宝石乙女まとめwiki内検索 / 「へーちょ」で検索した結果

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  • へーちょ
    ...……」 天「……へーちょ」 天主「え!?今のは伝説の……!?」
  • 小説-天河石メイン
    ...って」より へーちょ 109スレ目「黒曜石や雲母たちが新年の準備に追われたって」より お箸を使おう 113スレ目「黒曜石が頭痛に悩むマスターに薬用意したって」より 流血注意 118スレ目 「黒曜石や雲母が雛人形を押入れから出してきてるって」より ホットケーキ 123スレ目 「黒曜石が子供達のためにホットケーキ焼いても」より 天河石は海外旅行がしたいそうです 125スレ目 「黒曜石や金剛石が地図を見てGWの旅行先探したって」より 6月は美しい? 133スレ目 「黒曜石や鉄鉱石が京都のお寺を見に行っても」より
  • おめめを隠してだーれだ? ソーダマスター編
    「だーれだ?」 「んとぉー、ママ?」 「ママじゃなくてマスターだよ」   ソーダはこういうスキンシップをしてあげるととても喜ぶ。   あたしもこういうのは嫌いじゃない。ソーダが喜んでくれるなら、いくらでもやってあげようと思う。 「でも、すっかりママが板についてると思うわ」 「真珠さん……だから未婚でママだといろいろ……」 「いいじゃない。世間の目が気になるのは分かるけど、家の中ではこの子のママでいてあげたって」   ま、まぁそうなんだけど……そう呼ばれるのも、実際は嫌じゃない。   でも、あの呼び方がものすごく恥ずかしいのも事実。   あたし自身の、この子の保護者としての覚悟が足りないのかな。もっと精進しないと……。 「あ、ご飯の用意してきますから、ソーダをお願いします」 「ええ、いいわよ」 「真珠おねーちゃん♪」   今度は抱っこする方が逆転。ソーダが真珠さん...
  • 姉妹のつながり
    「あーん……」   ソーダにアイスを一口。 「えへへ、あまーいっ」   で、どこかのコンビの片方と同じ反応。   でもソーダの方が可愛いし、こちらの方が見ていて気分がいい。 「何だかんだで、料理上手よねぇ」   爆弾岩さんが、ニヤニヤしながらこちらを見ている。   きっと結婚したらいい奥さんにとか思っているに違いない。 「一人暮らしですから。でもアイスは初めて作りました」 「ママー、もっとー」 「ママじゃなくてマスターだよ。はい、あーん」   爆弾岩さんの視線を感じながら、もう一口ソーダにアイスを――。   ピンポーン。   インターホンの音が、部屋に鳴り響く。 「真珠さんかな?」 「真ちゃんは今日来れないって言ってたわよ」   じゃあ誰かな。NHKの集金とかだったら嫌だな。   とりあえず玄関へ……。 「おでむかえー」 「こーら、ソーダはここで待って...
  • ツリーの飾りつけ
    月「よーし、こんなもんでいいわね……電気石ー、ちょっとこっち来てくれるー?」 電「う?」 月「これ握って思いっきりびりびりーっ! ってやって」 電「うん……びりびりーっ!」   パッ ソ「わー、きれー!」 月「うんうん。これも皆が手伝ってくれたおかげよ」 ソ「えへへー、なでてなでてー」 月「よしよし」 天「あー、お姉ちゃん私もー」 月「あれ? 天河石は大人なんじゃないの?」 天「う……じゃあ今だけ! 今だけ子供に戻る!」 月「調子いいんだから……はいなでなでー」 天「えへへー」 月「でも終わったのは電飾だけだからね。さー、みんなをあっと言わせるようなすっごい飾りつけのためにももう一頑張りよ!」 「「「おーっ!」」」
  • 月長石のおくすり
    「……ホントに大丈夫なのぉ?」 「絶対に損はないからぁ。可愛い妹のお願いっ、ね?」 「んー……」           ◇   前日まで大忙しだった。そりゃあもぉ馬車馬のごとく働かされて……はぁ。 「おはよぉ……うぅ」   パジャマ姿のままリビングへ。   すぐに、ソファに座るソーダと爆弾岩さんが挨拶を返してくる。また面倒見てもらっちゃったか。 「ママー、おつかれ?」 「んー……」   生返事で返す。 「疲れてても身だしなみはきちんとしなきゃだめよぉ。あたしの【ソーダのマスター】ちゃんがだらしなかったら悲しいもの」 「分かってますけど……爆弾岩さんのじゃないです。ソーダ、朝ご飯は食べたの?」 「うんっ。ママの分もあるよー、よういするー」   台所へ走っていくソーダ。   ホント、最近はお手伝いもよくしてくれるし、成長したのかなぁ。 「我が妹ながら関...
