被災地の「声」を拾うクラウド 奮闘するエンジニアたち

概要

東日本大震災を受けて立ち上がったプロジェクト。「つなプロヒヤリング担当」なる人を選出。ヒヤリング担当者は各避難所をくまなく回り、各避難所で必要とされているものを調査して、富士通が構築する「つなプロクラウド」に登録する。それを「つなプロマッチング担当」が参照し、専門性を持ったNPOなどと打診・相談して、NPO等が専門的なスキルに基づいて支援を行う。専門的なスキルに加え、各避難所のニーズを明らかにすることで、より効果的な支援を可能にするプロジェクトである。

人材・職種との関連

① 富士通社内で震災翌日の3月12日に、「被災地での支援にクラウドを活用した専任チームを作りたい」と役員に企画書を出したのが、クラウド戦略統括部担当課長の生川慎二さん(41)。この後もかなり苦戦を強いられた。NPO相手では利益が出ない、政治的にも…という批判が多く出たが、生川さんは「富士通が将来防災システムを売り出す時に必ず役立つ」といって、将来性を兼ね備えたビジネスであると熱弁。震災翌日に企画書を提出した行動力と、サーバーの立ち上げ不要でインターネットにつながりさえすれば動作するクラウド・コンピューティングを用いたシステムの構築で、そして、NPO側からも称賛される素晴らしいクラウドシステムを作り上げた。この職種は、ただただコンピュータと向き合っていればできる仕事ではない。いろいろな人々と話して、それを客観的に分析していかなければこなすことはできない。客が使いやすいシステムを構築するには、客目線を大事にしていく必要があるのだ。その点が、今回のシステム構築に役立っていると考えられる。被災者目線、支援者目線を大事にして、現地に赴いたり、支援者と連携をとったりするユーザー目線のシステム構築が功を奏したものであると考える。そして、NPO団体の要望によって即座にシステムの改変を行うことも、客としっかり話して、それに合ったシステムを考えることができる発想があってこそである。システムエンジニアには、上記のように客としっかり話して、それを冷静に分析したうえでプログラムとして組む必要がある。授業でプログラミングをやっているが、自分が「あれをやろう」と思ったことが素直にできる場合は少ないように思う。『結果的に』あれができるようにするには、まずこれをやって、次に…、そして次に…、最後に…というように、回りくどくやらなければならないことが多い。ヒヤリング担当の池上さんが「(システムを)すぐに改良してくれた。」と述べていることから、システムエンジニアのスキル(客の話を冷静に分析し、プログラミングしていくスキル)の高さがうかがえる。客の要望に対して、自分たちが用いつことができる技術を駆使して、応用しながら使っていく力が求められている。

② このシステムには、生の声を拾い上げるという、被災者との直接的なかかわりの中で生まれた特徴がある。システムエンジニアとは、ただコンピュータと向き合ってプログラムを制作するだけではないのである。人と人とのつながりを大切にし、コミュニケーション能力を備えた人でなければ務めることはできない。また、ニーズに合わせてプログラムを変化させなければならないので、臨機応変に仕事をこなすことも重要となってくる。被災者の支援活動をする団体は多く存在し、現在も活躍しているが、システム的な面での支援をできるのはシステムエンジニアならではである。システムの制作と聞くと、コンピュータに詳しくて、ただひたすらにプログラミングをしているというイメージが私の中で先行してしまっていたが、この記事を読んでそのイメージは崩壊した。そして、人とのつながりを大切にすることのできる人こそがシステムエンジニアに向いているのであると感じた。Itスペシャリスト高田さんが述べているように、海外での活動も出てくると考えると、国際的なコミュニケーション能力も必要となるようだ。人とのコミュニケーションを大切にすることが重要である職業という面で、この記事と高田さんは関連付けされている。ITスペシャリストという職種は、いままで自分とは無縁であると勝手に感じていた。しかし、人と話をすることが好きな私にとって、コミュニケーションという面から考えると向いているのかもしれないと思った。そして、今回の記事のように何か人の役に立つシステムの開発に携わりたいと感じた。

③ 日本アイ・ビー・エム・サービス株式会社の高田寛則さんのように、「人と話すのが好きな人」が特に、向いているようだ。多くの人々の前で自分の考えたシステムなどを話すのは、得意な人もいると思うけれども、得意ではない人の方が多いのではないだろうか。人と話すのが好き、人前で話すのが得意ということに加えて、自分たちの住んでいる社会をどんどん便利にしていきたいという気持ちを持った人が向いているのではないかと思う。

URL


関連人材


関連スキル項目



+ タグ編集
  • タグ:
  • 関連記事
  • クラウド
最終更新:2012年04月20日 13:58
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。