「術伝流操体no.16」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

術伝流操体no.16 - (2010/08/04 (水) 13:24:08) の最新版との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

------ 術伝流操体・ラクな寝方をすこし強調 (5)仰向け膝立てない姿勢から皮膚と重さの操体 &bold(){&size(24){&color(green){仰向け膝立てない姿勢から}}} &size(9){ } &bold(){&size(24){&color(green){  皮膚と重さの操体}}} ------ #contents *1.はじめに  今回からは、うつ伏せ寝の操体です。まずは動きの操体から。  操体では、立位や座位で生活しているときの体の土台である下半身か ら整えていくので、足から目を付けていきます。  うつ伏せの場合には、膝を曲げても股関節を連動して動かしにくいの で、そういう格好、つまりうつ伏せ膝立ててからの操体が多くなります。 *2.うつ伏せ膝立ての姿勢から  ラクな姿勢を強調するという視点でいうと、うつ伏せの場合に目を付 けるのは、足首の甲側です。  その部分が布団などにピッタリくっついていて、足首から先がハの字 型になり親指同士の先端が近づいている形(写真1)をしていれば、足 を布団につけているほうがラクだと思います。 &ref(so17p01.jpg)写真1   逆に、足先が下腿の延長に来ている(写真2)場合には、足首の甲 側と布団などのあいだに隙間がある(写真3)ことが多くなります。 &ref(so17p02.jpg)写真2 &ref(so17p03.jpg)写真3  そういう場合には、足首を上げ、膝立ての姿勢のほうがラクなことが 多いです。隙間が大きければ大きいほど、その傾向は強くなります。  これは、脹ら脛の筋肉の中に緊張したままゆるまない部分ができてい て、アキレス腱を引っ張って踵を持ち上げようとしているからです。  操体でうつ伏せのときによくする検査で、お尻に踵を近づけるものが ありますが、足首甲側と布団などの隙間が大きいほうの足の踵がお尻に つきやすいことが多いです。  そういうふうに、うつ伏せに寝た姿勢で足首甲側と布団などに隙間が あれば、膝を立てた、くわしく言えば、膝を曲げて膝から先を立てた姿 勢(写真4)がラクです。 &ref(so17p04.jpg)写真4  いちおう、そういう姿勢がラクかどうか、言葉の通じる人には確認し てから、うつ伏せ膝立ての姿勢から始める操体をします。 **1)足首をお尻に近づける  定番の操体では、両方の踵をお尻に近づけていき、近づきにくいほう の足を伸ばす方法をしますが、この操体は操体の中でも難しいものです。  足を伸ばしてくる足首よりの下腿をもって、伸ばしやすいように少し 抵抗をかけながら支えてあげるだけでなく、途中から膝が浮いてくるの で、その膝もうまく支えてあげないと、タワメの間が決まらず効果も出 しにくいです。  それに、一般的に末端を胴体から遠ざける動きのほうが方向が広く分 散していくので、タワメの間の方向を決めにくいことが多いです。 ***I)きっかけからタワメに入るまで  それで、私はお尻に近づきやすいほうの踵をお尻にもっと近づけるこ とをきっかけにする方法をしています。  足を伸ばした状態で布団と足首の間隔が広かったほうがお尻につきや すいことが多いですが、そうでないこともあるので、調べてから、お尻 につきやすいほうを選んで近づけていきます(写真5)。 &ref(so17p05.jpg)写真5  足首よりの下腿を持って近づけていくのですが、お尻についてしまっ たら、そこで止めるのではなく、その動きを延長して強調するために、 その足の膝を少し持ち上げます。  手で持ち上げていると疲れるので、正座した操者の膝の上に膝枕のよ うに乗せてしまう(写真6)とラクです。 &ref(so17p06.jpg)写真6  そうすると足首から先が少し内側(反対側の足のほう)に倒れていく ことが多いです。  そういうときには、お尻につけている側の足の大転子あたりを少し上 に持ち上げぎみにして、反対側の足のほうに回転させるような動き(写 真7)を付け加えると気持ちよさが深くなることが多くなります。 &ref(so17p07.jpg)写真7 ***II)タワメの間のときにすること  息が深くなっているか、気持ちよさが感じられるか確認し、その姿勢 がタワメの間として続くように支え続けます。  