  • ちびっこ宝石乙女
    月「おねーちゃん、かくれんぼしよ」 紫「いいよ。じゃんけーん……」 月「じゃーおねーちゃん、おにね。じゅーかぞえたらさがしてね」 紫「わかった」 紫「……きゅー、じゅー。さて、どこかな……」 月「にー、にー」 紫「……げっちょうーちぇきみつけたー!」 月「え? むー、なんですぐみつかるんだろ……」
  • 何か掛け声が
    虎「ただのコスプレは物足りない……何か掛け声が……ん?」 テレビ『─────!!』 虎「これだ!!」 《そして……》 虎「姉さんちょっといい?」 置「ん、なに?」 虎「今からコスプレする。でもいつもとはちょっと違う。」 置「へー。」 虎「行くよ。」 「     私の心、開錠《アンロック》!!     」 照明ピカーッ!! 風ブワーッ!!(これらの作業はラムネと電池と荒巻に釣られたソーダ、電気石、雲母が担当) 虎「キャラなり! トラレットハート!!」 虎「どう?」 置「……その格好寒くない? それにセットの準備とかめんどくさそう。」 虎「……。」 こうして虎眼石の新たな試みは世に出ること無く終わった。
  • 置石ちゃんトラップ第9646(苦しむ)号
    「ぶあっ、あぶっ、つ、ちょ、お、おぼ、溺れっ!!」 「か、化石ちゃんっ、今助けを呼びますからっ!」  ふっふっふ、引っかかった引っかかった。  水たまりで遊ぶお子様にうってつけのトラップ、第9646号。落とし穴に 水たまりを作っておくだけ!  お手軽だけど効果的なのよねぇ。ちなみに泥水を溜めておくのがコツ。 底が見えないから。  でも、今日日のお子様は水たまりで遊んだりしないから引っかからないのよねぇ。  化石が引っかかったのはまぁ想定通りとして……さて、次はどこのを 確認しに行こうかなぁ。           ◆  先ほどの落とし穴から少し離れた場所。  ここは天河石達が暮らしている家の前。  その庭に、あたしの第9646号を掘っておいた。 「あー、ねこさんっ」  そして狙いは天河石。子供だから浅めに作ってあげたけど……ふっふっふ、 どんな反応...
  • 髪は女性の命らしい
      最近、髪がうっとうしい。伸びすぎたかなぁ。 「うーん……」   鏡の前で考え込んでみる……やっぱり長い。せっかく伸ばしたのだからもったいないとか、そういう思いはいっさいない。この際ばっさりカットしてしまおうかなぁ。でもどれぐらいにしようかなぁ。うーん、一人の意見で決めるのもアレだし、どうしよう。 「あーっ」 「痛っ、いや、ちょっ!」   いきなり背後から髪を引っ張られる。こんな悪戯をするのは一人しかいない……というかあたし以外にこの家にいるのは一人だけ。 「ソーダっ、めっ!」 「う……ごめんなさい」 「もぉ、髪を引っ張るのはダメ。ソーダだって痛いのは嫌でしょ、分かった?」 「あぅ……」   昔は叱っただけですぐ泣き出しちゃったけど、今回はちゃんと泣くのを我慢している。だからあまりきつく叱ったりはしない。それがあたしのやり方ってことで。   ……そうだ、この際だから...
  • お風呂二人前
      スケベな上司にガツンと一泡吹かせた今日も終わり。やーっと家に帰って来れましたっと。 「ただいまー」   時刻は午後7時。今日は用事があるとかで爆弾岩さんは早めに帰ったらしいので、きっとソーダも寂しがっているだろう。 「ママー、おかえりー♪」 「お、元気だね。いい子にしてた?」 「うんっ。ソーダいいこだよー」   しゃがんだあたしの背中に飛びついてくるソーダ。   スーツにしわがついてしまうかも知れないけど、まぁいいや。そのままおんぶをして、寝室へと向かう。 「ソーダ、お腹空いた?」 「ぺこぺこー」 「そっか。じゃあお風呂入ったらすぐご飯にしちゃおうか」 「おねーちゃんがつくってくれたよ。ソーダもおてつだいしたー♪」   さすが爆弾岩さんだ、頼りになる。   仕事に帰ってきてからご飯の支度って、かなりしんどいだよね……。 「そっか、偉いねソーダ」 「えへへー...
  • 着物といえば、うなじだろ?
    「着物を着たいって?」   それは本当に唐突だった。 「うんっ」   このちびっ子が、突然着物を着たいと言い出すとか。 「お前なぁ、無茶もたいがいにしろよな。いくらすると思ってるんだよ……」 「いくらー? 天河石すじこがいいなぁー」 「なんでやねん」   天河石の頭に軽くチョップ。本気でやると泣くから。 「あうっ。えへへー」 「ったく、誰にボケの仕込みなんてされたんだか……」 「でねー、着物ー」 「だから高いから無理……いや、待てよ」   着物、か。そういえば一人アテがあるよな。 「今回だけだからな」 「さすが雲母ちゃん、恩に着る」   雲母ちゃんから手渡された紙袋。まぁ、着物だ、とりあえず。ちなみに入手先は雲母ちゃんと面識があるドール好きの女の人。 「……私も着るのが条件。そう言われた」 「え、あぁそうか。じゃあとりあえずうちに行こうか。ちゃんと着...
  • お年玉ちょーだい!
    月「アメジストー」 ア「ん、なんだ?」 月「お年玉ちょーだいっ」 ア「断る」 月「むかっ、なんでよー。可愛い妹の頼みが聞けないのー?」 ア「子供じゃないんだからねだるな」 月「だってさっきちび達にあげちゃってすっからかんなんたもん」 ア「ほう、あげたのか」 月「あんなキラキラした目でねだられたら断れないわよ」 ア「とかなんとか言ってこの残った点袋は何かな?」 月「!!!」 ア「しかし月長石もあげたのに私からはなし、というのはまずいな。子供達は?」 月「外で凧上げしてるわよ」 ア「では渡してくるとするかな。点袋使わせてもらうよ。筆はどこにしまったかな…」
  • 宝石乙女の初詣
    「さて、どの帯にしましょうか…」 「これなんてどうですか?」 「あら、いいチョイスね、ペリドット。じゃあホーちゃん、ちょっとキツいけど我慢してね…」 「は、はい」 「月長石にはどのかんざしがいいかしら」 「なんか今日のペリドット楽しそうね」 「こうやって真珠姉さんのお手伝いをするのも久しぶりだから。それに可愛い妹のためだもの」 「へ?あ、あたしのこと?」 「そうよ。イタズラばっかりでも貴女も私の大切な妹よ」 「それならもうちょっとお仕置き手加減してくれてもいーんじゃないのー?」 「それは駄目。可愛いからこそちゃんと叱ってあげないと」 「ちぇー…でもなんかそういうこと言われるのって照れくさいな…」 「ふふふ。はい、出来上がり」 「こっちも出来たわよ。さて次は瑪瑙達ね…」 「ホープよく似合ってるじゃん」 「月長石もよく似合ってますよ」
  • 虎目石の逆襲
    「さて、この街近辺でここ数日、イタズラ公認と称してイタズラを続ける 少女が現れるという事件がありました」 「ふぉらめぇーっ!」 「何? 姉さん」 「ふぁんふぇふぁふぁしふぁひぶぁられふぇるほよぉーっ!!」 「何で縛られてるか? それはもちろん、犯人が姉さんだから。さて、 姉さんはふぁと何回言ったでしょうか?」 「ふがーっ!」  ハロウィンの日は、毎年気が滅入る。  トリックオアトリックの精神で暴れ回る姉さんを、止めなければならないから。  特に、姉さんもこの日は特に気合いを入れたイタズラを行う。ある年のハロウィンは それがあんな事に発展してしまうし……ブギーマン、怖い。 「という訳で、今年は私のハロウィンに付き合ってもらう」 「ふぉろけーっ、ふぁるふつわはふへーっ!」 「解いたら逃げちゃう。猿ぐつわは外してあげる」  姉さん...
