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月長石のおくすり」(2007/06/12 (火) 16:35:51) の最新版変更点

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「……ホントに大丈夫なのぉ?」 「絶対に損はないからぁ。可愛い妹のお願いっ、ね?」 「んー……」           ◇  前日まで大忙しだった。そりゃあもぉ馬車馬のごとく働かされて……はぁ。 「おはよぉ……うぅ」  パジャマ姿のままリビングへ。  すぐに、ソファに座るソーダと爆弾岩さんが挨拶を返してくる。また面倒見てもらっちゃったか。 「ママー、おつかれ?」 「んー……」  生返事で返す。 「疲れてても身だしなみはきちんとしなきゃだめよぉ。あたしの【ソーダのマスター】ちゃんがだらしなかったら悲しいもの」 「分かってますけど……爆弾岩さんのじゃないです。ソーダ、朝ご飯は食べたの?」 「うんっ。ママの分もあるよー、よういするー」  台所へ走っていくソーダ。  ホント、最近はお手伝いもよくしてくれるし、成長したのかなぁ。 「我が妹ながら関心するわぁ。お疲れママのためにお手伝いなんて」 「はい。それよりすみません、またご飯用意してもらって」 「いいのよぉ、好きでやってるんだから。それより【ソーダのマスター】ちゃん、ちょっとこっちに」  爆弾岩さんの手招き。  それに従い、隣に腰を下ろす。  ……ふぅ、やっぱ立っているより落ち着く。 「今日はあなたお疲れみたいだから、あたしがイイモノあ・げ・る」 「最後の方に卑猥な気配を感じましたが……それで、何ですか?」  そう言って、どこからともなく取り出したのは茶色い瓶。研究室とかで置いてある瓶を小さくしたところかな。  でもラベルが……。 「『月長石ちゃん推薦っ、激ウマよー!』って……なんですか、これ」 「え? うちの妹が作った疲れが吹っ飛ぶお薬よぉ?」 「……月長石ちゃんというと、あのネコミミの?」 「ええ、そうよぉ」  ……ものすごーいいたずらっ子って聞いてるんだけど。  あぁ、でもソーダは優しいお姉ちゃんって言ってるし……どっちを信用すればいいんだろう。 「ほらぁ、飲んでも死んだりしないからぁ、ぐいっと」  こちらに瓶を無理矢理手渡す。  でも死んだりしないって……なんかすごく不安。  もちろん簡単に口を付けることはできず、飲むのをためらってしまう。  ……うぅ、なんかものすごく期待のこもったまなざしで見てるよ、爆弾岩さん。 「うぅ……分かりました。飲みますからそんな視線でこっち見ないでくださいよぉ」 「そう来なくっちゃ。さすが【ソーダのマスター】ちゃんー」  何でこんなに嬉しそうなんだろう……。  まぁ、ここは爆弾岩さんの厚意と信じて飲もう、うん。  瓶のふたを開ける。においは……柑橘系ジュースの香り。危険な雰囲気はない。  少し安心。というわけで一口。  ……味も柑橘系のジュースだった。おいしい。  でもなんだろう。胸の辺りが妙に熱く……。  んぅ……あれぇ? なんだか頭が……はうぅ。 「ちゃんと飲んだぁ? ねぇ、【ソーダのマスター】ちゃ……」 「ママー、ごはーんっ」  爆弾岩さんの声を、ソーダの声がかき消す。  ん……ご飯? 「んー……」  ソーダの方に顔を向ける。なんだか爆弾岩さんが言ってる気もするけど……。  ……両手でお盆を持つソーダ。いつも通りの明るい笑顔をこちらに向けてくれる。  …………可愛い。可愛いよぉ。 「はいっ、おねーちゃんのごはんおいしいのー♪」  テーブルにお盆を置いて、こちらに寄り添ってくる。  ……今日のあたし、なんかおかしい。いつも以上にソーダが可愛く見えて、なんだか見ていて胸も熱く……。  か、可愛い……。 「可愛いぃ~♪」 「ほえ?」  もう限界。抱きついて頬摺り。誰かが言ってたまさちゅーせっちゅ? 「えへへー、ママー」  ソーダもあたしのまねをして頬摺り。 「もぉー、ソーダに【ソーダのマスター】ちゃん取られちゃったわぁ……」 「ママー、だっこー♪」 「うん、だっこぉー♪」  さっきの疲れも、ソーダを抱きしめていたら吹っ飛んでしまう。薬の効果てきめんー。  ソーダぁ~♪ 可愛いなぁー。もう絶対離さないっ。  あたしのソーダちゃーん……えへへー。 「ママあまえんぼさーん♪」 「うんー。あまえんぼー」           ◇ 「あれぇ? 爆姉さん失敗しちゃったのー?」  がっくりと肩を落として、あたしの家に来る爆姉さん。  失敗はないはずなんだけど……薬の効果は絶大のはずなんだけどなぁ。蛋白石んとこのマスターでも試したし。 「うぅ……ソーダに先手を取られちゃったわ」 「あれま、そうなんだ……まぁ、これでホレ薬の効果は絶対って分かったしぃー。にしし」  男女問わず効果があるか。これが知りたかったのよねぇー。 「もぉ、誰に使うつもりなのよぉ」 「え? そりゃあもちろんあいつとアメジストに……」  素直じゃないあいつと、全然構ってくれないアメジスト。  でもこの薬があれb 「私に、何をするって?」 「……にゃ?」           ◇  記憶が曖昧……だけど。 「なんか、ものすごく恥ずかしいことをしていた気がする……」  途中で爆弾岩さんもいなくなってるし、妙な違和感もあるし……。 「ママぁー♪」  それに何だろう、このソーダの満面の笑みは。  もう何がなんだか……ホント、疲れた。二度寝でもしようかな。
