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術伝流一本鍼no.64 - (2016/10/26 (水) 12:51:59) の1つ前との変更点
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&color(green){術伝流一本鍼no.64 (術伝流・体得篇(4))}
&bold(){&size(24){&color(green){腰痛などに手足甲に刺鍼して操体鍼}}}&bold(){&size(15){&color(green){}}}
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#contents
*1.「手足の陽経に引く」:はじめの一歩
(2)、(3)でも書いてきましたように、鍼の基本は「手足陽
経への引き鍼」です。これを身に付けることが、鍼の世界で腕
を磨き術を養うことの「はじめの一歩」になります。
和方鍼灸の基本は、出ているツボへの鍼灸、つまり、阿是穴
治療です。以下の言葉に代表されます。
>「成書の経穴部位は、方角を示すのみ」(深谷伊三郎先生)
>「邪気ある時は何れの所にも鍼を用ゆ、
> 病なきは何れの穴にも鍼を禁ず」(『鍼道発秘』葦原検校)
そして、「引く」という言葉や考え方も、和方鍼灸には、よ
く出てきます。
>「鍼刺すに 心で刺すな 手で引くな
> 引くも引かぬも 指にまかせよ」(杉山和一検校)
>「鍼は邪気を退くるものなり」(『鍼灸重宝記』)
※手足末端に邪気を引いて患部から退ける
>「病さかんなれば まず遠き所より引く」(『鍼道発秘』)
>「邪気の至るや緊にして疾く 穀気の至るや徐にして和す」
(『杉山真伝流』皆伝之巻「鍼法察要」)
※邪気を引き終えると、真気が巡る
このような昔の人の言葉に象徴されるように、和方鍼灸の基
本の一つは、「手足の阿是穴への引き鍼」です。「体幹部の症
状を手足の阿是穴に鍼して引く」ということです。
そして、これは、自分の体幹部の症状を、自分の手足の出て
いるツボに引くことで、養生しながら練習が可能です。
他人の体の内側の現象は、自分のものよりも分かりにくいで
す。先ずは、自分の体幹部の症状を手足阿是穴に引きながら養
生し、じっくり刺鍼中の体の中の変化を味わってください。
杉山和一検校が書かれているように、いずれ「指に任せた」
鍼が打てるようになるための「初めの一歩」です。
*2.足の甲に下半身の症状を引く
前回は、肩など上半身の自分の症状を手甲に引く養生法を書
きました。今回は、腰など下半身の自分の症状を足甲の陽経側
に引く養生法です。
手甲は、全て陽経側でしたが、足甲は、違います。足の親指、
足甲1~2間は、陰経側です。足甲の陽経側は、2指から小指
までです。鍼の場合は、2~3間、3~4間、4~5間という、
2指,3指,4指,小指に繋がる骨の骨間に取ります。
体の前側の症状は、2~3間の出ているツボに引きます。横
側の症状には、3~4間の阿是穴です。後側は、4~5間です。
座位で、壁などに寄り掛かった姿勢が良いと思います。首な
どを動かしやすいからです。
その姿勢で、体幹部の症状に関係していそうな足甲のツボを
取り、刺鍼します。何か感じたら、それ以上は深く刺さないよ
うにします。
そして、鍼を抜く方向にほんの少し動かす感じで、弾鍼など
しながら、首など空いている所を動かし、イイ感じの姿勢を探
します。スムーズに動くようになったら、鍼を抜きます。
そして、刺鍼した所に変化があったか、症状に変化があった
か確認します。
*3.腰痛の場合
腰痛の場合は、重くなると座位も辛いかもしれません。そう
いう場合は、横向き寝などで、ラクな姿勢を探していく操体を、
しばらくの間、じっくりやった方がよいと思います。座位にな
れる程度なら、足甲に刺鍼しながらの操体鍼が可能です。
**3.1. 患側の足甲4~5間に鍼して操体鍼
座位で、患側の足甲の4~5間の地五会〜足臨泣あたりに出
ているツボを探して刺鍼します(写真1,2)。
&ref(DSCF5242.jpg)写真1
&ref(DSCF5244.jpg)写真2
