ベルサトとは、
タイ深南部の分離独立をもとめる、イスラム系組織である。ベルサトゥ、ブーサトゥー、パタニ独立統一戦線とも。
銀行20カ所で同時テロ、1人死亡30人負傷 タイ南部(2006/08/31)
タイ南部のヤラー県で31日、銀行の支店20カ所で相次いで爆発があり、1人が死亡、約30人が負傷した。約2年半で1400人を超す犠牲者を出している同地域のテロ事件ではこれまで単発的な爆発や銃撃が多かったが、6月以降、犯行グループが組織力を誇示する形の同時多発型の爆破事件が続いている。
現地警察などによると、爆弾は銀行のごみ箱や駐車場などに仕掛けられ、死傷者の多くは、現金自動出入機(ATM)から現金を引き出すために並んでいたという。月末で混雑していた。学生服を着た若い男たちが本に隠した爆発物を置き去ったとされ、10歳代の4人が逮捕されたという。
31日は分離独立を掲げるイスラム教徒反政府組織「ベルサトゥ」の設立記念日でもあり、タイ当局は関連を調べている。
タイ南部では8月初旬、100カ所に及ぶ同時多発テロがあり、警官ら3人が死亡。6月にも約50カ所で同時爆発があり、2人が死亡した。犯行グループが組織力を増していることは確実だ。
タイのイスラム過激派、アチェ独立派に武器供給(2004/02/27)
【ジャカルタ=黒瀬悦成】
インドネシア・スマトラ島のナングロアチェ・ダルサラム州の分離独立を目指す武装組織「自由アチェ運動」(GAM)が、東南アジアのテロ組織
ジェマ・イスラミア(JI)との関連も指摘される、タイのイスラム過激派から武器の供給を受けていたことが分かった。
武器の闇取引を通じた連携は、両国を隔てるマラッカ海峡の安全保障にも深刻な影を落としている。
治安当局者が本紙に語ったところでは、兵器を提供しているのは、
「パタニ独立統一戦線」または「ベルサトゥ」と呼ばれるイスラム過激派の連合体。タイ南部の分離独立を狙う組織で、
マレーシア人イスラム法学者を最高指導者とする。
中核となる構成員数は70人前後とされる。その大半が
マレーシアとタイの二重国籍者で、タイでテロを繰り返してはマレーシア側に潜伏している。
タイ南部ナラティワート県では先月、国軍駐屯地が襲撃され、自動小銃など約100丁が奪われた。治安当局によれば、ベルサトゥの構成組織である「パタニ・イスラム聖戦士運動」(GMIP)の犯行とされ、これらの武器もアチェに横流しされた疑いが濃厚だ。
タイのタクシン首相は今月19日、タイ国軍の武器がアチェに渡っていることを公式に認めた。その直前には、インドネシア国軍が、漁船でタイ南部からアチェに大量の自動小銃を運び込んでいた密輸団の摘発を発表していた。
一連の「闇の提携」は、マラッカ海峡を通航する民間船舶への深刻な脅威となっている。国際海事局海賊情報センターによると、同海峡で昨年起きた海賊事件は28件で、前年の16件から急増した。
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最終更新:2013年05月20日 13:28