仲間たちのために戦ってきたとは、思わなかった。
理樹と鈴のためだと思うことで己を鼓舞していた時もあったけれど、今はそうじゃないと認識している。

親友のひとりは、棗恭介を止めた。
そんな策を練る必要などない。ずっと全員で、この世界で遊んでいればいい。
親友のため、妹のためと言うならば、彼等を過酷な現実世界に帰すことなんてないと。

もしかしたら、その通りなのかもしれなかった。
彼女と彼にしてみれば、過酷な現実に戻るよりも、ずっと夢の中にいた方が幸せだったと訴えたくなるかもしれない。
何より恭介自身も、ずっと一緒にいたいという気持ちはよく分かっている。

それでも、彼は親友と妹を『現実の世界』に戻すことを選んだ。
死の運命が確定した自分たちと違って、二人はまだ生きているのだから。
いつまでも子どものまま、遊んでいるわけにはいかないと思ったから。
そうあるべきだと、信じたから。
そのためなら、手段は選ばなかった。倫理だって踏み躙るし、仲間との絆をメチャクチャにするところまでいった。
つまるところ、自分が最良だと思う答えを目指して走っただけ。
それを、エゴじゃなかったとは言わない。
全ては『リトルバスターズのリーダー』としての、自分のためだ。

ならばこの聖杯戦争は、
『リーダー』の役目を終えた今となっては、
ひとりの人間、ただの高校生、『棗恭介』としての、自分のための戦いだ。
直江理樹と棗鈴を成長させて、自立させるためではなく。
ただ、彼らとともに生きたいという、個人的なエゴを押し通すために勝ち残る。

それだけで良かった。
昨夕に、守りたかった妹――棗鈴が同じ舞台にいることを確かめるまでは。
天津風からの、妹と同盟を結んではどうかという提案を拒むまでは。

おそらく、彼女が聖杯に寄せた願いもまた恭介と同じだろう。
皆で、共に生きること。

ならば、それを密かに応援するつもりこそあれ、干渉したり妨害したりする理由はない。
むしろ、たとえ恭介の望みが半ばで断たれたとしても、鈴に聖杯を託すことができるのではないかという希望ができたぐらいだ。
――なるべく痛い目にも辛い目にも遭って欲しくないのが、『兄』としての本音ではあるのだが。

しかし、その『逆』の場合になったら、事情が変わる。
もし、鈴が途中で脱落して、自身が聖杯を獲ることになった時は、願いごとが変わって来る。
『自らの死を覆したい』だけではなく、『鈴も生きている日常に帰りたい』という類の願いに。
鈴を最終的に生きて帰さないという選択肢は、まず最初から有り得ない。
親友と妹がいる世界だからこそ、生きたいと願っている。
恭介が妹を犠牲にしてでも生き延びたい人間だったなら、そもそも最初からあの虚構世界なんて作りはしなかった。
それに、鈴を死なせてしまったら、彼女を託した親友をも裏切ることになってしまう。

そして、もし『二人で帰る』という願いが叶うなら。
二人以上の死を覆すという、ワガママが許されるのならば。
あのバス事故で死ぬはずだったリトルバスターズの仲間たちを、助けられる限りは救いたい。
確かに恭介は、謙吾や真人たちが消えた後になっても生を望んだけれど、
それは決して『謙吾や真人や、小毬たち女子メンバーが死んでしまってもぜんぜん構わない』ということではないのだから。

救うべき命が増えた。
妹のこと、仲間のことを、いっそう想った。
そんな夜を明かしながら、しかし月を見上げる恭介の口元には笑みがあった。
それも、慈愛や希望の笑みではなかった。
妹には決して見せられない、親友の直江理樹にもあの虚構世界で数えるほどしか見せたことのない、
仮面をつけたように冷徹な笑みを浮かべていた。

なぜなら、都合のよい奇跡が起こり得ると楽観視できるほど、彼は子どもではなかったから。
その『奇跡』を買うための代償を、考えずにはいられなかったから。

自分の命。妹の命。仲間たちの命。
――それだけの命を天秤に乗せるならば、もう片方の天秤には、それ相応の犠牲者を積み上げろという話になる。
たくさんのサーヴァントの魂が、マスターの命が、その対価になることを意味している。
棗恭介が、それをする。覚悟を決めて、そうする。