言葉の通じる人には声をかけて、首を左右どちらに回すと気持ちよさ が増えるか聞いて、気持ちよさが深くなるように首を動かしてもらいま す。  両腕や反対側の足も気持ちよさが深くなるような格好を探してもらい ます。わずらわしくない範囲で。  受け手が姿勢を少しずつ変えていくのに合わせて、ちょうどよく釣り 合ったタワメの間になるように、操者も支え方を少しずつ変えながら支 え続けます。 ***III)終わり方  受け手が大きく姿勢を変えたくなるか、息が浅くなったり、気持ちよ さが感じられなくなるまで続けます。  言葉が通じない人の場合には、引き込まれるように感じられるときは 続けて欲しいというサインで、押し返すように感じられるときには終わ りにしてほしいサインです。 ***IV)両方とも近づけにくいとき  少し差はあるけれど両方の足ともお尻に近づけにくい場合などは、こ の操体はしないほうがよいです。そのときには、両方の足とも伸ばす操 体をしたほうがよいからです。 **2)足首をお尻から離す  お尻に踵が付きにくい場合には、お尻から足首を離していく操体(写 真8)をしますが、足は重たいし、この操体の誘導というか抵抗というか 支えというかは難しいので、私はあまりしません。 &ref(so17p08.jpg)写真8  仰向けのときとほぼ同じやり方で方向を決めたあとに皮膚の操体をす ることで代用しているので、皮膚の操体のところで説明します。 **3)立て膝から下腿を倒す(写真9) &ref(so17p09.jpg)写真9 ***I)きっかけからタワメに入るまで  うつ伏せ状態の大腿部にほぼ直角に下腿を立てた状態から足首を倒し やすいほうに倒していきます。  ラクに倒れるところまで来たら、上になっている足の延長の腰を少し 上のほうに回転するように持ち上げる(写真10)と気持ちよさが深く なりやすいことが多いです。 &ref(so17p10.jpg)写真10  曲げた膝の角度が直角より大きくなってしまうと気持ちよさがなくな りやすいので、直角よりも深く膝が曲がった状態を保つのがコツです。 ***II)タワメの間と終わり方  タワメの間のときにすることと終わり方は、足首をお尻に近づけると きとほぼ同じです。 **4)立て膝から足首を回す ***I)きっかけからタワメに入るまで  うつ伏せで大腿に対し直角に下腿を立てた状態で、下腿に対し足首か ら先も直角にします。  踵を片手で持ち、つま先側を回して足首を捻転し、捻転しやすいほう に捻転したままにすることをきっかけにします。  定番の操体では、受け手に捻転してもらい、操者が抵抗する方法でし ますが、ラクな寝方を強調するアプローチでは、操者が捻れやすいほう に捻っていくことをきっかけにします。  足の内側、親指〜土踏まず〜踵を結ぶラインと背骨のラインを比べる とだいたいどちらの側に捻転しやすいか予測ができます。  この操体は、仙骨あたりに響いていくという人が多いです。仙骨・骨 盤はじめ下半身の大きな歪みを修正するのに役立つようです。とくに女 性に喜ばれることが多いです。  両足いっぺんにすることもできます(写真11)が、両足ともに外側に 捻転しやすい人もいるので、片足ずつしたほうが無難です(写真12)。 &ref(so17p11.jpg)写真11 &ref(so17p12.jpg)写真12 ***II)タワメの間と終わり方  タワメの間のときにすることと終わり方は、足首をお尻に近づけると きとほぼ同じです。 *3.膝立てないで動きの操体  うつ伏せで膝を立てない姿勢からの動きの操体での定番は、いわゆる カエル足です。片方の足をカエルのように曲げて横に出し、片足は伸ば したままの姿勢のことです。  定番の操体では、受け手に膝を脇の下のほうに動かしてもらうのに対 して操者が足首近くを引っ張って抵抗する形を取ります。 **1)カエル足の姿勢を強調する ***I)きっかけからタワメに入るまで  ラクな寝方を強調する方法では、まずカエル足がラクかどうかを調べ ます。  歪みがない場合には、足の親指同士がくっつくように近づいている格 好(ハの字型)が多くなりますが、歪みが大きくなると親指が離れてい き、足首と布団に隙間ができていき、下腿の延長に足先がくるようにな ります。  そして、もう少し歪むとつま先が外側を向きます(写真13)。 &ref(so17p13.jpg)写真13  そういう状態のときには、足を伸ばしているよりも膝を曲げたほうが ラクですから、ラクに動かせる範囲で膝を曲げてもらうとカエルのよう な形になります。  