「ここにある桜ってソメイヨシノっていう奴なの?」
隣を歩く置石が尋ねてくる。
「多分」
「ふーん。こういうのなんだぁ」
適当に答える。実際は桜なんて初めて見たから、種類の事なんて全く分からない。
しかし、桜……日本人の好きな花。特に置石のいう種類の桜が有名だとか。
でも、ソメイヨシノの寿命は短いらしい。出来ればあと数回はこんな道を歩いてみたいが……。
桜並木。初めて眺める桜は賑やかで、綺麗だ。
「虎目ー、あそこにいるの電気石じゃない?」
置石の指差す先。
そこにいるのは確かに電気石だった。
隣には【蛋白石のマスター】さん……見つめ合って、ちょっと良いムード?
「ふーん、なるほどなるほど」
「……何?」
この顔をしている置石は、よからぬ事を考えている合図みたいなもの。
「【蛋白石のマスター】って、ロリコンなんだ」
私の姉は、こういう事しか言い出さないのか。
そんな姉が、にやりと笑う。あぁ、またロクでもない事を考えた。
「よし、ちょっと茶化しに行ってやろっと。あいつ照れ屋だから真っ赤にして慌てるわよぉー」
「却下」
駆け出そうとした置石を掴む。
「う゛っ!」
……あ、首入った。
隣を歩く置石が尋ねてくる。
「多分」
「ふーん。こういうのなんだぁ」
適当に答える。実際は桜なんて初めて見たから、種類の事なんて全く分からない。
しかし、桜……日本人の好きな花。特に置石のいう種類の桜が有名だとか。
でも、ソメイヨシノの寿命は短いらしい。出来ればあと数回はこんな道を歩いてみたいが……。
桜並木。初めて眺める桜は賑やかで、綺麗だ。
「虎目ー、あそこにいるの電気石じゃない?」
置石の指差す先。
そこにいるのは確かに電気石だった。
隣には【蛋白石のマスター】さん……見つめ合って、ちょっと良いムード?
「ふーん、なるほどなるほど」
「……何?」
この顔をしている置石は、よからぬ事を考えている合図みたいなもの。
「【蛋白石のマスター】って、ロリコンなんだ」
私の姉は、こういう事しか言い出さないのか。
そんな姉が、にやりと笑う。あぁ、またロクでもない事を考えた。
「よし、ちょっと茶化しに行ってやろっと。あいつ照れ屋だから真っ赤にして慌てるわよぉー」
「却下」
駆け出そうとした置石を掴む。
「う゛っ!」
……あ、首入った。
「イインダヨー」
「ぐりーんだよー?」
とりあえず挨拶。電気石が私の隣に立つ。
「あれ、虎目石ちゃん。こんにちは」
「こんにちは」
相変わらず人の良さそうな顔の【蛋白石のマスター】さん。
だけど、早速私の背中に目が行ったみたいだ。
「お、置石ちゃん……どうしたの?」
「……持病のリウマチが悪化した」
「りゅーまち?」
「ほ、宝石乙女ってリウマチかかるんだ……」
そう言って苦笑を浮かべる。
信じてはいないと思う。
「りゅーまち?」
「うん、リウマチ」
「りゅーまち……痛い?」
「多分」
「痛い……なでなで」
置石の身体を撫でる電気石。
相変わらず、優しい子。
だから、私はこの子が好きなんだ。
「じゃ、じゃあ、置石ちゃん運ぶの手伝おうか?」
「大丈夫、家近くだから。今日は挨拶だけ」
「それなら良いんだけど……お大事にね」
「おだいじ」
本当は【蛋白石のマスター】さんをロリコンとからかいたかったなんて言える訳がない。
「それじゃあ……あ」
振り返り、電気石と顔を合わせる。
本当に言いたかった事……。
「グッドラック。それじゃ」
あえてライバルの多い【蛋白石のマスター】さんに手を出した電気石。
「ぐっど……うん」
この子の恋は、桜みたいに短いもので終わらないで欲しい。
真剣に、応援したい。
「え、何……以心伝心?」
【蛋白石のマスター】さんがどうして首をかしげているのかは、知らない。
「ぐりーんだよー?」
とりあえず挨拶。電気石が私の隣に立つ。
「あれ、虎目石ちゃん。こんにちは」
「こんにちは」
相変わらず人の良さそうな顔の【蛋白石のマスター】さん。
だけど、早速私の背中に目が行ったみたいだ。
「お、置石ちゃん……どうしたの?」
「……持病のリウマチが悪化した」
「りゅーまち?」
「ほ、宝石乙女ってリウマチかかるんだ……」
そう言って苦笑を浮かべる。
信じてはいないと思う。
「りゅーまち?」
「うん、リウマチ」
「りゅーまち……痛い?」
「多分」
「痛い……なでなで」
置石の身体を撫でる電気石。
相変わらず、優しい子。
だから、私はこの子が好きなんだ。
「じゃ、じゃあ、置石ちゃん運ぶの手伝おうか?」
「大丈夫、家近くだから。今日は挨拶だけ」
「それなら良いんだけど……お大事にね」
「おだいじ」
本当は【蛋白石のマスター】さんをロリコンとからかいたかったなんて言える訳がない。
「それじゃあ……あ」
振り返り、電気石と顔を合わせる。
本当に言いたかった事……。
「グッドラック。それじゃ」
あえてライバルの多い【蛋白石のマスター】さんに手を出した電気石。
「ぐっど……うん」
この子の恋は、桜みたいに短いもので終わらないで欲しい。
真剣に、応援したい。
「え、何……以心伝心?」
【蛋白石のマスター】さんがどうして首をかしげているのかは、知らない。
◇
「虎目ーっ、人を抑えるのにチョークはないでしょ!」
「……とっさに身につけたグレイシー柔術が発動した」
「訳分かんない事言わない!!」
「……とっさに身につけたグレイシー柔術が発動した」
「訳分かんない事言わない!!」