  • ちょっと嬉しい? すれ違い
      夕方。 「早く帰らないといけませんね」   スーパーの自動ドアを抜けたところで、黒曜石が言う。   もうすぐマスターが帰ってくる。多分夕食は間に合わないだろう。   両手のビニール袋、中身は焼きそばの材料。   結構量は多い。荒巻辺りに手伝わせれば良かった。 「あ、雲母ちゃんあれ」   そう言って指差す先。 「たい焼き屋か」 「はい、ちょうど今出来たところみたいですね」   そういえば、スーパーに入ったときに店のおじさんが忙しそうにしていたのを思い出す。 「そういえば、最近食べてないってマスターが言ってましたね」   ……確か、最後に食べたのは1ヶ月前か。   あのとき初めて食べたが……あんこが詰まってておいしかった。   でもクリームの奴も捨てがたい。 「……雲母ちゃん、食べたいですか?」   黒曜石は鋭い。いくら隠していても顔を見られたらすぐばれてし...
  • ずーっと一緒の秘訣は?
      情けない。   体調管理はしっかりしているつもりだったのに、今日はやけに体がだるい。   頭もぼんやりしているし、所々関節も痛い。完全に風邪を引いたかな……。 「ママー?」   でも、ソーダのご飯用意して今日も仕事行かないと……うぅ、足取りがおぼつかない。 「ん……もう少し待ってね。すぐ作るから」   冷蔵庫……何、残ってたっけ……。   えーと……。   ――体が、何かに包まれてる。   布団? あれ、さっきまであたし起きていたのに……。   ……あ、時間はっ? 目覚まし目覚まし。 「……うわ、完全遅刻」   全身の力が抜ける。   いや、さっきからだるさのせいで力なんて入っていなかったけど。   風邪とはいえ、とんでもないことしてしまった……とりあえず連絡入れないと。   立ち上がり、壁に手をつきながら電話をかけにリビングへ。やはり足取りはどうも...
  • もしもイタズラするとしたら
    「トリックオアトリートォーっ」  夕食前。完成を待ちながら、何もせずにぼんやりとテレビを 見ていたところだった。  台所から聞こえる包丁の音に耳を向けていたら、明るい声と同時に、 背中に軽い衝撃が走る。 「……天、ハロウィンはもう少し先だ」 「えへー」  当日着るのであろう、ハロウィン用仮装に身を包んだ天。 去年とは違うな……狼の耳か? 頭上のは。 「マスタぁー、似合う?」 「ああ。というか、そういうのは本番まで取っておく物じゃないのか」 「だって待ちきれないんだもんっ」  首に絡めた天の腕に、離れまいと言わんばかりに力がこもる。  衣装に付けられた尻尾が本物ならば、きっと飼い主に懐く子犬のように 振っているんだろうな。  そういえば、去年はトリックオアトリートメントとか、とんちんかんなこと 言ってたな。今年はちゃんと言えたよ...
  • 怒った顔も愛らしくて
    「なっ、なんや、なんやこれはぁーっ!」   と、俺が10時間ならんで購入した某ハードのリモコンをテレビの前で振り回している化石ちゃん。一緒にやっている漬物石は慣れたものだ。暇があれば俺の相手をしてもらっているからな。 「化石ちゃん、そんなに慌てなくても大丈夫だからね」 「せやけどつーちゃんっ、うちこんなの初めて……あわわっ」   うーむ、なんだか見ているだけで面白いな、化石ちゃんの動きは。つーちゃんっていう呼び方も面白いけど。だがテレビに突き刺すとかはホント勘弁して欲しいな……そんな惨劇が起きないことを祈ろう。 「仲いいんだな、二人とも」 「はい、昔からの仲良しですよ」 「つーちゃんはうちの大親友やーとととっ」   昔からかぁ、いいなぁそういうの。   いいといえば、漬物石って遊んでいるときはホント子供みたいに無邪気なんだよな。本人に面と向かって言ったら赤面するだろうが、...
  • ほんとはちょっと心配です
    「……」 「窓の外なんて見てどうしたの?」 「いえ、紫陽花が綺麗に咲いてるなぁって思いまして」 「黒曜石が愛情を込めて育てた花たちだもんね」 「はいっ」 「でもこの雨だと、ちょっと心配なんじゃ?」 「大丈夫ですよ。あの子たちは強いのです」 「でも、明日は台風が来るよ?」 「だ、大丈夫です……たぶん」
  • もったいないこと
    月「そういやアメジストってさ、人にはドレス勧めるのに自分は着ないよね」 ア「なんだ突然」 月「だってなんかもったいないじゃん」 ホ「私もアメジストのドレス姿見てみたいです。きっと綺麗なんでしょうね…」 ア「…まあ色々あってな、こればかりはホープのお願いでも聞けないな」 ホ「そうですか…よければ理由を教えてもらいますか?」 ア「教えるほどのことでもないさ。ただの自分勝手な理由さ」 月「むー。あ、でも真珠姉なら知ってるかも」 ホ「だ、駄目ですよ。本人が話したくないって言ってるんですから」 ア「あー、その、なんだ、話したくはないんだが…聞かれて困るという話でもない…わけでもないんだが、その…」 月「うわー、こんなうろたえてるアメジスト初めて見た」 ホ「あ、あの、本当にいいんですよ?」 ア「…姉さんに聞いてくることは止めないよ。というよりあの人なら嬉々として話しそうだからな...
