(4)約定魔術の開発について
約定魔術は非常に論理的な術式で構成されており、他の魔術界においては往々に存在する「理論はわからないがとにかく成功する方法」という物が約定魔術においてはまったく存在しない。 これは人工精霊による術の執行による副産物であり、術式の記述基盤が全て人の手によって作られたことで術の威力向上性を犠牲にして開発性・術の拡張性を重視した結果でもある。
またGPを交換することによりEGLに、術の擬似開発の環境をインストールすることが出来る。 開発の際に使うプログラミング言語の文法は数多くの世界にて存在していたC言語を基本としている。 特に制御構文やポインタ、構造体などはC言語を理解していればほとんど違和感なく使用することが出来る。
下は最も簡単な約定魔術術式の一例である。
#include <fire>
int main(void)
{
printf("%0",heat);
{
printf("%0",heat);
return 0;
}
}
include <fire>で火の人工精霊の力を借り、printf("%0"heat)で特に何の指定も無く熱エネルギーの付与、すなわち単なる発火現象を起こす。
int main(void)とreturn 0は関数の知識を習得した後に理解できる部分であり、[[詳しくは]]「約定魔術擬似開発入門」にて説明している。(別売2,980円)
このように開発された約定魔術は、完成された魔術式を議会に送ると厳正なる審査の上、正式な約定魔術として登録されることがある。 登録された魔術はそれを実際に習得した魔術師一人に付き一定の収入を得ることが出来、優秀な開発者は年収5000万を越えるほどにまでなるという。 また1年以上新規取得者が現れない場合は術がライブラリから削除され、再び議会に送って審査をされないと登録されない。 もちろん、何か特殊な事情でも無い限り、過去に削除された術が再び登録されることは無い。
また、開発者だけは自分で組んだ魔術式をEGLでコンパイルし、使用することが出来る。 約定魔術議会は「安全性が確認されていない魔術を使うのは大変危険である」として、(コンパイル機能は残したが)EGLで自作の魔術を使用する機能を削除した。 しかしその後に、とあるプログラマがEGLをクラック。自作魔術を使用する機能を非公式ながら実装させた。
約定魔術議会はこのプログラマを「重大な事故を引き起こす要因となった」として告訴しているが、未だこのプログラマは捕まっていない。 個人を特定する手がかりは、プログラムの末尾にコメント形式で書かれていた「eight ogre」という単語のみであり、今後も逮捕されることは無いであろう。