前後屈制限なら、首を胸に近付けたり、天井に向けたりを、
ゆっくりラクな範囲で繰り返します(写真3,4)。置鍼して
手を離せるようなら、手首の掌屈背屈を組み合わせます(写真
3,4)。
&ref(DSCF5245.jpg)写真3
&ref(DSCF5247.jpg)写真4
首や手首の動きは、腰に連動しているので、寄り掛かった
ような姿勢で腰が余り動かなくても、十分に効果が出ます。
無理の無い範囲で動かすようにしてください。
刺鍼中に手技をしたい場合や、その時の押し手の感覚を味わ
いたい場合には、操体中も押し手は離さない方が良いと思いま
す。が、順番としては、先ずは、患部の症状の変化を味わう方
が先なので、初心者は押手を離してよいと思います。
捻転制限なら、首と手首の左右捻転を、ゆっくりラクにでき
る範囲で繰り返します(写真5,6)。
&ref(DSCF5248.jpg)写真5
&ref(DSCF5249.jpg)写真6
やりにくい方角は無理せず、やりやすい方を余分にする位で
良いです。操体の考え方ですね。
どちらもスムーズにできるようになったら、止めて、鍼を抜
きます、そして、刺鍼した所の変化を確かめます。そして、立
ち上がって、症状の変化を確かめます。
**3.2. 左右手甲4~5間に置鍼して操体鍼
3.1.でラクに立てる位に改善したら、左右手甲4~5間に置
鍼して操体鍼をします。余り無理なく立てるようなら、初めか
らこちらをしてもよいです。
先ず、手足甲4~5間に出ているツボに置鍼します(写真7)。
&ref(DSCF5262.jpg)写真7
ゆっくり無理のない範囲で、前後屈(写真8,9)や左右捻転
(写真9)をしてみます。
&ref(DSCF5257.jpg)写真8
&ref(DSCF5258.jpg)写真9
&ref(DSCF5260.jpg)写真10
この時、そういう動作がやりやすいように体重移動も付け加
えると、より操体らしくなりますし、効果も出やすいです。
*4.膝
**4.1. 足甲4~5間置鍼しながら脹ら脛の指圧
患側の足甲4~5間の地五会〜足臨泣の当り、および、足甲
1~2間の大衝の辺りに出ているツボに置鍼します(写真11、
12)。
&ref(DSCF5263.jpg)写真11
&ref(DSCF5266.jpg)写真12
これは、膝の痛みの原因となる、脹ら脛のツボに経絡的に対
応したものです。
脹ら脛の外側の下委陽〜飛揚〜外丘のラインや、中央の承筋〜
承山のラインには、地五会〜足臨泣の辺りに出ているツボが効
果的です。
内側の下陰谷〜築賓のラインには、大衝あたりに出ているツボ
が効果的です。
巨刺の作用を考えれば、健側の足甲4~5間の地五会〜足臨泣
あたりにも置鍼するのもよいと思います。
その後、左右の手拇指を脹ら脛に回し、外側の下委陽〜飛揚〜
外丘のラインや、中央の承筋〜承山のラインや、内側の下陰谷〜
築濱のラインに出ているツボ(圧痛点)を指圧しながら(写真
13)、首を動かして、痛みの減る首の方向をさがします(写真
14)。
&ref(DSCF5269.jpg)写真13
&ref(DSCF5272.jpg)写真14
ツボが幾つか有れば、順番に指圧します。そして、その度に、
首を動かして痛みが減る姿勢を探します。違う姿勢で痛みが減
る可能性がありますから。
この場合も、どちらかの尻への体重移動を付け加えれば、よ
り操体らしくなりますし、効果も出やすいです。
**4.2. 手甲4~5間に置鍼、座位で立位で操体鍼
手甲4~5間に出ているツボを探して置鍼します。座位で、 膝
の屈曲伸展をゆっくりラクにできる範囲で繰り返します(写真
15,16)。椅子に腰掛けて、操体鍼してもよいと思います。
&ref(DSCF5275.jpg)写真15
&ref(DSCF5276.jpg)写真16
手甲4~5間に置鍼したまま立ち上がり、ゆっくりラクにでき
る範囲で足踏みします(写真17)。
&ref(DSCF5279.jpg)写真17
この時、上げやすい方の足はより高く上げ、上げにくい方の
足はしっかり踏ん張ると、より操体らしくなりますし、効果も
出やすいです。