彼に従うサーヴァント、天津風だけが、その笑みを見ていた。




高校を襲撃した先ほどのサーヴァントをひとまず仮想敵として、同盟を結ぼう。
そう持ちかけると、棗恭介の後輩『ということになっている』少女――吹雪は、とても好意的な反応を見せた。

「それって――棗さんも、あのサーヴァントを許せないと思ってるんですか?」

しかし、まっすぐな眼でそう問われたことには面食らった。
『倒したい』だとか『看過できない』ではなく、『許せない』ときた。
それは、『聖杯を獲るために手段を選ばない参加者』を否定する感情を持っている、ということに他ならない。
この少女は、聖杯戦争の場においても『正々堂々』という観念が適用されると思っているのか、それとも――
――あるいは、と閃いたことがあった。
だから恭介は、こう答えた。

「ああ――変なことを言うかもしれないが、実は聖杯戦争ってやつにもあまり乗り気じゃないんだ。
 できれば、どうにか命だけは拾って、元の世界に帰りたいと思ってるのさ」

一か八か、カマをかけてみる。
否、もし閃きが外れていたとしても、問題はない。生きて帰りたい、という言葉自体には嘘は無いのだから。
そして、閃きは当たっていた。

「へ、変なことなんかじゃありません! 私もそう思ってました!
『願い』はあるけど、そのために聖杯を奪い合うつもりは無いんです、今も」

何も、聖杯に託す願いがあってこの世界に呼ばれたからといって、殺し合いをするつもりだとは限らない。
とっさにその可能性を思いついたのは、恭介が虚構世界を経験していたことも大きかった。
虚構世界はリトルバスターズメンバーの『まだこの世に未練がある』という『願い』から成り立っていたけれど、全員の目的が一致していたわけではなかった。
生前の願いごとさえ果たせれば消えても構わないと割り切っていた者もいれば、いつまでも虚構世界で遊んでいたいと望む者もいた。
ましてや数週間前の恭介のように、いくらでも人道に外れたことをしてみせると即座に覚悟できる方が、一般的な高校生から逸脱していると言っていいぐらいだ。

「吹雪……お前も、戦争に乗り気じゃなかったのか」
「はい、『至誠に悖る勿かりしか』って、大切な先輩から教わりました」

恭介を守るような位置に立つ天津風が、聞き覚えでもあるかのように眉を寄せた。

「殺し合いをやりたくないのは、きっと棗さんの至誠がそう思ってるからです。変じゃありません」

そう言いきり、しかし言い切り過ぎたと思ったのか、恥ずかしそうにもじもじとする。
とても分かりやすく、これが演技や偽りのない彼女なのだろうと伝わってきた。
きっと彼女は心底から、聖杯なんて要らないと思っている――自分と違って。

「ありがとよ。しかし、聖杯否定派だったなら、もう少し用心した方がいいな。
 幸いにも俺と目的は一致していたが、俺が聖杯戦争に乗り気だったなら、さっきの担任みたいに不意をついて攻撃してきたかもしれないだろ?」

そう。事実、棗恭介は、そうすることも選択肢に入れて接触している。
今すぐ仕掛けるつもりはなくとも、吹雪とライダーの主従を、いざとなればティキや他のサーヴァントに対する捨て駒として利用することも視野に入れている。

「そうですよね……すみません。
 でも、私、あの戦闘に棗さんたちが加勢してくれた時点で、悪い人だとは思えなかったんです。
 今もこうして忠告してもらったし……それに、ライダーさんも言ってました。
ティキは放っておいてもペナルティを受けるだろうから、それを待ってから仕掛ける手もあるはずだって。
 そうしなかったのは、棗さんも学校を守ろうとしてくれたから……です、よね?」

なるほど、サーヴァントの助言が効いているのかもしれないが、マスターとして何も考えていないわけではなかった。
それこそ眩しいくらいに、善良かつお人好しな判断基準ではあるが。

「確かに。俺もこれ以上、学校が荒らされるのは望まないな」

そう語りながらも、恭介が学校を守ろうとしたのは、一般生徒たちを守ろうとしてではない。
拠点であり情報の収集場所としての『学校』という施設を守ろうとしたのに加えて、いつ下されるか分からないペナルティを待つよりも、確かな実力を持つライダーのサーヴァント主従とすぐに同盟を結んだ方がメリットが大きいと判断したからだ。