  • 付け耳じゃない!
     元旦の朝。  殺生石に年始の挨拶をして、郵便受けに年賀状を取りに行ったんだけど……。 「おーい、あけおめーっ」  と、インターホンも鳴らさずにドアを開けてきたのは、月長石ちゃん。  片手には紙袋を持って、その表情は相変わらず明るい笑顔。 「って、ちょ、脅かさないでって」 「えー、驚いたの? 相変わらず度胸ないのねー。おじゃましまーす」  さすがにちょっとは注意を。そんな僕の言葉を待たずして、家に上がっていく月長石ちゃん。  まぁ、今更だけど……はぁ。  そして月長石ちゃん。真っ直ぐと居間へと向かい、ドアを開く。 「あけおめーっ。殺生石いるー?」  って、殺生石なら目の前のこたつでミカン食べてるのに。  大体、月長石ちゃんが殺生石に用って。いつも怒られてばかりで、苦手じゃないのかな。 「ここにいますが。あまり大声を出さないで頂きたいのですが」  ミカン食べるのを...
  • 添い寝
    天「にゃぁーっ!?」 主「えぇいっ、飛び付いてくるな!」 天「えぐっ……だってだってぇ~」   晩飯時、テレビでは季節外れの心霊写真特集をやっている。   これは気のせいだろうと思う代物から、ちょwwwテラコワスwwwwwwな感じのまで、色々出てくる。   しかしこのちびっ子は……。 天「ひにゃぁーっ!!」   と、何か出る度にこの調子。予想はしていたが、ここまで怖がりだとは……。 主「天河石ぃ~、そんなにこえぇんなら見なきゃいいだろ? 鞄の中にでも入ってろ」 天「いやぁ~っ、一人になるのこわいー……」 主「……はぁ」   …………   俺は神や預言者ではない。   だが、この後……今こうして布団に入った後、何が起るかは大抵予想できた。   来るぞ、絶対来るぞ……。   ドアの開く音……ほら来た! 天「マスタぁ~……起きてる?」...
  • 虫取り網を持って
     うちのマンションの近所には、ちょっとした雑木林がある。何でも売れ残りの土地らしく、今も買い手はつかないとか。まぁ、子供たちの遊び場としても人気はあるし、このままでいいのかも知れない……いや、あたしとしては勘弁して欲しいところもあるけれど。 「ママー、ミンミンさんどこぉ?」 「んー? ミンミンさんはソーダじゃちょっと難しいかなぁ」 「えー……」  麦わら帽子に虫取り網とかご。かごの中には、蝶やバッタが数匹入っている。  夏服姿のソーダがあたしの顔を見上げてくる。ちなみに、この虫取りグッズは天河石のマスターさんからもらったものだ。 「じゃあ、肩車してあげるから。ほら、そこにいるよ?」  さっきからあたしの背後でうるさい鳴き声を上げてるセミを指差す。といっても、ソーダには見えないかな。木の模様に紛れているし、何しろソーダの身長の何倍も高いところにいる。 「えへー、た...
  • rainbow chaser
      ソーダ最近のお気に入りは、あたしが買ってきたクレヨン。   24色とちょっと多いので、小学校の頃は私も憧れたっけ。 「ぐーるぐーる……」   という訳で、あたしの隣でお絵かきに興じているソーダ。あたしは雑誌を見ながらぼんやりしている。   この子が絵を描くとちょっとした抽象画だから、時々なんだか分からない。   でも、それがソーダの絵の良いところのような気もする。何を描いたのかを考えるのが、結構楽しい。 「ママー、これー」   早速出来た絵を私に見せる。   今回は比較的分かりやすい。うちのベランダから見える街並みだと思う。   水色の空、白い雲、灰色のビル、色とりどりの住宅街。   子供とはいえ、しっかり見ているんだなぁ。   ……そういえば、今日は久しぶりに晴れたなぁ。 「ちゃんと窓に見えるの全部描いたんだ。すごいねー」 「えへへ、がんばったのー」   ...
  • ベビーシッター月長石
      その1 ソ「あー! うー!!」 月「あー! コラ! 紙からはみ出てるってば!!」 ソ「う~……えへっ」 月「もう、同時進行で消してくからね」 ソ「うーうー」 月「それあたし? もうちょっと可愛くない?」 瑪「月長石……? な、なにやってるの?」 月「へ!? べ、別になんもやってないわよっ」 瑪「まさか、ソーダ石にまで!?」 月「ちょ、ホントに何も」 瑪「じゃぁ何やってるのさ!?」 月「う、う……うわぁぁん!!」 ア「まぁ自業自得だな。日頃の行いの違いだよ」 月「……別にいいけどさ……」   その2 月「んー、暇ねぇ、何して遊ぼっかなー……あれ?」 天「えいっ、やっ、んっ……あぅー、また失敗」 ソ「かしてかしてーっ! てやっ!」  ごちっ ソ「あうっ! う~……」 雲「よしよし……」 電「ぐりーんだよー?」...
