学園の人々
過去の純光学園在校生にして現地縛霊。三十年以上前に存在した、過去の純光学園新聞部の最後の部長。
死後に幽霊として現界するものの、当初は自我らしい自我もなくただ学園内に佇むだけの亡霊に過ぎなかった。だが、みゃーこが二宮金次郎の像を増やしているところを目撃・激写したことがきっかけで自我が復活。他の能力持ちを集めて新聞部を復活させることを思い付く。
本人の遺体は旧部室棟から程近い場所に埋まっており、目印にアイスの棒が立てられていた。……が、公的な調査によってそれは彼女ではなく、彼女と同時期に新聞部に所属していた佐藤健太のものだったと判明。また、みゃーこが発見した彼女が所属していた当時の新聞部は彼女を含む全員が不審死を遂げるか行方不明になっていたことも明らかになった。
彼女自身は、自身の死の顛末についての記憶は極めて曖昧。三十年前の事件において、佐藤を犯人だと思い埋めたのは確かであるとのことだが、それ以上のことは思い出せていない。
岸田先生
風紀委員の顧問。詳細は不明。
八目 美穂
高校一年生。調理部に所属している。
今回の事件を追う上で、"パパ活"を行っている生徒として容疑者ラインに浮上した。
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2章「10日目」以降ネタバレ注意 |
噂は真実であり、実際に"パパ活"を行っていた。とはいっても性的な関係を持つものではなく、カフェやモールなどで共に過ごしたり、調理部で作成した料理をプレゼントするというもの。実際に関係を迫る人間といった不測の事態への対策として、周囲の友人も協力し影から監視してもらっている。
パパ活の代価としては、本を貸してもらう──という名目で、そこに挟まった『栞』、もとい日本銀行券を受け取っている。その性質上リピーターも多いらしく、様々な手練手管で人脈を増やすことで『収入』を増やしているらしい。
父子家庭であり、割と貧乏でもある。仕事はこなし、互いに愛情もあるものの、家庭のことについてはからきし……という父親を支えながら必死に過程を支えてきた経験が今の彼女を形作っており、それが矜持であると同時に助けられることへの恐怖もある。
ただでさえ貧乏な家庭なのに、この上高卒では行き詰まりが見えている……ということから現在は大学進学を志望しており、そういう意味でも金銭が必要な為にパパ活を開始した。
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引綱 亮二
緋乃人の友人。姥ヶ火の際に話を聞いた彼等とはまた一風変わった存在であり、色黒で髪の毛を脱色、金アクセといった所謂チャラ男。
複数の女子と関係を持っており、パパ活をしている女子生徒とも関わりがのではと緋乃人に情報を求められた。彼自身の周囲では「費用対効果に見合わない」という点でパパ活は避けることが多かったが、それでも近頃羽振りが良いと言われる八目についての情報を提供していた。
ちなみに、風体や素行のため風紀委員からはそこそこ目を付けられている様子。
御津地 カムイ
高校二年生で、実質的な風紀委員長。線が細く中性的だが、日本刀と形容されるような鋭さを持つ佇まいの青年。
小学生時代、苛められていたところを緋乃人に助けてもらうが、それがきっかけに緋乃人が苛められるようになってから彼の味方になることはできなかった……という過去を持つ。
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2章「12日目」ネタバレ注意 |
高校生になり再会してからも、それによって緋乃人から一定の距離を保つしかなかったが、それでも乱暴な言動や外見から誤解されがちな緋乃人を影から味方しており、彼が誰かを守っていた証拠を握りつぶそうとしていた相手には言い合いをしたこともある。同時に抗議したみゃーことは親交があるかもしれない。
最終的には緋乃人と互いに「避けていたこと」「過去に助けられなかったこと」を謝罪し合うことで、改めて親交を取り戻すに至った。
