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術伝流操体 [2]ラクな寝方をすこし強調 (12)ラク寝連続 例2.横向き丸まりから

横向き丸まりからの連続操体

1.はじめに

 ラクな寝方で連続して操体していくときに、よく見られる例
の2回目で、横向きに寝た場合に、上半身と下半身を同じ側に
したがる、いわゆる「横向き丸まり」型の人を実際に施術した
例です。

 しかし、先回も書きましたように、実際に連続操体した例な
ので、今まで寝方別繰体で解説してきたような比較的多い典型
的タイプと言うのとは少し違っていることもあります。操体ラ
イブという感じで見ていただきたいと思います。

 また、ラクな寝方になったら、先ず重さの操体から試してみ
ると言うのが原則の一つです。が、横向き寝の場合には、重さ
の操体から始めると言っても、重さと皮膚が合わさったような
感じでやっていくのが良いことが多いです。

 丸まりタイプの場合には、下半身と上半身の両方共に前、つ
まり、腹側に軽く重さを掛けながら、皮膚をズラしていくと言
う感じになることも、心に留めておいてください。

2.連続施術してみたら

1)横向き丸まりから

 「ラクな寝方になってください」といったら、写真1のよう
になりました。

写真1

 そこで、念のため、足指を少し痛くして逃げてもらいました
(写真2)。

写真2

 捻れ型か丸まり型か試しにやってみたら、丸まり型の方がイ
イ感じとのことでしたので、そのまま皮膚と重さのミックスの
操体を続けました(写真3)。

写真3

 しばらくしたら、ゆっくり畳に体の前側が近付いていき、結
局うつ伏せ寝になりました(写真4)。

写真4

 この点は、典型的な横向き丸まり型でした。

2)うつ伏せで下半身から

 うつ伏せでは、見た目にあまり変化がなかったので、定番を
順にすることにしました。爪先が外向きだったら、その状態を
強調するカエル足などをしたと思いますが、この場合、この時
点で爪先が両方とも内向きでしたので、省略しました。

 そこで、先ずは、いわゆる「尻叩き」で、踵が尻に着きやす
い方を少し余分に尻に押し付けるように置いてから、それを少
し強調するように、足首付近の皮膚を爪先の方に、ほんの少し
ズラして、イイ感じを味わってもらいました(写真5)。

写真5

 次に、いわゆる「うつ伏せからの膝倒し」をしました。試し
に左右に倒してみて、倒れやすい方に軽く倒れるだけ倒しても
らってから、上になっている足の足首付近の皮膚を、ほんの少
し踵の方にズラし、イイ感じが消えるまで続けました(写真6)。

写真6

 その次は、足首捻転を試してみました。これも、足首の近く
の下腿の皮膚をズラしてみて、イイ感じのズラし具合を見付け、
それを保ちながら、気持ち良い感じが消えるまで、じっくり味
わってもらいました(写真7)。

写真7

 以上で、下半身は、ほぼ整ったように見えたので、上半身に
移ることにしました。

3)うつ伏せで上半身

 うつ伏せの姿勢を見てみると、顔が右を向き、肘の位置が高
めで、右肩から右肩甲間部が凝っていそうな感じでした(写真
8)。

写真8

 そこで、先ずは、肘の持ち上げをやってみることにしました。

 肘を上げやすい角度に上げてもらって、上腕と直交する線上
の背骨脇を調べたら、肩甲間部に痼りが見付かりました。それ
で、その痼りに指圧しながら、経絡的に関連する指揉みも加え、
肘を適度になるようバランスさせながら上げ続け、充分にイイ
感じを味わってもらいました(写真9)。

写真9

 終えてから、ラクな姿勢を探してもらったら、仰向けになり
ました。

4)仰向けで上半身

 うつ伏せの時の右肩の周りの痼りが気になっていたので、右
肩の前側を調べたら、痼りが見付かりました。そこに皮膚操体
をしながら、関連する指の指反らしを付け加え、それぞれの良
い加減を見付け、それらが消えないように調整し続け、イイ感
じを充分に味わってもらいしました(写真10)。

写真10

5)仰向けで下半身

 肩の周りが弛んだ感じになったので、足を見たら、少し右足
が外に倒れ気味かなと思いました(写真11)。

写真11

 右足膝裏を調べたら、予想通り外側に痼りが見付かりました。
その痼りを少し痛くして逃げてもらう操体をして、痼りが痛ま
ない姿勢を見付け、イイ感じが消えないように少しずつバラン
スを取りながら保ち続け、気持ち良さを充分に味わってもらい
ました(写真12)。

写真12

 そして、足を見たら、まぁ良いかなという感じになりました
(写真13)。

写真13

 体全体を眺めても、まぁ良いかなという感じでした(写真14)
ので、仕上げに入ることにしました。

写真14

 もちろん、この辺りは、受け手の人に相談して、辛い所が残っ
ていれば、それを解消するための操体をする必要もあると思い
ます。

6)仕上げ

 頭の後ろで手を組んでもらい、捻転前後屈などでイイ感じの
組み合わせを選んでもらってから、体重を移しやすい方に移し
てもらい、イイ感じが消えないようにバランスを調整しながら
支え続けました(写真15)。

写真15

 その後、左右の手の指を、一本ずつ、じっくり揉みました
(写真16)。

写真16

3.おわりに

 この人の場合には、疲れていましたが、体の歪み自体は少な
かった感じです。そのため、比較的少ない数の操体で済みまし
た。

 もちろん、こういう場合でも定番を全て順番にしていくこと
もできます。が、先回も書きましたように、今は比較すると、
一つの操体をじっくり味わうことを好む人が多いので、必要も
無さそうな操体は省略した方が良い場合が多くなります。

 この辺りは、施術しながら受け手と相談して決めていくのが
良いと思います。しかし、操体に慣れていない人が受け手の場
合には、施術者側の判断で決めて良いと思います。

 次回からは、これまで、余り詳しく解説しなかった指先での
皮膚操体について、2,3回詳しく解説していく予定です。それ
で「ラクな寝方からの操体」を終え、その後、新章「操体で一
通り治療する」に入ります。

 「操体で一通り治療する」では、先ず、仕上げの座位からの
重さと指揉みを解説します。その後に、操体で一通り治療した
例を二つ(どちらも操体が初めてに近い人)紹介します。それ
から、ラクな姿勢が分かりにくい人、操体中にどんどん姿勢が
変わって行ってしまう人などへの対処法を解説していく予定で
す。


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最終更新:2016年09月02日 08:45