  • 居候、ときどき新妻
    「師匠、申しわけないのですが今日はそろそろ……」   向かいに座る師匠に一礼。今日は一日話し相手をしてもらった。 「まぁ、今日は早いのですね。もう少しゆっくりしていってもよかったのに」 「主が今日は早々に帰宅すると申していたもので。たまには風呂の用意でもしておこうと」 「ふふふ、いい心がけですね。そうした日ごろの努力が、殿方の心を掴むのですよ」 「っ、某は別にそんな……ただ居候としての勤めを果たすだけですっ」   相変わらず師匠は唐突に変なことを言う。これではこちらの身も持たぬ。   しかし…………喜んでもらえるだろうか。 「珊瑚?」 「……あっ、失礼しました。ではこれで……」 『そうした日ごろの努力が、殿方の心を掴むのですよ』   帰路の途中、先の師匠の言葉が頭を巡る。   別に某にそんなつもりは毛頭ない……ない、と思う。   それでも、やはり主には喜んで...
  • 縦読みってなーに?
    天「ねぇねぇマスタぁー、たてよみってなぁに?」   と、いきなりの質問を投げかけてくる天河石。   縦読み……ねぇ。考えるの正直苦手なんだが。 主「んー……例えばこう言うのだ   天河石って何であんなに子供っぽいんだよ?   河に流して捨てたくなるぐらいむかつくわ。   石頭だしな、ちびっ子のくせに。   だいたいなんでうちに来たんだ? 訳わかんねぇ。   いつでも出て行ってくれて構わないのになぁ……。   すててしまおうかなぁ……なんて思ったりして。   きらいなんだよ、あいつ。 こんな感じでな。考えるの苦手だからあまり上手くできてないかも……って、マジにするな! 泣くな泣くな!!」 天「えうぅ~……天河石、マスタぁーに嫌われちゃったよぉ……」   ………… 主「つまりだな、これを文章にして並べて、この縦の部分を読むとだ...
  • 冬の訪れ
     今年も冬がやってきた。  俺の住むこの村では、冬はとても厳しい。  一面真っ白な雪に重く包まれ、家族で寄り添って過ごす。  冬支度の一つに、漬物作りがある。  短い夏のあいだに採れた野菜を、冬の間の栄養源として蓄えておくのだ。  俺は、この準備が密かに楽しみだ。  なぜって、彼女に会えるから。 「よう、つーちゃん」 「あ、こんにちわ」  村の誰よりもよく働き、小さな体で漬物壷を抱えて走り回る彼女。  僕らは『つーちゃん』と呼んでいる。 「今年も美味そうだなあ、一口……」 「食べちゃだめですよ、冬の蓄えなんですから。食いしん坊なところは、お父さんそっくりですよ」  ふふ、と笑って俺に壷を渡す。 「よう、つーちゃん。今年のたくあんはどうだい」 「ええ、いい漬かり具合になりそうです」 「おやおや、つーちゃん、寒いだろ。これかぶりな」 「はわわ、あり...
  • それはとっても甘くて
     家事も一段落付いた。  だが、この手持ちぶさたになる昼時の穏やかな時間は、どうも落ち着かない。やはり修行をするべきでは……。 「お姉ちゃんっ、何読んでるのぉー?」  と、背後から天河石が抱きついてくる。 「ん、洋菓子作りの参考書だ。クリスマスに合いそうなケーキの作り方を調べてる」  去年は、黒曜石の家でケーキは用意してもらい、某は当日の手伝いだけを行った。  そういう訳で、今年の事前準備……主題となるクリスマスケーキ製作の任が、某に回ってきた。ただそれだけだ。  だが、某の一言で、天河石の笑顔が明るくなる。当然ではあるが。 「わぁ、今年はお姉ちゃんが手作りするんだねっ。天河石もお手伝いするー」 「ああ、頼りにしている。さすがに一人で巨大なケーキを作るのは厳しい」  それに、どのみち某がダメだと言っても、駄々をこねるだけだろうし。 「えへへー。みんながびっくりするよう...
  • 赤いお花、綺麗なお部屋
      休日出勤で嫌々会社に出た日も終わり、家でゆっくりしようと思ったところ。   ……まぁ、母の日ってのは分かる。   分かるけど……。 「ママーっ、かーねーしょんっ」   何でうちのリビングいっぱいにカーネーションの鉢植えが?   仕事から帰っていきなりこれじゃあ、反応に困る。 「えー……なんて言ったらいいのかー……」 「黒曜石おねーちゃんにねー、いっぱいおすそわけしてもらったのー」   いやいや、いっぱいって言っても限度があるよ。   もしかして黒曜石ちゃん、内緒でお花屋さんでもやってるんじゃないだろうか。   それにしてもまぁ……。 「結婚せずに母の日祝ってもらうとか……なんか複雑かも」 「そんなことないわよぉ」 「ひっ!」   背後から胸を鷲掴み。 「【ソーダのマスター】ちゃんは結婚なんてしなくていいのぉー。あたしのいる余地なくなっちゃうじゃないー」 ...
  • お箸を使おう
     今日の晩飯は、白いご飯におでんと味噌汁、そして天の好物ハンバーグ。  そして、俺達三人の手には、それぞれ自分専用の箸。珊瑚の焼くハンバーグは 小さくて柔らかいため、箸でも十分食べられるものだ。  それにしても、箸というのは便利ではあるが慣れてない人には使いにくい代物だと、つくづく思う。 「天河石、また箸の持ち方が悪いぞ」 「あうぅー……」  珊瑚と天河石の、毎日食事時に繰り返されるやりとり。  天河石の手にある箸は、いつも通りバツ印を描きながら、危なっかしい 箸使いでおかずを取ろうとしている。  俺も、子供の頃は親にこんな感じで怒られた。天には悪いが、日本の子供が通るべき 宿命として、耐えてもらうとする。 「こら、刺して食べようとしない」 「えうぅ」 「だけど一応箸にはフォークとしての使い方も」 「そういう問題ではない」  思わずフォローしようと口を挟むも、...
