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「すぅ……」 「鶏の朝は早いものだけど、鶏冠石はまったく関係ないな。おーい起きれー」 「ん……」 「起きろー。えい」 ツンツン 「くー……」 「無反応かよ。じゃあ今度はこんな感じで」  ぐにぐに 「……」 「ここまでやっても起きないのか。うーん、じゃあ次はどうしてやろうか――」 「――その辺りにしておいたらどうです?」 「うわッ!? お、起きてたの?」 「あんな真似をされても起きない方がいるのなら、ぜひ見てみたいものですわね」 「……怒ってる?」 「というより、呆れておりますわ。まったく、乙女の部屋にずかずか上がりこんで、あまつさえあのような品のない……」 「いつまでも寝てて起こされるお嬢様ってのも、ある意味品がないんじゃないかな?」 「ゔ……きょ、今日はたまたまですッ! それより、貴方ももう少し品のある起こし方を覚えなさいッ!」 「品のある起こし方? どんなだよー、それって」 「そうですわね、例えば……その……こう、頬に、軽く……」 「ん? ごめん、もうちょっと大きい声で」 「だからッ……その!」 「んー。じゃあさ、鶏冠石がそのやり方で起こしてくれよ。僕が寝坊したときにさ」 「なッ!? なな、なんでそうなるのですッ!?」 「なんか言いにくそうにしてるから。じゃ、そういうことで。もうすぐでご飯できるから、降りてきてね」 「あ、ちょっと! ……まったく、しょうがないマスターですこと」  それからというもの。鶏冠石が朝寝坊をすることはなくなったとか、なくなってないとか。 ----
「すぅ……」 「鶏の朝は早いものだけど、鶏冠石はまったく関係ないな。おーい起きれー」 「ん……」 「起きろー。えい」   ツンツン 「くー……」 「無反応かよ。じゃあ今度はこんな感じで」   ぐにぐに 「……」 「ここまでやっても起きないのか。うーん、じゃあ次はどうしてやろうか――」 「――その辺りにしておいたらどうです?」 「うわッ!? お、起きてたの?」 「あんな真似をされても起きない方がいるのなら、ぜひ見てみたいものですわね」 「……怒ってる?」 「というより、呆れておりますわ。まったく、乙女の部屋にずかずか上がりこんで、あまつさえあのような品のない……」 「いつまでも寝てて起こされるお嬢様ってのも、ある意味品がないんじゃないかな?」 「ゔ……きょ、今日はたまたまですッ! それより、貴方ももう少し品のある起こし方を覚えなさいッ!」 「品のある起こし方? どんなだよー、それって」 「そうですわね、例えば……その……こう、頬に、軽く……」 「ん? ごめん、もうちょっと大きい声で」 「だからッ……その!」 「んー。じゃあさ、鶏冠石がそのやり方で起こしてくれよ。僕が寝坊したときにさ」 「なッ!? なな、なんでそうなるのですッ!?」 「なんか言いにくそうにしてるから。じゃ、そういうことで。もうすぐでご飯できるから、降りてきてね」 「あ、ちょっと! ……まったく、しょうがないマスターですこと」   それからというもの。鶏冠石が朝寝坊をすることはなくなったとか、なくなってないとか。 ----

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