「それに、俺が吹雪を信用できると思ったのも同じ理由だったよ。
学校にいた他のマスターに身バレするリスクを物ともせずにあんな派手なことをするなんて、よっぽど度胸があるか、人の良いヤツだろうからな」
「派手で悪かったわね」

リスクのことは全く考えていなかったのか、吹雪はやや恥ずかしそうに顔を赤らめ、ライダーのサーヴァントは眉根を寄せた。
どうやら、サーヴァントの方の警戒を解くにはまだ時間がかかりそうだ。
しかし、このライダーになら、恭介たちの『前衛』を担ってもらうことができる。
恭介のサーヴァントである天津風は、アーチャーというクラスが示す通りに、そして生前の『駆逐艦』という役割からしてそうだったように、後方支援向きの狙撃手として特化している。
つまり、堅実に生き残りたければ遠隔狙撃でマスターの暗殺に徹するなり、正面きっての戦闘ができるサーヴァントと同盟を組むなりしてやっていくしかない。
先刻の戦闘についての天津風の見立てでは、ライダーはおそらく『戦艦』相当の艦娘――つまり主力決戦兵器となれる存在だ。
それも、積極的に聖杯を獲得するつもりのない、善良なマスター――いつかは解消される同盟の相手としては、願ってもない組み合わせだ。

――たとえ、『聖杯を求めずに生存を優先します』と見せかけ、欺いて利用することになったとしても。

「責めるつもりはないさ。どっちみち、その担任とやらが吹雪と接触した時点で、御目方の連中にはマスターがいると割れただろう。
 学校で籠城するか、それともやられる前に攻めに転じるか……なんにせよ、数では向こうが圧倒的に勝ってるんだし、こっちも連携を取っていくしかない」

後半は、警戒を解かないライダーに対する牽制の意味もあっての発言だ。
吹雪が首を傾げた。

「数……?」
「あの教師の様子じゃ、間違いなく他の信者も傀儡にされてるだろう。
『ティキ』と名乗ったサーヴァントがキャスターらしいなら、御目方の総本山ごと陣地に改造されてると考えていい」

吹雪から聞いた情報による推測だけでなく、恭介自身にも確信を持てる材料がある。
あの予選期間のモラトリアムを費やしてあげた成果は、なにも妹の所在だけではなかった。
御目方教のことは、数日前から警戒していた。
学内でも噂を聞く、路上でも勧誘活動をしている、ニュースでは警察沙汰を起こしたと言われている、新興宗教団体。
そこまで目立った動きをする勢力が、ただのNPCに過ぎないと考えるのはどうにも違和感があった。
彼自身もかつては虚構世界で一般生徒という『NPC』を操作していたために、『いわゆる特殊イベントでも無いのにNPCがそこまで際立った動きをするだろうか』という先入観が働いたのかもしれない。
とはいっても、そこから踏み込んだ行動を起こしたわけではない。
学校の屋上から、天津風の目視による偵察をしてもらっただけだ。
クラススキルというほどのものではないが、アーチャー(弓兵)のクラスは総じて鋭敏な視力を有していることが多い。視力が悪ければ狙撃はできない。単純だが、それが絶対的な原則だ。
天津風の場合もそれに当てはまる。艦艇の砲丸は、数千メートルも距離がある海上での撃ち合いを想定して作られた兵器であり、艦娘として転生した天津風にもそれらのアウトレンジ制圧装備は引き継がれているのだから。

外観を見れば、格式ある御殿にしか見えない広大な屋敷。
しかし、魔術については疎い艦娘にも、その屋敷が『クロ』だという証左は数時間で見つかった。
屋敷内へと飛翔していった烏――おそらくは、予選期間の間に散ったかもしれないマスターの使い魔が、身を焼かれるように墜落していった様子を目撃すれば、そこで邪悪なモノが蠢いていることは想像できる。

そして今朝、サーヴァント同士の対決に居合わせたことで、その邪気と強靭さを知った。

仮にもし、恭介たちがあの『ティキ』のいる主従と一対一で舞台に落とされていたら、そして生き残ったものが勝者だと言われたら、勝算はおよそ薄かっただろう。
写し身でさえあれだけの耐久性を持った怪人を正面から撃破できるとは思えないし、しかもマスターの側も邪悪な宗教施設に守られて、傘下勢力を町中に広げている。
普通に戦っても、あるいはマスター暗殺に徹して様々に策をめぐらしたとしても、独力ではおよそ勝ち目が薄いような手合い。
そういう主従には、なるべく終盤まで生き残って欲しくない。

