で何かが氷解していくように、無自覚に感じていた。
しかし、るうは未だ事態への混乱が溶けておらず、それを表す一言だけを零すのみだった。
「もう、一体なんなの……」
【マスター】
小湊るう@selector spread WIXOSS
【マスターとしての願い】
―――――。
【weapon】
なし。
しいて言うなら、WIXOSSでカードバトル?
【能力・技能】
WIXOSSのプレイング技能
【人物背景】
アニメ『selector infected WIXOSS』及び『selector spread WIXOSS』の主人公。
中学2年生のごく普通の少女。家庭の事情で今は祖母と一緒に暮らしている。
やや引っ込み思案で大人しい性格だったり、年相応に明るく快活なところもある。基本的におだやか、おっとり。
転校したばかりで友達を作ろうとも思っていなかったが、別居している兄から友達作りのきっかけとしてTCG『WIXOSS』を渡される。
しかしその中に意思を持つルリグ・タマがいたため、彼女は数奇な運命を辿る事となる。
始めは何も知らないまま、願いを持たないままセレクターバトルに身を投じていき。
その中で遊月や一衣といった友達が出来たり、セレクターバトルや夢限少女の闇の真相を知っていき苦悩していく。
やがて叶えたい願いを見出し、この危険な遊戯を終わらせるために色々と奔走することとなる。
最終的に黒幕の無念を晴らし、願いを叶えたことで、平穏な日常を過ごしている。
【方針】
???
【クラス】セイバー
【真名】ジャンヌ・ダルク
【出典】魔法少女たると☆マギカ
【性別】女性
【属性】秩序・善
【パラメータ】
筋力:B+ 耐久:A 敏捷:A 魔力:A 幸運:C 宝具:A++
【クラススキル】
対魔力:A
Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。
騎乗:D
乗り物を乗りこなす能力。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。
【保有スキル】
啓示:B
“直感”と同等のスキル。
直感は戦闘における第六感だが、“啓示”は目標の達成に関する事象全て(例えば旅の途中で最適の道を選ぶ)に適応する。
この“啓示”の一端には“天使様”からの導きもあったが、聖杯戦争では“天使様”が不在のためランクダウンしている。
それでも(本人に自覚はないが)自身の強力な因果律により、行動がすぐに結果へと繋がりやすくなっている。
カリスマ:C
軍団を指揮する天性の才能。
先陣を切って敵軍や異形の存在達を討伐するジャンヌの姿は、兵士の士気を極限まで高め、軍を一体のものとする。
聖人:B
聖人として認定された者であることを表す。
聖人の能力はサーヴァントとして召喚された時に
“秘蹟の効果上昇”、“HP自動回復”、“カリスマを1ランクアップ”、“聖骸布の作成が可能”
から、ひとつ選択される。
【宝具】
『クロヴィスの剣(エペ・ド・クロヴィス)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
謎の少女から授かり受けた、魔法で冶金された剣。
戦闘中の燃費が悪いセイバーはこの剣を媒介とする事で魔力消費を調整できるようになる。
『光よ!!(ラ・リュミエール)』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~30 最大捕捉:1~10人
固有魔法によって大型の旗槍を具現化し投擲する高威力の必殺技。
これにより厄災を振りまく魔女を一撃で葬ることも可能とする。
媒体なしでもこの宝具を発現する事ができるが、一度の使用で膨大な魔力を消耗してしまう。
なので通常は『クロヴィスの剣』にイメージを纏わせて攻撃を放つ。
『紅蓮の聖女(ラ・ピュセル)』
ランク:C(発現前) EX(発現後) 種別:特攻宝具 レンジ:??? 最大捕捉:???
“主よ、この身を委ねます――――”という辞世の句を発動の呪文とし、炎を発現させる聖剣。
ジャンヌの火炙りを攻撃的に解釈した概念結晶武装。
固有結界の亜種であり、心象風景を剣として結晶化したもの。
この剣は英霊ジャンヌ・ダルクそのものであり、宝具を発現させると戦闘後、ジャンヌは消滅する。
【weapon】
光を操る固有魔法
【人物背景】
『魔法少女たると☆マギカ』の主人公で、かの有名なオルレアンの乙女(ラ・ピュセル)。
彼女の旅立ちから悲劇的な最期までの経緯はほぼ伝承通りであるが、以下のような知られざる真実・相違点がある。
- “天使様”と契約し、魔法少女として救国の為に戦った。
- 同じ魔法少女達と一緒に前線で戦い、魔女や敵国の魔法少女と戦う事が多かった。
- 読み書きが不自由のため、自分の名前を“Jehanne Tart”と書き間違え、以来仲間からは“タルト”と呼ばれている。
なお、サーヴァントとして召喚されたため“天使様”は同伴されておりません。
【サーヴァントとしての願い】
???
最終更新:2015年12月08日 01:27