  • ソーダと風邪
    ソ「ママぁー♪」 主「あわっ、もーいきなり抱きついて来たら危ないでしょ」 ソ「だってぇ……へくちっ」 主「ソーダ、風邪?」 ソ「かぜってなーに?」 主「風邪っていうのは、……ってそもそもソーダ達は風邪引かないんじゃ」 真「そうね、私たちは人間みたいに体の病気にはならないわ」 主「あ、真珠さん。こんにちは」 ソ「こんにちわーおねーちゃん」 真「こんにちは。でもね、心の病は人間と同じなのよ」 主「はぁ」 真「つまり、ソーダは今『心の風邪』を引いてるということかしらね」 主「『心の風邪』ですか……。それは薬で治るようなものじゃないですよね?」 真「そりゃあね。まあ、いつも以上にソーダと遊んであげれば良くなると思うわ」 主「わかりました。ソーダ、真珠お姉ちゃんも一緒に遊んでくれるって」 ソ「わーい♪ありがとーおねーちゃん♪」 真「そう...
  • 似顔絵を描きましょう
      顔と言えば、僕はよく顔つきが女性みたいだと言われる。   おとなしそうとか、人がよさそうとかじゃなくて、ストレートにそう言われてしまう。   そりゃまぁ、男らしくなりたいとは思う。けれど顔つきについてはなぁ……あぁ、天河石ちゃんのマスターさんが少しうらやましい。僕と違って男らしい顔つきだし。   とにかく、僕の顔はぱっと見て女性っぽいらしい。友人家族その他公認で。 「パパー、うごいちゃめーっ」   ちなみに、初対面で男の人と扱ってくれたのはソーダちゃんだけ、本当に。   今、僕はソーダちゃんの絵のモデルにされている。 『いろんなひとのおかおかくのーっ』   と言ってやってきたわけだが、その最初のターゲットが僕らしい。ちなみにこのあと殺生石。 「んーと……えへへー」 「わぁ、ソーダちゃん上手ー。ご主人様にそっくりだよー」 「……私は?」   ちなみに電気石も...
  • 乙女の秋
     事の始まりは、1時間前。  鶏冠石の屋敷に遊びに来た時のことだった。 「よく何とかの秋って言うよ……言いますねぇ」 「そうですわね」  ティーカップ片手に、あたしの話を聞く鶏冠石。  いつものことだけど、一つひとつの動作がおしとやかで羨ましい。 あたしみたいに叱られる事なんて、滅多にないんだろうなぁ。 「読書の秋、芸術の秋。わざわざ改まって秋にやる必要などないとは 思いますが、何かと行動を起こしやすい季節なのでしょう」 「ふーん……ねぇねぇ、鶏冠石はどんな秋?」 「口調に気をつけなさい……まぁ、無難に読書の秋でしょう。改めてやることも、 なかなか思いつきませんから」 「へぇ、趣味少な……ゴメンナサイゴメンナサイ」  今、鶏冠石の背中から赤いオーラが見えた気がした。 「……そういう貴女は、スポーツか食欲の秋なのでしょう?」 「え?...
  • 12月22日のこと
    「主、冬至が近いぞ」 「冬至ぃ? そんなのいちいち意識したことないぞー」   一人暮らしが長いと、こういうイベントなんてそんなモンだ。 「しかし主、こういうのはもう少し大切にした方がいいぞ。カボチャも食べられるし……」 「大切にするのは分かるが……って、珊瑚何か言ったか?」 「い、いや、何でもない。とにかくせめてカボチャぐらいは食べようじゃないか」   カボチャ、ねぇ……別に食いたい気分でもないが、とりあえず冷蔵庫をのぞいて……って、あるわけないか。最近買い物もしてないし。 「マスタぁーっ、何のお話?」   と、天河石がテレビからこちらへ興味を示す。 「カボチャだってさ」 「カボチャー? 天河石パンプキンパイ食べたいなぁ」 「お前はすぐにお菓子へ方向が向かうのな……」 「えへへー」 「パンプキン……カボチャパイ……お菓子か。よし、じゃあ今日はそれを作ら...
  • ママ? マスター?
      結婚なんてする気など、まったくない。今の仕事は楽しいし、特にいい男がいるわけでもない。自分で働いて、気ままな一人暮らしと洒落込みたかった。でも……。 「んーとぉ……ま、ま……ママー?」 「ママじゃなくてマスター。ちゃんと覚えてね」  どうしてあたしの家に、こんな小さな女の子がいるのだろう。どうしてママって呼ばれることになったのだろう……。 「いい加減慣れたらどうかしら?」 「そうは言いますけどね、あたしまだ未婚ですから……結婚もするつもりないし」   あたしの傍らで眠る女の子、名前はソーダ珪灰石。悩みの種筆頭候補。なぜか知らないけど、とある事情からあたしはこの子の保護者となった。   そして、一緒にお茶をしている……なんというか、不思議な人? 彼女は真珠さん。あたしがソーダを育てる手伝いをしてくれている。 「相手もいないし」 「それは貴女が探していないだけよ」 ...