吹雪という少女は、そんな打算では動いていないことを承知の上で、その打算を隠す。

「……そうですよね。私とライダーさんだけの力では、また戦いになったとしても、あの人達を止められるか分かりません」

頷き、まっすぐな眼をした少女が、まっすぐに右手を伸ばした。
恭介に向かって、五指を開いて差し出す。

「分かりました。棗さんの同盟を受けます。
 私なんかでも、同じ志を持った人の役に立てるなら!」
「ありがとよ。対御目方に限らず、戦争が終わるまでは協力を続けたいところだが、まだお互いをよく知らないしな。
『まずはお友達から始めましょう』ぐらいの気持ちでいこうぜ」
「はい!」

しっかりと、握手を交わす。
『戦争が終わるまで』という言葉から、軽薄さを気取られないように。
もしも吹雪たちが、こちらの真意――他を蹴落として戦争に勝利することを知ったら、関係は断たれて、彼女たちは恭介の目的を阻む側に回るだろう。

まだ何も知らない少女は、飾り気のない笑顔で同盟成立を喜んでいた。
改めて思った。

昨日、鈴に声をかけなくて良かった。

とても人見知りで気難しい妹だけれど、根本では純粋で弱い者いじめを見過ごせない正義感のある奴だということを、誰よりも恭介がよく知っている。
目的を偽って少女を勧誘し、いざとなれば捨て駒として見捨てるなど、絶対に許容できなかっただろうし――

――そして、たとえ許容して悪に堕ちてくれたとしても、兄として、そんな風になった妹は見たくなかった。




仲間たちのために、戦ってきた。そうあろうとしてきた。
それは吹雪にとっても、ライダー――ビスマルクにとっても同じだった。

相手が敵国だろうと深海棲艦(かいぶつ)だろうと、『他の生命の命を奪う』ことを絶対の正義だと一片の濁りももなく信じきれるとしたら、それは狂信でしかない。
誰しもが、敵を倒すという大義のほかに『戦わなければ仲間を守れないから』という理由を拠り所にして、命の奪い合いに臨んでいく。

しかし、仲間と、それ以外との線引きをするラインについては、ビスマルクと吹雪では違っていた。

(『同盟相手が必要』という吹雪の判断はもっともだけれど……すぐに“Freund”となれるかどうかはまた別だわ)

今のところ、棗恭介とそのサーヴァント(外見から判断するに、軽巡洋艦もしくは駆逐艦相当の艦娘のようだったが、鎮守府での面識はない)に対して不審な挙動、言動は見受けられないし、『戦艦』の彼女としてもアーチャーの後方支援が得られるのはありがたい。
しかし、だからといって吹雪ほど簡単に信用して、相手に裏がないと胸襟をひらいていいことでもない。

戦艦としての『ビスマルク』は、第三ドイツ帝国で建造されて、列強各国が絶えず睨み合いと縄張り争いを続ける欧州の海で戦い、最後はノルウェー、デンマーク、ドイツ、オランダ、ベルギー、フランス、イギリスに囲まれた海で沈んだ。当時の第三帝国は、二年足らずでそれら欧州の大半を制圧していた。
彼女たちにとって、敵とは『海の向こうからくるもの』ではなく『対岸からやってくる隣人』だった。
勢力の均衡などはあっという間に塗り替えられるし、同盟締結などいくらでも二枚舌を使いようがあるという感覚を、当時の欧州育ちとして身にしみている。
――『彼女を沈めた国』が、その最たる使い手だったように。

(さすがに、こいつが目の前にいる時には話せないけど……後で吹雪にも釘を刺すぐらいはしておきましょう)

あまり吹雪の喜びに水を差すような真似はしたくないけれど、ここまでのやり取りでは棗恭介は年齢の割には弁が立つ印象を受けた。同盟関係であっても、あまり主導権を握られっぱなしになるようでは困る。
そんなことを密かに思案するビスマルクの前で、二人のマスターは握手から打ち合わせに入ろうとしていた。
今後の方針を決めるなら早い方がいいとか、そうなると授業はサボりになってしまうのだろうかとか話していた。

