「品のある目覚めとは」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

品のある目覚めとは - (2007/01/15 (月) 09:11:17) のソース

「すぅ……」
「鶏の朝は早いものだけど、鶏冠石はまったく関係ないな。おーい起きれー」
「ん……」
「起きろー。えい」
 ツンツン
「くー……」
「無反応かよ。じゃあ今度はこんな感じで」
 ぐにぐに
「……」
「ここまでやっても起きないのか。うーん、じゃあ次はどうしてやろうか――」
「――その辺りにしておいたらどうです?」
「うわッ!? お、起きてたの?」
「あんな真似をされても起きない方がいるのなら、ぜひ見てみたいものですわね」
「……怒ってる?」
「というより、呆れておりますわ。まったく、乙女の部屋にずかずか上がりこんで、あまつさえあのような品のない……」
「いつまでも寝てて起こされるお嬢様ってのも、ある意味品がないんじゃないかな?」
「ゔ……きょ、今日はたまたまですッ! それより、貴方ももう少し品のある起こし方を覚えなさいッ!」
「品のある起こし方? どんなだよー、それって」
「そうですわね、例えば……その……こう、頬に、軽く……」
「ん? ごめん、もうちょっと大きい声で」
「だからッ……その!」
「んー。じゃあさ、鶏冠石がそのやり方で起こしてくれよ。僕が寝坊したときにさ」
「なッ!? なな、なんでそうなるのですッ!?」
「なんか言いにくそうにしてるから。じゃ、そういうことで。もうすぐでご飯できるから、降りてきてね」
「あ、ちょっと! ……まったく、しょうがないマスターですこと」

 それからというもの。鶏冠石が朝寝坊をすることはなくなったとか、なくなってないとか。

----
目安箱バナー