  • 政治について
    虎「このあいだ、あるニュースで麻生太郎が   某大規模ネット掲示板に書き込みをしていると聞いた。   しかも本人が言ってた」 置「あー、まぁ、でもこれといって不思議ではないよね」 虎「むしろ、ロマンだよこれは」 置「は?」 虎「後の日本を担うかもしれない男がネット掲示板に書き込み、   それによる掲示板内、外の論争、激しさを増すマスコミの煽り。   これから眠れない夜が来そう」 置「だれか止めて・・・」    ◇   ◇   ◇ 化主「また消費税あがるかもしれないんだと」 化「んー、またつーちゃんのとこお世話にならんとなー」 化主「世話になりっぱなしだな・・・・」 化「こればっかりは、こればっかりはしょーがないんよ」
  • スネーク
    電「とーちゃく。たいさ?」 (意訳:目的地に到着した。大佐、指示を頼む) 天「うんうん。こそこそでごー♪」 (意訳:ここからが本番だぞスネーク。敵に見つからないように隠れて進むんだ) 電「りょーかい。───たいさ?(涙目)」 (意訳:了解した。───大佐、このドレスでは目立ちすぎてしまう。どうすればいい?) 天「よしよし。ぬぎぬぎしてがさごそだ」 (意訳:落ち着けスネーク。そういう時は服装を変更すればいいんだ) 電「りょかい。──だいじょぶ」 (意訳:わかった。──よし、大丈夫そうだ) 天「ん。そーっとそーっと…」 (意訳:よし、そのまま見つからないように進むんだ) 蛋「マスターーー!大変大変大変!お姉様と天河石がいなくなっちゃった!服を残して!」 主「えぇ!?」
  • 手のひらから始まる幸せ
      今日は月に一度の中掃除。普通の掃除と大掃除の中間ぐらいの規模ってわけで。一人暮らしの時はやっていなかったのだが、天河石たちが来てからは……まぁ、その、珊瑚がうるさくてな。 「マスタぁー、終わったよー♪」   押し入れの中から出てくる天河石。どうしてこんなところに入っていたかって、中の整理を一番小さいのにやってもらっていただけだ。 「おっし、じゃあこの部屋は終わりだな。次は向こうの……」 「主、台所の清掃、終わったぞ」 「お、さすが珊瑚だ。早いな」 「天河石は?」 「お前も充分早いよ。よく頑張ってる」   子犬のような幼い顔つきでこちらを見上げてくる。こういう顔を見ると、どうも頭を撫でてやりたくなるんだよなぁ。 「えへへ~」   と、気がついたらこうして天河石の頭に手が行ってるわけだ。そして、こういうときの珊瑚の顔もまた……。 「珊瑚も撫でて欲しいか?」 「む、い...
  • すっかり珍しくなりました
     子供は、雨も気にせず外で遊ぶ。男の子ならそれでもかまわないけど……。 「ピョンピョーン♪」  さっきから、レインコート姿のソーダが芝生を眺めている。カタツムリでも見つけたのだろうか。いや、それでピョンピョンはないか。というと、雨の中でも元気にピョンピョン……うっ。 「ママー、そっちにピョンピョンっ」  ソーダが振り返る。緑色の芝生に、ソーダが言うピョンピョンの姿は確認できない。でも、きっとアレなんだろうなぁ。アレなんだよねぇ……アレかぁ。 「ピョンピョーン♪」  明るい笑顔のソーダ。とりあえずあたしは芝生からアスファルトの遊歩道に出る。 「お、追いかけないで放っておこう? ピョンピョンさんも捕まったら嫌だ――」  ……あ、芝生に手を置いた。そのまま芝生の一部ごと手を持ち上げて、握り手の中身を確認している。 「えへー」  ……どーしてそんなに嬉しそうなのかな? で、その...
  • ツーテールともいう
      バイト疲れの残る日曜日。テンションも全然上がらない。   そんなときでも、この眼鏡ッ子は元気だった。 「マスタっ、ツインテールや!」 「……どこから見つけたんだよ、ツインテールのソフビ」   というかベタすぎるし。 「んー、やっぱ受けへんかったかぁ」 「それでグドンがいれば完璧なんだがな」 「うどん? うちも食べたいわぁ」 「今月は節約。うどん無理」   がっくりと肩を落とす化石。肩を落としたいのは俺も一緒だ……。 「それにしても、どうしてツインテールなんだ?」 「え? 今うちらの間で流行ってるんやで」 「……帰ってきたウルトラマンがか?」   グリコンダーとか、やたらと特撮が好きなのか、宝石乙女って。 「ちゃうちゃう、髪型の方や」 「髪型……あぁー、アレか。天河石ちゃんみたいなの」   天河石ちゃんのツインテールは本当に...
  • ジュエリーメイデン第2話
    「ふむ、それで俺に勉強を教えてほしいと」 「そうなんだよ。 今クーラーぶっ壊れてるから家じゃ集中できなくてさ。ってことで真次郎おま――」 「却下だ」 「これはひどい」  場所はとある公立高校。そしてクラスで昼食中。  んでもって昼食中、尚吾が黒曜石と運命の出会いを果たしたころ、兄の啓吾は友人と交渉にあたっていた。  結果は見ての通りである。 「神奈もつめてーよな。神って苗字なんだからそんぐらいつき会ってやればいいのに」 「苗字は関係ないだろう」 「僕もよかったら見てもらおうと思ってたんだけど……どうしてもダメかな?」  と頼んだのは寝惚け眼の、ちょっと太めの少年だった。  だが、神奈と呼ばれた眼鏡の少年はゆっくりと首を振った。 「ダメだ。めんどくさすぎる。どうしてもっていうなら焼肉一年分持ってこい」 「一年分の焼肉の摂取量が分かんねーよ」  そんな友人のやり取り...
  • 飾りつけも一段落
    ア「なんとか一段落ついたな」 月「疲れたー……」 天「あうー……」 ソ「すー……」 主「ソーダちゃん寝ちゃってるね……」 雲「お腹すいた……」 電「じゅーでん……」 ア「おやおや。じゃあ私はお茶を用意してくるよ。月長石はお菓子のほうを頼むよ」 月「りょーかい。じゃあそのあいだちびっ子たちの面倒よろしく」 主「ん、わかった」 主「いてててて!」 電「さらさら……長い……♪」 天「ほんとだー、すっごく長いー」 ア「……なんだいこの状況は」 主「な、なんか髪の毛気に入られたみたいで……で、電気石ちゃん、だから引っ張るのは……!」 電「まんぞく……♪」 主「いてて……」 ア「それにしてもなぜそんなに長いんだい?」 主「えと……入院生活が長かったもので……で、切るのも面倒くさくなってそのまま……」 ア「なるほど」 天「おにーちゃんあそぼ!」 主「へ? ...