そういう姿勢になったら、ラクな寝方を強調する方法では、お尻を曲 げている足の膝のほうに少し動かします。そして、曲げている足の親指 を支点に踵を持ち上げます。  両方を操者がしてもよいですし、どちらか片方を受け手にしてもらっ てもよいと思います。また、踵の下に座布団などを積んでしまうのもよ いと思います。(写真14) &ref(so17p14.jpg)写真14 ***II)タワメの間と終わり方  タワメの間のときにすることと終わり方は、足首をお尻に近づけると きとほぼ同じです。 ***III)注意すること  今までの経験では、定番のカエル足と同じように脇の下のほうに動か すよりも、いま説明したようにお尻を膝のほうに動かすほうが気持ちよ い場合が多いようです。  しかし、そうでない人もいるので、そういう場合には、その受け手の 気持ちよいと感じる動きを少し強調するようにします。  また、親指を支点に踵を持ち上げるよりも、爪先あげ、つまり、足の 甲を背屈させる動きが気持ちよいという人もいるので、踵を持ち上げる のがイイ感じではなさそうなら試してみてください。  さらに、ラクに寝た姿勢でつま先が外開きしない人でも、足先に左右 差があれば、この操体が気持ちよい人も多いので、試してみてお腹に息 がはいったり、気持ちよさが感じられるようなら、してみるとよいでしょ う。 *4.うつ伏せから、手の動きの操体  定番にはありませんが、うつ伏せから手をきっかけにする動きの操体 もできます。  目の付けどころは、肘の位置と首の向きです。うつ伏せで首が左右ど ちらかに向いている場合には、向いているほうの首の付け根から肩甲間 部がこっていて縮んだままで伸びにくいので、首がそっちに向いている ことが多いです(写真15)。 &ref(so17p15.jpg)写真15  ですから、首が向いている側の首の付け根から肩甲間部にかけてをよ り縮ませるような動きの操体をします。  いちばん簡単なものは、肘を持ち上げることです。うつ伏せの姿勢か ら肘を持ち上げると、肘を持ちあげたほうの首の付け根から肩甲間部が 縮みます。  喘息や花粉症の人は、首の付け根から肩甲間部にかけて古いツボが出 ていることが多いので、この操体を喜んでもらえます。 **1)肘を持ち上げる ***I)きっかけからタワメに入るまで  ラクな姿勢で寝ているときに、首が左右どちらを向いているかを確認 し、首が向いているほうの肘を持ち上げます。  この格好の場合には、基本的にはラクな位置に置かれた上腕の延長線 と背骨が交わるあたりのこりがいちばんひどいことが多い(写真16)の で、そのあたりがいちばん縮むように配慮しながら持ち上げます。 &ref(so17p16.jpg)写真16  持ち上げる高さは軽くスーッと持ち上げられる程度ですが、言葉の通 じる人には、どのくらいの高さがイイ感じがするか聞くとよいでしょう。  持ち上げたあとで、肘を頭のほうと足のほうへ動かしてみて、言葉の 通じる人が相手ならどちらがイイ感じがするか聞いて、イイ感じのする 方向を選びます。言葉が通じない人が相手なら、軽い力でスーッと動い ていく方向を選びます。  手で腕を持ち上げているのは疲れるので、高さや方向が決まったら、 受け手の頭のほうをむいて座り、受け手に近い側の膝を立てて、立てた 膝の上に受け手の肘を乗せてしまう(写真17)とラクに長時間持ち上げ 続けることができます。 &ref(so17p17.jpg)写真17  両手が空くので、余裕があれば、上げている肘の延長の手の指揉みを したり、首から肩甲間部の背骨の近くのいちばんこっているツボを指圧 したり皮膚ズラし(皮膚の操体)したりもできます。  なかには、上腕を肩より下げて寝るのがラクな人もいます。こういう 人の場合には、肩を起点に上腕と直交する線と背骨が交わるあたりをい ちばん縮めたがっていることが多い(写真18)ので、そこがいちばん縮 むようなタワメの間になるように操体をします(写真19)。 &ref(so17p18.jpg)写真18 &ref(so17p19.jpg)写真19 ***II)タマメの間と終わり方  タワメの間のときにすることと終わり方は、足首をお尻に近づけると きとほぼ同じです。  手がきっかけなので、反対側の手や両方の足を動かせたら動かしても らい、イイ感じが増えないか確かめます。 *5.おわりに  今回は、うつ伏せ寝がラクな場合の動きの操体を紹介しました。次回 は、うつ伏せ寝がラクな場合の皮膚や重さの操体です。    