「……ホントに大丈夫なのぉ?」 「絶対に損はないからぁ。可愛い妹のお願いっ、ね?」 「んー……」           ◇   前日まで大忙しだった。そりゃあもぉ馬車馬のごとく働かされて……はぁ。 「おはよぉ……うぅ」   パジャマ姿のままリビングへ。   すぐに、ソファに座るソーダと爆弾岩さんが挨拶を返してくる。また面倒見てもらっちゃったか。 「ママー、おつかれ?」 「んー……」   生返事で返す。 「疲れてても身だしなみはきちんとしなきゃだめよぉ。あたしの【ソーダのマスター】ちゃんがだらしなかったら悲しいもの」 「分かってますけど……爆弾岩さんのじゃないです。ソーダ、朝ご飯は食べたの?」 「うんっ。ママの分もあるよー、よういするー」   台所へ走っていくソーダ。   ホント、最近はお手伝いもよくしてくれるし、成長したのかなぁ。 「我が妹ながら関心するわぁ。お疲れママのためにお手伝いなんて」 「はい。それよりすみません、またご飯用意してもらって」 「いいのよぉ、好きでやってるんだから。それより【ソーダのマスター】ちゃん、ちょっとこっちに」   爆弾岩さんの手招き。   それに従い、隣に腰を下ろす。   ……ふぅ、やっぱ立っているより落ち着く。 「今日はあなたお疲れみたいだから、あたしがイイモノあ・げ・る」 「最後の方に卑猥な気配を感じましたが……それで、何ですか?」   そう言って、どこからともなく取り出したのは茶色い瓶。研究室とかで置いてある瓶を小さくしたところかな。   でもラベルが……。 「『月長石ちゃん推薦っ、激ウマよー!』って……なんですか、これ」 「え? うちの妹が作った疲れが吹っ飛ぶお薬よぉ?」 「……月長石ちゃんというと、あのネコミミの?」 「ええ、そうよぉ」   ……ものすごーいいたずらっ子って聞いてるんだけど。   あぁ、でもソーダは優しいお姉ちゃんって言ってるし……どっちを信用すればいいんだろう。 「ほらぁ、飲んでも死んだりしないからぁ、ぐいっと」   こちらに瓶を無理矢理手渡す。   でも死んだりしないって……なんかすごく不安。   もちろん簡単に口を付けることはできず、飲むのをためらってしまう。   ……うぅ、なんかものすごく期待のこもったまなざしで見てるよ、爆弾岩さん。 「うぅ……分かりました。飲みますからそんな視線でこっち見ないでくださいよぉ」 「そう来なくっちゃ。さすが【ソーダのマスター】ちゃんー」   何でこんなに嬉しそうなんだろう……。   まぁ、ここは爆弾岩さんの厚意と信じて飲もう、うん。   瓶のふたを開ける。においは……柑橘系ジュースの香り。危険な雰囲気はない。   少し安心。というわけで一口。   ……味も柑橘系のジュースだった。おいしい。   でもなんだろう。胸の辺りが妙に熱く……。   んぅ……あれぇ? なんだか頭が……はうぅ。 「ちゃんと飲んだぁ? ねぇ、【ソーダのマスター】ちゃ……」 「ママー、ごはーんっ」   爆弾岩さんの声を、ソーダの声がかき消す。   ん……ご飯? 「んー……」   ソーダの方に顔を向ける。なんだか爆弾岩さんが言ってる気もするけど……。   ……両手でお盆を持つソーダ。いつも通りの明るい笑顔をこちらに向けてくれる。   …………可愛い。可愛いよぉ。 「はいっ、おねーちゃんのごはんおいしいのー♪」   テーブルにお盆を置いて、こちらに寄り添ってくる。   ……今日のあたし、なんかおかしい。いつも以上にソーダが可愛く見えて、なんだか見ていて胸も熱く……。   か、可愛い……。 「可愛いぃ~♪」 「ほえ?」   もう限界。抱きついて頬摺り。誰かが言ってたまさちゅーせっちゅ? 「えへへー、ママー」   ソーダもあたしのまねをして頬摺り。 「もぉー、ソーダに【ソーダのマスター】ちゃん取られちゃったわぁ……」 「ママー、だっこー♪」 「うん、だっこぉー♪」   さっきの疲れも、ソーダを抱きしめていたら吹っ飛んでしまう。薬の効果てきめんー。   ソーダぁ~♪ 可愛いなぁー。もう絶対離さないっ。   あたしのソーダちゃーん……えへへー。 「ママあまえんぼさーん♪」 「うんー。あまえんぼー」           ◇ 「あれぇ? 爆姉さん失敗しちゃったのー?」   がっくりと肩を落として、あたしの家に来る爆姉さん。   失敗はないはずなんだけど……薬の効果は絶大のはずなんだけどなぁ。蛋白石んとこのマスターでも試したし。 「うぅ……ソーダに先手を取られちゃったわ」 「あれま、そうなんだ……まぁ、これでホレ薬の効果は絶対って分かったしぃー。にしし」   男女問わず効果があるか。これが知りたかったのよねぇー。 「もぉ、誰に使うつもりなのよぉ」 「え? そりゃあもちろんあいつとアメジストに……」   素直じゃないあいつと、全然構ってくれないアメジスト。   でもこの薬があれb 「私に、何をするって?」 「……にゃ?」           ◇   記憶が曖昧……だけど。 「なんか、ものすごく恥ずかしいことをしていた気がする……」   途中で爆弾岩さんもいなくなってるし、妙な違和感もあるし……。 「ママぁー♪」   それに何だろう、このソーダの満面の笑みは。   もう何がなんだか……ホント、疲れた。二度寝でもしようかな。

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