そんな空き教室に、ガシャコンと武骨な機械音が落ちてきた。

砲塔を背負ったブリキの『ジャパニーズ・コケシ』――第一印象は、それだ。
中空から出現したということは、それまで霊体化していたということなのか、バタバタと短い両手を動かしてアーチヤーのサーヴァントへと何かを伝えようとしている。

「誰か近づいてくるのね? ありがとう。見張りはもういいわ」

アーチャーがなでなでして労うと、そいつは彼女が肩から提げている艦首ユニットの中に収まった。
アーチャーが凛とした声で吹雪を見て言い放つ。

「たぶん通報した警察の見回りか何かだと思う。あたしたちはいったん消えてやり過ごすけど、あんたは警察に言い訳ぐらいしといた方がいいんじゃない?」
「はっはい! あの……」

確かに、警察がクラスメイトから証言を取れば、死んだ教師が最後に吹雪を呼び出していたことぐらいは露見するだろう。
学校を休んで作戦会議をするにせよ、一度は姿を見せて行方不明者扱いされないようにした方がいい。
それは吹雪も理解したはずだが、しかし彼女の意識は、違う方を向いているようだった。
アーチャーが、艦首ユニットの中へと格納した存在に。

「その子、島風ちゃんとよく一緒にいた連装砲ちゃんですか?」

アーチャーはその一瞬だけ目を丸くしたが、つんとした顔で即座に言い返した。

「島風のところのと一緒にしないで。あたしの連装砲くんの方が、可愛いに決まってるでしょ?」
「え、アーチャーさん、島風ちゃんの知り合いなんですか!?」
「え、ちょっと、そういうアンタは島風の何なのよ?」

吹雪から驚いて詰め寄られ、アーチャーの艦娘がうわずったような声をあげた。
お互いにサーヴァントであるために真名に踏み込むような会話はまだなかったが、『島風』とは彼女の姉妹艦のようなものなのだろうか。

「私も、実は艦娘なんです! それで、島風ちゃんとは同じ鎮守府でクラスメイトなんです。南西方面艦隊で一緒になったことも――」
「おっと、盛り上がりそうなところ悪いが、今は警察をあしらうのが先だな」
「あっ、そうでした。ごめんなさい!」

吹雪は慌てて一礼すると、アーチャーが連装砲ごと霊体化するに任せた。
ビスマルクも同じく姿を消したが、その直前にアーチャーが消える前のけげんそうな声を聞き逃さなかった。

「島風の、クラスメイトで、同じ艦隊ですって……?」

まるで、付き合いの長い友人の身近に、こんな奴は見たこと無いと、不思議がるような反応だった。


【一日目・午前/C-3・高等学校B/どこかの教室】

【吹雪@艦隊これくしょん(アニメ版)】
[状態] 疲労(小)
[令呪] 残り三画
[装備] 高校の制服
[道具] なし
[所持金] 一万円程度
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争からの脱出。
1:棗恭介と同盟してことに当たる。警察に言い訳をした後、恭介と今後の方針を話す。
2:ティキが恐ろしい。
3:いったん艤装を取りに戻った方がいいかも……


【ライダー(Bismarck)@艦隊これくしょん】
[状態] 疲労(小)、右太腿に貫通傷
[装備] 艤装
[道具] なし
[所持金] なし
[思考・状況]
基本行動方針:吹雪を守る
1:棗恭介と同盟してことに当たる。ただし棗恭介には警戒を怠らない。
2:ティキは極めて厄介なサーヴァントと認識。御目方教には強い警戒

【棗恭介@リトルバスターズ!】
[状態] 健康
[令呪] 残り三画
[装備] 高校の制服
[道具] なし
[所持金] 数万円。高校生にしてはやや多め?
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯入手。手段を選ぶつもりはない
1:鎮守府? ……こいつ、ただの女子高生じゃないのか?
2:吹雪と同盟してことにあたる。今後の方針を話し合う。
3:吹雪たちを利用する口実として御目方教のマスターを仮想敵とするが、生存優先で無理な戦いはしない。

【アーチャー(天津風)@艦隊これくしょん】
[状態] 健康
[装備] 艤装
[道具] なし
[所持金] なし
[思考・状況]
基本行動方針:恭介に従う
1:マスターの方も艦娘だったの? それに島風のクラスメイトって……
2:吹雪、ライダーの主従と同盟してことにあたる。

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最終更新:2016年04月16日 13:54