また、対角刺の効果も狙(ねら)うのなら、左右両方の手甲
4~5間に置鍼したまま操体鍼してもよいと思います。
*5.足首捻挫に、対角/上下/左右反対側に置鍼して患部を動かす操体鍼
座位で、先ずは、患部の対角反対側の手首に出ているツボを
探して置鍼します。そして、患部の足首をゆっくりラクに動か
せる範囲で動かすことを繰り返します(写真18)。
&ref(DSCF5287.jpg)写真18
次は、患部の上下反対側の手首に出ているツボを探して置鍼
します。そして、患部の足首をゆっくりラクに動かせる範囲で
動かすことを繰り返します(写真19)。
&ref(DSCF5293.jpg)写真19
そして、その次は、患部の左右反対側の足首に出ているツボ
を探して置鍼します。そして、患部の足首をゆっくりラクに動
かせる範囲で動かすことを繰り返します(写真20)。
&ref(DSCF5298.jpg)写真20
いずれも、どちらかの尻への体重移動を付け加えると、より
操体らしくなりますし、効果も出やすいです。
また、椅子に腰掛けてした方がラクなことも多いと思います。
その場合には、椅子に腰掛けて操体鍼するようにしてください。
*6.おわりに
貼る鍼とかが無い場合には、患側の小指(第5指)と隣の指(第
4指)の爪に、カッターなどで軽く☓印を描き(痕が残る程度に
傷つける,ただし爪が割れる程度では無く,表面に軽く痕が残る
程度)、首を前後屈したり、左右捻転したり、脹脛を按摩指圧
したりするのも効果的です。
姿勢は、座位でも良いし、患側を上にした横向き寝でも良い
です。
次へ>>>[[術伝流一本鍼no.65]]
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>>>目次へ・・・・・・・・・[[術伝流一本鍼(あ)]]
>>>このページのトップヘ・・[[術伝流一本鍼no.64]]
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術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」
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-----
*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。
くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。
よろしくお願いします。
**感想・間違いなど
感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。
よろしくお願いします。
**「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集
「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。
参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。
よろしくお願いします。
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*1.「手足の陽経に引く」:初めの一歩
(2)、(3)でも書いてきましたように、鍼の基本は「手足陽
経への引き鍼」です。これを身に付けることが、鍼の世界で腕
を磨き術を養うことの「初めの一歩」になります。
和方鍼灸の基本は、出ているツボへの鍼灸、つまり、阿是穴
治療です。以下の言葉に代表されます。
>「成書の経穴部位は、方角を示すのみ」(深谷伊三郎先生)
>「邪気ある時は何れの所にも鍼を用ゆ、
> 病なきは何れの穴にも鍼を禁ず」(『鍼道発秘』葦原検校)
そして、「引く」という言葉や考え方も、和方鍼灸には、よ
く出てきます。
>「鍼刺すに 心で刺すな 手で引くな
> 引くも引かぬも 指にまかせよ」(杉山和一検校)
>「鍼は邪気を退くるものなり」(『鍼灸重宝記』)
※手足末端に邪気を引いて患部から退ける
>「病さかんなれば まず遠き所より引く」(『鍼道発秘』)