  • 今日は気分がいい
     少し酔いの回った時は、夜の散歩に限る。 「マスタぁーっ、お月様まん丸ー」  俺の横で、天が空を指差す。  夜の散歩も、こいつがついてくるとずいぶん明るくなる。 「うさぎさん見えるかなぁ?」  月を見上げながら歩く天河石。すっかり足下がおろそかになっている。 「転ぶぞ」  そう言いつつ、天を抱き上げる。  お姫様抱っこの体勢だ、これなら月も見えるだろう。  ……過保護かも知れないが、今日は気分がいい。特別サービスだ。 「えへへー。マスタぁーあったかいね」 「俺は少し暑い」  とはいっても、この時期でも夜は涼しい。  昼間もこれぐらい過ごしやすい気温ならいいのだが、それでは夜風の ありがたみがなくなってしまうってモンだ。  ……ありがたみがなくなってもいいから、昼も涼しくなって欲しいかも知れないが。 「マスタぁー、どおしてお月様にはうさぎさんがいるのかなぁ?」...
  • ちょっとアンニュイ雨の日@虎置
    置「あー……急に降って来たわねぇ」 虎「姉さん、迎えに来たよ」 置「ありがとう虎眼……、って相変わらず変わった格好してるわね」 虎「……姉さん、その言い方だと私が常に変人みたいじゃない」 置「あは、ごめんごめん。それはポンチョって言うんだっけ?」 虎「うん」 置「まるで、てるてる坊主ね」 虎「……先に帰るよ」 置「ああ!?待ってよ虎眼~」
  • あこがれの海
    『これ、蛋白に渡してあげてねぇ』   帰り際に出会った爆弾岩さんに手渡された紙袋。   中身はもちろん見ていないし、教えてもらってもいない。気にはなるけど。   でも、蛋白石に手渡したとき、とても嬉しそうな顔してたなぁ。きっといいものなんだろう。 「ご主人様ーっ」   と、明るい声が居間に響いたのは夕食後。   食事を終えてすぐに隣の部屋へ籠もった蛋白石の、ふすま越しからの呼びかけ。   テレビを見ていた僕、そして殺生石と電気石が声の方向に振り返る。 「どうしたの?」 「えへへー、見ててくださいねー」   その一言と同時に、ふすまが開け放たれる。   現れたのはもちろん蛋白石……いや、え? 「……どうしたの、その格好」   正直、目のやり場に困った。   いつもより明るい笑顔を浮かべる蛋白石。その姿は普段の胸を強調したドレス姿ではなく、それよりさらに胸を強調する...
  • 我が家のサンタ
    「マスタぁーっ、クリスマスのプレゼントねぇー」  相変わらずのご機嫌っぷりで、俺の隣にやってくる天。  で、話題はクリスマスか……まぁ、もう12月だが。 「あー、そういうのはサンタのじーさんに言って……」 「違うよぉ。マスタぁーのね、クリスマスプレゼントだよー」 「俺? どういう風の吹き回しだよ」  いきなり何を言い出すかと思えば。  しかし、クリスマスプレゼントか……この年にもなると、どことなく照れくさい気も。 「マスタぁーはもう子供じゃないからぁ、サンタさんプレゼントくれないんだよね。だから天河石があげるっ。何か欲しい物あるー?」 「休暇」  ……沈黙。どうやらもらえないようだ。結構欲しいんだけどな。 「え、えぇとぉ、お、お休み? うー……お休み……」 「すまん、冗談だ」  その言葉に、天が不機嫌そうに俺の肩を叩く。ほどよい肩叩きだ。 「マスタぁーの意地悪ー...
  • 言伝
    「庭掃除の手伝い?」   部屋で寝る準備をしている最中、蛋白石がそんなことを頼みに来た。 「はいっ。あたりめのおばあちゃんの庭広いから、お手伝いするんですよー」 「おばあちゃんって、確か前にするめくれた?」 「そうですよー。一人暮らしで家事が滞りがちだから、時間のあるときにお手伝いしてるんです」 「そうなんだ……って、あまり世間と関わらないようにって言ってるのに……」   まぁ、困っている人の手伝いだから大目に見よう。   しかし蛋白石が困った人の手助けかぁ。なんというか、蛋白石らしい心がけだね。 「まぁ、そういうことなら喜んで手伝うけど」 「ありがとうございますー。殺生石と違ってご主人様は優しいですね♪」   殺生石が庭掃除なんて、少し想像できないかも。というか絶対やらないね。 「で、手伝いは僕と蛋白石だけ?」 「お姉様は約束があるからいけないって言ってましたから...
  • 歯磨き粉
     天は、歯磨きが好きだ。  虫歯になるはず無いのに……まぁ不思議な話だが、とにかく好きなのだ。 「はみがきぃー♪」  今日も、歯ブラシ片手にご機嫌な様子の天。  一体これの何が楽しいのか、俺にはちっとも理解出来ない。  まぁ、悪い習慣ではないから別にいいのだが。 「えへー」  相変わらずの笑顔で、歯ブラシの上に歯磨き粉を付ける。  ピンク色の、イチゴ味の奴だ。  次の日の朝。  休日ということで、いつもより遅い朝食を取っていたら、珊瑚が例の天の歯磨き粉片手に、 俺に話しかけてきた。 「なぁ主、最近天河石の歯磨き粉を使っているか?」 「はぁ? そんな訳ないだろぉ」 「そうか……いや、最近ずいぶんとこれの減りが早いと思ってな」  減りが早い?  確かに、共用している物でもないのに、最近月に何度か買いに行ってるような。 「...
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