つぎへ>>>[[術伝流操体no.18]] ------ *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  症例を少しずつ増やして、ゆくゆくは深谷先生の「お灸で病気を治し た話」の写真入り版のような感じにしていきたいと思っています。  よろしくお願いします。 **感想など  感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。  また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、 養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。  よろしくお願いします。 **間違いなど  間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の 参加者を募集しています。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ 術伝流操体・ラクな寝方をすこし強調 (5)仰向け膝立てない姿勢から皮膚と重さの操体 &bold(){&size(24){&color(green){仰向け膝立てない姿勢から}}} &size(9){ } &bold(){&size(24){&color(green){  皮膚と重さの操体}}} ------ #contents *1.はじめに  先回は、仰向けで膝を立てた姿勢からの皮膚の操体を説明しました。 今回は、仰向けで膝立てない姿勢からの皮膚と重さの操体を説明します。 *2.仰向け膝立てない姿勢からの皮膚の操体 **1)足を曲げて倒している場合  この場合には、曲げている足の大腿部の上になっている内側の皮膚を 膝のほうにずらします(写真1)。 &ref(so16p01.jpg)写真1  治療院でバイトしているときなど、それだけだと患者さんから文句が きそうな場合には、あいているほうの手で関連するところを揉んだり押 したりしてもよいと思います。  たとえば、その足の脹ら脛とか。大腿の内側は陰経なので直接関係あ るのは下腿から先の陰経ですが、表裏対応もあるので陽経側を組み合わ せてもよいと思います。  そういうときにも、皮膚の操体がメインなので、皮膚をずらしたあと にできる張りを一定にたもつことを忘れないようにしてください。  曲げている足の位置によって、そのとき体が変えたがっている経絡が わかるので、厳密に言えば、その経絡のツボの指圧などを組み合わせる とよいのですが、違っている場合もあり、実際に指圧してみて患者さん の体の反応が深いところをするとよいと思います。  両方の足を曲げている場合には、両手で上になっている大腿内側の皮 膚を同時に膝のほうへずらしてあげればよいと思います(写真2)。 &ref(so16p02.jpg)写真2  どちらの場合にも、言葉に通じる方には声をかけて、首の向きをイイ 感じのほうに変えてもらったり、手を頭のほうに伸ばしたり体に沿わせ たりの中からイイ感じのほうを選んでもらったりすると、気持ち良さが 深い操体になっていくことが多いです。 **2)足を伸ばすかわりの皮膚の操体  動きの操体のときに説明した伸ばしている足を伸ばす動きの操体と同 じようにして、伸ばしていく方向を決めます。  まず足首を少し持ち上げ外に開いたり閉じたりして開き具合を決めた あと、足首を持ち上げたり下げたりして足を上げる高さを決めます。そ の方向が維持できるように足と床のあいだに座布団をつみます。高さが 低い場合には、操者のモモなどに乗せてもよいと思います(写真3)。 &ref(so16p03.jpg)写真3 ***I)足の裏側を伸ばす  足の裏側を伸ばすのと同じ効果を皮膚の操体で上げるには、アキレス 腱あたりの皮膚を踵のほうにずらします。この場合には足首を反らした 状態に固定しながらしたほうが効果が出やすいと思います(写真4)。 &ref(so16p04.jpg)写真4 ***II)足の表側を伸ばす  方向を決め高さを布団などで調整した状態から受け手の方の伸ばして いる足の大腿の上から外にかけての皮膚を内側に回しながら膝のほうに ずらし、下腿の内から下の皮膚を外側に回しながら足首のほうにずらし ます(写真5)。 &ref(so16p05.jpg)写真5  そうすると、その足を伸ばしたのと同じ効果が出せます。 *3.仰向けから首の皮膚の操体  この場合にも、動きの操体のときに説明した方法で首のシコリを見つ けられるとうまくいきます。  鎖骨の首側の窪みに指先を入れ、首の付け根を押してシコリを見つけ、 そこから頚椎に平行に頭のほうにたどって首のシコリを見つけます。