>「邪気の至るや緊にして疾く 穀気の至るや徐にして和す」
(『杉山真伝流』皆伝之巻「鍼法察要」)
※邪気を引き終えると、真気が巡る
このような昔の人の言葉に象徴されるように、和方鍼灸の基
本の一つは、「手足の阿是穴への引き鍼」です。「体幹部の症
状を手足の阿是穴に鍼して引く」ということです。
そして、これは、自分の体幹部の症状を、自分の手足の出て
いるツボに引くことで、養生しながら練習が可能です。
他人の体の内側の現象は、自分のものよりも分かりにくいで
す。先ずは、自分の体幹部の症状を手足阿是穴に引きながら養
生し、じっくり刺鍼中の体の中の変化を味わってください。
杉山和一検校が書かれているように、いずれ「指に任せた」
鍼が打てるようになるための「初めの一歩」です。
*2.足の甲に下半身の症状を引く
前回は、肩など上半身の自分の症状を手甲に引く養生法を書
きました。今回は、腰など下半身の自分の症状を足甲の陽経側
に引く養生法です。
手甲は、全て陽経側でしたが、足甲は、違います。足の親指、
足甲1~2間は、陰経側です。足甲の陽経側は、2指から小指
までです。鍼の場合は、2~3間、3~4間、4~5間という、
2指,3指,4指,小指に繋がる骨の骨間に取ります。
体の前側の症状は、2~3間の出ているツボに引きます。横
側の症状には、3~4間の阿是穴です。後側は、4~5間です。
座位で、壁などに寄り掛かった姿勢が良いと思います。首な
どを動かしやすいからです。
その姿勢で、体幹部の症状に関係していそうな足甲のツボを
取り、刺鍼します。何か感じたら、それ以上は深く刺さないよ
うにします。
そして、鍼を抜く方向にほんの少し動かす感じで、弾鍼など
しながら、首など空いている所を動かし、イイ感じの姿勢を探
します。スムーズに動くようになったら、鍼を抜きます。
そして、刺鍼した所に変化があったか、症状に変化があった
か確認します。
*3.腰痛の場合
腰痛の場合は、重くなると座位も辛いかもしれません。そう
いう場合は、横向き寝などで、ラクな姿勢を探していく操体を、
しばらくの間、じっくりやった方がよいと思います。座位にな
れる程度なら、足甲に刺鍼しながらの操体鍼が可能です。
**3.1. 患側の足甲4~5間に鍼して操体鍼
座位で、患側の足甲の4~5間の地五会〜足臨泣あたりに出
ているツボを探して刺鍼します(写真1,2)。
&ref(DSCF5242.jpg)写真1
&ref(DSCF5244.jpg)写真2
前後屈制限なら、首を胸に近付けたり、天井に向けたりを、
ゆっくりラクな範囲で繰り返します(写真3,4)。置鍼して
手を離せるようなら、手首の掌屈背屈を組み合わせます(写真
3,4)。
&ref(DSCF5245.jpg)写真3
&ref(DSCF5247.jpg)写真4
首や手首の動きは、腰に連動しているので、寄り掛かった
ような姿勢で腰が余り動かなくても、十分に効果が出ます。
無理の無い範囲で動かすようにしてください。
刺鍼中に手技をしたい場合や、その時の押し手の感覚を味わ
いたい場合には、操体中も押し手は離さない方が良いと思いま
す。が、順番としては、先ずは、患部の症状の変化を味わう方
が先なので、初心者は押手を離してよいと思います。
捻転制限なら、首と手首の左右捻転を、ゆっくりラクにでき
る範囲で繰り返します(写真5,6)。
&ref(DSCF5248.jpg)写真5
&ref(DSCF5249.jpg)写真6
やりにくい方角は無理せず、やりやすい方を余分にする位で
良いです。操体の考え方ですね。
どちらもスムーズにできるようになったら、止めて、鍼を抜
きます、そして、刺鍼した所の変化を確かめます。そして、立
ち上がって、症状の変化を確かめます。
**3.2. 左右手甲4~5間に置鍼して操体鍼
3.1.でラクに立てる位に改善したら、左右手甲4~5間に置
鍼して操体鍼をします。余り無理なく立てるようなら、初めか
らこちらをしてもよいです。
先ず、手足甲4~5間に出ているツボに置鍼します(写真7)。
&ref(DSCF5262.jpg)写真7
ゆっくり無理のない範囲で、前後屈(写真8,9)や左右捻転
