19(ナインティーン)/ポール・ハードキャッスル
19(Nineteen)/Paul Hardcastle
ポール・ハードキャッスルは、10代の時に独学でシンセサイザーをマスターした、ちょっとすごい人。デビュー当時は出身地、ロンドンで活動していましたが、ロンドンでも1年間に4曲もヒットチャートに滑り込ませたことで話題に。ああ、そりゃこの曲もヒットするわけだ。
本曲は、
1985年に発表したシングル曲。ポップな音楽ですが、実はその裏には重いテーマが・・・。
それは、この曲名の「19」という数字。実はこれ、60年から75年にかけて問題となった、「ベトナム戦争」時の兵士の平均年齢のこと。歌詞にもあるように、第二次世界大戦時の兵士の年齢は26歳(だったはず)だったのだが、この戦争での年齢があまりも若いと、ポールはショックを受け、この曲を製作したそうです。主にこの曲は、ポールがショックを受けたABCのドキュメンタリー番組「ベトナム レクイエム」でのアナウンサーの声、当時の兵士(PTSD(心的外傷後ストレス障害)であった)のインタビューを加工、そこに女性ボーカルとシンセの音楽を合わせています。洋楽はよく「歌詞がわからなくてもいい」と言われますが、本曲のように、「歌詞を知ると興味深くなる」曲もあるわけです。「でも英語わからん」っていう人もいそうなのですが、実はこの曲には、「ジャパニーズエディション」と題された、日本語バージョンもあるんです。当時日本テレビアナウンサーだった、小林完吾氏がナレーションを務め、それをポール自身がアレンジしております。youtubeに動画あったはず。
※本家wikiによれば、この年齢を疑問視する声があるとのこと。
リンクされているサイトによれば、ベトナムに派遣された兵士の平均年齢は22歳だったようです。
意外とアルバムがない。代用です。
ちなみに、本曲のMVにも「ベトナム~」の映像を使用してますが、ABCに無許可だったようで、映像と音声の無断使用で訴えられ、さらにイギリスのアーティスト、マイク・オールドフィールドに、「『チューブラーベルズ』のパクリだ!」と訴えられました。ううむ・・・。
最終更新:2011年02月22日 21:48