絡新婦である朱知の恋人。告白したのは彼からであり、彼女がもし異なる常識下でのトラブルを抱えていたらどうする、という緋乃人の問いに対しては「自分は彼女と共に背負う」ときっちり答えるなどその恋心は本物である模様。そしてその宣言通り、緋乃人との会話後に彼女から明かされた真実を受け入れて隠し事無しのラブラブカップルになった。
……ちなみに、カミングアウトに際しては妖怪等の事実よりも腐女子としての趣味の方に割と引いたらしい。
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メディア部の部員たち
信夜が顧問を勤めるメディア部の生徒たち。所属しているのは高校生だけで、男子二人・女子五人の系七人が所属している。新聞部にも負けず一癖も二癖もある集団だが、ダイスの目の優遇もあってその有能さは保証されている。
高森 双葉
一年生。マッシュルームカットにつぶらな瞳の、大人しい風のいかにも普通な女の子。
他のメディア部の面々に若干気後れしているところがあるが、根っからのゴシップ好きで一番口数が多い。警戒心を抱かれない性質から、校内のいろんなところから噂を拾ってくる。
三輪 めぐる
二年生。校則ギリギリの気崩しやファッションを狙うパーカー娘。気だるげな語尾が特徴。同じくパンクな衣装でいた雛代に一目置いている。
自称正義のハッカーであり、入れないサイトや入っちゃいけないサイトに入る能力を持っている。実際、今回の事件では掲示板でパパ活を募集しているアクセス先を突き止めた程。
四日 雄介
二年生。188cmもの長身で、いかにも生真面目といった風貌の男子。ややイケメンで隠れファンが多い。
見た目通りに真面目で、まじめに部活動している。奔放なメディア部員の箍ともいえる人物。
社会や政治への関心が強く、学校行事にも詳しい。メディア部新聞の中でコラムを書いている。
蒼風 さつき
二年生。明るい髪色をした見栄えのする美人。楽しそうだからという理由でメディア部に入った。
部は遊び感覚で、遊びに真面目な性分。結果として部の中でもかなり真面目な方。
部の中で唯一インスタをしていて、ファッションや流行の知識に長けている。
田中 陸
二年生。寝癖を髪型と言い張る系のごく普通の男子生徒。単純に楽そうなのでメディア部に入った。
真面目さとは縁遠く、普段は部のPCで騎空士をやっており、そのプロっぷりたるや顧問の頼みで周囲が調査に乗り出していようと謎の集団が部室にお邪魔しようと青箱を求め共闘を続ける程である。
しかし、雑学にサブカル、時事問題と幅広く知識を持っているので地味に重宝されている。
美也家 菜々
三年生。メディア部の現部長。ちょっと釣り目で、眼精疲労か近眼かによって目つきも悪い、と少し癖のある美人。
真面目に物事を始めたり終わらせることができる部員がいないので仕方なく部長をしている。
隠れて雄介と付き合っている……が、全員にバレバレ。
三年生。腐女子。もさもさ神に分厚い眼鏡。背が高いが猫背、とあまり見た目は良くない。
男が二人並んでいれば妄想を始めるような腐女子で、部のPCで原稿をしていたりする。本編内でも北上×緋乃人を妄想したりしていた。
ネット上での隠語や検索避けワードに詳しい。
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2章「11日目」以降のネタバレ注意 |
今回の絡新婦事件における犯人。そのものずばりの絡新婦その人であり、御年三百歳を超えるれっきとした大妖怪である。その名は伊達ではなく、力を発揮すればコンクリートの壁をやすやすと貫通するほどの膂力を持つことが出来る。
カムイから告白されたことで彼と交際しており、本人としても「絡新婦の能力でそう見えているかもしれない」という疑心はありつつも純粋に彼のことを慕っている模様。
だが、絡新婦という妖怪の「人に想われることで栄養を得て子を成す」という特性により避妊を欠かしていなかったにも関わらず妊娠してしまい、出産費用と栄養替わりの精気の吸収の為に……という動機で今回の事件を起こすに至った。