シ コリの表面はペコペコへこんだ感じのことが多いです。 **1)首のシコリに皮膚の操体  見つけた首のシコリに直接皮膚の操体をします。シコリを見つけたら 押している指の力を抜いて、皮膚に軽く触れている程度にしてからズレ やすいほうにずらします(写真6)。 &ref(so16p06.jpg)写真6  四方八方にずらしてもよいですし、頚椎と平行の2方向、つまり頭の ほうと胴のほうにずらしてみてイイ感じのほうを見つけてから、それら と直角の2方向にずらしてみてイイ感じのほうを見つけ、それらを組み 合わせてもよいです。  あるいは、ツボの穴のあいている方向に沈ませる感じで皮膚を張って もよいです。このあたり言葉だけで説明するのは難しいですね。  そして、あいている反対側の手でシコリと同じ側の指揉みをすると効 果が出やすいです(写真7)。 &ref(so16p07.jpg)写真7  シコリが首の前側なら親指か人差し指、横なら中指か薬指、後ろなら 薬指か小指の指裏関節部のシワあたりを中心に揉みます。  首のシコリと、そのシコリのあるミゾをたどっていった鎖骨の首より のシコリ、その二つのシコリに同時に皮膚の操体をしてもおもしろいで す。また、後頭骨下縁のシコリや首の顎よりのシコリと組み合わせても よいと思います。 **2)首の動きの操体を皮膚の操体で  首を捻りやすく反らしやすい方向にラクに動かせる範囲で動かしても らいます。その状態で、首の皮膚にかるくふれてズレやすいところを探 し、手のひらや四指の先でずらしやすい方向にずらします(写真8) &ref(so16p08.jpg)写真8  もうおわかりと思いますが、動きの操体を皮膚の操体に変えていくの は難しくありません。ただ、動きの操体で使っている動きにつながって いくような方向に皮膚をずらしているだけです。  もちろん、その動きの操体が目標としているシコリがわかれば、その シコリの上の皮膚をずらしてもよいし、対角、あるいは上下、左右の連 動性を利用してもよいわけです。 *4.仰向け寝から重さの操体  両側のウムネ(腕と胸のさかいめのクボみ)、両側の腰骨に、順番に 操者の両手をかさねて当てて操者の体重をかけていきます。いちばんイ イ感じのするところにしばらく体重をかけたままにしておきます。  一番目と二番目に差があまりなかったら二つのところにいっぺんに体 重をかけてもよいと思います。 **1)肩のほうに重さを移す  肩のほうに重さを移すのがイイ感じの場合には、操者の正座した膝の 上、立てた膝の上、あるいは肩の上などに、受け手の両足の踵を乗せて もらうとよいです。  いちばんイイ感じのする高さを選びますが、高いほうがよいという人 が多いので、肩にかけてもらうことが多くなります(写真9)。 &ref(so16p09.jpg)写真9  定番の操体では膝の高さで踵を踏み込ませますが、それは体重を肩の ほうに移すためで、踵を置く位置を高くすれば自然に体重が肩のほうに 移るので、踵を強く踏み込む必要がなくなります。受け手の方がどちら がイイ感じかにもよりますが。 *5.おわりに  これで仰向け寝からの操体を終わりますが、わかりにくい点や疑問に 感じた点などありましたら、編集部宛にメールしてください(術伝HPで 読んでいる場合は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あて)。  よろしくお願いします。    つぎへ>>>[[術伝流操体no.17]] -----    >>>目次へ・・・・・・・・・[[術伝流操体(あ)]]    >>>このページのトップヘ・・[[術伝流操体no.16]]    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想など  感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。  また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、 養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。  よろしくお願いします。 **間違いなど  間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の 参加者を募集しています。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: