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手をつなごう - (2007/03/24 (土) 14:13:23) の最新版との変更点

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  このごろは日差しが暖かい。ちょっと前までの寒さが嘘のようだ。 「いい天気だねえ、電気石」 「んー」   電気石と二人、のんびりと散歩。たまにはこういうのもいいものだ。 「……ん」   唐突に差し出された手。 「えっと、電気石? 手をつなぎたいの?」 「ぐりーんだよー」   断る理由もないので手をつないで歩く。   ちょっと照れくさいけど、傍から見たら親子みたいできっとほほえましいだろう。   空もよく晴れて、散歩するのも気分がいい。 「電気石ってけっこう甘えん坊だね」   何の気なしに言った言葉。 #ref(http://obsidian.no.land.to/jm/f/jm1298.gif) 「……手、つなぐ……マスター、いるって安心する……」   電気石は一瞬大人びた笑顔を浮かべ、そう言った。 「え……」   歩みを止めないまま、電気石は言葉を続けた。 「姉様……蛋白石と、二人だったとき……さみしくて、こわくて」   いつになく饒舌な電気石。 「いついなくなるか……だから、手、つなぐ……安心」   ぎゅっと、僕の手を握って微笑む。   この子が僕よりずっと長い時を過ごしていたんだということを、今さらながら思い出した。   僕らが一緒に暮らすよりはるか昔、この子たちは寂しい思いや怖い思いをたくさんしたのだろうか。 「……僕は、ここにいるから。安心していいんだよ」 「ぐりーんだよ?」   照れたように電気石が笑う。   僕は小さな手をそっと握り返す。   この笑顔を、もう曇らせないように、と思いながら。 ----
  このごろは日差しが暖かい。ちょっと前までの寒さが嘘のようだ。 「いい天気だねえ、電気石」 「んー」   電気石と二人、のんびりと散歩。たまにはこういうのもいいものだ。 「……ん」   唐突に差し出された手。 「えっと、電気石? 手をつなぎたいの?」 「ぐりーんだよー」   断る理由もないので手をつないで歩く。   ちょっと照れくさいけど、傍から見たら親子みたいできっとほほえましいだろう。   空もよく晴れて、散歩するのも気分がいい。 「電気石ってけっこう甘えん坊だね」   何の気なしに言った言葉。 #ref(jm1298.gif) 「……手、つなぐ……マスター、いるって安心する……」   電気石は一瞬大人びた笑顔を浮かべ、そう言った。 「え……」   歩みを止めないまま、電気石は言葉を続けた。 「姉様……蛋白石と、二人だったとき……さみしくて、こわくて」   いつになく饒舌な電気石。 「いついなくなるか……だから、手、つなぐ……安心」   ぎゅっと、僕の手を握って微笑む。   この子が僕よりずっと長い時を過ごしていたんだということを、今さらながら思い出した。   僕らが一緒に暮らすよりはるか昔、この子たちは寂しい思いや怖い思いをたくさんしたのだろうか。 「……僕は、ここにいるから。安心していいんだよ」 「ぐりーんだよ?」   照れたように電気石が笑う。   僕は小さな手をそっと握り返す。   この笑顔を、もう曇らせないように、と思いながら。 ----

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