本来なら本田にこってり絞られて終わり……の筈だったが、本田さんにより迷惑料替わりとして新聞部の面々を「ひやり」とさせる為(そして信夜に学校側の処罰を仰ぐ為)に利用された。ちなみにこれは彼女にも知らされておらず、信夜に見つかった後は「彼から身の振り方を聞け」としか聞かされていなかった模様。
もしも子供やカムイと引き離される時には誰かを傷つけてでも逃亡していただろうという人外としての自覚もあり、仮にカムイに否定された時には本田に自分を引き渡してほしいとも願っていた。実際には彼には受け入れられ、見事ラブラブカップルとして成立したらしい。
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PCの関係者たち
本田 風助
信夜の旧友。
本人曰く実家の家業は「妖怪の駆け込み寺」のようなものらしく、来日したハミルトン家の両親からも挨拶されている。
現在は鬼無里市内で、こじんまりとした喫茶店を営んでいる。
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2章「11日目」以降ネタバレ注意 |
信夜経由で、新聞部に今回の絡新婦事件を持ち込んだ張本人。
信夜から新聞部のことを聞き、彼等がこのまま何の備えも無しに凶悪な異能と対峙することを懸念。ちょうど子供作りの件で問題を起こしたのを認識した朱知──大妖怪でありながら、よっぽどのことにならなければ危険性がないだろうと判断していた絡新婦をぶつかり合わせることで、彼等の危機感を煽ることを目的に「事件」として持ち込んだ。
結果の程はそれぞれの心の内だが、かくして流根子を除く新聞部の面々ともつながりを得た。特に千依に関しては、彼経由で身分とスマートフォンを得ることに成功しており、店をバイト先として用意することで彼女の学外での拠点も提供することとなった。
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賀田羽 穂村
緋乃人の母親。38歳。緋乃人には自分の事をママと呼ばせており、かなりの息子馬鹿であることがうかがえる。
ただ、息子に向ける愛情は深く純粋なものであり、過去に緋乃人が能力を暴走させた時には身を挺してそれを止めた上で、緋乃人がそんなことを起こすような状況を見抜けず防げなかったことを悔いていた。
それ以来、息子とは「普通の人とは喧嘩はしない」「困ったことがあったらすぐに自分たちに相談する」という約束を交わしており、緋乃人自身もそれを破ることは忌避している。
光園寺 良光
満衣の父親。
満衣に対しては、能力は否定しないもののそれ以上のこと──具体的には、彼女の中に眠る"彼女"のことなど──は何も語っていない。
三十年前、純光学園に教育実習生として赴任していた。その際、新聞部にある女子生徒との熱愛報道をすっぱ抜かれている。
菅原 天音
三十年前の純光学園の生徒。初等部から高等部まで純光学園で過ごしていた。成績は優秀、当時の評価から人付き合いもよく友人も多かったとのこと。
最後に発行された純光学園新聞の一面で、当時教育実習生だった良光との熱愛報道をすっぱ抜かれているが、それについては資料に残っておらず、特に問題なく学園を卒業している。ただ、大学進学は選んでいなかったようです。
過去の新聞部のバックナンバーを手にしたみゃーこによって熱愛報道を発見され、満衣に報告したところ名前も一致した為、彼女が満衣の母親その人だと考えられる。
榛名 楓/榛名 嵐
颯の二人の兄。楓が次男で嵐が長男。
下記の能力のせいで周囲から恐れ、または煙たがられていたところを、幼い末弟にだけは心から信頼を向けてもらえた……という過去からか、二人して極度のブラコン。具体的には頼まれ事をされるとすぐに行動してしまう程に彼に甘かったり、颯の髪を切る順番を兄弟間で取り決めしていたりする。
二人とも颯と同様烏天狗の遺伝子を移植、六神通に覚醒しており、楓は『他心通』──読心、ならびに暗示能力を。嵐は『天眼通』──絶対でこそないものの未来視の能力を、それぞれ持っている。
天眼通を活かし、幼い頃から諜報に関するオカルト研究の実働部隊で働いている。現在は兄弟ともども「黒の思惑」という計画に関わっているようだが……?
