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腰の養生1(慢性期の型)
(1)はじめに
応急処置でなんとか歩けるようになったり、あお向けになれるく
らいになったら、腰痛も慢性期の養生の型を中心に治療する。
まずは、鍼のみで慢性期の型を中心に治療し、鍼のみでは変化が
おそいほど古いツボが見つかったら、灸や灸頭鍼を併用して治療。
ここでは、鍼のみで慢性期の型を中心にした治療を解説。
(2)全体の流れ
腰痛の慢性期の刺鍼手順は、基本的に慢性期の型をしていき、腰
に関連するツボが出やすいところになったら、くわしく観察し、て
いねいにツボをとり刺鍼し、うつ伏せから座位にうつるときに立っ
てもらい腰の動作鍼をして、そのあと、また慢性期の型にもどり、
座位で慢性期の養生の型を後始末までつづける。
腰痛以外の症状でも、基本的にこの手順をふむ。
そのため、あお向けになれることが前提になる。あお向けになれ
ないときには、急性期の応急処置をして、あお向けになれるように
して、つぎの治療のときに慢性期の型をする。あお向けで足を伸ば
すのがつらいなら、膝を立てたり、足を曲げたりしてもよい。
(3)くわしい手順
まず腹の古いツボを参考に左右どちらからはじめるか決めるので、
腰痛のある側と一致しないこともある。慢性期には、あお向けでの
刺鍼は、あくまで腹に古いツボが出ている側を中心に刺鍼する。
生理痛など内科的な症状がきっかけで腰痛になった場合でも、か
ならずしも腹にツボが出ている側と同じ側が腰痛になるとはかぎら
ない。同じ側に出るのは2/3くらいで、1/3は反対側に出たり、両
側に出たりする。
あお向けでは、ふつうに慢性期の型で刺鍼。手足のツボも、まず
は、腹のツボとの関係でさがし、腹をととのえることが大切。
つぎに、腰痛に関係するツボもさがす。出やすいのは足で、陰経
側なら内踝甲側の中封、内踝足裏よりの照海、陽経側なら外踝甲側
の丘墟、足の甲4~5間の地五会、足臨泣など。
うつ伏せでも、まずは、腹のツボとの関係で背のツボをさがし、
腹をととのえるのが大切。
うつ伏せで、背中の胸椎まわりを刺しおえてからは、腰痛のツボ
が出ていることがおおいところになるので、ていねいに観察。腰痛
のツボが出やすいのは、腰臀部の大腸愈、環跳、臀部中央。大腿部
の風市。下腿の下委陽、飛揚〜外丘、陽大鐘。
うつ伏せでの刺鍼をおえたら、座位になる前に立ち上がってもら
い、動作鍼。捻転制限と前屈制限。左右捻転の制限では、腰椎3番
の高さで横にツボ。前屈制限では、ツボは腰椎5番を起点にして、
背中側は1行線、臀部足裏側はその中央線上。制限動作でいちばん
伸びようとしているところにツボが出ていることがおおい。日常生
活に支障がない程度まで改善する。
動作鍼がおわったら座位になってもらい、慢性期の型のつづける。
肩首まわりを刺鍼し、必要なら胸上部から前頚部を刺鍼してから、
頭の散鍼と手の甲への引き鍼で後始末。
(4)理由
腰痛でも応急処置がおわったら慢性期の型を中心に施術するのは、
慢性期には、内臓関係などをはじめとして腹側のツボが関係してい
ることがおおいため。
肩の痛みのときに脇の下のツボの痛みが感じにくかったり、膝痛
のときに膝裏の痛みが感じにくかったりしたのと同じように、腰の
痛みにくらべて腹側の痛みは感じにくく、腹側の症状やツボをかば
うために腰にツボができて痛みが出ているとき(例:月経前症候群
の腰痛)に腰側のツボを消しても痛みが復活しやすい。
そのため、応急処置しても痛みが復活するような慢性期の腰痛で
は、腹側にツボが出ていることがおおいので、慢性期の型を中心に
治療して、腹側のツボを消していけば、腰痛の慢性症状は消えやす
くなる。
腰や腹に古いツボがあって慢性期の型をしても鍼だけでは変わり
にくい場合には、灸や灸頭鍼を併用。灸や灸頭鍼で古いツボを変化
させれば、比較的短期間で良くなることがおおい。
要点
① 腰痛の慢性期は、慢性期の型で患部を丁寧に
② 座位になる前に、捻転と前屈の動作鍼
③ 腰痛のツボは、応急処置とほぼ同じ(+腹)
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最終更新:2010年11月30日 07:46