高層ビルが立ち並ぶ市街地。
その中でも一際大きいビルの最上階で一人のマスターとサーヴァントが立っていた。

「貴様は聖杯に何を望む?」

二本の長い触覚の付いた簪を被り、黒い鎧を纏った大男のサーヴァントが尋ねる。
スーツ姿の中年のマスターはニヤリと笑いながら軽快に答えた。

「超人的な力だ。それもサーヴァントを超える圧倒的な力をだ」

聖杯の原理については分かっていない。
だがこれだけ大掛かりな街を作り出し、多数のサーヴァントを現界させるシステムを利用すれば
決して不可能では無い事だと察しはつく。

「貴様のその道具で足りぬのか?」
「足りんさ!権力も!財力も!そして暴力も!この程度で満足出来るかよ!!」
「くだらん願いだ。……だが」

このマスターは危険な人物だと一目で気づいた。
奴の底無しの欲望は、生前仕えて、そして斬り捨てた董卓に似ている。

「貴様の野心は気に入った。俺のマスターとして認めてやる
 だが忘れるなよ。もし貴様が主として相応しくない男なら即座にその首を刎ねるからな」
「ふんっ、いいだろう。俺の采配を見せてやるよ。この高見沢逸郎がな!」

高見沢 逸郎。それがこのビルの所有者であり、巨大企業高見沢グループの総帥であり
このサーヴァントのマスターであった。

「俺の事はランサーと呼ぶがいい」
「分かったよ呂布」
「……!?なぜ俺の真名を……?」
「お前の外見は特徴あり過ぎるんだよ」

契約を再確認した後、高見沢は仕事へと戻った。
この世界でも生前と同様の役職が与えられている。
暇を持て余したランサーはマスターに酒とつまみを要求してTVを見ていた。

「なあマスター」
「なんだ?」
「いつになったら戦を始める気だ?」
「まだ夜は更けてない。それに情報が不足している。
 何処にマスターがいるか?どんな方針で動いているか?
 それらを調べて仕留めるか。こちらに組み込むかを決める」

生前の高見沢は多数の仲間と結託して
奇襲や騙し討ちなどあらゆる手段を用いて相手を殺害してきた。
それはこの聖杯戦争でも変わらない。

「そのような小細工をせぬとも我が武で蹴散らせば済むことよ」
「敵は一人じゃねえんだよ。何十人いるか分からんサーヴァント相手にそんな戦法取れるか」
「ふん。臆病風に吹かれては勝てる戦も勝てんぞ」
(それはお前だろ脳筋が。行き当たりばったりの行動を取ったから曹操に処刑されたんだろうが)

仕事を終えた高見沢は腕を伸ばして屈伸運動したあと立ち上がり
ソファーで寝そべっているランサーに呼びかけた。

「どうした戦か?」
「違う。こいつを見せてやる。俺の戦い方を知った方が作戦が立てやすいだろう」

高見沢は緑色のデッキをポケットから取り出した。
一見は玩具にしか見えないそれは、鏡の前に立ってかざすと
腰にバックルが装着され指を鳴らして「変身」と呟いてデッキをバックルに挿入。
すると高見沢の姿が一瞬にして緑色のスーツに覆われた。

「ずいぶん面妖な姿になったな」
「これが俺の『ライダー』の力だ。数分間なら鏡の中の世界にも入ることが出来る」
「なるほど、中々面白い」
「そしてカードの効果だが……」

その時、耳鳴りと共に鏡の中からカメレオンの姿をした怪物が姿を現した。
口をくちゃくちゃと鳴らしながら高見沢の顔をじいっと見つめている。

「餌か待っていろ。その内に他のマスターを捕食させてやるよ」
「この物の怪はなんだ?」
「俺の契約モンスターだ。こいつのおかげでこの力を使えるが餌代がかかるのが難点だ」

お預けをくらったバイオグリーザはしょぼんとしながら出ていった。
ペナルティを避けるためにNPCへの迂闊な捕食は高見沢に禁止され空きっ腹なのだ。

「さて、他のマスターの居所を調べるか」

変身を解いた高見沢はPCの前に座り、キーボードを叩く。
マスターならNPCと違い、何か変わった行動を起こしているはず。
小さな変化も見逃さず町中の情報を調べていけば尻尾は必ず掴める。
戦という物は武力以上に情報が生命線となる。
聖杯戦争において有利な立場を得るべく、部下のNPCも利用しての情報戦を開始した。


【クラス】
 ランサー
【真名】
 呂布 奉先@三国無双シリーズ
【パラメーター】
 筋力:A 耐久:A 敏捷:B 魔力:E 幸運:D 宝具:-
【属性】
 混沌・悪

【クラススキル】
 対魔力:E
 無効化は出来ない。ダメージ数値を多少削減する。

【保有スキル】
 乱世の鬼神:A
 戦乱の中で最強の武人の逸話を持った英傑。
 戦場においてBランク相当の軍略、心眼(真)、戦闘続行の効果を発揮するが
 闘争を好み、平穏を乱す災いとして世に仇名す。

 勇猛:A
 威圧、混乱、幻惑といった精神干渉を無効化する。また、格闘ダメージを向上させる。

 反骨の相:B
 一つの場所に留まらず、また一つの主君を抱かぬ気性。自らは王の器ではなく、自らの王を見つける事ができない流浪の星。
 同ランクまでのカリスマを無効化する。


【宝具】
 『無双乱舞』
 ランク:- 種別:対人宝具 レンジ:1~40 最大捕捉:50人
 己の闘気を発動させ、強力な技を解放する宝具。
 宝具を発動中はあらゆる攻撃を受け付けず、防御目的としても有効。
 また宝具の発動条件として攻撃を受けるか、与えるかによって闘気を溜めなければならない。
 この宝具の使い手は多数存在する為に神秘性を持たない。

 『真・無双乱舞』
 ランク:- 種別:対人宝具 レンジ:1~40 最大捕捉:100人
 瀕死に陥った際のみ使える究極の無双乱舞。
 威力、発動時間共に上記の宝具を超えるがリスクも大きい。
 また瀕死の状態でのみ、攻撃をせずとも闘気が上昇する。

【weapon】
 方天画戟

【人物背景】
 武芸を極め、弓馬に優れた猛将。
 名馬赤兎馬を駆り、その鬼神の如き強さをもって「人中の呂布、馬中の赤兎」と称された。
 力に最大の価値を見出し、自らの力への自信から社会的倫理を顧みずに生きた漢。
 無双シリーズによって様々な結末を迎えているが
 今回は下邳の戦において陳宮の話を聞かずに戦い、敗北して処刑されたシナリオから来ている。


【マスター】
 高見沢逸郎@仮面ライダー龍騎 13RIDERS

【マスターとしての願い】
 超人的な力を手に入れる。

【weapon】
 仮面ライダーベルデのデッキ
 鏡の前でかざすことでライダーに変身できるデッキ
 自身の姿を消したり、他者の姿をコピーして化けたりとトリッキーな戦いに長けている。

【能力・技能】
 社会的地位の高さを生かした策略とベルデに変身しての奇襲戦法を用いる。


【人物背景】
 高見沢グループと言う巨大企業の総帥を務める38歳の実業家で、仮面ライダーベルデに変身する。
 欲深い性格で、ライダーバトルに参加したのも「超人的な力」を手に入れるためである。
 多数のライダーと手を組み、圧倒的有利な状況でトドメを差そうとするが
 瀕死になったライダーが放った必殺技を受けて死亡した。

【方針】
 戦いを有利にする為に仲間を増やし、邪魔者は始末する。

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最終更新:2015年12月08日 01:58