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二章「閑話」ネタバレ注意 |
当初は自分たちの日常を守る為、あえてその実力を隠し実用性が低い能力だと言い張って行動していた。だが、颯に『神足通』が発現し能力暴走の可能性が浮上した際、それにより閉鎖空間で隔離される可能性があることを知った彼等は、より精密な未来視ができることを公表。能力の実用性を明らかにし平凡な日常から遠ざかる代わりに、「颯が問題なく生きている」という未来を確約するという形で颯に人間としての生活を保障するよう要求した。
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榛名啓史/榛名籠目
榛名家兄弟の両親。
基本的には、良き親として息子たちを愛している。だが、古くから伝わる異能の力を用いたスパイ活動や対異能の専門機関、その研究部門に所属している為「使命の為に尽くすことこそ幸福」という価値観を持っており、それを子供たちに対して押し付けてもいる。
なまじ愛情はあるだけに、颯たちも憎みきることが出来ていないようだが……
野波 逢瀬
流根子の姉。現在は大学生であり、これでも彼氏持ちである。
幼少期から母親代わりとして流根子の面倒を見ており、彼女に純粋な愛情を注いだ数少ない人間。少々行き過ぎた部分もあるが、流根子側からもそれを嫌がられてはいない様子。
彼女自身に異能力は一切ない……が、妹相手には妖怪もかくやと言わんばかり、お前はどこの探索者だと言わんばかりの聞き耳を発揮する。
かつての新聞部員たち
愛文が死亡した当時の新聞部員。全員が死亡するか、今でも行方不明扱いになっている。
小林 沙奈
女子生徒。享年十七歳。死因は首吊りで、発見されたのは朝方だった。一見自殺に見えるが、遺書がないことや友人・家族共に自殺の動機に心当たりがなかったこと、そして何よりその後に起こったことを鑑みると事件性が高いと判断されている。
飯島 勝利
男子生徒。享年十八歳。死因は失血死で、遺体には刃渡り十センチ以上の刃物で二十八か所も刺された跡があった。発見者は運動部の生徒らで、先の事件の起こった当日の夕方に血塗れで倒れていたとのこと。
田島 幸助
男子生徒。享年十六歳。先の事件から四日後、踏切で電車にはねられ死亡した。警報音は鳴っていたものの音楽を聴いていた為に気付かず、遮断機も下りていなかったことが原因だとされる。この事件に関しては、偶発的なものであり他の事件とは関係ないのではないか、と関係者の中で意見が分かれている。
森嶋 昭子
女子生徒。享年十八歳。田島幸助が死亡した日の放課後から行方不明であったが、その二日後に学園のある山から流れる川の下流で死体として発見された。検死の結果、行方不明になった当日にはもう死亡していたことが判明した。遺体には右腕が無く、未だに発見もされていない他、死因は失血死で、川に落ちた際にはまだ存命していたとみられている。
刈谷 衛
男性教師。享年三十一歳。死因は校舎からの飛び降り自殺。森嶋の事件の翌日であり、連日の死亡事件に対して警察から八時間以上もの事情聴取を受けていたことから罪悪感とストレスで命を絶ったとも、真犯人であり逃げられぬと悟って死を選んだとも考えられている。
佐藤 健太
男子生徒。当時十五歳。刈谷の死亡の直後から姿を消し、行方不明となったうちの一人。警察等の調査により、愛文のものだと思われていた遺体は彼のものだと判明した。
犬居 良純
男子生徒。当時十七歳。行方不明になった生徒の一人。
伊志良 響子
女子生徒。当時十五歳。行方不明になった生徒の一人。
棚元 愛文
女子生徒。当時十八歳。行方不明になった生徒の一人にして現地縛霊であり、新聞部再興のきっかけを作った。詳しくは上記を参照。
最終更新:2019年09月21日 18:48