(写真9)をしてみます。
&ref(DSCF5257.jpg)写真8
&ref(DSCF5258.jpg)写真9
&ref(DSCF5260.jpg)写真10
この時、そういう動作がやりやすいように体重移動も付け加
えると、より操体らしくなりますし、効果も出やすいです。
*4.膝
**4.1. 足甲4~5間置鍼しながら脹ら脛の指圧
患側の足甲4~5間の地五会〜足臨泣の当り、および、足甲
1~2間の大衝の辺りに出ているツボに置鍼します(写真11、
12)。
&ref(DSCF5263.jpg)写真11
&ref(DSCF5266.jpg)写真12
これは、膝の痛みの原因となる、脹ら脛のツボに経絡的に対
応したものです。
脹ら脛の外側の下委陽〜飛揚〜外丘のラインや、中央の承筋〜
承山のラインには、地五会〜足臨泣の辺りに出ているツボが効
果的です。
内側の下陰谷〜築賓のラインには、大衝あたりに出ているツボ
が効果的です。
巨刺の作用を考えれば、健側の足甲4~5間の地五会〜足臨泣
あたりにも置鍼するのもよいと思います。
その後、左右の手拇指を脹ら脛に回し、外側の下委陽〜飛揚〜
外丘のラインや、中央の承筋〜承山のラインや、内側の下陰谷〜
築濱のラインに出ているツボ(圧痛点)を指圧しながら(写真
13)、首を動かして、痛みの減る首の方向をさがします(写真
14)。
&ref(DSCF5269.jpg)写真13
&ref(DSCF5272.jpg)写真14
ツボが幾つか有れば、順番に指圧します。そして、その度に、
首を動かして痛みが減る姿勢を探します。違う姿勢で痛みが減
る可能性がありますから。
この場合も、どちらかの尻への体重移動を付け加えれば、よ
り操体らしくなりますし、効果も出やすいです。
**4.2. 手甲4~5間に置鍼、座位で立位で操体鍼
手甲4~5間に出ているツボを探して置鍼します。座位で、 膝
の屈曲伸展をゆっくりラクにできる範囲で繰り返します(写真
15,16)。椅子に腰掛けて、操体鍼してもよいと思います。
&ref(DSCF5275.jpg)写真15
&ref(DSCF5276.jpg)写真16
手甲4~5間に置鍼したまま立ち上がり、ゆっくりラクにでき
る範囲で足踏みします(写真17)。
&ref(DSCF5279.jpg)写真17
この時、上げやすい方の足はより高く上げ、上げにくい方の
足はしっかり踏ん張ると、より操体らしくなりますし、効果も
出やすいです。
また、対角刺の効果も狙(ねら)うのなら、左右両方の手甲
4~5間に置鍼したまま操体鍼してもよいと思います。
*5.足首捻挫に、対角/上下/左右反対側に置鍼して患部を動かす操体鍼
座位で、先ずは、患部の対角反対側の手首に出ているツボを
探して置鍼します。そして、患部の足首をゆっくりラクに動か
せる範囲で動かすことを繰り返します(写真18)。
&ref(DSCF5287.jpg)写真18
次は、患部の上下反対側の手首に出ているツボを探して置鍼
します。そして、患部の足首をゆっくりラクに動かせる範囲で
動かすことを繰り返します(写真19)。
&ref(DSCF5293.jpg)写真19
そして、その次は、患部の左右反対側の足首に出ているツボ
を探して置鍼します。そして、患部の足首をゆっくりラクに動
かせる範囲で動かすことを繰り返します(写真20)。
&ref(DSCF5298.jpg)写真20
いずれも、どちらかの尻への体重移動を付け加えると、より
操体らしくなりますし、効果も出やすいです。
また、椅子に腰掛けてした方がラクなことも多いと思います。
その場合には、椅子に腰掛けて操体鍼するようにしてください。
*6.おわりに
貼る鍼とかが無い場合には、患側の小指(第5指)と隣の指(第
4指)の爪に、カッターなどで軽く☓印を描き(痕が残る程度に
傷つける,ただし爪が割れる程度では無く,表面に軽く痕が残る
程度)、首を前後屈したり、左右捻転したり、脹脛を按摩指圧
したりするのも効果的です。
姿勢は、座位でも良いし、患側を上にした横向き寝でも良い
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