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停電

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jewelry_maiden

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  突然の停電。窓から見える限りは全部真っ暗。さて、とりあえず蝋燭はどこだっけ?
「マスター?」
「ああ、ペリドット。動かないでくれるかな。いま明かりを用意するから」
  携帯電話の明かりで引き出しを探る。あったあった。ライターもある。火を点けて……燭台なんてないし、コップでいいかな。よしよし。
  ペリドットを連れてきてリビングで待機。明かりは蝋燭のみ。電力がないため、暖房も使えない。
  テレビもダメ。緊急用のラジオはどこにしまったやら……緊急時対策を考える必要があるなぁ。
「どうしたのでしょう?」
「さて、情報が入らないので分からないんだ。近所も停電みたいだから……とりあえず、家にいるほうが安全だと思う」
「そうですか……」
「暖房が使えないのがイタイなぁ。寒くなってきた……毛布を持ってくるよ」
「動くと危ないですよ。こうすれば……」
「えっ?」
  ペリドットが懐に入り込む。さらにいつも使っている膝掛けで包まれる。やっば~。いい匂いがする。温かいし。っていうより熱くなってきた。
  蝋燭の明かりは反則だ。浮かび上がる彼女の顔がいつになく綺麗に見える。
「蝋燭もいつまでも保ちませんね。朝まで一緒にいたほうがいいと思います」
  嬉しそうなのはなぜですか?

  腕の中で眠ってしまった彼女をどうすることもできずにいたのに、夜明けの太陽は黄色かった。
  それから間もなく電力は復旧し、朝のニュースは停電のことを話していた。

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